№487 JTB時刻表2011年7月号(JTBパブリッシング)

 東北北部で比較的大きな地震があり、一時は津波注意報も出されました。
 一方関東地方は昨日は暑くなり、電力の消費量も一気に増えたそうです。
 東北も関東も、復興を感じるにはまだまだ時間がかかりそうです…。
 
「JTB時刻表2011年7月号」が、20日に発売になりました。
 表紙は255系の<わかしお>(外房線の土気~大網)。
 ただ、<わかしお>は節電のため運休が発生している(平日日中に運転される、東京~上総一ノ宮の<9・16号>1往復)のですが、本文の時刻表には何も注釈がありません。

 まずカラーグラビアは、「豪華カーフェリーで 感動の船旅へ ニュー『いしかり』デビュー」と題して、3月に名古屋~仙台~苫小牧に就航した、太平洋フェリーの新型船について紹介しています。
 先代「いしかり」の代替で、2010年6月号の「新のりもの風土記シリーズ114」で取り上げられていた、「きそ」の僚船になります。
 総トン数は15,762tと、これは「きそ」とほぼ同じ。
「きそ」の時にも書いたけれど、鉄道ではもう豪華列車が新たにデビューする可能性がほとんどないと思うので、これからはフェリーにも目を向けても良いのではないでしょうか。
 首都圏発着の航路でこういう船があったら乗ってみてもいいな。
 ただ、ここには何も書かれていないけれど、この航路も仙台港が被災して、今月6日より通常ダイヤに復帰したばかりとの事。
 売り物のラウンジショーは7日から再開という事でした。

◆ ダイヤに輝く鉄おとめ 第54回
 いよいよ裏方さん、車両の整備部門で働く方が登場する事になりました。
 JR西日本・日根野電車区の整備担当(職名がわからないが…)の方です。
「車は誰でもさわれるけれど、電車はそうそうさわれないからかっこいいやん」とは、頼もしい事を言ってくれるものです。
 でも2005年4月入社と言う事は、その直後にあんな事故がありましたから、さぞやショックも大きかったとは思いますが、見事乗り切られ、今は後輩の指導にも当たられているそうです。
 日根野電車区といえば、まもなく新型287系が入る事になるので、事前の勉強が忙しい頃かも知れません。

◆ 博士とノリゾーののりもの探Q隊 vol.1
 これが、巻頭グラビアの新連載になりますか。

画像

 色々な“のりもの”の裏側に迫るシリーズと言う事で、第1回は旅客機(ANA)の洗浄。
 B777-200の洗浄で11人とは意外に少ないし、それも全部手作業だから大変だなあ。
 上の電車の検車・整備もそうですが、この分野では意外と今でも人手が多く必要なようです。
 機体が汚いというのは、単に見てくれが悪いだけでなく、飛行中の性能にも悪影響を与えるのだそうです。
 なお次号は富士急の水陸両用バス「KABA」だそう。

◆ 駅弁細見 287
 2回続けて第三セクター鉄道になりました。
 わたらせ渓谷鐵道・神戸(ごうど)駅の「やまと豚弁当」。
 豚肉とサツマイモ煮がメインで、手ぬぐいがオマケにつくらしいです。
「売切御礼」は「トロッコ弁当」。

「ノリノリのりもの情報局」では、富士急行の富士山駅が注目でしょう。
 富士吉田駅を7月1日に改称するものですが、それだけでなく、水戸岡鋭治氏デザインによるリニューアルも実施されるそう。
 合わせて黄色のページにありますが、富士山五合目へ行くバス路線も、富士山駅発着がメインと改編される事になるようです。
 こうなると後は、JR直通電車のリニューアルが期待される所。
 本当は<成田エクスプレス>運用から外れた253系に期待したかったのだけれど…。

◆ 黄色のページ
 東北・山形・秋田新幹線が7月9日から暫定ダイヤに移行するのに合わせ、8日までの時刻が黄色のページに記載されています。
 行楽臨時列車の掲載もありますが、首都圏に関しては今月一杯のみ。
(7月以降の臨時列車については既に発表されているが、「群馬デスティネーションキャンペーン」関連のSL列車以外は掲載されていない)
 なお「本文の訂正」にもありますが、<踊り子>系統の臨時は6月一杯は取り止め。
 これとは別にいよいよ夏祭りや花火大会の臨時列車の掲載もあります。
 会社線では、6月号の時に書いた、郡山・福島~盛岡線の時刻も掲載されています。
 盛岡側の終点は、IGRの厨川駅。

 今月から「私鉄時刻表特集」として、私鉄線の全駅・全列車の時刻の掲載が復活しました。
 第1回は近鉄の大阪線と山田・鳥羽・志摩線。
 一つ気になったのは設備を表す記号で、デラックスカーはJRのグリーン車のマークがついていますが、グリーン車というのは、あくまでJRの営業制度からくるもので、私鉄に当てはめるのは適当ではないと思います。
 ビスタカーの2階建てマークも、東海道・山陽新幹線100系に連結されていた2階建て車両から来ているので、これも違うのでは?
 大阪線に関しては、運行形態は小田急小田原線のそれに近いような気がします。
(急行系が中間区間を各駅停車として運行する所など)

◆ 本文
 東北・上越・秋田新幹線は7月9日からの暫定ダイヤが掲載されています。
<はやぶさ>は400番台になり、新青森発着が2往復に戻りました。
 最速列車では3時間30分までに回復しています。
 相変わらず臨時列車の記載が全くないのでスカスカ。
(7月16日~18日の3連休に設定があるらしい)
 
 今月号も在来線は不通区間も含めて、震災前のダイヤが引き続き掲載されていますが、やはり今現在の状況・ダイヤを掲載した方が良いのではないでしょうか。
 誤ったメッセージを全国に送ってもいけないでしょうし実態とかけ離れた時刻を掲載し続けるのは、毎月発行の時刻表の意味を成さないと思います。
 一方、先月に引き続いて奥羽線や田沢湖線では、山形・秋田両新幹線の掲載がなくて普通列車のみの掲載になっていて、こちらもスカスカ。
 赤渕~田沢湖が4往復、庭坂~米沢も6往復とか、ローカル輸送の実態がはっきり見える気がします。
 
 JRの東京~京阪神高速バスは昼・夜とも7月15日にダイヤ改正を行いますが、今月号は14日までの時刻を掲載。
 航空では、スカイネットアジア航空が7月1日から「ソラシドエア」の名で飛ぶ事になります。

 最後に、裏表紙はKATO(関水金属)のNゲージ新幹線。
 鉄道模型が時刻表の裏表紙の広告を飾るのは、たぶん初めてです。

 次号ですが、「大阪ステーションシティ」が特集で取り上げられるそうです。
 さて、震災で不通になっている区間は、どこまで復旧できるでしょうか。
 それと、首都圏の大半の鉄道が節電のための特別ダイヤに移行している事になりますが、どこまで反映されますか。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 日本ではJALが、退役間近だったB747-300でバイオ燃料を使用した試験飛行を行った事がありますが、いよいよ実用化に向けた一歩となるでしょうか。
《今日のニュースから》
KLMオランダ航空 食用廃油から製造のバイオ燃料を9月から使用と発表