関東の鉄道各社は昨日から、ある程度震災前の水準にダイヤが戻ってきているようですが、まだまだ大幅な間引きが続いています。
通勤に利用する東急東横線では…
1.日中の特急(渋谷発毎時15・45分)を間引き。
2.日比谷線直通は引き続き休止。
なお、1000系が朝方に限り、渋谷~菊名間で運用されているようです。
震災のため大きく間が開いてしまいましたが、今春の大手私鉄のダイヤ改正のチェックの2回目は関西です。
名鉄・近鉄・京阪の3社と言う事になり、名鉄と近鉄は既に新ダイヤに移行していますが、いずれも大なり小なりの後退を強いられるようです。
特に京阪は中之島新線開業に伴い設定された「目玉商品」が短期のうちに大幅に削減される事になり、衝撃的です。
1.名鉄 3月26日実施
ポイント
1.平日朝ラッシュ時 名古屋本線で快速特急・特急、犬山線でミュースカイ・特急、河和線で特急を増発
2.平日朝方 中部国際空港行ミュースカイ・快速急行を増発
3.名古屋本線・瀬戸線で一部最終電車繰り下げ
「1」は急行→特急、特急→ミュースカイ、快速特急→特急への変更を含む。
「2」は豊橋発特急を犬山発ミュースカイに変更。
これにより、豊橋からのセントレア直通は全部なくなる事になります。
開港時には金山駅構内の配線の変更まで行って、1時間に1往復の設定があった豊橋~セントレア直通なのですが、知多バスによる空港バスも廃止になっていますし、この区間は利用がほとんどなかったようです。
「3」では、栄町を初めて24時になって発車する電車が設定される事になりました。
なお、当初発表のプレスリリースがなぜか消されてしまっているのですが、この他の部分ではかなりの後退が見られます。
1.岐阜発着のミュースカイは、日中は岐阜~名古屋間の運転が取り止め。
2.河和線・知多新線の日中の特急は特別車の連結を取り止め、全車一般車で運転。
前回改正時、原則河和行…特急、内海行…急行と整理されていましたが、今回から再び特急・急行とも河和・内海行両方が設定されています。
特急は両方とも富貴から先は各駅停車となり、結果として河和・内海発着の列車は1時間4→3本に削減されています。
3.津島線は平日1時間当たり2往復削減(土休日は存続)。
これに伴い、弥富発着は吉良吉田までの運行に変更(名古屋・神宮前~吉良吉田間急行)。
4.羽島線は一部を除き、線内折返しに変更。
5.尾西線などでワンマン運転を実施
同日、ICカード「manaca」がスタートしています。
これで大手私鉄全てが、何らかのICカードを持つ事になります。
この「manaca」は名鉄や豊橋鉄道の他、名古屋市営交通やあおなみ線などでも利用できますが、実は同じ「manaca」でも2種類あり、名鉄系(㈱エムアイシー)と名古屋市系(㈱名古屋交通開発機構)が発行します。
両者は基本的な使い方は同じですが、利用ごとに与えられるポイントに違いが発生するようです。
今の所「TOICA」など他のICカードとの相互利用は不可(来年以降相互利用開始の予定)。
2.近鉄 3月16日実施
ポイント
1.奈良線で夜間に特急を増発
2.吉野線で特急を削減
3.その他土休日夜間の大阪線区間快急など一部を削減
何度か書いているように、近鉄では来年度に大幅な削減を伴う改正が噂されていて、今改正では一部先取りしてしまっている格好です。
実際の所どの程度の物になるかは解からないわけですが、これで見ると一番手が入りそうなのは吉野線、という感じがします。
「2」については、大阪阿部野橋22時10分発については、橿原神宮前~壺阪山間のみ、普通列車で代替があります。
壺阪山折返しは久し振りの設定です。
明るい話題としては、4月2日より「さくらライナー」のリニューアル車が運行を開始しました。
(当面1編成)
デラックスシートの設定が注目されます。
3.京阪 5月28日実施
多少先の話になりますが、ここが一番問題の所です。
ポイント
1.出町柳~淀屋橋間特急を10分間隔で運転 時間帯も拡大
2.日中の快速急行と区間急行は取り止め 中之島発着は準急(毎時2本)と普通(毎時4本)に削減し、京橋で特急と接続
3.日中の準急の一部を樟葉~淀屋橋間の急行に変更 土日は一部を淀発着に延長
4.快速特急は全て特急に変更
5.交野線直通<おりひめ><ひこぼし>削減
当然時刻表の発売がまだなので前回改定時と比較するしかないのですが、2008年に開業した中之島線は思った以上に利用が振るわないようで、鳴り物入りだった快速急行が大幅削減、という事になってしまいました。
代わって日中の運行が取り止めになっていた急行が復活、毎時4本が運転される事になります。
土日の淀延長というのは京都競馬対策。
(同日淀駅の上り線が高架に切り替わりますが、この工事ではJRAも一部費用を負担しています)
<おりひめ><ひこぼし>は共に1本ずつのみになります。
快速急行もさる事ながら、削減が平日朝夕のラッシュ時間帯にも及んでいると言うのはかなりショッキングな内容と言えます。
3000系は、特急全区間10分間隔運転に伴う8000系の運用の不足分に当てられる事になるでしょう。
2回に分けて東西の大手私鉄のダイヤ改正をチェックしてみましたが、どうにも「東高西低」の流れが変わらないようです。
関西ではこの他にも神鉄粟生線の存続問題もありますし、どの路線も先行きは厳しそうです。
前回の続きにもなりますが、「地方分権」と言いながらどんどん人や物が首都圏に集中し、その流れが変わらないと言うのが、この関西の各鉄道のダイヤの衰退にも現れているように思えるのです。
鉄道に限らず、例えば関西空港の現状への批判も大きいですが、成田空港のB滑走路開業までは比較的うまくいっていたはずなので、今の不振も首都圏集中のあおりを受けたからなんだろうと考えています。
関西だから、と言うのではないけれど、今の首都圏の現状を見ると、やはり地方への人・物の積極的な分散が図られないと、日本は全ての面でうまくいかなくなるのではないか、そう思います。
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原子力NOなら石油に戻ろう、とも言えません。
真剣に全エネルギー消費の大幅削減に取り組まないと…。
《今日のニュースから》
北海原油1バレル=120ドル突破 2年7ヶ月ぶりの高値