昨日は冬至。
銭湯は「ゆず湯」でしたが、仕事で行けなかったのは残念!
フランス旅行記を続けます。
いよいよ、フランスはあと2日。
11月3日(水)
「フランス・レイルパス」は合計の有効日7日間のうち、前日までに6日間を使った。残る1日分は明日のために残す必要があるから、今日は再びパリ近郊を巡る事になる。パリのLRTは4路線あり、あと2路線残っているから挨拶に行こう。まずはT4系統へ。27日(№377)にTGVでメッスへ向かう途中見かけてちょっと気になっていたので。
ただし、T4 系統は3~4のゾーンにまたがって路線があるので、10月30日(№381)のような3ゾーン内の1日乗車券では通用せず、6ゾーンまで有効の1日券を購入する必要がある。19.6EUR。
マジェンタ駅 ホーム
T4系統が起点とするボンディ駅は、北駅に隣接するRERの専用駅、マジェンタ駅からE線で行く。このマジェンタ駅は地下にホームがあるが、かなり深い。2面4線で、中央部の2線の上部は広いドーム状になっている。電車は3ドアのダブルデッカー。2階部は中央で行き止まりになっている。シートは2-3配置。地上部に出ると東駅発着のSNCF線と並走、2ドアのダブルデッカーに抜かれる。
パリLRT T4
パリLRT T4車内
T4系統は他のLRT3路線と異なり、「Transilien」ネットワークに組み込まれて、近郊列車と同じカラーリングにSNCFのマークが入っている。日本で言えばJRが東京・大阪の近郊でLRTを運営しているようなものか。車両も他の3路線と違ってシーメンス製らしく、5車体だが両端は超低床にはなっていない。時刻表では平日・土曜は6分間隔で休日は9分間隔らしい。
ボンディ駅
ボンディ駅 ホーム
ボンディ駅は近郊列車の駅らしくきちんとした駅舎があり、自動改札も設けられている。駅前ではフリーマーケットが行われていた。
ホームはRER(パリ方面から)と同一レベルでの乗換えが可能。レールは先の方まで延びていて、ひょっとしてこの路線はT2と同様、近郊鉄道からの転用?
ガルガン駅
中間のガルガン駅は車庫がある訳ではないが2面3線のレイアウト。かつては駅舎だったらしい建物が残っていて、駅を中心に通りが延びている。RATPのバスも発着。沿線では結構大きな町のように見える。
オルネ・スボア駅
終点のオルネ・スボア駅まではちょうど20分。この駅はシャルル・ド・ゴール空港からのB線が通過する駅だが、先日は存在に気づかなかった。全体的に改良工事が進められている。ホームは地下道で連絡しているが、この地下道の掲示に「Voi 1 Paris Est」と書かれていた。やはり昔はパリへ直通する近郊鉄道の路線だったようだ。
セ・アンリ・ゼリアー駅
ホームの広告
全体的にはこの路線は静かな郊外の住宅地の中を走っている。ホームは皆長めだ。かつては近郊鉄道だった事もあるし、将来的には連結運転を想定しているのかも知れない。現行の車両は連結運転には対応していないように思えるのだが。
中間駅は皆ホームへの入口付近にIC対応の簡易改札機が置かれているのみ。市中の地下鉄もそうだったが、IC乗車券の普及が進んでいるのはパリも同じようだ。
さて、せっかくの新しいLRT、優れたデザインなのに…。
落書き
これはいただけない。
車体への落書きは欧州ではよく見られる事ではあるが、T4系統では他にも窓ガラスに引っかき傷があったり、ホームの広告のガラスがコナゴナになってそのまんまというケースも見られた。せっかくの新スタイルの公共交通なのだから、市民層に定着を図るのならば、こういった破壊やイタズラ等の行為には毅然とした態度で臨んで欲しいと思う。
ボンディ駅に戻り、RERのE線で1駅パリ方に戻って、残るT1系統に乗る。
パリLRT T1
といっても、実はこの路線は14年前の1996年に乗った事がある。4年前の1992年に開業した当時は「パリに『路面電車』復活」と、鉄道ファンの間でも随分話題になったものだった。当初はサン・ドニ~ボビニー・パブロ・ピカソ間の運行で、最近ノアジー・ルゼックまで延伸されたらしい。
車両はグルノーブルの初期車両と同じ中央部が超低床になったタイプ。それ自体は変わっていないけれど、カラーリングが、以前のグレーをベースにしたものから、地下鉄やバスと同様のライトブルーと白のツートンカラーに変わっていた。
RER ノアジー・ルゼック駅
LRT ノアジー・ルゼック駅
まずはサン・ドニまで乗り通してみるが、ノアジー・ルゼック付近はどうした事か渋滞が激しく、バスも何台か捕まってしまっている。専用の走行路が確保されているT1も、脇道から流入してくる乗用車で何度か立ち往生させられた。先日のT3もそうだったけれど、LRTといえどもやはりパリ、地方都市のようなスムーズな運行という訳には行かないようだ。
パリLRT 1系統すれ違い
パリLRT 1系統サン・ドニ付近
パリLRT 1系統サン・ドニ駅
サン・ドニまで約50分かかった。この路線の場合、黒人の乗客が他の路線と比べて際立って多いように感じた。全体的に利用者が多く、特に若い人が目立つ。それ自体は嬉しい話だが、乗降に手間取る所が少なくないようだ。そろそろ輸送力不足で、T2・T3の「シタディス」のような、長編成で全超低床の新型を入れるべき時期かも知れない。
サン・ドニ付近は工事中だが、佇まい自体は14年前と変わっていないようだ。サン・ドニといえば、1998年に行われたフランスW杯の決勝戦の地「スタット・フランス」が有名だけれど、駅から歩いていくには少々遠そうだ。今回は見送り。SNCF線はタリスが通過していくのが見えた。
パリLRT T1オテル・ド・ヴィル・ド・ボビニー
パリLRT T1電停
初期の終点、ボビニー・パブロ・ピカソまで戻る。ボビニー地区は他と違って歴史的建造物が皆無。新しく開発された所のようだ。地下鉄5号線の駅と直結したバスターミナルもあり、RATP以外のバスの発着も頻繁だった。
地下鉄5号線でパリ市中に向かう事にする。
パリのLRT4路線に乗って感じた事。
地方都市ならまだしも、パリ程の大都市だと、地下鉄が高度に発達していれば、中心部ではさすがにLRTの出番はなさそう。
(地下鉄が苦手な人のための地上交通はあっても良いが、それはバスの方が適しているのではないか)
大都市でLRTを導入するなら、外郊外線的な区間が一番効果を発揮するだろう。
都電の荒川線だってそうだ。
それと、「道路交通法によって、軌道内に乗用車を入れない」というだけではもはや不十分で、併用軌道区間でも、はっきりとLRTの専用走行路が確保されなければならない。
エッフェル塔は先日30日の夜に入場しているし、遠くからなら何度も見ているが、やはり昼間に近くから見たい。なのでレピュブリックで8号線に乗り換え、エコール・ミリテールで下車、歩いて行く。
下車の直前、赤いハチマキやノボリやらの集団がなにやら騒ぎながら入れ替わりに乗り込んでいく。地上に出るとボスケ大通は警察によって封鎖されていた。年金改革に抗議する行動はいまだ続いているようだ。ただ、この数日の感覚からすると、メチャクチャな騒動はもう収まりつつあるようだったが。フランスという国は優雅なイメージとは裏腹に、昔から左も右も過激な行動が度々起きているような気がして、色々な面で感覚的についていけない部分が多々あるようだ。
エッフェル塔
エッフェル塔はやはりデザイン自体も美しいし、周りに高層建築物がないからより見事に見える。
鉄道の駅のすぐそば、と行かないのが難点か。(それは東京タワーも同じだけれど)
RER C線 シャン・ド・マルス・トゥール・エッフェル駅
一番の最寄り駅が、RERのC線、シャン・ド・マルス・トゥール・エッフェル駅。
ここからヴェルサイユまで行く。C線は少々運行形態が複雑だけれど、宮殿の最寄り駅、ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュまでは15分間隔だ。ダブルデッカーを2編成連結している。しかし、エッフェル塔~ヴェルサイユという2大観光地を結ぶ路線なのに、車内はガラガラだ。
純粋な地下鉄と違って高速鉄道のカテゴリーに入るはずだが、思いの他遅い。市中はトロトロ走る。ヴェルサイユまで26分。郊外とはいえそんなにかかる距離ではないと思うのだが。
RER C線 ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ駅
終点のリヴ・ゴーシュ駅もなかなか雰囲気のある駅だ。頭端式。
ヴェルサイユ宮殿
宮殿は外から眺めるだけ。もちろん観光客は多いし、加えて空き地で待機する観光バスも多い。30台位はいただろうか。ヴェルサイユの街自体、思ったより大きい。もう少し田舎っぽい所だと思っていたのだが。大通りを行きかう車も多い。パリはやっぱり車社会だなあ。
ヴェルサイユ・シャンティイ駅
ヴェルサイユ・シャンティイ駅 駅舎内
ヴェルサイユのもう一つの駅、シャンティイ駅は、パリのモンパルナスとル・マンやレンヌを結ぶ幹線の途上にある。(この他にリブ・ドロワットという駅もあるそうだ)。外観はもちろん、中も見ものだ。特に大時計が印象的。駅舎内のパン屋で、クロワッセンにデニッシュ、コーラを購入して列車の中で食べる。やっぱりフランスはパンがおいしい。
モンパルナス発着 近郊電車
この路線では、まだこんな電車がガンガン走っている。釣り掛け式!結構な数が走っていて、一日乗車券をいい事に、モンパルナス駅とヴェルサイユの間を何度か行き来してサウンドを楽しむ(セーブル・リブ・ゴーシュで折り返す電車もある)この路線はモンパルナスから若干上り勾配になるので、急行運転の電車を選んで乗るとサウンドが楽しめるのではないだろうか。ただ他にプッシュプルトレインもあるし、旧型だから1日中走っているかどうかは解からないのだが。
それにしてもパリほどの大都市で未だに釣り掛け式電車が走っているという事は、フランスってやっぱり在来線の体質の改善が遅れているのだろうか。
モンパルナス駅近くの小ぢんまりしたレストランで夕食を取り、地下鉄13号線でクリシーへ。先日予約済みのYHを再び訪れる。メキシコから来たという若者と同室になった。それにしてもここのYHはシャワーがとんでもなく温い。皆風邪をひいたりはしないのか?これから利用される方は少々注意した方が良いだろう。
明日はいよいよフランス最終日。ミラノへ行くTGVはリヨン駅を15時過ぎに出発だから、午前中は丸々時間がある。ルーアンへ行く事にする。ここにもLRTがあるそうだし。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
《今日のニュースから》
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