№444 JTB時刻表2011年4月号(JTBパブリッシング)

 せっかく少しづつでも運行再開が進みつつあった東北の鉄道でしたが、一昨日の余震でまたブレーキがかかってしまいました。
 東北新幹線については、ひょっとしたらGW前の全線開通は難しいかもしれない。
 ともかく、安全を最優先に、徐行の連続で構いませんから一刻も早い復旧が待たれます。
「乗り物」こそが、被災地に元気をもたらしてくれると信じていますから。

「JTB時刻表」の4月号は、東日本大震災の9日後の3月20日に発売されました。
 締め切りが2月25日との事で、震災に関しては一切反映されていません。
 表紙は東海道本線を走る特急<ふじかわ>
 桜並木とバックに富士山という、出来すぎのシーンですが、<ふじかわ>号は今月8日に運行を再開しました。
 桜の開花には間に合ったでしょうか。

◆ ダイヤに輝く鉄おとめ 第51回
 今回は箱根登山鉄道強羅駅の駅員さん。
 まず、採用ルートに興味がもたれました。
 箱根地域の小田急グループの企業が関わる「小田急箱根ホールディングス」によって採用され、研修の後強羅駅の駅員として配属されたそうです。
 大卒と言う事なので、将来の会社の幹部候補ということでしょうか。
 ローカル私鉄の駅員の採用というと、必要に応じて地元から若手を少数採用、というイメージがあったので、さすが(大手私鉄)小田急グループだと感じられました。
「箱根を盛り上げるのが夢」と語っていただきましたが、その意味では、現状は厳しい。
 何しろ看板のロマンスカーが全く走っていない状況ですから…。
 でも何とか16日(来週土曜日)から一部運行再開だそうですから、今年は利用の大幅減少は免れないとはしても、やはりロマンスカーには期待大でしょう。
(でも、「臨時○○号」って、何だかなあ…。)

◆ 新しい北近畿の特急列車網 『はまかぜ』と『こうのとり』
『はまかぜ』用の189系は昨年秋デビューしながらグラビアでは全く取り上げられなくて、このままなのかなあと思っていましたが、なるほど、『こうのとり』と一体で紹介という訳ですか。
『はまかぜ』の歴史についても簡単に振り返られ、キハ80系とDD54の並びがあって懐かしい。
『こうのとり』は当面183系に加えて381系も使用されますが、この国鉄型2系列がちょっと大変な事なる所でした。

◆ 駅旅本線 第60駅
 上信電鉄の上州一ノ宮駅。
 恥ずかしながら、上信電鉄には乗った事がありません…。(ゴメンナサイ)。
 だから他の駅の事は解からないのですが、秩父鉄道もそうですが、北関東の私鉄は意外に風情ある駅舎が多いようです。
 ただ、駅舎はいいのですが、上信電鉄の場合、ケバケバしい広告電車が多いのが少々玉にキズのような気がしてなりません。
 その中で旧塗装復刻車が走っているようなので、一度行って見たいかもなあ。

◆ 駅弁細見 284
 甲府駅の「甲州とりもつべんとう」(880円)。
 母体となった「甲州とりもつ煮」は、昨年厚木市で行われた「B-1グランプリ」で1位を獲得しました。
「B級」らしく、値段も880円と手頃でしょうか。

「ノリノリのりもの情報局」では、№441でご紹介した「路線バス 終点の情景」が取り上げられています。
 また、長野電鉄の「スノーモンキー」もありますが、これについては後日ご覧頂きます。
 裏面には「大人の鉄道旅行2011」のCMがありますが、正直そういう状況ではなくなってしまった…。

◆ 黄色のページ
 まず九州新幹線全通記念のお遊びとして、新青森~鹿児島中央の「速達タイプ」と「各駅停車タイプ」を上下それぞれ掲載しています。
 最速は、№411で書いたとおり、鹿児島中央→新青森で10時間21分となりました。
 実キロが2000.8㎞で、表定速度は193.3㎞/h。
 一方、全各駅停車のタイプだと17時間31分。
 表定速度は114.2㎞/となりました。
(逆は成り立たない。新青森からだと筑後船小屋まで、鹿児島中央まで到達できるのは盛岡から)
 その後臨時列車の時刻表が掲載されていますが、東日本に関しては全部取り止めになったはず。
 前回書いた、横浜線を走る115系の富士急行直通も残念な事になってしまいました…。
 
◆ 本文
 今月は会社線・航空中心でチェックします。
 まず、JRバス関東・常野線(烏山~馬頭・藤沢)が廃止になってしまいました。
 以前は県境を越え、茨城の常陸大子まで結んでいました。乗った事、あるんだけれど…。
 高速バスでは、北海道バスが札幌~函館線に参入(3月17日)。
 夜行1往復を含めて6往復で、片道4,200円。
「高速はこだて号」と比べて若干割安になっています。

その他、夜行では
1.仙台~金沢線<エトアール>が山形県庁前に停車(3月16日)
2.日本中央バスの新宿・さいたま~富山・金沢線が、始終着地点をグランドプリンスホテル赤坂から秋葉原駅東口に変更(4月1日)
3.<カルスト号>(大阪~萩線)は京都駅八条口発着に延伸(3月17日)
4.<サンライズ号>(京都・大阪~熊本線)は三宮バスターミナルに停車(4月1日)
 昼行では
1.関東鉄道の東京~阿見・美浦・江戸崎線は3月31日を持って廃止。
2.京成バス・日東交通の東京~君津線は、起点が潮見駅(JR京葉線)から東雲車庫に変更(3月29日・見出しは「潮見」のままになっちゃっている)
3.<渋谷・新宿ライナー静岡号>は一部を清水経由に変更し、東静岡駅乗り入れは廃止(4月1日)
4.<渋谷・新宿ライナー浜松号>は新たに遠州鉄道が参入し、1往復増発(3月19日)
5.横浜~浜松線は土休日などに1往復増発(3月19日)
6.ウエスト神姫の三宮~山崎線が東条に停車(4月1日)
7.高松エクスプエスの<フットバス神戸>の高松国分寺発2本が神戸空港方面へ延長(3月1日)
8.熊本~鹿児島線<きりしま号>は新八代駅前東口は全便通過、代わりに全便八代インター停車(4月1日)
 福岡~宮崎線<フェニックス>は4月12日限りでJR九州バスが降りて、翌日より単独で<たいよう号>の運行を開始しますが、時刻表ではまだ時刻が公表されていません。
 この他、淡路関係の路線で4月1日改正予定とされている路線がいくつかありますが、時刻はまだ発表されていません。
 空港バスでは、羽田空港~田園調布(駅ではなく本町)・武蔵小杉駅(横須賀線口)が3月16日開業。
 東急バスと京浜急行バスとの共同運行。
 ちなみにこの系統は燃料不足の影響で、開業日は京急便のみで運行、19日より東急便も運行を開始しています。

 なお、松本電気鉄道・諏訪バス・川中島バス合併により「アルピコ交通」が発足しましたが、当月号では目次に注釈があるのみで、本文にはまだ反映されていません。

 航空では、先ず国内線ですが、JALがB747-400に続いてA300-600Rも退役(のはずでした)。
 代わって3月27日より、J-AIRが運行するCRJ100/200が羽田路線に就航しています。
 羽田空港史上最小のジェット旅客機という事になります。
(50席は往年のYS-11より少ない)
 羽田からは山形線と南紀白浜線(1往復)に就航。
 全体的にJALは小型化が深度化し、特に伊丹発着では羽田・成田・新千歳・沖縄・新潟(1往復)・熊本(1往復)以外は全てJ-AIRによるリージョナルジェット機になっています。
 ADOの羽田~帯広線が就航。
 B737-500による3往復で、全便ANAとのコードシェア運航。

 国際線では、JALの羽田~ホノルル線がB777-200に大型化。
 成田~バンクーバー線との入れ替えで、バンクーバー線はさらにダウンサイジングする事になりますが、日本の航空会社がB767-300ERを太平洋・北米大陸路線に使用するのは初めてのはずです。
 また、BAは羽田線に続き、成田線もB747からB777に変更します。
 トランスアエロが5月27日~10月7日の間、成田~サンクトペテルブルグ線を就航。
 機材はB767ですが、B777の可能性もアリとか。
 トランスアエロはJALのB747-400を運航するらしいですが、日本線への就航はなさそうです。
 でも週一便(成田毎週金曜日)ではなあ…。
 SQの成田~シンガポール線は、A380を夜発着便に変更、昼便はB777-300ERになります。
 これによりB747-400の乗り入れはなくなる事になります。
 羽田~シンガポール線は、早朝発着便がA330に変更。
 ウズベキスタン航空の成田~タシケント線は関西空港乗り入れを取り止めて直行化。
 NZの成田~オークランド線も、週3便のクライストチャーチ経由は取り止めて直行になります。
 成田~広州線はDLが4月6日から一日1便の運航を開始。
 機材はB767。
 DLは成田~マニラ線も週4便就航します。
 機材はB757。
 成田~モスクワ線はJALが週1便増。
 成田~サンフランシスコはUAが一日1便増。
 成田~ウランバートル線はOMが週1便増。
 CZの成田~長春線は週1便減。
 エジプト航空の日本路線が全便ANAと、KLMの成田~アムステルダム線は、週10便の内2便がAFとのコードシェアになります。

 関西空港発着では、CIが週3便、ニューヨーク線を就航させます(4月28日)
 台北からの便が関空を経由する形で、機材はB747-400。
 KLMのアムステルダム線は、一部B777-300が就航します。
 プサン航空の関空~釜山は一日1便減。 

 その他、ウラジオストック航空の新千歳~ハバロフスク線は休止。
 逆にMUの新千歳~上海は週1便増。
 KEの長崎~ソウル線が再開。
 週2便で機材はB737。

 航空に関しては、今回の震災及び原発事故のため需要が大幅に減少しており、一部運航を取り止めている路線や便が多数発生していますので要注意。

 さて、次号は今月20日発売予定で、「鉄おとめ」は青い森鉄道らしいですが、正直気が重い号となりそうです…。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
長崎市沖合いで釣り船と貨物船が衝突 釣り船の1人が死亡・1人が不明

№443 鉄道ピクトリアル2011・4月臨時増刊号 【特集】西日本鉄道(鉄道図書刊行会)

 カーボンブラシの不足により、2日から間引き運転に入っていたJR西日本ですが、とりあえず明日から通常ダイヤに戻るそうです。
 特急の増結や臨時の運転も当初の計画通りになり、明日から予定されていたアーバンネットワークの一部区間の間引きも回避されるということです。
 とりあえずヤレヤレですが、メインの工場の操業が再開された訳ではありませんから、予断は許さないでしょう。
 東北新幹線は一ノ関~盛岡、東北本線は福島~岩沼が運行を再開。

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「鉄道ピクトリアル」の1社を特集した臨時増刊号、今回は福岡の西日本鉄道でした。
 本来は2月頃の発売を予定していたようですが、少々遅れて先月頭に発売になりました。
 西鉄の特集は1999年4月以来12年ぶりになります。
 西鉄というと、大手私鉄ではありながらバスがメインという印象があり、それは公式Webサイトで先にバスが来ている事でも解かると思います。
(ちなみに現在、大手私鉄でバスを直営で持っているのは西鉄だけになった)
 鉄道では、関東とも関西ともつながっていないためか、どこか独自の進化を遂げていて、かなり趣きが違うという印象がありました。
 最近まで長区間の路面電車を運行していた事も、外から見ると異色のムードをかもし出していたかもしれません。
 前々回の小田急、前回の阪急同様、各記事を横断して感じた事、思った事を記してみます。

 構成としてはいつもと変わっていません。

★西日本鉄道の沿革と現況
 改めて西日本鉄道の沿革のが記されていますが、元々の母体は、北九州地域で路面電車を運営していた「九州電気軌道」、つまり路面電車から始まっているわけです。
 しかも同じ軌道線からスタートしている京急や阪神等が後にそのまま高速鉄道に発展していくのと違って、全く別の会社(九州鉄道)が殆どを建設した天神大牟田線が今の西鉄の鉄道部門の屋台骨を支えているので、長い歴史を経ていわば「主客転倒」してしまったともいえる訳です。
 この歴史が、後述しますが、未だに路面電車への郷愁を(他の事業者以上に)誘っているのかもしれません。
 バス部門に関しては、昨年の西日本車体工業の廃業については触れられていませんでした。
 もうそろそろ「西鉄ライオンズ」を知る人も少なくなってきたかもしれません。
 いまや西鉄は完全にホークスですから。
(一昨年の「ライオンズ・クラシック」は西鉄も協賛していたらしいが)
 物流業もバス・鉄道と並ぶ三本柱の一つで、鉄道会社としては異色かも。
 
★輸送と運転 近年の動向
 鉄道の各部門別の現況が記されています。
 乗降人員のデータがありますが、1992年をピークにして、減少傾向に歯止めがかかっていません。
 駅別乗降人員の表もありますが、天神で13万人強とは、大手私鉄としてはやはり少ないなあ。
(小田急の新宿が約50万人)
 増発を伴っているとはいえ、ラッシュ時の最大連結両数が減少(8連→7連)しているのも厳しい。
 矢加部駅は100人程度ですか。ローカル線並…。

★駅務、乗務所のあらまし
 駅務、乗務では駅務が分社化㈱西鉄ステーションサービス)されていて、この社員と、本社からの出向社員によって駅務が構成されているとの事。
 駅務から乗務員の登用は行われていないと言う事。
 と言う事は、乗務員については、西鉄本体が最初から車掌として雇用し、運転士として養成すると言う流れなのでしょうか。

★進行中の連続立体交差事業
 この内、春日原の連続立体交差工事は、前回の西鉄特集号でも触れられていました。
 しかし12年経ってもまだ計画段階に留まっているようで、昨年通過してみた時も、まだ具体的な工事は始まっていないようでした。
 新たに雑餉隈の連続立体工事も行われるようですが、どちらも完成があと12年先とは、随分気の長い話…。
「バス営業所の用地を利用した新駅設置」は初耳でした。
 一方で高架化が完成した花畑や千早について触れられても良かったと思います。

★筑豊電気鉄道の現況
 確か1990年代は日中でも7~8分毎に運転があったはずなのですが、この号発行直後の3月25日にダイヤ改正が行われ、
平日  黒崎駅前~筑豊中間 10分毎
     筑豊中間~筑豊直方 20分毎

土休日 黒崎駅前~筑豊直方 15分毎
にまで削減されています。
 利用者が40年で1/3近くにまで減ってしまっているのは辛い…。
 車両は、やはり本格的なLRT超低床スタイルを志向すべきでしょう。

★西日本鉄道と共に(インタビュー記事)
 OBへのインタビューですが、まずバスの車掌から鉄道に移り、助役・駅長にまで上りつめたと言う流れは興味深い。
 西鉄らしいとも思いますが、国鉄だけでなく(国鉄は性格上、バスも規則などある程度鉄道に近かった)昔の大手私鉄は殆どが最近までバス部門も直営でやっていた訳ですけれど、同じように現業でバス→鉄道(あるいは逆)のルートが存在していたのでしょうか?
 分社が徹底されている今となっては、鉄道⇔バスの異動は「出向」という形を取るのが普通だと思いますが。
 2000系の踏切事故が生々しくて凄まじい。
 車体が横倒しになってしまって、よく復帰できたものです。

★見果てぬ夢 -西日本鉄道の幻の新線計画-
 その後は歴史編になり、西鉄の100年を振り返った後、表題の、北九州~福岡の、2度に渡る高速鉄道建設計画が取り上げられています。
 1度目が九州電気鉄道による、戦前でほぼ現在の鹿児島本線に並行するルート
 2度目は博多湾鉄道汽船(後の宮地獄線)による、戦争直前の鹿児島本線と殆ど並行する区間に加えて福間から福丸を経由して飯塚に至る路線
 3度目が筑豊電気鉄道による、直方や飯塚といった石炭地域を経由したルート(現在の路線はこの計画を先取りしたもの)。
 福岡県の2大都市を結ぶ路線だけに、実現していれば鹿児島本線の強力なライバル路線になり、確かに高速鉄道・西鉄の発展にも寄与したかも知れません。
 直方や飯塚も、「西鉄」主導でニュータウン計画が生まれたかも知れない、と想像してみるの楽しい。
 ただその意味で特にこの第3案はターミナルが黒崎というのが中途半端で、山越えもマイナスに働くかも。

★回想の北九州線
★車両履歴から見た 西鉄の路面電車
 等
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 ピクトリアル臨時増刊号に限らず、西鉄全体に関わる刊行物で特徴的なのは、北九州市内線や福岡市内線に代表される路面電車ネットワークにかなりのページが割かれること。
 前述のように、もともとの母体が純粋な路面電車の会社であった事があるかも知れません。
 今回も例外ではなく、北九州市内線全線廃止直前の情景や、車両の履歴に多くが割かれています。
 ただ、一部の車両が広島や熊本などに譲渡されたり(№104)、静態保存された車両もあるのですが(№105)、それらの写真が1枚もなかったのが残念。

 最後に、現有車両プロフィール。
 西鉄と言うと、天神大牟田線の電車でも、何か関東や関西に比べて、車体幅が随分狭いと言うイメージがありました。
 実際、特急車8000系は2,716㎜で、通勤車5000系が2,740㎜で、これは例えば、同時期の京阪8000系の2,780㎜等と比べても明らかに狭いです。
 建築限界の影響があったのでしょうか。
 最新の3000系が2,770㎜とかなり広くなって、建築限界の拡大がなったのかとも思いますが、、この辺の経緯については本文ではどこにも記されていませんでした。
 6050系電車の最終増備車の6157Fが、大分仕様を変更し、外観にも反映されているようなのですが、その編成の外観の写真がなかったのも残念です。
 貝塚線の600系が、大牟田線デビュー時のカラー(ベージュ+ブラウン)を復刻してくれたら面白いなあ。

 最後に。
 巻末に折込みで「車両系統図表」(平日)が封じ込められています。
 西鉄特集ではこれまでにも大牟田線のダイヤが封じ込められていましたが(これは西鉄の駅で利用者に無料で配布されている)、今回はさらに一歩進んで車両の運用まで判別できるようになっています。
 形式、連結両数毎に色分けされていて、追跡には便利。
 しかしこれを見ると、8000系は特急車でありながら特急運用が意外に少なく、下りは32本、上りは29本中の15往復しかなく、夕方には普通列車運用に入った後、19時30分には早々に全編成入庫してしまいます。
 日中は急行で運用される3000系も、朝晩は普通列車ばかり、天神は朝ラッシュのピークをはずして発着するようになっています。
 代わって朝晩は6000系や5000系の6・7連が特急・急行の主役になる訳ですが、ラッシュ時と日中でこれだけ運用パターンがガラリと変わる大手私鉄も、西鉄位ではないでしょうか。
 イメージ的には、ラッシュと言っても首都圏ほどではないという気もするし(しかも最近は減少している訳だし)、朝はともかく夕方はもっとクロスシートが走れるんじゃないかと思うんですが、やはりそれでも混雑は激しいのでしょうか。
 ダイヤそのものでは、特に日中の柳川での普通列車の停車が20分以上もあって、これは大手私鉄としてはかなり際立って長くとられています。
 もちろん特急との接続のためでありますが、全体的に特急・急行の待避時間が、本州の大手各社と比較しても割りと長めになっているのは(大橋などでも)、少々気になる点です。

 さあ、多少不幸な形ながら九州新幹線がついに全通しましたが、この事は西鉄(及びグループ全体)にはどう関わってくるでしょうか。
 鉄道に関しては新幹線の駅に直接接続がないので、正直どの程度影響が出るか解かりかねるのですが…。
 むしろバスの方が高速でも、一般でも大きく影響するでしょう。
 鉄道、特に天神大牟田線に関しては、やはりもう少し久留米より南の区間で利用が増えて欲しいのですが、現状では難しいでしょうか。
 とりあえずは特急停車駅、特に大牟田の利用の増加を図る事が期待されます。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
コートジボワール日本大使 フランス軍により救出

№442 路線バス 終点の情景(加藤佳一/クラッセブックス)

 今日はバスの著作についてのレビューです。結構話題のようで、JTB時刻表2011年4月号の「ノリノリのりもの情報局」にもありました。

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 最近は鉄道に続いてバスの終点も静かなブームなのかも知れない。先日の故宮脇俊三氏の過去の著作の文庫化に続き、また一冊バスの終点にまつわる味わい深い著作が発表された。

「バスジャパン・ハンドブックシリーズ」のエディター、加藤佳一氏によるもので、こちらは1986年にスタートした、バス趣味誌の草分けといえる「バスジャパン(BJ)」より、後継の「ハンドブックシリーズ(BJHS)」に至るまで各号で1つずつ紹介された、バスの終点の情景が単行本にまとめられたものである。
(一部初出のものもある)

 構成はいたってシンプル。1枚の終点の写真を基に、それ程長くも、難しくもないテキストが添えられている。テキストも、終点そのものの情景もあり、そこに至るバス路線の情景もあり、加えて風変わりな地名であれば昔話や民謡も交えて味わい深い解説もあり、さらには著者自らが歩んできた人生も交えられている。メモとして、終点のその後の変化が加えられている。
(これに寄れば、全く足がなくなった終点は、ジェイアール北海道バスの下新拓だけのようだ)
 都会のバス利用者からすれば、鉄道と違い、バスの終点といったってポールが立っていなければただの空き地という印象も強いが、保井野(せとうち周桑バス)や奈良田(山交タクシー)のような、車庫然とした建物がある所も少なくない。「ただの空き地」にしても、周辺の風景(昔ながらの民家、森林、海、木々など)が、より終点の光景を引き立たせているようだ。待合小屋がある終点もあるが、下新拓と新原ビーチ(沖縄バス)では造りが全く違い、日本の意外な広さも感じさせる。

 それも田舎の話で、都会には関係ないだろうと思われるだろう。まえがきでも自ら触れているように、大手事業者(特にニューハンドブックシリーズ以降は首都圏)が中心であるが故、特に北海道や九州がほとんどない。どちらにも大手事業者は存在するからいずれ取り上げられる事を期待したい。だがどうしてどうして、首都圏でも峰(横浜市交通局)や北八朔(東急バス)など、思いの外都心に近いニュータウンの傍らにひなびた終点があるのには驚かされる。一方で扇町(川崎市交通局)のような純粋な工業地帯に位置する終点もあるが、それはそれで興味深い。

 この著作では、新しいもの(原・京阪京都交通)から古いもの(浮島・日本国有鉄道)の順に並んでいる。なので、実は逆に後ろのページから読んでいくと面白いのではないだろうか。
 バス趣味的にも第1回の浮島ではいすゞ+日野モノコック車体で始まり、その後スケルトンボディ全盛となって、扇町では初めてノンステップバス(しかもCNG)が現れる、この変遷が楽しい。
 加えてテキストも著者が結婚し、父親となって、過去に思いを馳せながら、少年時代にさかのぼりながら己の心境の変化を垣間見せている。鶴見線の73系や玉電、時には「ルパン3世」のアニメシリーズにまで言及していて楽しい。

 ともかく、これからバスの趣味(特に乗り歩き)を始めてみようかな、という方には絶好の1冊ではないだろうか。
 最後に、バスジャパン各号は創刊当初からいずれも予算が厳しいためか「終点」のページが皆白黒で、止む無き事とはいえ残念だったのだが、今回ごく一部ではあるが、表紙でカラーの終点を見る事が出来たのはうれしい。
 日本の自然、まだまだ捨てたものじゃないぞと思わされる。

 ところであとがきに、一部の終点についてはネガを見つけられずに掲載できなかったとありました。
「大湊」(サンデン交通)もその一つですが、これは№24にも書いた事ですが、私自身ここを訪れた事がありました。
「BUS JAPAN」№7に掲載されていたものですが、上の画像に近い形で掲載されていたと考えてください。
(ただし本文はサンデンの西工「はんぺん」が写っている)

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
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