№534 バスラマインターナショナル127(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル127」は先月末発売になりました。
 少々遅くなりましたがここで取り上げます。

★各地の新車から
 今号は一般路線車は東急バス2点のみで、後は貸切・高速車になりました。
 その東急バスは共に、創立20周年(東京急行電鉄のバス部門の分社)を記念したレトロカラー復刻車。
「マーキュリー」カラーのエルガはあまり違和感を感じなかったですが、これは北海道のじょうてつが同じカラーで走っているからでしょう。
 キャプションにもある通り、これはまだトランセの現役の貸切車で使われているので、ここで使うにはまだ早い気もしますが…。
 東急バスではこの2点以外のレトロカラー(イラスト)を公式HP上で公開していますが(初代貸切塗装のレインボーⅡは先日見かけた)、キャプションに拠れば、この他に緑系の「ワン・ロマ」の「新色」があるそうな。
 どんなものなのだろう?

★特集 東日本大震災とバス Part2
「バスラマ」としては珍しく情緒的な(と本当は言ってはいけないが)被災地のカラー写真2点に続いて、各事業者や、初めてバスメーカーの工場の被災時の対応についての取材の記事。
 被害については、今更遠くに住んでいて被災もしていない者がああだこうだ言ってもしょうがないでしょう。
 阪神大震災の時にも感じた事だけれど、被災地から遠く離れた首都圏とかで震災の備えとか対応とかいいの悪いの好き勝手に言っているけれど、現場、特に岩手県交通の2営業所の記事を読んだ後では、そんなのは全く無意味な議論に思えてしょうがない。
(だって議論する連中は、直接痛い目にあっていないもん)
 それよりこの現場のレポートの記事の方が、よっぽどリアルで、緊迫感が漂っていたように思えました。

★あと半年…呉市営バスの走る道
 来年3月一杯で広島電鉄に譲渡されて姿を消す呉市営バスが、「バスラマ」でも改めて取り上げられています。
 今年3月に行った時に感じたのですが、呉市営バスは、思った以上に大規模な公営事業者でした。
 ローザの吉浦天応高地部線は、行った時にはまだ走っていた訳で、見に行くべきだったな…。
 受け皿の広島電鉄は、呉とはほとんど縁がないと思っていたのですが、以前は呉にも営業所を構えていたのですか。
 何とか事業廃止までにあと1回は行っておきたいと思っています。

★バス事業者訪問147 福井鉄道株式会社

画像

 今回は2社で、まずは福井鉄道。
 鉄道会社のバス部門ですが、思えば今や地方でも分社が進んで、「鉄道会社のバス部門」は少なくなりました。
 一般路線の路線網は、例によってもう千切れ千切れ。
 各エリアを結ぶ路線はもうないし、ローカル高速便は最初からないので、まとまりに欠けてしまっているのは仕方がないですか。
 輸送人員の推移(ちょっと間違いが多い)を見ると、つい10年前はむしろ嶺南の利用が嶺北を上回っていたのに、今はもう3分の1以下になってしまっている。
 小浜なんて、JR小浜線沿線では(福井県内では)敦賀に次いで大規模な町だと思っていたのに、一般路線はもうないみたい。
(かつては国鉄~JRバスの路線網もあったが、今では湖西線に接続する1路線だけ)
 福井鉄道バスのエリアには原子力発電所が4箇所(敦賀・美浜・大飯・高浜)あり、直接的にも間接的(自治体からの補助金とか)にも影響があると思うのですが、現状がどの程度経営や運行に影響を与えているのか、その辺の記述が何もなかったのがちょっと残念でした。
 軽々しくは言えないのかも知れませんが…。
 地元を巡るツアーは、特に地方の事業者には盲点だったかも。

★バス事業者訪問148 イルカ交通株式会社
 もう一社は運送会社が設立した新規参入事業者。
 名古屋に泊まって、翌朝名古屋駅前に来るとだいたいこの会社の高速バスがいて、「どんな会社なのだろう」とか思っていたものです。
 ユニークな社名は新規事業者らしいですが、ではなぜ「イルカ」なのか、という理由が解からなかったのが残念。
 今号では「2011バステクフォーラム」のレポートとか、あるいは小コラム記事で両者の新しい関係を模索する動きがいくつか伝えられていますが、名古屋線は定期路線、東京は「ツアーバス」形態と、両者を同時に運行する事業者としては、この問題をどう捉えているのでしょうか。
 名古屋線は名古屋のターミナルが少々弱いと思います(路上なので)。

★ドバイのバス 2011
 バス運賃は確かに凄く安そうだけれど、政策的に低く抑えるといっても限度があるでしょう。
 やはりオイルマネーの恩恵?
 アラビア語以外は、ヨーロッパそのものと言う感じの雰囲気が出ています。

 前号の奈良交通の「月1回のバス」は、やはり予想通りの系統でした。
 月1回は極端としても、週1回休日運行の系統だったら神奈川にもいくつかあります。
(例えば、川崎市営バス〔川55〕系統 江川町→小川町→川崎駅(東口)は休日片道1回)
 ただ、こういう「免許維持路線」は趣味的には面白くても、経営上ははっきり無駄なので、免許維持のためにこういう系統を作る必要があるのかどうか、議論も必要ではないでしょうか。

 次号は、バス事業者訪問はもう青森市営バスと予告が出ています。
 南海バスも旧塗装車が出るのですか?
 同社の公式HPには何もリリースが出ていないようでしたが…。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

******************

《今日見た・聞いた・思った事》
 実は今日、苫小牧から夕方の航空便で帰ってきました。
 休日の都合で昨日の夜に苫小牧に着いて、だから滞在は半日強に留まってしまったのですが。
 今日の苫小牧は朝方晴れていたので苫小牧市営バスの写真を撮影できたのですが、昼前から急に雨になってしまって、だから千歳で旅客機の撮影ができなかったのは残念でした。
「JAL嵐ジェット」なんて撮りたかったのに…。
 それにしても北海道・特に苫小牧は涼しかった。
 №517の「バスマガジンvol.48」では「北海道は非冷房車が多い」と書いてありましたが、なるほどなあと思いました。
 昨日の南千歳→苫小牧の731系なんて暖房!が入っていた。
 こういう所ばっかりだったら節電もいらないし、ひいては発電所も少なくて済むのになあとか感じたりもしました。
(最も真冬の暖房が大変だろうが)
 詳しくは後日書きます。

 そういえばJR東日本に続いて、首都圏の大手私鉄も、9日をもって基本的には節電ダイヤはほぼ終わりとなるようです。
(完全にではなく、一部はまだ間引きや短縮などもある。22日まで節電ダイヤ実施の路線もある)
 とりあえずヤレヤレなんでしょうが、これで「のど元過ぎれば…」になってはいけないでしょう。
 それが日本人の悪い所なので。

《今日のニュースから》
法政・明治・中央・日本女子大学 合同で就職面接会開催