№483 私鉄の車両シリーズ94 南海電気鉄道7100系

 昨日はJR東日本の特別ダイヤについて書きましたが、その他の首都圏の私鉄からも、この夏の節電ダイヤの概要が次々に発表になっています。
 土休日は大体元のダイヤに近くなるよう(これは土休日出勤の会社が増える事もありそう)ですが、全体的に厳しい状況は私鉄も変わらないようです。
 遅くとも来週中にはほぼ全事業者から発表になるでしょうから、その時点でまた取り上げます。

「私鉄の車両シリーズ」、今回は南海電鉄南海線の通勤車、7100系です。
 №226で取り上げた(もう一年以上前ですが…)、7000系の後継車両になります。

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 7100系は、1969年~1973年にかけて製作されました。
 1973年の600V→1500Vの昇圧を見据えて旧型車両を一掃する意味もあり、152両が東急車輛及び近畿車輛で製作されて南海の最大勢力となりました。

 性能的には7000系と変わりませんが、車体は南海線では初めて1,300㎜幅の両開きドアを採用、中間の窓は一段下降としました。
(この辺は高野線の6000系→6100系(6300系)の関係と同じ)
 先頭車は運転台とドアの間に窓を配置した関西スタイルとなり、中間T車も先頭車に合わせた窓割りとしたため、左右非対称になっています。
 台車は住友S型ミンデンを採用しました。

 1次車はMc-T―T―Mcの4連で製作、当初は非冷房でした。
 1970年竣工の2次車より分散型冷房を搭載、新たにMc-Tcを加えた6連で製作されました。
 パンタグラフが冷房装置搭載を考慮して下枠交差式に変更、MGの搭載位置もT・Tcに変更されています。
 その後も製作次数毎に改良が施されていきました。
 なお、将来の組成変更を見込み、7000系と同様にMcの7100形に欠番が生じましたが、一方でTの7850形は番号が行き詰まり、5次車から形式より若い車号の車両が製作されています。

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 非冷房だった1次車については1979年~1982年にかけて冷房化改造が行われました。
 また1989年からは2次車以降で更新工事が行われ、鋼体の取替え・内部の化粧板の張替え・荷物棚の変更、1990年からは追加でスカート取り付け、車椅子スペース新設等も行われています。
 さらに2000年には加太線など、一部の支線のワンマン運転開始に伴い、2連×5本がワンマン機器取付改造を受けています。
 外部の塗装は1994年の関西空港開港に合わせた新CI導入に合わせて、1992年より順次現在のカラーに変更されていきました。

 1次車36両(+2次車2両)については1998年~2003年にかけて廃車となりました。
 残存車両は本線系統の急行・普通列車や特急<サザン>の一般席車両、ワンマン化改造車は多奈川線・加太線で運用されてきました。
 しかし残存車両についても最古で41年になり、8000系の増備も予想される上、<サザン>の指定席車についても9月より12000系「プレミアム」の営業がスタートする事になるため、合わせて今後の動静が注目される所です。

【編成】
←難波     和歌山市
 *Mc1 7101* - T1 7851 - T2 7851 - Mc2 7101
 *Mc1 7101* - Tc 7151
* パンタグラフ

 今回の記事は
「私鉄の車両23 南海電気鉄道」(保育社) ※現在はネコ・パブリッシングによって復刻(
「鉄道ピクトリアル1995年12月臨時増刊号 【特集】南海電気鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2008年8月臨時増刊号 【特集】南海電気鉄道」(鉄道図書刊行会) 等
を参考にさせて頂きました。

 次回のこのシリーズは西鉄の通勤車、6050系について書きます。
 6050系も、以前取り上げた6000系の後継車両です。

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