№555 バスグラフィックvol.12(ネコ・パブリッシング)

「バスグラフィックvol.12」はこれまでの実績通り、先月末に刊行されました。
 ちょっと遅くなりましたがここで取り上げます。
 初めに新ローザに新エアロエース・ショートタイプMMと、立川バスの「リラックマバス3台目」
「リラックマバス」は、3台並んだ姿が裏表紙を飾っています。

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 メイン特集は《クローズアップ!みんなの都営バス》
 都営交通が100周年を迎えた事で各種刊行物が多く出版され、ネコ・パブリッシングも特に都電を中心に随分手がけてきましたけれど、バスで都営交通100周年からみははこれが初めてになります。

「はとバス3代目イメージガール」を起用した観光路線バスの旅とか、女性バス運転手のルポなどは、前号の東急トランセの代官山と同じで、ある程度一般受けを狙ったのでしょうか?
 都営バスの歴史では、「観光バス」「深夜急行バス」「2階建てバス」「銀ブラバス」など多彩なバスがあるのですが、ここではある程度一般的な路線バスに絞って特集が組まれているようです。
 相変わらず昔の都営バスの形式写真がふんだんに掲げられて、飽きる事はないです。
(もう少しメーカー・ボディ別に整理すれば良かったかも)
 初代「グリーンシャトル」車は、この後羽後交通や関東鉄道等に移籍していきますが、もうどこにも走っていないようです。
 都営バスの歴史上でも大事な車両だと思われるので、せめてどこかに廃車体位は残っていないものでしょうか?
 それにしても都営バスは、1980~1990年代位は、4メーカー並行導入はもちろん、同メーカーでも三菱ふそうはボディが三菱と呉羽、いすゞは川重(IK)と富士重を並行導入していたので、非常にバラエティに富んでいて、傍から見ていても楽しかった。
 その意味では、今の一括導入に加えて車種の統一(加えてUDの事実上の撤退も)が進んだ今の都営(に限らないが)バスは、確かに少々つまらなくなってしまったかも知れないなあ。

 一方テキストに関しては、「みんくる」「ゆるっ都バス旅」(表紙で出てきているのだし)について全く取り上げられていないのが少々物足なかった所。
 また、都営バスは「ラッピング広告」発祥の地だけに、その点についても触れられても良かった。
(個人的には好みではないが)
 マニアックな視点では、どうして早稲田〔営〕だけ、「視野拡大型」が採用されたのだろう?
(同じ呉羽ボディでも渋谷〔営〕には採用されていない)
 それに、そろそろツーステップ車(D・E代車)が全滅を迎えようとしていますが、その現況の記事があっても良かった。
 特にVol.9で特集されたKC-LR333Jが、渋谷駅を発着する〔渋88〕で運用されていて、文字通り異彩を放っているので。
(ただし休日ダイヤでは運用されない)
 他にも色々あるのだけれど、それだけ都営バスを掘り下げようとすると、それこそ何ページあっても足りなくなる、という事なのでしょう。
 海外で走る都営バスの記事もあるけれど、ここはスリランカが取り上げられれば良かったかも。
「東日本」と同じく、大津波からの復興支援で都営バスが大量に無償譲渡された事は、一般のニュースにも大きく取り上げられていますから。
 巻末には「都市新バス仕様」の一覧が並んでいるけれど、もう今は一部の車両のフロントのマーク以外に違いはないし、本来の専用車も一般系統に混用されている現状を見ると、都市新バスそのものの見直しも行なわれるべきかも知れない。
 
《おんたけ交通のエアロスター》は、前号の中央アルプス観光と同様随分マイナー … だと思ったけれど、新宿行高速バスもあるし、昔はもっと広範囲に走っていたと思っていたのですが。
 時刻表を調べ直してみると、例えば南木曽駅~妻籠・馬篭の路線は、今は南木曽町役場が運行している事になっていました。
 その「町営バス」便として、おんたけ交通のエアロスターが運用されているという事なのでしょうか。
(現在JTB時刻表上でおんたけ交通として運行されている一般の路線バスは、木曽福島駅~濁河温泉(夏)・チャオスノーリゾート(冬)線のみ)
 車両も大分カラーリングが変わっちゃいました。 
 巻末にその非冷房の初代エアロスターの折込ポスターが入っています。

 白黒ページの《トヨタの大型バス》では、トヨタのバスの製造が終了して行く過程が興味深い。
 逆にいすゞ・日野は自家用車の製造をやめている訳で、他の国は解からないけれど、日本ではマイカーと大型トラック・バスを同時に造るのは難しいという事なのでしょう。
 トヨタバスそのものではないが、山形交通は営業所が山形県内で13もあったのですか。
(今は5つしかない)

《北海道青春バス紀行》は第4弾になり、帯広のワイン交通、十勝バス、北海道拓殖バスに道南の苫小牧市営バスと道南バス。

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 特に帯広の十勝バスと拓殖バスが素晴らしいなあ。
 また、路線・貸切兼用車が多かった事の背景も、「なるほどなあ」と思わせました。
 もっとも今はこうは行かないでしょうが。
 ワイン交通はサンプルカラー?

 次号は、12月後半の刊行でしょう。
 どんなバスが出てくるでしょうか?

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