№375 乗り物中心のフランス旅行記 2

 東北新幹線がついに新青森まで開業しましたが、午後は強風の影響でかなり混乱したようです。
 昨日は関東地方で強風による混乱が起きています。
 過去には「みやび」の餘部鉄橋からの転落や<いなほ>の脱線事故など、強風からみの事故も決して少なくありません。
 昨今は「爆弾低気圧」がもたらす唐突的な強風・突風が少なくなく、今後風対策は鉄道でもさらに重要になっていくのでしょう。

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10月27日(水)
 結局の所、フランスの状況はどうなっているの?部屋のテレビのニュースを見た感じでは、自国の年金改革案に対する抗議行動は、特に大事になってはいないように見えた。むしろインドネシアの火山の噴火や津波とかが大きなニュースになっているようだ。
 では外の天気はどうだろう?ところが、窓の外を見ても、7時を過ぎているのに真っ暗だ。サマータイム終了直前のフランス北部は、8時を回らないと明るくなってくれない。今日は曇り空らしいが…。

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RER・B線 CDG1駅改札
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RER・B線 CDG1駅ホーム
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RER・B線

 さて、パリ市中へ向かうには、鉄道なら空港に隣接する駅から、RER(高速郊外鉄道)のB線を利用する事になる。ホテルの送迎バスで空港を経由してCDG1駅に戻る事になる。空港ターミナル内の道路は、左右から次々に車両が合流するのに、信号が全くなくて危なっかしい。
 CDG1駅は18年前、初めての海外旅行でパリに着いた時にも利用した駅だ。ここで、日本で購入した「フランス・レイルパス」にヴァリテードしてもらって、自動改札なので無料の乗車券を受け取って入場する事になる。ホームは地下で、吹き抜けになっている。本来は2面4線の所、CDG2駅に向かう21・23番線ホームは工事中で、パリ市内方面行の24番線を暫定的にCDG2行にしていた。何の工事だろう?その工事もストで投げ出しているという事はないし、電車も普通に走っているようだ。ただ、ダイヤは若干乱れているようで、所定の8時27分発マッシー・パレゾー行は10分遅れてやってきた。電車も駅も、18年前と変わらないなあ。

(帰国後の話ですが、フランスの会計検査院が、RERの運営について改善の勧告を出したそうです。車両の老朽化や慢性的な列車の遅れについて指摘されたとか。やっぱりなあ)

 今日はTGVの東ヨーロッパ線でメッシに向かい、在来線の列車でストラスブールを経由してミュールーズに向かう。RER・B線は北駅(地下ホーム)に着くが、TGVは東駅からなので、徒歩で移動する必要がある。10分は必要か。
 3日後にパリへ戻ってくるので、不要な大荷物は駅のロッカーに預けておきたかった。ところが、地下にあるロッカールームは何と、空港みたいなX線の荷物検査が必要。手元に小銭もないし、近くにお札を崩せる場所もないのであきらめて持ち歩く事になる。めんどくさい話ではあるが。

 小綺麗に改装されていた出札窓口で10時39分発のメッス行TGV2615列車を予約。パスホルダー料金3ユーロ。
 フランスの駅では、20分前にならないと番線の表示が出ない(この先も皆そう)。それまで大勢の客がソラリーの前で表示を待つ事になる。20分前になって2番線と表示が出た。ICEの隣の編成だ。

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車窓

 定時に出発した列車は、15分弱で高速新線に乗り、森の中をグングン加速していく。シャルル・ド・ゴール空港が近く、着陸しようとする旅客機が次々に見えてくる。日本の新幹線と異なり、高架区間がほとんどなく、大半が地べた。ところが、沿線の柵はずいぶん安普請に見える。日本の新幹線のような目障りなものではなく、豊かな農村地帯の風景を楽しめるのは歓迎。ただ、一方で先の東駅のロッカーのX線検査を思い出すと、なんだかアンバランスだなあとも思う。それと、意外に揺れるかもしれない。あと、窓が少し汚いかも。

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BAR

 14号車のBARで一息。朝食をホテルで食べたばかりでもあるし、コーラとスポンジケーキで軽く済ませる。ビジネスマンばかりで、携帯を使う人が目立つ。BARにはAED(フランス語ではDAE)が置いてあった。

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1等車車内
 車内は1等が2-1配置でグレー系+緑のワンポイント、2等が2-2配置で赤紫系+赤のワンポイント。車両自体は特に目新しいとは思わないのだが、座席の形状がユニーク。車内はノートパソコンのキーボードをたたく乗客が多い。欧州では普通になったシーンだ。2等ではデッキに留まる乗客も少なくない。

 メッスまではノンストップ。途中高速新線上にもいくつか駅があったが、全部通過。どこもローカル線然としたホームしかなかったようだ。

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メッス駅ホーム
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メッス駅駅舎

 パリから1時間23分、ほぼ定刻にメッスに着いた。駅舎は教会の聖堂を思わせるほど大きく、ドーム状の三角屋根と時計塔が印象的。公共交通の主力はバスで、LRTはないようだ。

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ストラスブール行830315列車
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TGV合流待ち合わせ

 構内には超低床の新型編成がいくつも見られるが、12時25分発ストラスブール行は旧型の編成。2連×2で、ユニットを正反対にして連結している。前側の編成には「METRPLOR」のマークが入っていた。もうここはドイツとの国境に近く、その影響か右側通行の複線だ。ザールブリュッケンへの複線が分かれた後、右手から、高速新線からの連絡線が合流する。その手前で停止してしまった。案の定パリ方面からのTGVが通過していく。シュツットガルト行9573列車だろうか。
 途中のサルフールから進行方向が変わり、2つの長いトンネルで山間部を抜ける。その先、右手を運河が併走する。水面はこちらより高く見える。
 TGV待ち合わせやら工事やらがあったためか、いつの間にかストラスブールは23分の遅れになった。このためすぐにミュールーズに向かう予定だったが1本遅らせる。

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ストラスブール駅
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ストラスブール駅駅舎

 ストラスブール駅は、駅舎の建物がガラス張りのドームで覆われている。歩行者の空間を確保したかったのだろうか。壊すよりはいいけれど、そんな事をする必要はない気もするのだが…。

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ストラスブールLRT1000形「ユーロトラム」
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ストラスブールLRT2000形

 鉄道ファンの間でストラスブールを有名にしたのは、何と言っても1994年に開業したLRT。「ユーロトラム」の斬新なスタイルは、世界中のLRTに影響を与えている。現在は後継の2000形も合わせて運行されている。
(2000形はアルストーム社製の「シタディス」シリーズで、この後も各地で見かける事になる)

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フォーブル・ナシオナル停留所
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 残念ながら今回は乗る機会なし(どのみち今後フランス国内の各地で乗る事になるだろうし)。イル川にかかるナシオナル橋の付近で数枚撮影しただけ。駅から徒歩5分程のフォーブル・ナシオナル停留所はBLineとCLineが経由し、1000形と2000形が並ぶシーンも何度も見られる。なお、ALineとDLineは意外に深い地下線で駅の真下を通過しているようだ。先の駅のガラス張りのドーム内には、SNCFの発着案内とデザインを統一した、液晶式の発着案内が整備されていた。

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バーゼル行96245列車

 ミュールーズまではバーゼル(スイス)行のICを利用する。電気機関車が最後部に配置されたプッシュプル・トレインだ。やはりドイツの影響を受けているのか右側通行。かなり早い。途中廃止になった小駅がいくつか見られるようだ。日本と違って廃止されてもホームは残されている。
 ストラスブールから1時間弱でミュールーズに着く。

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ミュールーズ駅
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パレ・デ・スポート停留所

 駅前にLRTの1系統が乗り入れている。丸っこいフロントだが、ストラスブールの2000形と同じ「シタディス」。
 今日はユースホステルに泊まる。最寄りのパレ・デ・スポート停留所へは、ポルト・ジュンヌで2系統に乗り換えて行く。1時間有効の乗車券は1.3EUR。パレ・デ・スポートは名前の通り、スポーツ公園の傍らに位置する停留所。2系統の停留所では、2つずつの円形アーチが目を惹く。ランドマーク的な意味があるのだろうか。
 予約はしていなかったが、YHには空きがあり、朝食つき18EUR。夕食はポルト・ジュンヌまで歩いて戻り、地元資本のハンバーガー・チェーンで済ませる。わびしい話だけれど、それにしてもここのトイレは、レシートの一番下に記された暗証番号を入力しないと扉が開かない。注文もしないよそ者にタダで使わせたくないからだろうが、フランスというのは色々面倒くさい国だなあ。
 商店街はもうクリスマスの装い。まだ2ヶ月も先なのに。

 LRT乗り歩きはまた明日。そして鉄道博物館も訪問、するつもりだったのだが…。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

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