この球場は元々は神戸市の総合運動公園に造られた「グリーンスタジアム神戸」なのですが、2003年に「Yahoo! BBスタジアム」として、プロ野球の球場では初のネーミングライツを導入した後、2005年より、翌年に開港を控えた神戸空港への乗り入れを表明していたスカイマークがネーミングライツを取得していたものです。
6年間この名前が続きましたが、スカイマークが「知名度アップに充分貢献した」事を理由に契約更新を行わないとしたもので、スタジアムを保有する神戸市では新たなスポンサーを公募する事になります。
航空会社がスポンサーとなっているスタジアム等は海外にはいくつかあり、たとえばNBAのマイアミ・ヒートのホーム会場は「アメリカン・エアラインズ・アリーナ」、シカゴ・ブルズのホームは「ユナイテッド・センター」、また、イングランドサッカー・プレミアリーグのアーセナルのホームスタジアムは「エミレーツ・スタジアム」(外国の航空会社だよ…)と呼ばれています。
日本では先の「Yahoo! BBスタジアム」がネーミングライツの先鞭を切り、プロ野球では現在セ・リーグ1、パ・リーグ3の4チーム(5球場)がネーミングライツを導入。
(千葉マリンスタジアムも来年よりネーミングライツを導入の見込みで、今年中には発表の見込み。通販大手だそうです)
サッカーではもはやネーミングライツは常識になったようで、来年のJ1・18チームのうち、ホームスタジアムにネーミングライツを導入していないのは鹿島・柏・浦和・川崎・甲府・名古屋・ガンバ・広島の8チームのみです。
(ヴァンフォーレ甲府のホーム・小瀬スポーツ公園陸上競技場は来シーズンから「山梨中銀スタジアム」になる)
この他、座席にネーミングライツを導入する例も、甲子園球場などいくつかあるようです。
また、アマチュアスポーツの競技場にもネーミングライツの波が押し寄せており、例えば神奈川県でも高校野球のメッカで水島新司原作「ドカベン」でも御馴染みの保土ヶ谷球場は「保土ヶ谷・神奈川新聞スタジアム」、ドリームランドの跡地にできた俣野公園球場は「俣野公園・横浜薬大スタジアム」と呼称されています。
沖縄では来年、プロ野球巨人がオープン戦を3試合行うそうですが、この球場も「沖縄セルラースタジアム那覇」(那覇市営奥武山球場)と呼称するのだそうです。
さらにスポーツ以外でもネーミングライツの導入が進んでいて、公共施設にも例が見られるようになってきました。
例えば渋谷公会堂は「渋谷C.C.レモンホール」、横浜こども科学館は「はまぎん こども宇宙科学館」(はまぎん=横浜銀行)と呼ばれています。
ネーミングライツは日本でもある程度知られてはいましたが、急速に普及するようになったのは21世紀に入ってからの事です。
その理由はなぜか?
明らかにイチローの影響でしょう。
イチローが2001年に、「セーフコ・フィールド」という、保険会社がスポンサーになっているスタジアムをホームとするシアトル・マリナーズに移籍し、彼の地でも歴史的な大活躍を見せている事があるのは、間違いないはずです。
ただ、ネーミングライツにはいくつか弊害も指摘されています。
私が一番問題だと思うのは、スポンサーの経営状況とか、事件・不祥事とかに名称が左右されてしまう所だと思います。
西武ドームがいい例で、2005・2006年の「インボイスSEIBUドーム」を経て2007年には「グッドウィルドーム」となりました。
グッドウィルは5年契約でしたが、この年に発覚したグループ企業の違法派遣問題等がたたって、この名称はわずか1年で終わってしまい、結局現在は元の西武ドームに戻っています。
楽天のホーム球場もそうで、2005年に新規参入して宮城球場をホームにすえた時、「フルキャストスタジアム宮城」の名前となりましたが、これも違法派遣を巡るフルキャストの業務停止命令で、契約途中で打ち切りとなり、翌年より「クリネックススタジアム」となっています。
(「クリネックススタジアム」にしても、本来は頭に「日本製紙」の名をつける予定が、これも不祥事で、社名を削っています)
一番問題だと思っている場所が、「日産スタジアム」。
いや、誤解なきように。日産自動車自体は全然まともな大企業で、マリノスのホームである内はこの名前が続くでしょう。
ただ、この名前がついている横浜国際総合競技場では、開場時より「トヨタカップ」(現クラブワールドカップ・今年はカタールで開催中)という、日産のライバルのトヨタ自動車がスポンサーになっているサッカーのビッグイベントが行われてきたのです。
当然「日産」の2文字は使えず、この時だけ横浜国際総合競技場の名前に戻しています。
このスタジアムの最寄り駅はJR横浜線の小机駅ですが、バス停には「日産スタジアム前」というのがあります。
(横浜市営バス300系統・東急バス〔綱72〕系統及び新横浜~溝口直行バス)
バス乗場で「横浜国際総合競技場はどこで降りたらいいのですか?」と問われて「日産スタジアム前です」と答える事になり、これは混乱の元になるのでは…まあ観客の大半は解かっているでしょうが。
※あと、競技場側から見た場合、スポンサーへの仁義として、スポンサーのライバルが主催する大会は、絶対に受け入れてはいけないと思う。たとえどんなに金になるイベントだとしても。
だから自治体の財政など、色々な事情があるのはわかるけれど、日本の場合は企業の宣伝がメインで(そもそもスカイマークスタジアムもそう)文化的な部分があまり感じらない部分があり、古きよき名前が消されるという懸念も考えると、ネーミングライツはあまり合わないと思っています。
№300で書いたいすみ鐵道、同じく№361で書いた平成筑豊鉄道なども一部の駅でネーミングライツを導入しましたが、あれは副称的なもので、元の駅名はそのままだし、JTBなどの公式の時刻表にはネーミングライツは記載されていません。
(門司港レトロ観光線は記載があるが)
バス停に小さく会社名や商店名が併記されていたり、「次は○○~、××商店前でございます」というアナウンスと同レベルなのではないかと思っています。
あとは航空、特に空港…。
経営難が社会問題にもなっている地方空港だと、ネーミングライツをやりたい、と考えている所も、ひょっとしたらあるのかも知れません。
ただ、1空港内でも利害関係がかなり複雑そうに思えるので、難しいでしょうかねぇ。
さすがに海外にも例はないようだし。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
フランス旅行記は2回お休みになってしまいました。
次回は再開の予定です。
さて、このチームのホーム球場「オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム」は10年間、マカフィーがネーミングライツを獲得していましたが、2年前に解消し、昔の名前に戻っているそうです。
36歳はまだまだやれる年です。
去年のワールドシリーズの時のような活躍を期待します。
《今日のニュースから》
松井秀喜 オークランド・アスレティックスと一年契約を締結
(門司港レトロ観光線は記載があるが)
バス停に小さく会社名や商店名が併記されていたり、「次は○○~、××商店前でございます」というアナウンスと同レベルなのではないかと思っています。
あとは航空、特に空港…。
経営難が社会問題にもなっている地方空港だと、ネーミングライツをやりたい、と考えている所も、ひょっとしたらあるのかも知れません。
ただ、1空港内でも利害関係がかなり複雑そうに思えるので、難しいでしょうかねぇ。
さすがに海外にも例はないようだし。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
フランス旅行記は2回お休みになってしまいました。
次回は再開の予定です。
さて、このチームのホーム球場「オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム」は10年間、マカフィーがネーミングライツを獲得していましたが、2年前に解消し、昔の名前に戻っているそうです。
36歳はまだまだやれる年です。
去年のワールドシリーズの時のような活躍を期待します。
《今日のニュースから》
松井秀喜 オークランド・アスレティックスと一年契約を締結
№382 今朝のBS-1から2題
先日、羽田空港にマレーシアの「エアアジアX」が乗り入れた事は、一般のニュースでも大きな話題になったようでしたが、今朝のNHK-BS1「おはよう世界」の中で、これに関連してシンガポールとマレーシアの事情がリポートされていました。
シンガポールでは羽田路線就航(SQ2便・JALとANAが各1便)に合わせて日本旅行の売り込みが活発になっているという事でしたが、それよりもマレーシア側の航空戦略が興味深く思われました。
「エアアジアX」はマレーシアの航空会社(羽田~クアラルンプール間週3便)ですが、マレーシアでは国を挙げて格安航空会社(LCC)を支援、LCC専用の新ターミナルを建設する他、空港アクセスやホテルも格安なものを提供しているという事でした。
理由として、マレーシアは位置的にシンガポール(チャンギ)とタイ・バンコク(スワンナブーム)の2大国際空港に挟まれているため、存在感をアピールする必要があったとしています。
LCCについては何度か書いていますが、もはや国をあげてLCCを支援するような時代になっているようです。
ただ、これも何度か書きました(№382でも少し触れました)が、運賃の安さだけでとてつもないヒーローの扱いにされ、安全の面ではどうなの?というような調査リポートというのが、ほとんど見られないのは多少遺憾。
あと、もちろんLCCの参入自体はいいものの、一国の航空政策自体がLCCに振り回されるのは、どこか健全性を欠くような気がするのは、考えすぎでしょうか。
彼の地での話しになるが、最大手のマレーシア航空(MH)はどうなるのだろう?
MHも羽田に週3便乗り入れを開始していますが(コタキナバル線)、MH自体もまた、SQとTGに挟まれて厳しい位置にあるように思えるし、かといっていまだどのワールド・アライアンスにも参加せず、参加の表明もしていません。
(ANAとの共同運航便があるが、入るとしたらスカイチームしかないのでは?)
国の政策そのものがLCC中心に振れるとしたら、このままでは苦しい立場に置かれる事になるのでしょうか。
日本に関して言えば、空港そのものもあるけれど、アクセス、特に鉄道については一段の改善が必要かも知れないと改めて感じました。
特に成田はJR・京成とも有料特急<成田エクスプレス><スカイライナー>偏重の感があり、京成はまだ「アクセス特急」もあるからいいけれど、JRの快速はただでさえ遠回りの上、停車駅が増えてきて、東京~成田空港間が1時間30分というのは、いくらなんでも時間がかかりすぎ。
成田空港がLCCの取り込みに力を入れるとすれば(その良し悪し自体はおいておく)、LCCの利用者はアクセスも低コスト志向になるはずなので、一般アクセス列車の充実は不可欠になるでしょう。
でもなんだか成田は不幸だなあ。
千葉市など、成田の方が近い大都市も決して少なくはないのだが、やはり物事なんでも東京一辺倒なのでしょうか。
「おはよう世界」からもう1題。
日本では東北新幹線がついに青森に到達しましたが、スペインでは来週の日曜日19日、マドリード~バレンシア間に高速新線が開業するとの事で、地元TV局TVEのリポートがありました。
両区間は最速1時間35分で、当面は平日でAVE15往復の設定になっています。
マドリードのターミナルはやはりアトーチャ駅ですが、この開業で国内21都市と高速鉄道で結ばれ、関係者の談話では、これはヨーロッパでは最多となり、マドリードは「高速鉄道の都になる」のだとか。
(航空風に言えば、高速鉄道の「ハブ」なのでしょうか?)
この路線はクエンカを経由する事になり、特にクエンカの期待はかなり高いようです。
現状のマドリード~クエンカ間はほとんどローカル線で1日4往復しかない上、3時間もかかります。
それが停車回数自体は4回(土休日は3回)と変わらないものの、マドリードまで1時間弱と大幅に短縮される事で、特に観光客の取り込みに力を入れたいと地元の方は語っているようでした。
通勤利用でダイヤの見直しや助成を、という地元の声もあるようで、スペインでもAVEの通勤利用が少なくないようです。
それにしてもRENFEのマークもオシャレになったなあ…。
しかしヨーロッパはどの国でもガンガン高速鉄道が延びていくようで、日本の目からはうらやましくも映ります。
日本では色々な事情で(単に金だけの問題ではない)そう簡単には行かない事も理解されますが…。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
ようやくロシアでも高速鉄道の時代になったようです。
《今日のニュースから》
サンクトペテルブルグ~ヘルシンキ間 高速列車「アレグロ」運行開始
シンガポールでは羽田路線就航(SQ2便・JALとANAが各1便)に合わせて日本旅行の売り込みが活発になっているという事でしたが、それよりもマレーシア側の航空戦略が興味深く思われました。
「エアアジアX」はマレーシアの航空会社(羽田~クアラルンプール間週3便)ですが、マレーシアでは国を挙げて格安航空会社(LCC)を支援、LCC専用の新ターミナルを建設する他、空港アクセスやホテルも格安なものを提供しているという事でした。
理由として、マレーシアは位置的にシンガポール(チャンギ)とタイ・バンコク(スワンナブーム)の2大国際空港に挟まれているため、存在感をアピールする必要があったとしています。
LCCについては何度か書いていますが、もはや国をあげてLCCを支援するような時代になっているようです。
ただ、これも何度か書きました(№382でも少し触れました)が、運賃の安さだけでとてつもないヒーローの扱いにされ、安全の面ではどうなの?というような調査リポートというのが、ほとんど見られないのは多少遺憾。
あと、もちろんLCCの参入自体はいいものの、一国の航空政策自体がLCCに振り回されるのは、どこか健全性を欠くような気がするのは、考えすぎでしょうか。
彼の地での話しになるが、最大手のマレーシア航空(MH)はどうなるのだろう?
MHも羽田に週3便乗り入れを開始していますが(コタキナバル線)、MH自体もまた、SQとTGに挟まれて厳しい位置にあるように思えるし、かといっていまだどのワールド・アライアンスにも参加せず、参加の表明もしていません。
(ANAとの共同運航便があるが、入るとしたらスカイチームしかないのでは?)
国の政策そのものがLCC中心に振れるとしたら、このままでは苦しい立場に置かれる事になるのでしょうか。
日本に関して言えば、空港そのものもあるけれど、アクセス、特に鉄道については一段の改善が必要かも知れないと改めて感じました。
特に成田はJR・京成とも有料特急<成田エクスプレス><スカイライナー>偏重の感があり、京成はまだ「アクセス特急」もあるからいいけれど、JRの快速はただでさえ遠回りの上、停車駅が増えてきて、東京~成田空港間が1時間30分というのは、いくらなんでも時間がかかりすぎ。
成田空港がLCCの取り込みに力を入れるとすれば(その良し悪し自体はおいておく)、LCCの利用者はアクセスも低コスト志向になるはずなので、一般アクセス列車の充実は不可欠になるでしょう。
でもなんだか成田は不幸だなあ。
千葉市など、成田の方が近い大都市も決して少なくはないのだが、やはり物事なんでも東京一辺倒なのでしょうか。
「おはよう世界」からもう1題。
日本では東北新幹線がついに青森に到達しましたが、スペインでは来週の日曜日19日、マドリード~バレンシア間に高速新線が開業するとの事で、地元TV局TVEのリポートがありました。
両区間は最速1時間35分で、当面は平日でAVE15往復の設定になっています。
マドリードのターミナルはやはりアトーチャ駅ですが、この開業で国内21都市と高速鉄道で結ばれ、関係者の談話では、これはヨーロッパでは最多となり、マドリードは「高速鉄道の都になる」のだとか。
(航空風に言えば、高速鉄道の「ハブ」なのでしょうか?)
この路線はクエンカを経由する事になり、特にクエンカの期待はかなり高いようです。
現状のマドリード~クエンカ間はほとんどローカル線で1日4往復しかない上、3時間もかかります。
それが停車回数自体は4回(土休日は3回)と変わらないものの、マドリードまで1時間弱と大幅に短縮される事で、特に観光客の取り込みに力を入れたいと地元の方は語っているようでした。
通勤利用でダイヤの見直しや助成を、という地元の声もあるようで、スペインでもAVEの通勤利用が少なくないようです。
それにしてもRENFEのマークもオシャレになったなあ…。
しかしヨーロッパはどの国でもガンガン高速鉄道が延びていくようで、日本の目からはうらやましくも映ります。
日本では色々な事情で(単に金だけの問題ではない)そう簡単には行かない事も理解されますが…。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
ようやくロシアでも高速鉄道の時代になったようです。
《今日のニュースから》
サンクトペテルブルグ~ヘルシンキ間 高速列車「アレグロ」運行開始
№381 乗り物中心のフランス旅行記 6
フランス旅行記を続けます。
サマータイムも終わり、ヨーロッパも秋本番。
10月31日(日)
今日は北駅から北部ピカルディ及びノール・パ・ドゥ・カレー地方を回ってこよう。クリシーのYHから北駅までは、RATPの54系統が直通で行く。日曜日は約15分間隔で運行されているようだ(日本のように、1便毎の出発時刻は記されていない)。途中、中央走行方式の区間が見られた。
北駅はさすがに国際色が豊かだ。列車そのものはもはやTGVやユーロスターが中心だが、色々な色の列車が集う。
TGV「タリス」
TGV?
その中で一つ驚かされたのが、「ユーロスター」もどきのTGV。というか、全く「ユーロスター」と同型・同色なのだが、マークは「TGV」だし、SNCFのマークも入っている。どういう事?転用、と考えていいのだろうか?運用方法が解からないからなんとも言えないのだが…。
SNCF 848561列車
カレー海峡に面するブーローニュを目指すつもりだが、まずはアミアン行のTERに乗る。新型ダブルデッカーだが、このタイプは、5年前にルクセンブルグで乗った事がある。車体の「PICARDIE LA REGION」のロゴが目につく。フランスの近郊列車「TER」では、形式自体は全国共通ながら、地方毎に異なったロゴがあしらわれている。
1等室
1等室は4両編成の2・3両目のうち、1・2Fのそれぞれ1/3を占めている。頭もたせ部やリクライニング・テーブルの有無の違いはあるが、基本的には2等と差がほとんどないように思えた。配置も同じ2-2だし。
シャルル・ド・ゴール空港に着陸する旅客機を眺めながら、列車は農村地帯を快走する。停車駅は少なく、ホームだけの無人駅を次々に通過する。アミアンの一つ手前のロングーは、構内は広いがどこか寂れた感じもなくはない。ただし、旧駅舎に相対して新駅舎が設けられていて、パークアンドライドを行っているようだ。
アミアン駅
アミアン駅は、駅舎自体はスクエアな感じがする古いものだが、駅前広場には大きな屋根がかけられている。ストラスブールもそうだったが、せっかくの駅舎が遮られるのはもったいない気がする。
ところで、コンコースのお知らせを見ると、なんと後続のブーローニュ行は、アヴヴィルから先が工事のため運休になり、バスで代行になるとの事だ。これではつまらないので、直接リールに向かう事にして、先に世界遺産にも登録されている大聖堂を見に行く事にする。
ペレ塔
駅前に立つペレ塔。「コンクリートの父」オーギュスト・ペレの設計による鉄筋コンクリートの塔。アミアン駅舎と共通したスクエアな印象だが、やはり駅舎も同じペレの設計だそうだ。
アミアン大聖堂
そして大聖堂。フランス最大の大聖堂なのだそうだが、とにかくそびえるように大きい。それと、気味悪い位人物の像が多い。昔の建物の事はよく解からんけれど、人柱、って事なのか?
アミアン11時55分発のリール行も同型のダブルデッカー。ただし3連で、1等室の設定がない。2等に改装されたようだ。側面には「Region Nord-Par-de-Calais」のロゴ。沿線は農村地帯が続く。日曜日という事もあるだろうが、複線なのに他の列車と全くすれ違う事がなかった。
リール・フランドル駅
リール・フランドル駅ドーム
ノール・パ・ドゥ・カレー地方の中心、リールのフランドル駅。もちろんパリほどではないが、駅舎がクラシカルで、ホームが大きなドームで覆われた大駅だ。ただし、こちらも構内を出入りする列車はそれ程多くなかった。
ベルギー リエージュ行EC
そんな中で目についたのは、ベルギーのアントワープへ行くベルギー国鉄(NMBS/SNCB)の電車。ベルギー国内ではインターシティでも運用されるタイプ。リールはベルギー国境に近く、1時間間隔で電車が乗り入れてくる。
さて、パリへの帰りは少々困った事になった。本当は18時過ぎのTGVに乗るつもりだったのだが、「満席」という返事。どうやら空席自体はあるが、フランス・レイルパス利用時に適用される「パスホルダー」の枠が埋まっているという事らしい。一番早くて20時02分という回答だった。
(「パスホルダー」枠については、この先、何度も悩まされる事になる)
それで、最初はリールでも走っているLRTに乗るつもりだったが、プランを変更。在来線経由で一番早いのはアミアン経由だが、それでは今乗ってきたルートをストレートに逆行するだけなので面白くない。他のルートは時間が合わず、今日中にパリへ帰れないかも知れない。そこで本来最初に向かうはずだったブーローニュへ行き、そこから代行バスでアプヴィルに向かい、パリまで在来線の列車で帰る事にする。
リール LRT
リールのLRTは地下駅に発着する。フランスのLRTの中では古参で、電車はイタリア製らしい。風光明媚な所を走るらしいが、残念ながら今日の乗車は見送り。
SNCF 844857列車
SNCF 844857列車車内
リール14時21分発のカレー経由ブーローニュ行は旧型2階建てPCのプッシュプル編成。リール出発時点では機関車は後部だ。客車は旧塗装で、SNCFのマークも古い。車内に入って驚いた。窓ガラスが恐ろしく汚い。まっ茶色。それに、トイレは水が全く出ない。どうした事だろう?
沿線はのどかな農村地帯が続き、美しいと思うのに、窓自体がほとんど開かないから「茶色のフィルター」越しに眺める事になる。なんてもったいない。車内を歩いてみると、特に2階席の汚れがひどいようだ。また、この列車は全部2等だが、かつては1等だったと思われる2-2配置の部分もある。しかしモケットが破けていたりして、見た目は純2等より悪い。在来線の他の列車でも多かれ少なかれこんな所があり、高速鉄道の売り込みで日本の最大のライバルであるフランスだが、こと在来線に限ると、はっきり日本より劣るのではないだろうか?
ユーロスター
大西洋
ブーローニュ駅
カレーで進行方向が変わり、機関車が先頭に立つ。すぐ右手に高速新線が現われ、フレタン駅を掠める。在来線側には駅がなく、市中心部へは基本的にはバス連絡となるようだ。やがて普通のTGV編成に続いてユーロスターが現れる。それにしてもこうも窓が汚くて、開閉する部分が小さいと撮りづらくてしょうがない。
ブーローニュが近づくと、ついに大西洋を見る。フランスに来てからは初めての海だ。イギリス・ドーバーへの船が出る港町だが、駅は海からは離れているようだ。駅のすぐまん前にYHがある。
代行バス
代行バス 運転台
D940号線
夕陽
アプヴィル駅
アプヴィルへ行く代行バスはベンツ製。座席が15列並んでいて、はっきり言って窮屈。シートピッチがかなり狭い。古い車ではないように見えたが、MT車。
ベルクまではD940号線を南下していく。交差点はほとんどがロータリー式で、信号はほとんど見かけない。たまに運休になっている鉄道線を見るが、複線ながら電化はされていないようだ。工事用の作業車の明かりが遠くにポツンと見えた。
今日から1時間遅くなっているので、17時過ぎにはもう夕陽が西に沈む事になり、みるみるうちに暗くなってくる。エタプル、ベルクと停車し、バイパスを経由してアプヴィルの駅に就く頃にはもう真っ暗だ。18時を過ぎたばかりだが…。ブーローニュから約1時間30分かかった。
SNCF 2042列車
やはりこの路線は非電化で、パリ行2042列車はDCが牽引する。フランスに来て非電化の路線は初めて。客車9両編成のうち、2等車1両は窓が破損しているため職員が添乗、通り抜けができない。1等車の片隅に落ち着く。
SNCF 2042列車
小駅通過
アミアンからはEL牽引。旧塗装で、SNCFのマークも2つ3つ位前のクラシカルなものだ。まさか旧塗装復刻?
とにかく沿線は駅以外は真っ暗で、人工的な光(信号とか、街路灯とか)が全く見えない事が多い。最後部車両のデッキの窓から後方を見た感じでも、鉄道の信号もほとんど見かけない。閉塞区間がかなり長いようだ。
パリ・ノール駅は定刻より13分の遅れで着いた。もう20時30分を過ぎている。
ところで、少々マズイ事になった。本来のプランでは明日日中はバス・ノルマンディのカンへ行き、LRTに乗った後ル・マン経由でトゥールに向かい、トゥールからTGVの大西洋線でパリへ戻って、スペイン国境のラ・トゥール・ド・キャロルへ夜行で行く予定だった。
ところが、そのラ・トゥール・ド・キャロルへの夜行が確保できない。迂闊だったが、明日11月1日はフランスでは諸聖人の祝日になり、かの地では3連休の最終日という事になるのだった。ラ・トゥール・ド・キャロルから出る「トラン・ジューヌ」と、ベジェ~クレルモン・フェラン間のローカル線(ガラビ橋を通過する)には乗りたかったから相当悩んだが、とりあえず明日の朝考えて見る事にしよう。
どの道11月3日には三度パリで一夜を過ごす事になるので、YHで予約。先の話なのに支払いを済ませた上、早々に部屋の番号まで指定される事となった。もう遅いので、シャワーは明日の朝。
ずいぶんフラフラした1日になってしまった。さて、明日以降はどうしよう…。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
《今日のニュースから》
陸上自衛隊定員 1000人削減で財務・防衛両大臣が合意
サマータイムも終わり、ヨーロッパも秋本番。
10月31日(日)
今日は北駅から北部ピカルディ及びノール・パ・ドゥ・カレー地方を回ってこよう。クリシーのYHから北駅までは、RATPの54系統が直通で行く。日曜日は約15分間隔で運行されているようだ(日本のように、1便毎の出発時刻は記されていない)。途中、中央走行方式の区間が見られた。
北駅はさすがに国際色が豊かだ。列車そのものはもはやTGVやユーロスターが中心だが、色々な色の列車が集う。
TGV「タリス」
TGV?
その中で一つ驚かされたのが、「ユーロスター」もどきのTGV。というか、全く「ユーロスター」と同型・同色なのだが、マークは「TGV」だし、SNCFのマークも入っている。どういう事?転用、と考えていいのだろうか?運用方法が解からないからなんとも言えないのだが…。
SNCF 848561列車
カレー海峡に面するブーローニュを目指すつもりだが、まずはアミアン行のTERに乗る。新型ダブルデッカーだが、このタイプは、5年前にルクセンブルグで乗った事がある。車体の「PICARDIE LA REGION」のロゴが目につく。フランスの近郊列車「TER」では、形式自体は全国共通ながら、地方毎に異なったロゴがあしらわれている。
1等室
1等室は4両編成の2・3両目のうち、1・2Fのそれぞれ1/3を占めている。頭もたせ部やリクライニング・テーブルの有無の違いはあるが、基本的には2等と差がほとんどないように思えた。配置も同じ2-2だし。
シャルル・ド・ゴール空港に着陸する旅客機を眺めながら、列車は農村地帯を快走する。停車駅は少なく、ホームだけの無人駅を次々に通過する。アミアンの一つ手前のロングーは、構内は広いがどこか寂れた感じもなくはない。ただし、旧駅舎に相対して新駅舎が設けられていて、パークアンドライドを行っているようだ。
アミアン駅
アミアン駅は、駅舎自体はスクエアな感じがする古いものだが、駅前広場には大きな屋根がかけられている。ストラスブールもそうだったが、せっかくの駅舎が遮られるのはもったいない気がする。
ところで、コンコースのお知らせを見ると、なんと後続のブーローニュ行は、アヴヴィルから先が工事のため運休になり、バスで代行になるとの事だ。これではつまらないので、直接リールに向かう事にして、先に世界遺産にも登録されている大聖堂を見に行く事にする。
ペレ塔
駅前に立つペレ塔。「コンクリートの父」オーギュスト・ペレの設計による鉄筋コンクリートの塔。アミアン駅舎と共通したスクエアな印象だが、やはり駅舎も同じペレの設計だそうだ。
アミアン大聖堂
そして大聖堂。フランス最大の大聖堂なのだそうだが、とにかくそびえるように大きい。それと、気味悪い位人物の像が多い。昔の建物の事はよく解からんけれど、人柱、って事なのか?
アミアン11時55分発のリール行も同型のダブルデッカー。ただし3連で、1等室の設定がない。2等に改装されたようだ。側面には「Region Nord-Par-de-Calais」のロゴ。沿線は農村地帯が続く。日曜日という事もあるだろうが、複線なのに他の列車と全くすれ違う事がなかった。
リール・フランドル駅
リール・フランドル駅ドーム
ノール・パ・ドゥ・カレー地方の中心、リールのフランドル駅。もちろんパリほどではないが、駅舎がクラシカルで、ホームが大きなドームで覆われた大駅だ。ただし、こちらも構内を出入りする列車はそれ程多くなかった。
ベルギー リエージュ行EC
そんな中で目についたのは、ベルギーのアントワープへ行くベルギー国鉄(NMBS/SNCB)の電車。ベルギー国内ではインターシティでも運用されるタイプ。リールはベルギー国境に近く、1時間間隔で電車が乗り入れてくる。
さて、パリへの帰りは少々困った事になった。本当は18時過ぎのTGVに乗るつもりだったのだが、「満席」という返事。どうやら空席自体はあるが、フランス・レイルパス利用時に適用される「パスホルダー」の枠が埋まっているという事らしい。一番早くて20時02分という回答だった。
(「パスホルダー」枠については、この先、何度も悩まされる事になる)
それで、最初はリールでも走っているLRTに乗るつもりだったが、プランを変更。在来線経由で一番早いのはアミアン経由だが、それでは今乗ってきたルートをストレートに逆行するだけなので面白くない。他のルートは時間が合わず、今日中にパリへ帰れないかも知れない。そこで本来最初に向かうはずだったブーローニュへ行き、そこから代行バスでアプヴィルに向かい、パリまで在来線の列車で帰る事にする。
リール LRT
リールのLRTは地下駅に発着する。フランスのLRTの中では古参で、電車はイタリア製らしい。風光明媚な所を走るらしいが、残念ながら今日の乗車は見送り。
SNCF 844857列車
SNCF 844857列車車内
リール14時21分発のカレー経由ブーローニュ行は旧型2階建てPCのプッシュプル編成。リール出発時点では機関車は後部だ。客車は旧塗装で、SNCFのマークも古い。車内に入って驚いた。窓ガラスが恐ろしく汚い。まっ茶色。それに、トイレは水が全く出ない。どうした事だろう?
沿線はのどかな農村地帯が続き、美しいと思うのに、窓自体がほとんど開かないから「茶色のフィルター」越しに眺める事になる。なんてもったいない。車内を歩いてみると、特に2階席の汚れがひどいようだ。また、この列車は全部2等だが、かつては1等だったと思われる2-2配置の部分もある。しかしモケットが破けていたりして、見た目は純2等より悪い。在来線の他の列車でも多かれ少なかれこんな所があり、高速鉄道の売り込みで日本の最大のライバルであるフランスだが、こと在来線に限ると、はっきり日本より劣るのではないだろうか?
ユーロスター
大西洋
ブーローニュ駅
カレーで進行方向が変わり、機関車が先頭に立つ。すぐ右手に高速新線が現われ、フレタン駅を掠める。在来線側には駅がなく、市中心部へは基本的にはバス連絡となるようだ。やがて普通のTGV編成に続いてユーロスターが現れる。それにしてもこうも窓が汚くて、開閉する部分が小さいと撮りづらくてしょうがない。
ブーローニュが近づくと、ついに大西洋を見る。フランスに来てからは初めての海だ。イギリス・ドーバーへの船が出る港町だが、駅は海からは離れているようだ。駅のすぐまん前にYHがある。
代行バス
代行バス 運転台
D940号線
夕陽
アプヴィル駅
アプヴィルへ行く代行バスはベンツ製。座席が15列並んでいて、はっきり言って窮屈。シートピッチがかなり狭い。古い車ではないように見えたが、MT車。
ベルクまではD940号線を南下していく。交差点はほとんどがロータリー式で、信号はほとんど見かけない。たまに運休になっている鉄道線を見るが、複線ながら電化はされていないようだ。工事用の作業車の明かりが遠くにポツンと見えた。
今日から1時間遅くなっているので、17時過ぎにはもう夕陽が西に沈む事になり、みるみるうちに暗くなってくる。エタプル、ベルクと停車し、バイパスを経由してアプヴィルの駅に就く頃にはもう真っ暗だ。18時を過ぎたばかりだが…。ブーローニュから約1時間30分かかった。
SNCF 2042列車
やはりこの路線は非電化で、パリ行2042列車はDCが牽引する。フランスに来て非電化の路線は初めて。客車9両編成のうち、2等車1両は窓が破損しているため職員が添乗、通り抜けができない。1等車の片隅に落ち着く。
SNCF 2042列車
小駅通過
アミアンからはEL牽引。旧塗装で、SNCFのマークも2つ3つ位前のクラシカルなものだ。まさか旧塗装復刻?
とにかく沿線は駅以外は真っ暗で、人工的な光(信号とか、街路灯とか)が全く見えない事が多い。最後部車両のデッキの窓から後方を見た感じでも、鉄道の信号もほとんど見かけない。閉塞区間がかなり長いようだ。
パリ・ノール駅は定刻より13分の遅れで着いた。もう20時30分を過ぎている。
ところで、少々マズイ事になった。本来のプランでは明日日中はバス・ノルマンディのカンへ行き、LRTに乗った後ル・マン経由でトゥールに向かい、トゥールからTGVの大西洋線でパリへ戻って、スペイン国境のラ・トゥール・ド・キャロルへ夜行で行く予定だった。
ところが、そのラ・トゥール・ド・キャロルへの夜行が確保できない。迂闊だったが、明日11月1日はフランスでは諸聖人の祝日になり、かの地では3連休の最終日という事になるのだった。ラ・トゥール・ド・キャロルから出る「トラン・ジューヌ」と、ベジェ~クレルモン・フェラン間のローカル線(ガラビ橋を通過する)には乗りたかったから相当悩んだが、とりあえず明日の朝考えて見る事にしよう。
どの道11月3日には三度パリで一夜を過ごす事になるので、YHで予約。先の話なのに支払いを済ませた上、早々に部屋の番号まで指定される事となった。もう遅いので、シャワーは明日の朝。
ずいぶんフラフラした1日になってしまった。さて、明日以降はどうしよう…。
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