№452 衝撃覚めやらぬ中、呉・松江へ 1.呉市営バス撮りまくり

 3月11日、忌まわしい東日本大震災が発生。
 東北はもはやいうまでもなく、関東地方、それも首都圏にまで大きな被害が及ぶ一大惨事となりました。
 あの日の私は夜勤の真っ只中で、当初は翌日勤務開けの後空路(JALのMD-90))広島に向かう事にしていました。
 しかし、首都圏の鉄道各線や高速道路も大きな被害が出て、羽田空港への足が確保できず、この日の出発を断念する事になりました。
 結局さらに1日後の13日、陸路新幹線で広島を目指す事になります。
 大震災の直後で何を能天気な、と思われるとも思いますが、一方で被災地から遠くはなれた地ではどのような雰囲気だったのかを観る機会ともなりましたので、ここで取り上げたいと思います。

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3月13日(日)
 初日は、来年3月一杯で廃止(広島電鉄に譲渡)になる、呉市営バスを撮りに行きます。

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 昨日はどうだったかわからないが、この日の東海道新幹線は始発から通常通りの運転。
<のぞみ99号>も定刻に品川を出発しました。

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 春分の日も近づいて朝が大分早くなり、品川出発早々、朝日が上りました。

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 都営地下鉄の馬込工場跡地。
 立正大学に売却されています。

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 富士山はこんなに美しいのに…。

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 N700系の普通車では壁面にプラグが設けられ、パソコンなどの電源が確保できるようになっています。

 京都からのオバサマがたのにぎやかな事。
 大震災があったなんて思えないほど。
 一方、昨日ついに九州新幹線が全通したというのに、祝賀ムードは全くなくなってしまいました。
 記念イベントも中止と、広島駅の改札にポスターが掲げられていました。

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 広島から呉までは呉線快速<安芸路ライナー>を利用。
 右手のクハ111-216は関西からの転属で、乗務員室の行先表示窓部には阪和線や紀勢本線の駅名が記されたままでした。
 呉線も随分久し振りだけれど、カーブが多い路線だなあ。
 快速でも、せいぜい60㎞/hくらいしか出ない。

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 呉駅の運行情報。
 実際の東北各線は、とてもこんな生易しい表現で語れるような状況にはありませんでした。

 呉市営バスの画像については、今月3日の本体の更新で新規に公開させていただきましたが、改めて特徴的な車両を中心にご覧頂こうと思います。
 まずは、呉駅前で撮影。

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呉市交通局 F921

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呉市交通局 FSO9610
 上の2台は、呉市の観光名所を巡る「くれたん(呉探方ループバス)」の専用車。
 土休日のみ20分間隔で、この2台が交互に走ります。

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 市役所宝町循環線用で、運賃100円。

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呉市交通局 HS041
 レインボー9mのCNG改造車。

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呉市交通局 FS061
 エアロミディのCNG改造車。
 呉市営バスはCNG改造車が多くなっています。

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呉市交通局 I092
 これはもちろん最初からCNG車。
 呉市営最後の新車となりました。

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呉市交通局 F9122
 広島空港線。
 貸切格下げです。

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呉市交通局 HS9817
 名古屋市営バスらしいです。

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呉市交通局 IM979
 「国際ソロプチミスト呉」の文字がある「つばき号」。
 長の木循環線で専用されています。

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 呉駅前の広島空港線乗場。
 残念ながら、広島空港線は3月一杯を持って廃止。
 広島電鉄に引き継ぎ、という事もありませんでした。
 なかなか便利な路線、というイメージもあったのですが。

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広島電鉄 14717
 その広島電鉄の高速バス「クレアライン」。
 今の所、呉市内を走る広電のバスは、この「クレアライン」しかありません。
(呉市営、JRと共同運行)

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 ちょっと足を伸ばして、阿賀東営業所(バス停名は「塩谷」)まで乗ってみました。
 海岸沿いにある、割と新しい営業所です。

 午後は本通6丁目で撮影。

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呉市交通局 F9213
 まだエアロスターKが走っている!

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呉市交通局 F988
 新エアロスターの「ワン・ロマ」。

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呉市交通局 FM991
 呉市営初のノンステップ車。

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呉市交通局 I042
 こちらも比較的初期のノンステップ車といえます。

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呉市交通局 IM9518
 元京浜急行バスらしいです。
 終点の「天応大屋橋」は、呉ポートピアのすぐ近くらしい。

 呉市営バスって、思った以上に規模が大きく、車両の種類もバラエティに富んでいるみたい。
 後は広と昭和にも行ってみないと。
 日産ディーゼル車も撮りたいし。
 だからあと2回は行きたいと思うけれど、その機会は生まれるでしょうか。

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呉市交通局 PASPY
 ところで、№450で書いたように、広島付近のバス・路面電車・新交通は磁気カードの使用を3月一杯で終了しており、ICカード「PASPY」に移行しています。
「PASPY」の場合は、各事業者がカンパニーカラーに合わせたデザインのカードを独自に発行しており(使い方は全く同じ)、呉市営も紫色のカードを発行しています。
 バス車内でも発売。
 呉市営のPASPYを手に入れられるのも今の内ですよ。

 ついでに呉市営バス以外のバスも数台ご覧頂きます。

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広島電鉄 14701
「クレアライン」用ですが、先ほどのガーラだけでなく、セレガも入ります。
 なお、広電便で「呉本通六丁目」行だと、この先、坂道のてっぺんにある東畑の市営バスの折返所まで回送して待機します。

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さんようバス 広島200か1251
 市営バスに代わり、蒲刈の島と広島市内を結ぶ高速バス「とびしまライナー」。

 もっと撮っていたかったけれど、松江へ行かなければならないので、16時ちょうどの電車で、呉駅から広島に戻ります。

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 呉線の普通列車は湘南色でした。
 モハ113-704の車内でひたすら居眠り。

 広島バスセンターに異動し、松江行きを待つ事になります。
(「クレアライン」を利用すればダイレクトにバスセンターに行けた)

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 広島バスセンター内部は、さすがに長距離高速バスの出入が頻繁だけ合って、みやげ物店も多く、終始活気にみちています。
 ここで17時30分発の松江行<グランドアロー>を予約。
 出発40分前を切ると、時刻のみ指定となり、座席は指定されません。

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 17時30分発の松江行<グランドアロー>の普通便は、一畑バスの担当でした。
 広島発車時点では乗客14人。
 もう少し乗るかと思いましたが、まあその分隣に他の乗客が来なかったからゆったり乗れてよかったと思います。
 この後中筋駅で夫婦が乗車した後、高速道路に乗って三次へ。
 三次は備北バスのターミナルに着いて、ここでも1人乗車。
 この路線は「クローズドドア」ではなく、短区間の利用も一応可能なのですが、そういう乗客は結局いませんでした。

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 三次からはしばらく山間部の一般道を行きます。
 広島県のどんづまりの布野で10分休憩。
 空は星が美しい。

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 ここには「道の駅 ゆめランド布野」があります。
 残念ながら物産店は全て営業を終了していました。
 TVでは大震災や、福島の原発事故について大々的に報道されていました。

 この後バスは山間部を右に左にカーブを切りながら越えていきます。
 明るければ車窓を楽しめたのだろうけれど。
 木次からは再び高速道に乗って松江に向かいます。

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 定刻より早めに松江駅前に到着。
 結局三次までに乗車してきた客は皆、ここまでは乗車してきました。
 でも松江は、やはり広島に比べたらひっそりとしているかなあ。
 JRの駅も、時間によっては改札に駅員がいなかったりするし…。

 問題なのは、明日の空の便。
 この後問い合わせてみようかと思ったのですが、案ずる事はなく、ホテルの掲示板には米子からのANA、出雲からのJALは共に通常運行と掲げられていました。
 しかしそれは良いのですが、関東地方は明日から地域を区切って3時間ずつ停電させる「計画停電」がスタートするとの情報が入ってきました。
 いよいよ首都圏ものっぴきならない事態になってきたようでした。
 この続きは次回書きます。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

「JTB時刻表 2011年5月号」が発売になりました。
 東日本大震災(この号では「東日本大地震」と表記)によって、4月7日現在の不通区間(在来線のみ・この日の夜の余震で再び運休となった区間が発生している)が網掛けになっている他、「鉄おとめ」が休載になりました。
 なお「駅旅本線」が最終回。
 来月詳しく書きます。
 震災から1ヶ月以上経ち、交通関係に限らず各書籍・雑誌類も大震災を反映した内容になってきています。

《今日のニュースから》
福島第一原発事故 半径20キロ圏内を22日午前0時より「警戒区域」に設定