№439 当分の間お休みします。

 今回の震災で犠牲になられた多くの方々にお悔やみを、被害に遭われた多くの方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
 自治体レベルの単位でまるまる町が壊滅状態に陥ったというのは阪神大震災の時にもなかった事で、正直外国の事とか、あるいはSFの世界の話だろ?と思っていた己の不明を恥じる他はありません。

 地震発生時、私は仕事の合間の休憩で渋谷駅近くの大手喫茶チェーンの店内2Fにいました。揺れだした時、最初はたまにあるごく小さな揺れだと思っていましたが、収まるどころかだんだん揺れが大きくなり、店内の客が皆外へ逃げ出そうと降りていきました。オイオイ、それでいいのかよ?とか思いましたが、ニュージーランドの事が頭にあったのかも知れません。私は揺れが収まってから外に出ましたが、渋谷駅東口に現在建設中の「ヒカリエ」の屋上のクレーンがまだグラグラ揺れていて、人々がキャーキャーいっていました。
 幸か不幸か、私は最初から夜勤でしたから直接の影響は受けなかったのですが、東京近辺の鉄道が全て止まってしまったため、遠くから来ていて帰れなくなった方々が多数おられたようです。特にJRが早々と当日の全面運休を決めたため、後は私鉄の開通がいつになるんだ?と多数の人々が私鉄の駅を取り囲んでいたようです。渋谷近辺では青山学院大学などが帰宅困難者を受け入れているとか聞きましたが、今さらながら「『帰宅難民』って、やっぱりいるんだなあ」と思わされました。その日のうちに運行を再開した私鉄や地下鉄、それに一部の都営バスの路線は終夜運転を行っていたようです。

 前回更新時、12日より広島へ行くと申し上げました。しかし当初はJAL便で広島へ向かう予定でしたが、JRだけでなく京急も不通、首都高速も通行止めでバスも走れなくなり、空港へ行く足がなくなってしまったため、結局この日は出発できませんでした。
 それで昨日になって改めて出発。東海道・山陽新幹線は通常通りの運行になり、「のぞみ99号」も定刻に品川を出発、広島も定刻に到着しました。しかし、九州新幹線が前日全線開業したというのに、当然の如く祝賀ムードは全くなくなってしまい、広島でのイベントも中止の張り紙が出されていました。昨日は夜に一畑バス「グランドアロー」で松江に向かい、今日は米子からのANA便で戻りました。羽田からの京急線は15時30分を持って全面的に運行を取りやめていましたが、幸いYCAT行バスは通常通り運行中、このバスと神奈中バスを乗り継いで今帰ってきた、という所です。

 今後の事です。
しばらくの間報道は震災一色になるはずで、それを避けて記事を書く事はできなくなるはずと思いますが、これだけの事態になってしまった以上、軽々しく事は語れません。
 それに上の京急の如く、東京電力は今日14日から「輪番停電」と称した、時間を区切ったエリア毎の停電を発表し、鉄道各路線が運休や大幅な混乱に陥るなど、物理的にも時間的にも記事作成(というかPC操作?)が困難になる状況が生じています。
 これらの事態を考慮し、当ブログは、

少なくとも今月一杯の更新は休止

とさせて頂きます。
 今の所、再開は4月3日を予定しています。
(前日4月2日に本体の更新を行う予定)
 ただし、「輪番停電」は4月一杯行うとされていますので、これも今後の動向によってはどうなるか解りません。
 前回予告した、「出揃った 私鉄のダイヤ改正 2.関西」については、その最初の更新時に書く予定です。
 名鉄と近鉄は新ダイヤに移行しているはずで、多少間が悪くなるのですが、ご了承ください。

 明日以降も鉄道だけでなく、バスも燃料や乗務員の不足から間引き運転に陥る所も出てくるようです。
 直接的な被害に遭われた方も、そうでない方もつらい日々が続く事になりますが、どうか皆様、くじけずに日々お過ごし下さい。
 一日も早く、平穏な日々が戻りますように…。

№438 出揃った 大手私鉄ダイヤ改正 1.関東

 去年は京成・京急を中心にしたダイヤの改正に沸きましたが、今年の春は関東では東武東上線・西武・京王、関西では名鉄・近鉄・京阪でダイヤ改正の発表がありました。
 東上線と西武は既に改正ダイヤがスタートしていますが、ここでは各社のプレスリリースと、発売されている分では各社の時刻表から、内容を簡単にチェックしてみようと思います。
 今回は関東3社です。

画像

1.東武東上線 3月5日実施済み
主なポイント
1.平日に「TJライナー」を増発 20時台まで30分間隔で運転
2.日中の池袋発急行を12分間隔、準急を20分間隔に統一
3.朝ラッシュ時上り急行を増発
4.日中の普通列車を増発
5.土休日の下り快速急行を増発

 まず「4」については、前回2008年改正で削減されていたもの(志木~川越市)が元に戻ったと言う事。
 ただ、準急も含めて前回改正で不規則になってしまったパターンが、今回も戻っていないのが残念な所。
 ふじみ野の待避が一部復活。
「2」については、下りでは毎時10分発の準急は次の成増で早々に後から来る急行に抜かれるなど、少々不自然な点が見受けられます。
「3」は、通勤急行と準急を1本ずつ急行に立て替えたもの。
「1」は、送り込みの上りの快速急行は増発されていないので、森林公園から回送ですかね…。
 なお、ちょっとビックリしたのですが、30000系が東上線を走るらしいです。
 私は50000系増備→10000系(6+4連)の伊勢崎線転用というシナリオもあるのかと思っていたので、かなり意外です。

画像

2.西武 3月5日実施済み
主なポイント
<池袋線>
1.平日朝方上りは各停池袋先着で快速・準急の混雑を緩和
2.夕方下りは通勤準急2本を準急に変更 優等列車の間隔を5分に統一
3.保谷駅線増により、始発列車のホームを変更(7月下旬より)
<新宿線>
1.上り朝方急行の所要時間を最大6分短縮
2.快速急行は新所沢~本川越各駅停車に変更

 池袋線「1」は、清瀬6時33分始発各停が東長崎で準急通過待ちをしていた所を、6時37分発に変更した上で待避をなくし、池袋まで後続の準急から逃げ切ると言うもの。
(代わりに保谷6時40分発各停が49分発になり、この電車が東長崎で待避)
 また、練馬高野台7時01分発というのは増発ではなく、渋谷行が練馬高野台で準急の待避を行うもの。
「3」は本来は数年後の東急東横線直通運転を見据えたもので、今の所地下鉄直通の保谷折返しはないが、東横線への直通運転が始まった時点で見られるようになるのでしょう。
 新宿線「1」は、小平では拝島・西武遊園地から来た急行を新所沢方面から来た各停が待って先に発車、東伏見で改めて通過待ちとしていたものを、急行先発に変更するものです。
 新宿線の快速急行は、設定当初は新所沢~本川越はノンストップでした。
 なお、新所沢で快速急行と接続していた国分寺線からの直通列車はもちろん待避はなくなりますが、国分寺発は小川で4分停車となり、所要時間は変わっていません。

 それから、付録に西武バスの時刻表がありますが、三峰口~秩父湖は時刻表の通りなら1日2往復への大幅減便。
 中津川行を含めても、三峰口からの便は6往復だけになってしまいます。
(西武秩父からの三峰神社行急行は除く)

 東上線と西武は、2012年度とされている東急東横線への直通運転開始前では最後の改正になると思われます。
 今回は東京メトロには触れませんが、有楽町線と副都心線は副都心線開通時から運行上の混乱が続き、批判が多いようです。
 対策として小竹向原駅の連絡線新設という話も聞こえますが、ダイヤのサイクルが有楽町線と副都心線で合っていない事に問題があるように思われます。
 東横線への直通を見据えた場合、東横線は現在の15分サイクル(特急・急行各1本、各停2本)を変える事はできない - 各停の乗客も非常に多いので - と思われるので、有楽町線を5分間隔とし、東上線は以前の15分サイクルに戻さないと抜本的な改善にはならないと思われます。
 東上線は川越市~森林公園の適切な輸送力を見定めようとしているようですが、日中の快速急行設定か、準急の一部延長のどちらかで対応した方が良いかと思います。

画像

3.京王 明日3月11日実施
主なポイント
1.早朝に京王八王子発→新宿行準特急3本増発
2.朝方に都営新宿線直通通勤快速及び急行を増発
3.夜間で相模原線の増発と最終電車繰り下げ
4.各駅停車の半数を10連化
5.土休日の都営新宿線→高尾山口行急行を増発

 今の所全線時刻表は発売されていないようなので現行ダイヤとの比較は出来ませんが、ここは輸送力が増えそうです。
 なお、都営地下鉄はどうした事か、新宿線の改正については全くリリースが出ていません。
 もう明日の話なのに。

 関西3社は次回にしますが、こちらはいずれも大なり小なりの後退になりそうです。
 特に京阪が少々ショッキングなのですが…。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 関西は次回と書いておきながら何ですが、実はまた広島と、今度は松江に出かける事になりまして、次回の更新は14日(月)になる予定です。
 呉市営バス、撮れるといいけれど…。

《今日のニュースから》
米国務省 「ゆすり」発言の日本部長を更迭

№437 「4000」はお嫌い?

 今日は小田急で大きな踏切事故がありました。
 私は早朝から仕事だったので詳細を知らないままだったのですが、発生から5~6時間たっても運転を再開しないので、大変な事故なのだろうとは思っていたのですが。
 鶴間~大和は駅間の距離も長いし、直線も長くてスピードが上がる区間なので、事故になると大規模なものになってしまうようです。

 さて、前回の「私鉄の車両シリーズ」では、名鉄瀬戸線用の新型通勤車4000系を取り上げました。
「私鉄の車両シリーズ」では過去に「4000」を名乗る系列を4つ取り上げています。

画像

№131 4.西武鉄道 秩父線用の2ドアセミクロスシート車。秩父鉄道への直通列車や、土休日には池袋~秩父直通の快速急行にも運用される。

画像

№178 30 小田急電鉄 2代目。JR東日本E233系をベースに設計。千代田線直通列車が中心だが、最近は地上線の快速急行等に運用される機会も多い。

画像

№346 80 小田急電鉄 初代。旧型車両を2600系並の4ドア車体に更新。後に高性能化・冷房化が行われた。既に全廃。

 そして前回の名鉄です。
 実は、少なくとも高性能化車両において、大手私鉄で「4000」を名乗る系列はこの3社・4形式しかありません。
(他に阪急の事業用車で4000番台がある)

 全体的に、どうも私鉄は「4000」番台を避ける傾向があるようです。
 大手私鉄(含むメトロ)の内、「4000」を使用していないのは13社ですが、この内11社は「5000」以上を使用した形式があるにもかかわらず、「4000」を使用していないのです。
(京急は2000番台以下しかなく、一番大きい番号が2464、京成も通勤車は皆3000番台)
 例えば東急は現有の3000系、5000系はいずれも2代目。
「4000」は2代に渡って無視されているのです。

 顕著なのが関西で、例えば京阪では中之島線用快速急行 … 5月28日改正で大幅に縮小されるそうだが … の3ドアセミクロス車を製作する時、まるまる4000番台が空いていたにも関わらず(事業用車両もない)、(旧)3000特急車を強引にも思える形で8000系(8030番台)に編入して、空いた3000番台を3ドアセミクロス車に与えています。
 南海も(旧)8000系を6200系に改造した上で、新たに8000の形式を新型通勤車rに与え、4000番台は空白にしていますし、近鉄なんて100の位、10の位(場合によっては1の位)でこまごま形式を分けているにも関わらず、4000番台は全く使われていないのです。
 名鉄にしても、3300系のように一度使われた形式名を繰り返し使うケースが多いのに、4000系が生まれたのは、長い歴史の中でようやく3年前の2008年になってからでした。

 大手以外でも「4000」を使用した系列は、少なくとも私は知りません。
営団地下鉄日比谷線の3000系の一部に4000番台の番号がついた車両はあったが)
 もちろん国鉄・JRにもなし。
 ○○系4000番台というのはあるが、4桁符号に移行したJR四国も、今の所「4000形」はありません。

 うーん、何でなんだろうと考えても、明確な理由が思いつきません。
 響きが中途半端なのかなあとか思ったりしますが…。
 それに、「4」とはいえ、忌番とも考えにくい。
 車号の1の位で「4」を避けるのは中小私鉄ではよく聞く話ですが…。
「400」というのはかなりありましたし。
 それに、過去に国鉄で「54」とついた機関車(C54、DD54等)がトラブル続きで短命に終わった、という事はあったようですが、現有の私鉄「4000系」ではそんな事はありません。
 皆ごく普通に運用されていますし、小田急の初代も、改造を繰り返しつつ、最後までトラブルなく使命を全うしていました。
 いずれにしろ「4000」とは、鉄道界においては謎な番号です…。
 もし、「4000を使用した形式が、ここにあったよ」と言う事をご存知の方がおられれば、ご教示頂ければ幸いです。

 次回の「私鉄の車両シリーズ」は近鉄南大阪・吉野線の特急車、16000系です。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
上野動物園のパンダ 「リーリー」「シンシン」と命名