№456 「息抜き」の長野 2.スノーモンキー、川中島バス、そして新幹線

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3月30日(水)
 朝起きると外は快晴。よしよし。
 朝方は川中島バスを撮ります。

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 ところで既にご存知の通り、川中島バスは今月1日に松本電気鉄道に諏訪バスと共に合併、「アルピコ交通」として再発足しています。
川中島バスは「長野支社」の扱い)
 しかしこの日は後2日で新体制というのに、バス停などには「明後日からアルピコ交通として走ります」旨の表示は、(少なくとも自分が見た限りでは)全く見かけませんでした。
 長野駅前の一部のバス停に、フライング気味に「アルピコ交通」とあっただけ。

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 9時前になって、新たに運行を開始した「スノーモンキー」を撮りに行きます。
 本郷で下車、近くの踏切へ。
 先ずは普通電車の3500系。
 日比谷線からコンバートされて、もうかなり経ちました。

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 そして2100系特急「スノーモンキー」。
 試乗はまたのお楽しみにします。
 国鉄・JRの特急型電車が在来私鉄に譲渡されるのは、初めてのはずです。

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 本郷駅で並ぶ、左は東急の8500系。
 右は日比谷線の3500系で、湯田中からの直通電車です。
 この両者、かつて東横線で並んだ事があったかも知れない。

 本郷駅は橋上駅舎を「本郷ステーションデパート」と呼称していますが、テナントは殆どいなくなってしまいました。
 老朽化も進んでいるし、バリアフリーを考えると、いっその事駅舎を取り壊し、新しい平屋駅舎を建て直した方が良いのかもしれない。
 長野電鉄ではご存知のように屋代線(屋代~須坂)の廃止の申請が出されてしまいましたが、駅にはその旨のお知らせはありませんでした。
 しかし、本線格の長野線もこの数年列車の減便が続いていて、なにか元気がない気がします。
「ゆけむり」「スノーモンキー」で再び活性化される事を望みます。

 長野に戻り、川中島バスなどのバスの撮影に時間を費やします。
 まずは、長野駅前~善光寺大門を走る「びんずる号」を撮影してみようと思います。
 レトロ調の外観ではありますが、比較的最近在来の中型車のデザインを変えたようで、車内は一般路線車と同じでした。

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川中島バス 40065

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川中島バス 40148

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川中島バス 40150
 この3台がローテーションを組んで、長野駅前~善光寺大門を15分間隔で走っています。
 所要10分で、全区間100円。
(この区間は他にも一般路線あり)

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川中島バス 40069
 長野市中心部を走る循環バス「ぐるりん号」。
 この路線は長電バスとの共同運行で、20分間隔でだいたい8の字に走ります。

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長電バス 長野200か68
 その共同運行相手の長電バス。
 川中島バスと全くの同型です。

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長電バス 長野200か1053
 長電バスからもう1枚。
 長野市内中心部を走るBLCハイブリッド。
 ポスト新長期規制車が、長野でも走り始めています。
 それまでよりは多少短くなっています。

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「びんずる号」の終点、善光寺大門。
 終点といっても、ループ上の折返しで、専用のスペースがあるわけではありません。

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 古風な商店に花々、いよいよ長野にも春が来たようです。

 川中島バスはこの他にもかなり撮影しました。
 これらの画像は、本体の次回更新(予告より遅れて5月5日になる予定)時、松本電気鉄道改めアルピコ交通のコンテンツの中に、在来の川中島バス及び諏訪バスの画像と合わせて公開する事にしています。

 夕方多少早目の新幹線で東京に戻る事にします。
 長野新幹線はほぼ通常通りに走れているようですが、震災の被害は長野の在来線も無縁とは行きませんでした。

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 飯山線は震災で戸狩野沢温泉~十日町が不通。
 加えて燃料不足の影響で、長野~戸狩野沢温泉でも2往復が運休になっていました。
(飯山線は今日全通)

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 長野新幹線でも、臨時列車の大半が運転が取り止めになっていました。

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 さらに小海線の運休の告知。
 これに寄れば、野辺山~小淵沢は朝晩のわずか3往復!

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 待合室の発車案内表示。
 下のTVはNHKのBS-1で放送されていた、アメリカの公共放送PBSの「ニュースアワー」で、福島の原発の事故について伝えていたようでした。

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 帰りは<あさま532号>を利用します。
 途中軽井沢と大宮、上野のみに停車する速達タイプで、東京まで1時間33分。

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 その車内。
 しかし今年は本当に新幹線に乗るなあ。

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 長野駅の駅弁「信州サーモン宝石箱」。
 1050円。

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 曇りがちにはなったけれど、浅間山も美しい。
 でも、今回の震災では津波が甚大な被害をもたらしたけれど、日本の場合、だからって海が怖いと山へ逃げても、今度は火山の噴火が待っているんですよね…。
(震災で忘れられたかもしれないが、宮崎・新燃岳の噴火災害も沈静化した訳ではない)

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 徐行とかもなく、東京には定刻に到着しました。

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 上越・長野はいいんだけれど、東北は那須塩原行「なすの」一色と、ちょっと異様。
 大体20~60分間隔の運転になっていたようです。

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 今後の新幹線の運転計画。
 この時点での東北新幹線は、しばらくは那須塩原での折返し運転が続くような感触でした。

 あれから1ヶ月の今日、ようやく東北新幹線が全線で運転を再開、<はやぶさ>も2往復運転されています。
 徐行運転の影響でかなり遅くなってしまっていますが、在来線も津波の直撃を受けた路線以外は今日までに開通し、ようやく鉄道もわずかながら燭光が見えてきたのでしょうか。
 仙台では今日地下鉄が全線で、市バスの「るーぷる仙台」も運行を再開。
 プロ野球の楽天戦、Jリーグのベガルタ戦が開催され、かなり遅くなりはしましたが、ようやく杜の都も春を迎えたようです。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 さて、別に政府の音頭に乗ったわけではないのですが、明日と明後日、青森に行ってきます。
 これは、引退が延期になっているJALのA300-600R(A3R)に乗るのが第一の目的です。
 A3Rは本来は3月26日の鹿児島線を持って退役するはずでしたが、その2週間前の震災の影響で退役が延期、青森線や秋田線などで就航が続いています。
 明日は3便がA3Rで飛ぶ予定です。
 一応明日までかなあと思い、この機会なので「最終日」にもう一度A3Rに乗って、同時に青森の空気も感じてこようかと思った次第です。
(実際はA3Rは5月一杯までは飛ぶようです)
 それと、青森は弘前のさくらまつりのように、今が桜の見ごろ。
 明日宿泊する八戸のホテルからのメールでも、八戸は桜のシーズンを迎えるとあって、楽しみにしているのです。
「桜とバス」の写真、撮れないかなあ。
 そして、他の県ほどではないにしても青森県も被災地ですし、特に八戸は漁港とかが結構被害が大きいので、何とか少しは被災地で何らかの貢献 …といっても電車・バスに乗ったり土産を買ったりする程度しか出来ないでしょうが… が出来ないかと思っています。
 この旅行については来月書きます。
 とにかく明日か明後日、どちらか一方だけでも晴れて欲しい…。

《今日のニュースから》
モロッコの商業都市マラケシュで爆弾テロ 15人死亡

№455 「息抜き」の長野 1.高速バスで長野へ

 東横線では一昨日から日比谷線直通運転が再開されました。
 メトロ03系の「菊名」の二文字も、久し振りだなあ。
 しかし、直通運転は平日の朝・夜に限られて、日中や土休日は未だ直通運転は再開されていません。
 東横線に限らず、首都圏の私鉄を中心とする鉄道は、未だに間引き運転を強いられています。
 他の節電対策(券売機の停止・駅舎内照明や車内の照明の削減等)はともかく、ダイヤ(少なくとも定期列車)やバリアフリー(特に下りエスカレーター)は早急に震災前と同じ体制に戻さなければなりません。
 しかし、そのためには後どのくらい電力の供給が回復すれば良いのだろう?
 ジャーナリズムも、センセーショナルな悪者探しに現を抜かすのもいいけれど、こういう所こそついて欲しいのに…。

 震災から半月、何とか日々の暮らしを続けてきました。
 しかし、メディアから流される震災や原発事故関連のニュースは途絶える事はなく、加えて個人的な部分でも精神的に苦痛を覚える部分が公私共に多々あり、正直「息抜き」がしたくなってきました。
 毎日毎日不自由な暮らしを強いられる被災者の方々には怒られそうですが。
 とりあえず、月末30日の長野は晴れそうだと言う天気予報だったので、多少慌しいのですが、長野まで行ってきました。
 これにはもう一つ理由があり、長野付近で運行されている川中島バスが、4月1日より合併で「アルピコ交通」となるため、最後の姿を撮っておきたいと思ったのです。
 別に消滅してしまうわけではないですが、まあ川中島バスの写真が少なかったですから。

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3月29日(火)
 この日は午後遅くまで仕事。
 どの道長野まで移動して、ホテルに入って終わりなので急ぐ必要なし。
 行きは高速バスを利用します。
 新宿~長野線は京王電鉄バスと川中島バスの共同運行。
 新宿発だとだいたい午前…京王、午後…川中島持ちになります。
 しかし、新宿西口16時40分発は京王電鉄担当便でした。
 新鋭エアロエース。

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 いつもどおりの賑わいを見せる、新宿西口のバスターミナル。

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 関越自動車道を北上すると、新宿へ帰る僚車、セレガRとすれ違います。

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 上信越自動車道に入り、横川SAで15分休憩で停車。
 残念ながらもう真っ暗。

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 SA内の高速道路情報。
 原発事故の影響による常磐自動車道路・いわき四倉~常磐富岡以外の区間は、既に全線で通行が再開されています。
 高速道路に限れば、阪神大震災の時よりはまだマシだったかもしれません。

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 この横川SAのショップは、ちょうど前日の28日、「ドラマチックエリア横川」の名でグランドオープンしていました。
 みやげ物店やフードコートも充実。
 ただし、震災の影響とかベーカリーのオープンが遅れているようでした。
 ちなみに上り線は「峠のかまめし」で超有名なおぎのやが経営していて、キハ58の前頭部が展示されているそうです。
 こういう場所での休憩も、高速バスの旅の魅力になるのかも。

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 定刻より心持遅れて長野駅前に到着。
 駅前より通り一本隔てた、川中島バスの案内所の前に着きます。
 本来はこの先、善光寺大門を経由して国際ホテル21まで行きますが、この便では全ての乗客が長野駅前までに下車、車両は「回送」の表示を出して左折していきました。
 今日は長野に泊まり、明日、善光寺大門7時40分始発で新宿に帰るはずです。
(新宿行の乗場もここ)

 今日はこのままホテルに向かい、夕食も食べて明日に備える事にします。
 とりあえず明日は晴れそうですが…。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
プレイステーション3 大量の個人情報流出 オンラインサービス中止

№454 衝撃覚めやらぬ中、呉・松江へ 3.ANA818便

 震災や原発事故の「ドサクサ」で、少なくとも東日本では忘れられているかも知れませんが、今日4月25日は、乗客乗務員107人が犠牲になった、福知山線の脱線事故から6年となり、今朝事故現場で追悼式典が行われました。
 非常に乱暴な表現を承知ですれば、日本において単独の鉄道事故で100人以上死亡といったら、今回の大震災の死者1万4千人余と同等か、それ以上だと思います。
 まかりなりにも「鉄道先進国」なのですから。
 今日はこの他、キャンディーズの田中好子さんの告別式とか、栃木では先日のクレーン車事故で小学生6人が犠牲になってから一週間とか、震災・原発事故以外の部分で祈りの一日になっているようです。

 今回の呉・松江旅行も終わりが近づいていますが、どうにも気が重い…。

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 帰りは米子空港からのANA便を利用する事にします。
 最初は鉄道利用で米子経由も考えましたが、結局松江から直通バスを利用する事にしました。

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 松江駅14時10分発の空港行は日ノ丸ハイヤーが運行。
 JTB時刻表上では松江一畑バスが運行するように記されていますが、実際には日ノ丸との共同運行になっています。
 運賃960円。所要約40分。

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 米子空港ターミナル。

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 米子と言えば「ゲゲゲの鬼太郎」。
 空港も「米子鬼太郎空港」の愛称があり、鬼太郎の像があります。

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 展望デッキ。
 羽田からのANAのB737-800は既に到着していました。

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 空港カウンター。
 国内線はANAの羽田行が1日5便だけなので(他にアシアナ航空のソウル便週3便)、小ぢんまりしています。

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 ターミナルの中にも鬼太郎が。

 しかし、搭乗前というのに、どうも心が晴れません。
 なぜなら…。

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 羽田空港からの京急線が、15時30分より全線で運休になるという情報が掲示されていたからです。

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 従って、自動券売機も使用停止。
 モノレールは運行されるそうだが、横浜方面となると、後はバスが運行されるのか?
 一部の路線のみ運行という事で、どの路線が運行対象なのか。
 少なくとも、JRの駅へ行く路線は動いて欲しいのだが。
 アナウンスでも、注意の放送が繰り返し流れていました。

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 出発ロビーのTVでは、首都圏の計画停電について伝えています。
 今の所は停電はしていないものの、18時~19時がピークになるので、ここが問題になるとの事でした。
 ちょうど帰宅ラッシュになりますからね…。
(帰ってきてから知ったのだけれど、この事で朝の首都圏の鉄道網が大混乱に陥ったらしい)

 誰のせいでもないけれど、こんな乗る前からブルーになるフライトなんて、初めて…。

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 搭乗券は、手荷物検査場のゲートの手前でカードをかざすと発行されます。
 昔とは大分違うな。

 ANAでは機内のサービスが簡素化され、オーディオのイヤホーンが希望者のみに配られるようになったというのは以前書きましたが、この日は機内に入るとすぐCAの方が「NHKがお聞きになれます」と言いながら配っていました。

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 ターミナルを離れると、通常のアナウンスに加えて、地震に関連しての運行のお詫び放送が入りました。

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 離陸すると中海上空で左旋回してUターン、空港を左に見る形になります。
 JR境港線も目視できました。
 やがて左下に山陰の海岸線が見えてきたのですが、すぐに雲が広がり、地上は何も見えなくなってしまったのが残念。

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 B737-800のキャビン。

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 今回の「ANA My Choice」は、スターバックスのコーヒー(200円)。 
 そういえばスターバックスはマークを多少変えたと聞いた気がしますが、この便のカップのマークは以前のものでした。
 ドーナツは空港の売店で買っておいたもの。

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 モニターはオーバーヘッド・ストウェッジ収納式。
 通常の昼のNHKニュースは放映されませんでした。
 まあ、一日中大震災報道だから放映のしようもないのだけれど。
 機内プログラムの合間は、フライトデータが表示されていました。
 もっともフライト時間は短いから、プログラムが終わってデータ表示になる頃にはもう降下が始まってまもなく大島上空、というところだったのですが。

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 その大島の上空。
 東京が近づくと海が見えてくるのですが、大島の真上だけ雲が広がっています。

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 房総半島を縦横断して、千葉市上空。
 房総半島もかなり被害を受けていると後で聞きましたが、この付近でははっきりとは解かりません。
 ところが…。

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 東京湾にさしかかると、震災で爆発を起こしたコスモ石油の千葉製油所から、黒煙が吹き上がっているのが確認できました。
 鎮火しつつあるようですが、凄いな…。

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 16時47分、R/W22に着陸。
 関東地方は大気の状態が不安定で、後続のJAL機はゴー・アラウンドしていたみたい。
 首都高速湾岸線は、普通に車が流れているようでした。
 南側のフィンガーを大きく回りこんで67番ゲートに到着。

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 定刻より5分程遅れての到着。
 到着ロビーまではちょっと遠いな…。

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 やっぱり京急線は運休か…。

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 幸い、横浜(YCAT)行の京急バスは通常運行。
 しかも思ったほど乗客は多くはありませんでした。
 少なくとも1時間ぐらいは待たされるのかと覚悟していたので、正直拍子抜けではありました。
 なんとかバスを乗り継いで、帰宅できました…。

 この後もしばらくの間、関東地方もまた震災の後遺症に苦しみ続ける事になります。
 そんな中でも何とか日々の暮らしが続きますが、さすがに「息抜き」もしたくなって、月末には長野に行く事になります。
 その辺は次回から2回に分けて書きます。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
ローマ法王ベネディクト16世 東日本大震災の被災者にメッセージ