№389 乗り物中心のフランス旅行記 10

画像


 いよいよフランスは最終日となりました。

11月4日(木)
 ミラノ行TGVはパリ・リヨン駅を夕方発車するので、午前中はまるまる時間がある。もう一箇所、パリからすぐいける場所に列車で行きたい。パリから1時間強のルーアンがいいだろう。LRTもあるそうだし。
 合計で2度・3泊したクリシーYHをチェックアウト、最寄の地下鉄の駅からサン・ラザール駅へ向かう。さすがに平日の朝、地下鉄の駅も車内も混雑が激しい。
 サン・ラザール駅は残念ながら大規模な改良工事の真っ只中で、一部の駅機能が駅前広場に仮設で移されている。おかげで駅舎の全景を見る事はできない。構内のホームは向かって左のエリアが近郊線、右が長距離で、近郊線では前回取り上げたものとは違った、もう少しデザインが近代的なステンレスの電車が運用されている。もっともこちらも釣掛け式のようだが。

画像

SNCF 13103列車
画像

SNCF 13103列車1等室
画像

SNCF 13103列車2等室

 ルーエン行は新型ダブルデッカー電車で、これまで何回か乗ってきた中では新しいほうだろう。座席が、27日(№377)に乗った、TGV東ヨーロッパ線と同タイプだ。英語の表示もある。
 残念ながら今日も曇り空。パリ近郊はほとんど晴れなかったなあ。右側を
セーヌ川が流れる。プッシュプルのPCに混じって、TGVとも2本すれ違う。どちらもル・アーブルからの列車で、1本はストラスブール、もう一本はマルセイユ行だ。柔軟な運行系統を設定できるのはTGVの強みだろう。

画像

セーヌ川

 ルーアンが近づき、セーヌ川を渡る頃には大聖堂が見えてくる。しかし終点が近いというのに、この付近からノロノロ。どうもフランスでは、せっかく定時で走ってきても終点近くで速度がガクッと落ちて、遅れを作って終点到着というケースが少なくないように感じる。この列車も7分の遅れになった。

画像

ルーアン・リブ・ドロワット駅
画像

ルーアン・リブ・ドロワット駅駅舎内
画像

ルーアン・リブ・ドロワット駅駅舎内壁画

 ルーアン・リブ・ドロワット駅のホームは半地下タイプ。ここも体育館みたいなドーム状の駅舎に趣きがあり、時計塔が目立つ外観もさることながら、壁画がある内部もまた見ものだ。フランスはほとんどの駅の駅舎が、大きい所も小さい所も昔ながらのもので、駅舎に興味がある人ならたまらない国だろう。
(それだけにストラスブールやアミアンが少々残念なのだが)
 LRTの前に、軽く市内観光。

画像

ノートルダム大聖堂
画像

時計塔
画像

ジャンヌ・ダルク教会
画像

左から2番目がジャンヌ・ダルク博物館

 小ぢんまりした中心街は、木組みの建物が多い。ひょっとしたらフランスでは珍しいかも。ここはジャンヌ・ダルクが火焙りの刑に処せられた所で、記念した教会や博物館があったりする。教会はステンドグラスが見ものではあるが、ジャンヌ・ダルクとは関係ないものが描かれている。大聖堂は改修工事中。別に世界遺産に指定されたりしている訳ではないのだが、思ったより日本人が多いようだ。ツアー?
 なお、リブ・ドロワット駅付近には両替ができる場所がないので注意。
 大聖堂そばの観光案内所の内部に両替商が入っている。

画像

ルーアンLRT
画像

ルーアンLRT 車内

 いよいよ「おまちかね」のLRT。車両はグルノーブルの初期タイプ、あるいはパリのT1と同タイプの中央部低床タイプだ。

画像

ルーアンLRT ギャル・リュ・ヴェルト駅
画像

ルーアンLRT パレ・ドゥ・ジュスティス駅入口

 このLRTは「メトロ」と呼ばれ、ブ・ドロワット駅前のギャル・リュ・ヴェルト駅からパレ・ドゥ・ジュスティス駅に掛けては地下線になっている。本格的な山岳トンネル工法が採用されていたりして結構深い。

画像

ルーアンLRT 芝生軌道
画像

ルーアンLRT ポール・セザンヌ付近
画像

ルーアンLRT ジョルジュ・ブラック終点
画像

ルーアンLRT 電停

 LRT「メトロ」は2系統ある(系統番号の設定はない)が、その内ジョルジュ・ブラックへ行く路線に乗ってみる。
 起点は地上にあるブーリングリン(と読むのか?)で、バスターミナルが併設されている。リブ・ドロワット駅から2区間しかない位近い場所なのだが、バスがリブ・ドロワット駅に入らず、ここでLRTに接続となっているのが興味深い。(実は、リブ・ドロワット駅を発着する市内バスは、路線図を見る限り3路線しかない)
 時刻表を見ると、もう一方の系統のテクノポウル行共々、平日は8~10分毎、土曜日8~12分毎、しかし休日は20分間隔とガクンと減る。また平日も8月は減便になる。
 地下線を抜けてセーヌ川を片側軌道で渡る。SNCF駅に隣接するギャル・リュ・ヴェルトは案外乗降が少ないが、停留所毎に乗客が増えていく。街の中心は駅にはないという事だ。車両は昨日のパリT1と同じだが、客層が大分違い、黒人はほとんど見られない。学生が多いかも知れない。
 ロータリーの交差点は地下線でクリア。5月8日広場付近からは団地が並ぶ。終点のジョルジュ・ブラック付近は閑静な住宅街。ちょうど30分。
 もう一方のテクノポウルへ行く時間は残念ながらなくなってしまった(ジョルジュ・ブラックからバスがあるが時間が合わなかった)。それどころか、理由はわからないがダイヤが乱れがちで、電停の表示では、次の電車が20分後になってしまうらしい。下手するとパリへの列車に間に合わないかも知れない。おとなしく引返す。それと、ルーエンには「TEOR」という専用レーンを使用したバスシステムがあり、光学式ガイドウェイバスが試験的に使われているとも聞いたが、こちらも見る機会がなかったのが惜しまれる。観光をしなければ良かったのかもしれないが。

画像

SNCF 3116列車 2等車
画像

SNCF 3116列車 2等車車内
画像

サン・ラザール 近郊電車

 帰りのパリ・サン・ラザール行はル・アーヴルを始発とするプッシュプルの客車編成で、ルーアン~パリはノンストップ。客車は最後部の2等1両を除いて改装が行われているのだが、この改装されていない車両は窓ガラスが汚い。また、他の車両も含め、トイレは水洗ではあるものの洗面台の水が出ないなど、どうもあちらこちら不備が目立つようだ。
 行きと同じ道なので特筆するような事はない。パリが近づくと近郊電車の他、RATPのマークをつけたRERも見かけるようになる。それにしてもパリは世界でも有数の大都市のはずなのに、少し中心部から離れると、もうどこか田舎風情だ。東京とは決定的に違うと思う。

 サン・ラザール駅から、ミラノ行TGVが出発するリヨン駅までは地下鉄14号線で移動する。この路線は完全無人運転で、先頭部に運転室がなく、展望席風になっている。また、駅が少なく、特にシャトレ~リヨン駅は、在来の地下鉄では2つ3つ位駅がありそうな程の距離で駅がない。ホームはガラス張りのホームドアが設置されている。

画像

地下鉄入口 新タイプ

 駅への出入口も、それまでのクラシカルなものと違ってモダンだ。

 いよいよフランス最後の列車になった。ミラノ行TGVは昔ながら?のシングルデッカーで、1ユニットのみ。アルストーム社製で1994年製だそうだからTGVとしてはもう古参か。

画像

TGV9299列車 2等車車内

 2等だと車内も少々窮屈かもしれない。そろそろ更新が必要では…。
 定刻にリヨン駅5番ホームを出発。何度も出入したパリともしばらくはお別れだ。

画像

高速道路
 10分足らずで高速新線に入り、併走する高速道路の乗用車やトラックを楽勝で置き去りにしていく。リヨンまでは今回2回走っているけれど、どちらも外は暗くなっていたから、改めてじっくり景色を眺める。途中2箇所、将来の駅の設置を想定していると思われる待避線が分岐。でも付近に人気は感じられない。
 それにしても沿線は相変わらずひたすら田園地帯。人家が全くといっていい程見られない。柵のすぐ向こうで羊が草を食むなんて車窓は、やはり日本の新幹線(特に東海道)とは全く異なる。空は広いはずなのに、ひたすら曇り空なのが残念だ。それと、アップダウンが多い。
 さらに17時前後に、今度は営業のTGV専用駅、ルクルゾーとマコンを通過するが、どちらもホームの佇まいは在来線の小駅のそれと大して変わらないように思えた。やがて左へ右へ、路線が分岐していく。直接ジュネーブへ行く路線と、リヨンの中心部に行く路線だろう。

 こちらはリヨンはサン・テグジュペリ駅に到着する。何が原因か解からないが、6分の遅れが発生している。意外に降車する乗客が多い。 高速新線はこの駅で終わり、在来線に合流する。残念ながら外は見る見る内に暗くなってきた。
 シャンベリも遅れを取り戻せないまま到着。5分停車時間があるのだが、何しろ降りる乗客は客層を問わず皆大荷物だし、加えて高いステップがあるため乗降に非常に時間がかかる。遅れを取り戻せぬまま出発。

画像

モダーヌ駅

 いよいよフランス最後の駅、モダーヌ。駅構内は広いようでELが多い。ここまで見かけなかった新型も見られるし、別の場所にはイタリア鉄道(FS)のELも並んでいる。夜空を見上げると星が美しい。ここは快晴のようだ。

 これでフランスともまた、しばらくのお別れ。次に来れるのはいつの日だろう。

 モダーヌを出発すると右側通行に変わり、国境のトンネルをノロノロ運転で通過する。FSの車掌が検札に回ってきた(そういえばSNCFの車掌は検札には来なかったなあ)。

画像

バルドネッキア駅

 イタリアに入って最初の停車駅バルドネッキアには、FSの近郊客車列車が停車していたが、ELはない。フランスの列車も見られず、鉄道の運営上の境界はやはりフランス側のモダーヌという事になる。駅名がはっきりイタリアだなあ。
 どうした事か、なかなか出発しない。なにやら放送は流れているようだが、フランス語orイタリア語では解からない。この間乗客は思い思いに外に出てタバコで一服。イタリアもホームは禁煙ではないようだからやはりタバコで煙くなる。結局原因不明(あるはずだが)のまま18分まで遅れを増幅させて出発した。ただでさえミラノ着が22時25分予定なのだから、せめて定時に走って欲しいよ、とは思うが…。

画像

TGV 9299列車 BAR

 そろそろBARで軽くても夕食を…と思ったのだが、食事になるようなものは皆無に近かった。ベーグルサンドとコーラ、ミネラルウォーターと、とても夕食とは思えぬ内容のものしかなかった。最初からないのか、フランス国内で既に売り切れていたのかは解からない。何しろメニュー自体置いていなかった。カップの「Seaf Express」のマークからして、イタリアの業者らしいのだが。BARを訪れる乗客自体も少ない。そもそもこの列車の乗客自体がかなり少なくなったようだ。

 もう一つウルクスに停車して、トリノはポルタ・スーサの地下駅に到着。ここで遅れは13分に短縮。FSは最近、駅構内の各種表示のフォントを変えているようだ。トリノを過ぎるとFSの新型電車をいくつか見かける。
 車内は大分静かになったが、ミラノが近づくと身支度で急に慌しくなってきた。ミラノ到着直前には路面電車、そしてFSの高速列車ETRも見かけるようになった。

画像

ミラノ中央駅到着

 22時30分、ミラノ中央駅3番線到着。遅れは5分にまで縮まっていた。FS、やるじゃん。
 ミラノ中央駅は10年前に来た事があるけれど、記憶違いかもしれないが、その時にはこんなのあったっけ?というような高層ビルが駅前にそびえていた。駅自体も改良工事中だ。

 さて、駅のすぐそばのホテルにチェックイン、TVのBBC Worldに合わせると(CNNは入らない)、何とビックリ。カンタス航空のA380がシンガポールを離陸直後第2エンジンを破損させ、緊急着陸したというので大騒ぎになっていた。幸い死傷者が出るような惨事にはならなかったが、場所が場所だけに今後の波紋は大きいだろう。
 明日は帰国。早めにマルペンサ空港に行かなければならないはずなのだが、このニュースを見るためもあって、就寝が24時を回ってしまった。マルペンサ空港は電車で行こう。
 
 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 今日は寒かったです…。TVニュースで見た富山の市内電車も凍えているようでした。
《今日のニュースから》
日本海側中心に寒波 静岡・大阪・徳島・熊本で初雪を観測

№388 乗り物中心のフランス旅行記 9

 昨日は冬至。
 銭湯は「ゆず湯」でしたが、仕事で行けなかったのは残念!

 フランス旅行記を続けます。
 いよいよ、フランスはあと2日。

画像


11月3日(水)
「フランス・レイルパス」は合計の有効日7日間のうち、前日までに6日間を使った。残る1日分は明日のために残す必要があるから、今日は再びパリ近郊を巡る事になる。パリのLRTは4路線あり、あと2路線残っているから挨拶に行こう。まずはT4系統へ。27日(№377)にTGVでメッスへ向かう途中見かけてちょっと気になっていたので。
 ただし、T4 系統は3~4のゾーンにまたがって路線があるので、10月30日(№381)のような3ゾーン内の1日乗車券では通用せず、6ゾーンまで有効の1日券を購入する必要がある。19.6EUR。

画像

マジェンタ駅 ホーム

 T4系統が起点とするボンディ駅は、北駅に隣接するRERの専用駅、マジェンタ駅からE線で行く。このマジェンタ駅は地下にホームがあるが、かなり深い。2面4線で、中央部の2線の上部は広いドーム状になっている。電車は3ドアのダブルデッカー。2階部は中央で行き止まりになっている。シートは2-3配置。地上部に出ると東駅発着のSNCF線と並走、2ドアのダブルデッカーに抜かれる。

画像

パリLRT T4
画像

パリLRT T4車内

 T4系統は他のLRT3路線と異なり、「Transilien」ネットワークに組み込まれて、近郊列車と同じカラーリングにSNCFのマークが入っている。日本で言えばJRが東京・大阪の近郊でLRTを運営しているようなものか。車両も他の3路線と違ってシーメンス製らしく、5車体だが両端は超低床にはなっていない。時刻表では平日・土曜は6分間隔で休日は9分間隔らしい。

画像

ボンディ駅
画像

ボンディ駅 ホーム

 ボンディ駅は近郊列車の駅らしくきちんとした駅舎があり、自動改札も設けられている。駅前ではフリーマーケットが行われていた。
 ホームはRER(パリ方面から)と同一レベルでの乗換えが可能。レールは先の方まで延びていて、ひょっとしてこの路線はT2と同様、近郊鉄道からの転用?

画像

ガルガン駅

 中間のガルガン駅は車庫がある訳ではないが2面3線のレイアウト。かつては駅舎だったらしい建物が残っていて、駅を中心に通りが延びている。RATPのバスも発着。沿線では結構大きな町のように見える。

画像

オルネ・スボア駅

 終点のオルネ・スボア駅まではちょうど20分。この駅はシャルル・ド・ゴール空港からのB線が通過する駅だが、先日は存在に気づかなかった。全体的に改良工事が進められている。ホームは地下道で連絡しているが、この地下道の掲示に「Voi 1 Paris Est」と書かれていた。やはり昔はパリへ直通する近郊鉄道の路線だったようだ。

画像

セ・アンリ・ゼリアー駅
画像

ホームの広告

 全体的にはこの路線は静かな郊外の住宅地の中を走っている。ホームは皆長めだ。かつては近郊鉄道だった事もあるし、将来的には連結運転を想定しているのかも知れない。現行の車両は連結運転には対応していないように思えるのだが。
 中間駅は皆ホームへの入口付近にIC対応の簡易改札機が置かれているのみ。市中の地下鉄もそうだったが、IC乗車券の普及が進んでいるのはパリも同じようだ。
 さて、せっかくの新しいLRT、優れたデザインなのに…。

画像

落書き

 これはいただけない。
 車体への落書きは欧州ではよく見られる事ではあるが、T4系統では他にも窓ガラスに引っかき傷があったり、ホームの広告のガラスがコナゴナになってそのまんまというケースも見られた。せっかくの新スタイルの公共交通なのだから、市民層に定着を図るのならば、こういった破壊やイタズラ等の行為には毅然とした態度で臨んで欲しいと思う。

 ボンディ駅に戻り、RERのE線で1駅パリ方に戻って、残るT1系統に乗る。

画像

パリLRT T1
画像


 といっても、実はこの路線は14年前の1996年に乗った事がある。4年前の1992年に開業した当時は「パリに『路面電車』復活」と、鉄道ファンの間でも随分話題になったものだった。当初はサン・ドニ~ボビニー・パブロ・ピカソの運行で、最近ノアジー・ルゼックまで延伸されたらしい。
 車両はグルノーブルの初期車両と同じ中央部が超低床になったタイプ。それ自体は変わっていないけれど、カラーリングが、以前のグレーをベースにしたものから、地下鉄やバスと同様のライトブルーと白のツートンカラーに変わっていた。

画像

RER ノアジー・ルゼック駅
画像

LRT ノアジー・ルゼック駅

 まずはサン・ドニまで乗り通してみるが、ノアジー・ルゼック付近はどうした事か渋滞が激しく、バスも何台か捕まってしまっている。専用の走行路が確保されているT1も、脇道から流入してくる乗用車で何度か立ち往生させられた。先日のT3もそうだったけれど、LRTといえどもやはりパリ、地方都市のようなスムーズな運行という訳には行かないようだ。

画像

パリLRT 1系統すれ違い
画像

パリLRT 1系統サン・ドニ付近
画像

パリLRT 1系統サン・ドニ駅

 サン・ドニまで約50分かかった。この路線の場合、黒人の乗客が他の路線と比べて際立って多いように感じた。全体的に利用者が多く、特に若い人が目立つ。それ自体は嬉しい話だが、乗降に手間取る所が少なくないようだ。そろそろ輸送力不足で、T2・T3の「シタディス」のような、長編成で全超低床の新型を入れるべき時期かも知れない。
 サン・ドニ付近は工事中だが、佇まい自体は14年前と変わっていないようだ。サン・ドニといえば、1998年に行われたフランスW杯の決勝戦の地「スタット・フランス」が有名だけれど、駅から歩いていくには少々遠そうだ。今回は見送り。SNCF線はタリスが通過していくのが見えた。

画像

パリLRT T1オテル・ド・ヴィル・ド・ボビニー
画像

パリLRT T1電停

 初期の終点、ボビニー・パブロ・ピカソまで戻る。ボビニー地区は他と違って歴史的建造物が皆無。新しく開発された所のようだ。地下鉄5号線の駅と直結したバスターミナルもあり、RATP以外のバスの発着も頻繁だった。
 地下鉄5号線でパリ市中に向かう事にする。

 パリのLRT4路線に乗って感じた事。
 地方都市ならまだしも、パリ程の大都市だと、地下鉄が高度に発達していれば、中心部ではさすがにLRTの出番はなさそう。
(地下鉄が苦手な人のための地上交通はあっても良いが、それはバスの方が適しているのではないか)
 大都市でLRTを導入するなら、外郊外線的な区間が一番効果を発揮するだろう。
 都電の荒川線だってそうだ。
 それと、「道路交通法によって、軌道内に乗用車を入れない」というだけではもはや不十分で、併用軌道区間でも、はっきりとLRTの専用走行路が確保されなければならない。

 エッフェル塔は先日30日の夜に入場しているし、遠くからなら何度も見ているが、やはり昼間に近くから見たい。なのでレピュブリックで8号線に乗り換え、エコール・ミリテールで下車、歩いて行く。
 下車の直前、赤いハチマキやノボリやらの集団がなにやら騒ぎながら入れ替わりに乗り込んでいく。地上に出るとボスケ大通は警察によって封鎖されていた。年金改革に抗議する行動はいまだ続いているようだ。ただ、この数日の感覚からすると、メチャクチャな騒動はもう収まりつつあるようだったが。フランスという国は優雅なイメージとは裏腹に、昔から左も右も過激な行動が度々起きているような気がして、色々な面で感覚的についていけない部分が多々あるようだ。

画像

エッフェル塔

 エッフェル塔はやはりデザイン自体も美しいし、周りに高層建築物がないからより見事に見える。
 鉄道の駅のすぐそば、と行かないのが難点か。(それは東京タワーも同じだけれど)

画像

RER C線 シャン・ド・マルス・トゥール・エッフェル駅

 一番の最寄り駅が、RERのC線、シャン・ド・マルス・トゥール・エッフェル駅。
 ここからヴェルサイユまで行く。C線は少々運行形態が複雑だけれど、宮殿の最寄り駅、ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュまでは15分間隔だ。ダブルデッカーを2編成連結している。しかし、エッフェル塔~ヴェルサイユという2大観光地を結ぶ路線なのに、車内はガラガラだ。
 純粋な地下鉄と違って高速鉄道のカテゴリーに入るはずだが、思いの他遅い。市中はトロトロ走る。ヴェルサイユまで26分。郊外とはいえそんなにかかる距離ではないと思うのだが。

画像

RER C線 ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ駅

 終点のリヴ・ゴーシュ駅もなかなか雰囲気のある駅だ。頭端式。

画像

ヴェルサイユ宮殿

 宮殿は外から眺めるだけ。もちろん観光客は多いし、加えて空き地で待機する観光バスも多い。30台位はいただろうか。ヴェルサイユの街自体、思ったより大きい。もう少し田舎っぽい所だと思っていたのだが。大通りを行きかう車も多い。パリはやっぱり車社会だなあ。

画像

ヴェルサイユ・シャンティイ駅
画像

ヴェルサイユ・シャンティイ駅 駅舎内

 ヴェルサイユのもう一つの駅、シャンティイ駅は、パリのモンパルナスとル・マンやレンヌを結ぶ幹線の途上にある。(この他にリブ・ドロワットという駅もあるそうだ)。外観はもちろん、中も見ものだ。特に大時計が印象的。駅舎内のパン屋で、クロワッセンにデニッシュ、コーラを購入して列車の中で食べる。やっぱりフランスはパンがおいしい。

画像

モンパルナス発着 近郊電車

 この路線では、まだこんな電車がガンガン走っている。釣り掛け式!結構な数が走っていて、一日乗車券をいい事に、モンパルナス駅とヴェルサイユの間を何度か行き来してサウンドを楽しむ(セーブル・リブ・ゴーシュで折り返す電車もある)この路線はモンパルナスから若干上り勾配になるので、急行運転の電車を選んで乗るとサウンドが楽しめるのではないだろうか。ただ他にプッシュプルトレインもあるし、旧型だから1日中走っているかどうかは解からないのだが。
 それにしてもパリほどの大都市で未だに釣り掛け式電車が走っているという事は、フランスってやっぱり在来線の体質の改善が遅れているのだろうか。

 モンパルナス駅近くの小ぢんまりしたレストランで夕食を取り、地下鉄13号線でクリシーへ。先日予約済みのYHを再び訪れる。メキシコから来たという若者と同室になった。それにしてもここのYHはシャワーがとんでもなく温い。皆風邪をひいたりはしないのか?これから利用される方は少々注意した方が良いだろう。

 明日はいよいよフランス最終日。ミラノへ行くTGVはリヨン駅を15時過ぎに出発だから、午前中は丸々時間がある。ルーアンへ行く事にする。ここにもLRTがあるそうだし。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
横綱審議委員会稽古総見 相撲ファン5000人見物

№387 オリコン年間ランキングは「AKB48」と「嵐」が独占

 今日は帰宅が遅くなって、フランス旅行については書く時間がなかったので、短くいきます。
 今年のオリコンのシングル年間ランキングが発表になり、「AKB48」が1位「Bigginer」を含め2・5・8位、「嵐」が3位「Troublemaker」を筆頭に4・6・7・9・10位となり、この2グループだけでベスト10を占める結果となりました。
(両グループ以外では「Love yourself ~君が嫌いな君が好き~」(KAT-TUN)の11位が最高で、次の12位がまたAKB48。)
 私は最近の芸能界の事など何にも解かりませんが、まあすごい記録ではあると思います。

画像

画像

 このうち「嵐」といえば、現在JALが「JAL嵐ジェット」と称して、B777-200(JA8982)に「嵐」のメンバーのラッピングを施して運行しています。
 HPでも運用を公表しており、明日21日は伊丹から羽田まで102便で飛んだあと、315~322~333~336の順で福岡まで2往復するようです。
 来年1月までの運航とか。
 メンバーの横に書かれている「僕の見ている風景」とは、8月にリリースされたアルバムのタイトルで、105.3万枚を売り上げ、今年の音楽ソフトで唯一のミリオンセラーなのだそうです。
 JALの機内でもオリジナルボックス仕様で発売されたそうで、JALも「嵐」人気に一役買った事でしょう。

 ただ、「JAL嵐ジェット」そのものに関して言うと、今回は単なるキャンペーンではなく、経営再建に向けたJALからのメッセージも含まれています。
 だとしたら、B777-200(3クラスなので原則羽田~伊丹・福岡・新千歳線限定)ではなく、地方にも就航するB767-300や、退役は近いけれどA300-600Rあたりの方が適役だったかもしれないし、機数も増やして、地方の人々が目に触れる機会を増やしても良かったのではないかと思っています。
 まあ機数を増やすとそれだけ広告料を払わなければならないから、現状では難しいかも知れないけれど…。


 乗り物には関係ないけれど、もう少しソロのシンガーが頑張って欲しいと思うなあ。
 大人数のユニットばかりじゃつまらないよ。
 私的には馬場俊英の「私を必要としてくれる人がいます」なんて、決して今風じゃないけどいいなあなんて感じています。


 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 明日ですが、本体の更新を行います。
 そろそろ各地の事業者でポスト新長期規制の新車が走り出していますが、明日はそのうち東京都営と横浜市営で公開します。
 都営はBLCハイブリッドとエアロスター・ノンステップで、三菱ふそうのディーゼル車は7年ぶりになります。
 また、横浜市営は横浜交通開発のエルガ・ワンステップで、横浜交通開発はバス事業開始後初の新車です。
 この他京成タウンバスが約4年ぶりの更新、京急バスでは画像交換で「キマグレン」のラッピング車を公開します。
 この更新のため明日の当ブログの更新はお休み。
 また明後日22日も仕事のためお休みさせて頂き、次回の当ブログの更新は23日の日中になる予定です。
 フランス旅行の続きについて書きます。

《今日のニュースから》
韓国軍 ヨンピョン島で砲撃訓練を再開