今日はフランス旅行記を1回お休みし、先月末発売になった「バスマガジンvol.44」について書きます。
まず真っ先に取り上げたいのは、三菱ふそうとUDトラックスの合弁協議が決裂、OEM供給もいずれ打ち切りになるというニュース。
これはフランス旅行中の10月29日に両社からリリースされていまして、当然私は何も知らず、帰国の後に両社のリリースを閲覧して初めて知ったというマヌケぶりでした。
ここはオピニオンではないし、経済オンチだから詳しい事は何も書けませんが、正直この合弁協議は一体何だったんだろう?。
西工の廃業もまた何だったのかと思うし、特にUDトラックスはこれで発売できるバスが全くなくなってしまうので、日デ時代からのヘビーユーザー - 関東で言えば西武バスとか、関東バスなど - は今後どうするのだろう?
ひょっとしたらこれを機に、観光・高速バスだけでなく、一般路線バスでも外国車、特に韓国製あたりを入れてみようか、と考える事業者も現れるかも知れないと、勝手に考えています。
韓国の路線車のレベルが、日本と比較してどの程度にあるのかは解かりませんが…。
◆さようなら、エアロキング 第1弾★開発メンバーが語る誕生秘話
当然のごとくバスマガジンでも、先日生産が終了したエアロキングを特集していて、数回の連載になるようです。
第1弾は開発秘話で、実物の現役車両として、福島の貸切専業事業者、メール観光のエアロキングの写真が使われています。
「メール」の名の如く、手紙を手にしたミツバチのキャラクターがユニーク。
(近いうちに会社自体を紹介するとか)
当初からそんな大量生産にはならないだろうと見てボディを呉羽製にしたという下りも興味深いし、発表会には「平凡パンチ」(現在は廃刊)「週刊大衆」なんて所も来ていたというのが面白い。
ベストカーガイドの「2010年バスの旅」も笑えた。
(ちなみにバスマガジンは、vol41までは、ベストカーガイドの後身のベストカーの増刊号の扱いだった)
今はどんな国産、いや海外産を含めても、これだけデビューで業界外からも注目を集める新型バスって、日本ではそうそうないからなあ。
バスマガジンでは、案外楽観的に、エアロキングの生産復活の可能性もあるかもしれないとしています。
◆エアポートバス 徹底リポート
羽田空港の国際線新ターミナルビルが10月21日にオープン、さらに31日に本格的な再国際化がスタートしたというのは、一般的にも大々的に取り上げられているからいまさら書く必要もないですが、当然路線バスも大幅な再編成が行われる事になりました。
バスで言うと、旧ターミナル時代はYCATや東京方面の一部に限られていたのが、新ターミナル移転を機にほぼ全路線が国際線発着に変更。
(羽田空港は一経由地の横浜~茂原・館山の路線は、国際線は経由しない)
一番アクティブなのはやはり地元京急バスで、本体でも写真を掲載させて頂きましたが、ポスト新長期規制のエアロスター・ノンステップをいち早く導入し、JR蒲田駅~羽田空港間のシャトルバスを設定するなど、力が入っています。
10月31日からは国際線→洗足池・東馬込二丁目の深夜バスも開設されているそうですが、京急の一般路線でJR東海道線より西側へ大きく踏み込んだ路線は、1998年まで運行されていた〔園11〕系統(旧国際線ターミナル~田園調布)以来でしょう。
また、空港内循環バスの簡単な歴史も、写真で振り返る事ができます。
ここでは各地から集まる路線バスのみ取り上げられていますが、あと一つ。
JALが国際線新ターミナル~国内線第1ターミナル間に連絡バスを運行しているという事ですが、イラストを見るとKC-RN210CSNみたい。
京王バスか関東バスの中古と思われますが、ぜひその車両の写真も見たかった。
◆ 西日本車体工業 歴代バスボディ徹底開設 第2回
まず、趣味の団体が保存しているという、西鉄の「カマボコ」の写真があります。
個人的には「カマボコ」ってあまりカッコイイとは思っていないけれど、それでもこれだけ美しく磨かれていれば存在感を感じます。
側面の行先表示の位置もユニークだし、表示の行先自体も貴重なものです。
モノコックの4枚折戸も西鉄らしい。
ちょっと脱線しますが、後方に少し見える路面電車もこの団体(vol40に掲載)の保存ですが、どうか西鉄自身が電車・バスの保存をやれないものでしょうか?
西鉄自体がバスボディの製造を行っていた、その歴史を継承する意味でも。
後は各地で走っていた「カマボコ」「ハンペン」等の写真が並んでいますが、中古とはいえ南部バスでも走っていたとは。
◆ いすゞ純正バスボディ大研究 第8回
いよいよKK-規制以降の現行の「エルガ」「エルガミオ」「ガーラ」「ガーラミオ」になります。
ほとんどが現役バリバリなのでいまさら語る事もないでしょう。
ただ、エルガより先にデビューしたエルガミオについては最古参がまもなく12年になるため、早い所では来年あたりから置き換えが始まる事になるかも知れません。
しかし三菱ふそうやUDトラックスが現在中型バスを全く製造していないため、この分野では当分エルガミオ(レインボーⅡ)の天下になるのでしょう。
◆ おじゃまします バス会社潜入レポート vol.44 静鉄グループ
「静鉄グループ」とは、しずてつジャストライン・静鉄ジョイステップバス・静鉄小型バス・掛川バスサービス・秋葉バスサービスを指します。
静岡鉄道時代は高速バスを運行していなかったとありますが、ローカルなら静岡から東名経由で御前崎方面へ行く路線が頻繁に運行されています。
昔は静岡~浜松という路線もありました。
遠州鉄道との共同運行で、東名高速道上のバスストップにも停車していました。
ただ、所要時分がJRの普通列車とあまり変わらなかったので、競争力を失くしてしまったのでしょう。
富士山静岡空港への空港バスは、静岡駅からだと最小で30分間隔の運行があり、便数から考えるとずいぶん大盤振る舞いだなあと感じさせられます。
しずてつに限らず、静岡県には「自主運行バス」という形態が数多くあり、ここにも画像が数枚ありますが、いわゆる「コミュニティバス」とはどう違うのでしょうか。
その辺についても、簡単でも解説があればと思いました。
なお、形式などのデータについては、本体の次回更新時に反映させる予定。
◆ ガラリと変わる 青森県のバス事情
12月4日の東北新幹線新青森延伸は、当然地元のバス業界にも影響を与えました。
ここでは、高速バスなども含め、各事業者の思惑も交えて開業直前のリポートを記しています。
「ストロー効果」の不安も伝えられていますが、森・湖・山・海と日本でも屈指の風光明媚な自然を誇る県ですから、ぜひバスにも頑張ってもらいたい所です。
特に十和田湖へのバスの活性化が期待されます。
あとは十鉄と下北の相互乗り入れによる七戸十和田駅~むつ間の新路線に注目。
成功して欲しいと思います。
バスではないけれど、旧南部縦貫鉄道の七戸駅は、七戸十和田駅とはどの位離れているのだろうか?
◆ 路線バス全方位レポートvol44 徳島県
徳島バス 徳島~福良線
御多分にもれず徳島県も徳島市内を除けばバス事業は非常に厳しく、だから明石海峡大橋の開業で高速バスがが開業した事は大きな福音だったはず。
それだけに、高速道路の割引政策は、何とかしてくれよおというのが、徳島の事業者の本音でしょう。
徳島に限らず、四国は皆そうでしょうが。
阿波池田のJRバスの話が少しだけありましたが、かつては徳島線の沿線にもJRバスの路線網がありました。
それらについては何も触れられていないのが残念。
徳島市営バス 大神子終点
小松島市営バス 小松島港
県内には今時公営バスが4者も残り、越境(鳴門市営は県境も越える)の路線が多いのが特徴的でしょうか。
でも小松島市営バスは、今は全車両中型車ですか…。
空港連絡バスについては、10月31日よりANAの羽田線も就航(実は復活)した事で、利用増が期待される所。
ともあれ、大阪や神戸からなら高速バスでも充分日帰りできるので、高速バスへの応援も兼ねて、いずれ再び徳島にも足を踏み入れたいと考えています。
(徳島のバスの画像は全て1989年1月撮影)
今号はこの他にも京浜急行バスの動静(「ワン・ロマ」がもうすぐなくなってしまう!)やIAA国際商用車ショーレポート、最期が近い新潟交通の「なまず」など、全部は書ききれないほど充実した記事がありました。
一方で休載になった連載も幾つかありますが、「全国乗合バス100選」はまた休みですか…。
さて1年後には「バスマガジン」は50号の大台に乗る事になります。
来年は記念イベントなど、期待してもいいでしょうか。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
《今日のニュースから》
大阪市内の一部で停電 府議会の審議が中断