№466 大震災後、初の東北 1.JAL1201便

 東日本大震災から約1ヶ月、衝撃が未だ覚めやらぬままでしたが、そんな中、先月30日~今月1日にかけ、震災後初の東北旅行として、青森・八戸に出かけてまいりましたので、今日から4回に分けて書きたいと思います。
 
画像

 今回この時期に旅先として青森を選んだ理由の一つに、JALのA300-600R(以下「エアバス」)があります。
 ご存知の通り、JALのエアバスは経営再建計画の一環として、3月1日一杯で退役したB747-400に続き、3月26日の鹿児島線を持って退役するはずでした。
 ところがその2週間前に震災が発生、退役は延期となり、主に青森線を中心に運航される事になります。
 それで、JALのHPを見て、大体4月一杯位までかな…と思い、幸い30日が休みでしたので、多少急だったのですが、予約が取れたので「お別れフライト」のつもりで青森に向かう事にした次第です。
(実際には今月一杯まで運航)
 まず今日はそのJALのエアバスによる青森線の搭乗について書きます。
 震災とか、エアバス退役延期とかを抜きにしても、色々変化が見られました。

画像

4月30日(土)

画像

 羽田空港ターミナルも、節電対策で多少暗く感じられます。
 ところで、JALは4月から「新鶴丸」が正式に会社のマークとしてスタートしましたが、羽田のカウンターに関しては、殆ど全てがJJカラー時代のもので、鶴丸は殆ど見かけませんでした。

画像

 青森行は本来は北ウイングからの出発ですが、この日の1201便は南ウイング側の8番ゲートからの出発でした。
 先にMD-90がいて、それが出発した後トーイングされます。
 この日は最新のJA016Dでした。

画像

 整備の方々も、出発準備に余念なし。

 ところで、この便では予約数が座席数を上回ったとかで、次の1203便への振り替えを希望する乗客を募っていました。
 結局は全員が乗れる事になります。
 連休で弘前では「さくらまつり」が始まっていましたし、東北新幹線は前日29日に全線で運行を再開していたものの、なにぶん発表が遅く、臨時ダイヤでまだまだ不安定な要素が多くて、航空を利用する旅客は減っていないようでした。
 輸送力のあるエアバスの面目躍如、という所でしょうか。

 搭乗開始。
 CAの方々の胸章は、前のJJカラー時代のマークの上に、新鶴丸のステッカーが貼り重ねられていました。
 機内誌「SKYWORD」のオーディオプログラムの機種には「A300-600R」の文字はなし。
 退役延期が決まる前に大方出来上がっていたのでしょう。
(チャンネルの番号は、MD-90と同じだった)

 出発直前にまず一つ変化が。

「まもなく出発準備が整います。電子機器を切る準備をして下さい」

とアナウンスがありました。
 今月から、出発直前でドアが閉じるまで、及び到着してドアが開いてからは携帯電話を初めとする電子機器の利用が可能になり、このようなアナウンスが流れる事になります。
(この部分はJALに限らず、国内の航空全て同じのはずです)

画像

 第1ターミナルに並ぶJAL機。
 このカラーに統一がなったのはそんな遠い昔ではなかったはずですが…。
 この時点では新鶴丸カラーは見かけませんでした。
 しかし…。

画像

 A滑走路を、新鶴丸のB737-800(JEX)が離陸して行きました。

画像

 エマージェンシーデモビデオは新鶴丸に変わっていました。
 ただし内容は以前と変わりなく、画面に現れるCGの機体のデザインが変わっただけ。

画像

 もちろんエアバス退役の流れ自体は変わっておらず、貨物ターミナルエリアの北側では、ロゴを消された僚機が見送っていました。
(ピンボケでゴメンナサイ)

 C滑走路、R/W16Lよりテイクオフ。

画像

 すぐに左旋回し、羽田空港を左に見て、市川の方に向かいます。

画像

 TDR上空。
 TDRも震災で甚大な被害を被り、ようやく営業を再開したばかりですが、(浦安の方々には非常に申し訳ないのだが)上空から見る限り、TDRに限らず、震災の被害はわかりません。
 いつもの浦安市のように見えました。
 江戸川を左に見て、TX八潮駅なども見て北上するルートを取ります。

画像

 「安全のしおり」は、他機種ではこれも退役が予定されているMD-90(帰りの所で出します)も含めて皆新鶴丸デザインに変わっているようだが、さすがにエアバスはそのままでした。

画像

 普通席のキャビン。
 エアバスは、JAS時代は普通席のみで導入。
 B777-200「レインボーセブン」導入に合わせて前方にスーパーシートを導入、さらにJAL統合後に「クラスJ」になりましたが、普通席は変わる事無くこのデザインが続く事になります。

画像

 機内サービスの様子です。
 もう一つの変化としては、それまでのNHKニュースに変わり、テキストと静止画像による新スタイルのニュースが新たに放映されるようになっています。
(最近山手線などのドアの上に配信されるのと似たようなもの)
 ニュースや天気予報の他、星座占いもありました。
 なお、このJA016Dを含む最新タイプでは、モニターがブラウン管から薄型液晶タイプになっています。

画像

 ドリンクサービスでは、なんでも一昨日(28日)からはコーヒーが新しくなったとか。
 特に機内では何も謳っていなかったですが、「ミ・カフェート」と提携して開発したのだとか。
 正直、どこがどう変わったのかは、たまにしか乗らないのではよく解かりませんでしたが。
 ちなみにJALの事前のプレスリリースには「機内における全クラスのお飲み物を無償でご提供するサービスは、『一杯のお飲み物に、おもてなしの心が宿る』という以前から変わらぬJALのサービスポリシーのひとつです」とあって、これは間違いなく、機内ドリンクも原則有料にしたANAを意識したものだと思います。
 それにしても、エアバスが予定通り3月に退役していたら、エアバス機内でこのコーヒーは頂けなかった訳で、何だか不思議な縁…。
 あ、左のサンドイッチは空港で買ったものです。
 朝早くて朝飯食べていないのよ…。

画像

 4月が終わろうとしているのに、さすがに上越とか、東北の蔵王とかの山々は、雪がふんだんに残って、真っ白…。

 
画像

 ベルトサインが再度点灯し、左手の主翼の上には岩木山が見えてきました。

画像

 青森の市街地を左に見ながら、大きく左旋回していきます。
 画像ではよく解からないでしょうが、アスパムも確認できました。

画像

 着陸直前、まず眼下に東北新幹線。

画像

 そして左手に八甲田山。

画像

 青森空港R/W24にランディング。

画像

 青森空港に到着。
 再び岩木山が、左手の窓の向こうに姿を見せてくれました。

 ほぼ満席だから、ターミナルに着いても、降機を待つ行列がかなり長くなります。
 ドアが開くと、

「只今から電子機器が御使用になれます」

と、アナウンスが入りました。

 機体を降り、ターミナルの到着ロビーに向かうと…。

画像

 コックピットの窓に「頑張ろう日本」のメッセージ…!

 羽田でも見かけた事はありましたが、熱いな…。

画像

 ターミナルでは、他にも記念撮影する方々がチラホラおられました。

 5月一杯は羽田空港でなら見られるかも知れないけれど、地方空港でエアバスを見るのは、たぶん最後。
 青森へ行くバスは航空便接続で、次のバス(大阪接続)までかなり待つ事になってしまうけれど、折り返して青森へ向かう1202便の出発を見届けようと思いました。
 展望デッキの無粋な網が、ただただ残念。

画像

 羽田行出発。
 折返しのこの便も、乗客はかなり多いようでした。
 他機種でも見納めになってしまうロゴも含めて、青森のエアバスの記憶を留めておきたい。

画像

 R/W24に向かってタキシング。

画像

 離陸滑走…。

画像

 離陸、上昇!
 羽田に向かって、一直線に上昇していきます。
 私はただ、エアバスの姿が点になり、青空の中に溶け込んで消えていくまで、ひたすら視線を追い続けていました。

 ありがとう、エアバス!!


 この後、大阪からの便を受けたJRの空港バスで青森駅に向かう事になります。
 しかし、空港では晴れていたのに、昼前には一転にわかに雲行きが怪しくなり、ついには雨も降り出してしまいました。
 このあたりは明日書きます。

 ちなみに青森線のエアバスですが、今月一杯羽田発1201・1207便、青森発1202便・1208便で飛ぶ予定です。
(明日の1201・1202便はJEXのB737なのでご注意を)
 そして6月にはもう全便MD-90とB737になっており、今度こそエアバスは日本の空から姿を消す事になります。
 当ブログでは、いずれB747-400のような特集を組む予定です。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 徹夜勤務の連続のため更新頻度が低下していましたが、明日から30日までは、毎日更新する予定です。
 また、31日には本体の更新を行う事にしています。

 №321で書いた、ANAと香港の投資グループの合弁によるLCC航空会社のブランドが発表になりました。
 SNAの「ソラシド」のように、ネーミングからして軽快さを狙うのが、LCCの昨今のトレンドでしょうか。
《今日のニュースから》
新格安航空会社「ピーチ」 来年3月就航を発表