№563 週末九州旅行 3.ローカルバス路線を訪ねて、福岡へ
今回天気が良くなかったら人吉へ、と言うのには訳があります。
前回人吉を訪れた際、産交バスに「黒白」という所へ行くローカルバス路線がある事を知り、そのユニークなネーミングにも惹かれて、是非機会があったら行ってみたいと思っていたのです。
ただ、「黒白」の地名の由来はちょっと解からないままで終わってしまったのですが…。
前回書いた通り、一時期は鹿児島空港~人吉(産交)間を結ぶ空港バスもありましたが、現在は復活した熊本~鹿児島間の高速バス「きりしま号」が鹿児島空港~人吉ICを結んでおり、これを利用して人吉へ向かう事になります。
本来「きりしま号」は予約が必要ですが、空席があれば利用可能という事。
まあこの時間で満席で乗れないという事はないでしょう。
(予約は発車の1時間45分前までしか受け付けない。したがって今回のANA619便利用の場合、鹿児島空港についてからでは予約は不可)
空港9時45分発は南国交通の担当。
空席は十分にあり、次の人吉ICで早々に下車するため、本来は予備席という最前部の席に乗れました。
空港を出発すると、すぐに九州自動車道に乗って北上していきます。
溝辺SA付近。
吉松ICの手前。
昔ながらの田舎が存分に残っているように思えます。
この後全長6,260mの加久藤トンネルを抜け、人吉にはほぼ定刻に到着しました。
人吉ICから人吉駅まではタクシーを利用するつもりでした。
ところが予想に反し、ICのバス停付近にはタクシーの姿が全くなし!
考えが甘かった…。
人吉駅からの黒白行の発車時刻が迫っているし(10時58分)、といって歩きでは間に合いそうもない…。
しかし、幸い近くの病院に着いたタクシーが、人吉駅まで頑張って走ってくれて、かろうじて間に合いました。
駅にいる仲間に無線で、バスが発車していないかとか聞いてくれたりして、本当に感謝あるのみです。
とはいえ荷物をロッカーとかに預ける時間はさすがになくなり、すかさず現れた新車のポンチョに、全ての荷物を詰め込んで慌しく乗り込むハメになりました。
お客さんがあまりいないローカル線だから良かったようなものの…。
ポンチョはノンステップ部からは前方の景色が良く見えない事もあり、最後部に陣取る事にします。
このバスは人吉産交を始発とし、駅を経由した後は一旦人吉市内の中心部をグルッと回り、再度人吉産交の乗場に入って(駅は経由しない)、それから黒白に向かうと言う形態を取ります。
人吉産交で待機しているバスは、中型車でさえなくなってしまい、リエッセとかポンチョとかの小型車ばかり。
ケイビー?あたりから移籍の日産ディーゼルRNもいたりはしましたが。
一勝地まではJR肥薩線に並行するルートを取るのですが、堤病院の先から早々に狭隘区間を走ります。
渡小学校で神の瀬に行く路線と分かれると、球磨川を渡ります。
この先球磨川とJR肥薩線に挟まれる形で小道を行き、一勝地からは谷間の小道をひたすら登っていきます。
車内。
前方を見てお解りと思いますが、もはやマイカー同士でさえすれ違いは不可能な程の、スゴイ小道。
いちおう「人吉水俣線」という名前がついているのですが…。
もっともそのマイカーでさえほとんど通りません。
それゆえごくたまにカーブの向こうから車が現れると、ちょっとヒヤッとさせられるのですが…。
とにかくひたすら山間部の小道をグイグイ上ります。
沿線は独特な石積みの棚田とか、まばらだけれど昔ながらの集落が残されていて、ポンチョとはいえ、今ではほとんどなくなってしまったローカルバスの支線の雰囲気を存分に味わう事ができます。
久々に「当たり」のローカル線でした。
人吉駅から1時間弱、ついに黒白に着きました。
折返し場なんて気の効いたものはなく、ポンチョでさえ2度も切り返しを必要として向きを変える事になります。
以前もご覧頂いた、黒白の終点の付近の集落の佇まい。
小道はこの後一旦鹿児島県を経由した後、水俣に向かう事になります。
その先にも産交のローカル路線があるようですが。
黒白から下ってきて、一勝地からは再び左手に球磨川を見る事になります。
右手にJR肥薩線が走っている事になります。
とにかく産交バス黒白線は、今時良く民営バス路線で残っているよなあと思わせるローカル路線でした。
(もちろん補助金がかなり出ているはずだが)
土曜日でしたが、土休日も平日と同じ4往復が確保されているのも奇跡的かも。
とはいえ乗客は皆無ではないもののわずかだったし、いつ廃線になるか、良くても白ナンバーのワゴン車に置き換えられたりしてもおかしくない状況なのは間違いないでしょう。
「Sun-Qパス」で乗れる路線ですし、是非一度乗車をオススメしておきたいと思います。
人吉駅。
最近改装されたようです。
内部も改装され、観光案内所も入っています。
ちょうど<SL人吉>が到着した所で、観光客でごった返していました。
ただ一つ気になったのは窓口の営業時間で、3月12日のダイヤ改正時より7時50分~17時05分に短縮されたという事です。
いくらなんでも閉まるのが早すぎないか?
少なくとも<くまがわ6号>(19時31分)の発車までは開けておくべきではないか?
指定席もあるのだし。
運転の拠点だから全く駅員がいなくなる訳ではないが…。
駅前には城を模したからくり時計があり、13時になって大勢の観光客が楽しんでいます。
13時20分発の<くまがわ4号>で人吉を後にして、博多に向かう事にします。
やっぱり晴れて欲しかったなあ。
「じゅぐりっと号」とか走っていたんだけれど。
左は吉松行<いさぶろう>。
両方に乗車する乗客でホームは賑わい、駅弁のスタンドも出ています。
キハ185-1011の車内。
床が木目になっていますが、全体的には比較的シンプルかな。
それにしても、客室乗務員が乗務して検札やワゴンサービスを行なったりはしていますが、やはり「特急」で「ワンマン」とは、私鉄乗務員経験者としてはちょっと引っかかるかなあ。
また、これだけ車両も駅も改装され、客室乗務員もそれに合わせた制服をまとっていたりすると、そのワンマン運転士の制服がはっきり浮いて…と言うより、孤立して見えました。
いずれ運転士や車掌の制服もリニューアルされるのでしょうか。
(これも「ワンマン」運転が引っかかって見える理由でしょうか)
人吉駅のホームで購入した「鮎ずし」(900円)。
この後ワゴンサービスのアイスクリームやコーヒーを飲み食いしてひと時を過ごします。
球磨川沿いを快走します。
川の向こうに産交バスのリエッセが見えました。
神の瀬行です。
3月11日まで使われていた、新八代駅構内の新幹線ホームに接続する在来線の連絡線の跡は、架線柱が撤去された状態になっていました。
熊本駅前の市電乗場。
大きな屋根がかけられていました。
ここも曇り空なのが残念。
817系の鳥栖行。
ここは大牟田までの乗車。
大牟田からは西鉄で天神に向かいます。
今月一杯で仕様が終了する「よかねっとカード」を使い残していたためなのですが、実は大牟田から西鉄に乗り換えると、福岡のターミナルの違いはありますが、若干安上がりになるのです。
ここまで来て急ぐ必要もなかったから、とりあえず柳川までは普通電車に乗っていきました。
西鉄中島の信号所で、下り特急の通過待ち。
柳川からは特急で天神を目指します。
ところで後で知ったのですが、柳川では大関に昇進した琴奨菊の昇進記念式典が行なわれたそうです。
天神では駅近くのホテルに投宿しました。
明日の福岡は晴れ、と言う予報が出ています。
信じたい所ですが、どうなりますか。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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《今日見た・聞いた・思った事》
今度はトルコで大地震が発生してしまいました。
元々トルコも日本同様、時々大地震が発生する国というイメージはありました。
それにしても何回か書いていますが、今年はニュージーランド→東日本→タイ・ミャンマー国境→スペイン→アメリカ東海岸と、地球規模で大きな地震が相次いでいます。
天変地異の前触れ…なんていうのはあまりに安易に過ぎた話で、軽々に口を滑らせてはいけない事だとは思いますが、本当にどうしたことでしょう?
《今日のニュースから》
長崎県鷹島沖に元寇船らしき船底 映像を公開