№372 新特急 谷川

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 1988年9月21日、上越線水上駅に進入する新特急<谷川>です。

<谷川>は<草津><あかぎ><なすの>と共に、1982年11月に、それまで高崎線や東北本線を走っていた165系の急行を格上げして生まれた特急で、料金をそれまでの特急より低く抑えていた事から、「新特急」の呼称がありました。
 車両は、1985年3月の東北・上越新幹線の上野開業まで、上野~大宮の<リレー号>として運用されていた185系200番台。
 既に東海道線の特急<踊り子>で使用されていた0番台がベースですが、当時存在していた碓氷峠区間を越えるための装備が施されていました。
(長野まで定期運用の実績あり)
 カラーリングも、0番台の斜めストライプに対し、新幹線連絡をイメージさせるため、シンプルな緑の帯をまとっています。
 新幹線上野開業後は、一部が<踊り子>に転用され、カラーリングも変わりました。

<谷川>は上野~水上(冬季スキーシーズンは一部が越後湯沢へ延伸していた)の列車でしたが、1997年に上越新幹線の区間運転の列車に列車名を<たにがわ>として召し上げ、<水上>と改称しました。
 1995年~1996年にかけてリニューアルを実施してカラーリングも変更。
 2002年には「新特急」の呼称をやめ、通常の特急となりました。
 そして、今年12月の改正で<水上>はすべて臨時列車に格下げされる事になるのです。

 185系の特急は窓が開閉式である事、座席がリクライニングしない転換クロスシートである事から、設定ダイヤも含めて特急用としてはファンから非常に不評を買いました。
(同期の大阪地域の新快速117系と比較された部分もあります)
 もっともそれを言うなら、座席はリクライニングはするけれどデッキ仕切りの扉がなく、車体の構造自体は近郊電車とあまり変わらないJR東海の373系とか、走行距離が30㎞そこそこで、しかも通過駅が2つしかないJR九州の<きりしま>(区間運転)や、キハ47改造の<はやとの風>、第3セクター鉄道のトロッコ列車改造の<海幸山幸>なんて「特急」としてはどうなのよ、と感じるのですが…。

 12月改正ではこのほか<なすの>改め<おはようとちぎ><ホームタウンとちぎ>の廃止、<踊り子>の減便など、185系にとっては転機となる出来事が予定されています。
 車両そのものへの評価はともかく、既に30年程度経っていて、首都圏では最古参の系列になりつつあるのは事実ですから、特急用という事も考えれば、今後数年で本格的な淘汰が行われるのは間違いないはずです。
 それがどういう形で行われるかはわかりませんが…。

<谷川>あらため<水上>で使用されている、大宮車両センター(<谷川>運行開始時は新前橋電車区所属だった)の200番台の内1編成は、<草津>運行開始50周年を記念した、湘南色をリバイバルして運行しています。
 ぜひ次は、本来の200番台のカラーだった「新幹線リレー色」がリバイバルされれば、と思います。
 もっともその時は、185系引退のカウントダウンが始まっている頃でしょうが…。

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