№367 バスラマインターナショナル122(ぽると出版)

 フランスへ行く直前には発売になっていたと思いますが、これもかなり遅くなってしまいました。
 今回も気になる記事をいくつか拾ってみたいと思います。

◆各地の新車から
 そろそろポスト新長期規制モデルの導入が本格的になっているようです。
(私も本体のサイトで、羽田京急バスのエアロスターを掲載させて頂きました)
 エルガは西鉄も含めて皆、先代モデルの駆け込み導入という所でしょうか。
 小田急バスの旧塗装復刻は、やはりラッピングではなく、本格的な塗装でやって欲しかった…。

◆いすゞ新型エルガ登場
 で、そのエルガのポスト新長期規制モデルについての特集。
 外観的には公式側のエンジンルームのメッシュが再びなくなった事で、2世代前(PJ-規制)との区別がつきにくくなったかな、後は後輪の前のアドブルー供給孔のふたがわかりやすいかなと思います。
 非公式側の中央部窓が固定化されたというのは、公式側から見たらわかりづらいだろうな。
 多少記事そのものから離れますが、ノンステップ車の車内の仕様について。
 フランスで少し乗ってきましたけれど、確かにヨーロッパのノンステップ車は後部通路もフルフラットになっていて、日本のバスは遅れているかもなと感じたのは事実。
 ただ、一方で車体そのもののサイズが一回り大きい事もあるのか、座席のレイアウトが日本と大分異なる(後ろ向き座席の割合が大きかったり、中央部に座席がないなど)う部分がある事もこれまた事実です。
 このあたりは、今度は乗客の立場からして認められるの?という事になると思いますので、このあたりを構造と同時に、メーカーサイドから提案されると(良くも悪くも)インパクトがあるのかなあと思います。
 ポスト新長期規制のエルガは、横浜交通開発でワンステップ車が導入されているそうです。

◆両備バス SAIBUS・SOLARBI
 単純に、昔の鉄道のカラーのイメージを再現したラッピング車が走っているというのはどこかであったはずですが…。
(スミマセン。失念してしまいました)
 正直どちらも懲りすぎていて、一般の路線でガンガン走れるような代物ではないと思いますが、「バスには見た目の楽しさ・インパクトがない」というイメージがある?そうですから、それに対する回答なのかも知れません。

バスフェスタ2010 in YOKOHAMA」の記事がありました。
 他にも全国各地で個別にイベントが行われたようですが、東京都交通局のイベントでは、伊豆箱根バスの旧塗装復刻車(バイオ燃料使用)が展示されたのですか。

◆ バス事業者訪問139 関東自動車
 産業再生紀行の支援を受けて再建中の事業者ですが、全体的には思ったよりも健闘しているかなと感じました。
 中型ながらノンステップ車の導入も積極的だし。
 ただ、小山や佐野のエリアは、一般路線は完全に他から孤立してしまいました。
 小山なんて、昔からJRの東京近郊区間に位置しているのに。
 高速バスや貸切バスが堅調(新宿線はなくなってしまったけれど)なのは何より。
「日光市営バス」と言うけれど、今の日光市はとてつもなく範囲が広いので、具体的にどのあたりなのか(今市市と思われる)、関連して日光市を含め、市町村合併が事業にどの程度影響しているのかという部分も触れられればと思います。
 LRTに関しては、トップダウンの空港や高速道路と違って「草の根」レベルで導入が叫ばれている部分があるため、バス事業者が反対すると「既得権防衛のためだ」という批判を招くようです。
 ここでは詳しくは取り上げませんが、軌道系交通運営の経験が全くない地域(日光ではあったが、あまり参考にはならないだろう)であるだけに、確かにもう少し冷静に議論されるべきかも知れません。
 趣味的には中古車の積極的な導入もあって、首都圏でありながら関東鉄道あたりと同じく車両的にバラエティがあって楽しめます。

◆ 連載29 バスのカタログ 日野スケルトン大型観光バスRS系<後編>
 フルデッカー車の設定で、日野のスケルトン観光車のスタイルが確かなものになったと言えます。
 藤田観光のK-RS340Pの非公式側の写真が掲載されていましたが、たまたま手元に公式側を撮影した写真がありましたので掲げておきます。
 偶然登録番号も全く同じ。

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◆ その他
 今号で注目されたのが、JRバス関東の高速バスにエンジン自動消火装置が装着されたという話題。
「メガライナー」で火災が相次いだ事で装着が決定したという事ですが、バス火災は何もJRバスだけではないので(残念ながら老舗の事業者でも決して少なくない)、実績によっては今後は義務化という方向に進むかもしれません。
「IAA2010」というドイツでのバスショーのルポがあり、さすがのヨーロッパでも、金融危機の影響は相当大きく、ショーも精彩を欠いたとしています。
「スーパーバス」って、こういうのはバスって呼べるのかなあ?
 黎明期のヨーロッパや日本の鉄道では車内に通路がなく、ホームから直接個室に出入りする客車が使われ、各地の鉄道博物館で展示されています(大宮にもある)が、ああいう感覚になるのでしょうか?
 

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
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《今日のニュースから》
 B型肝炎集団訴訟 94人が一斉に追加提訴

№366 私鉄の車両シリーズ83 相模鉄道5000系

 これもかなり久々になりますが、今日は「私鉄の車両シリーズ」をやります。
 今回は既に引退済みですが、相模鉄道の5000系です。

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 5000系(5050番台)には、1972年に製作された5100系をベースに、VVVF制御化等の改造を施して生み出された通勤車です。
 5100系は、1955年にデビューした(旧)5000系が礎になっています。(旧)5000系はボディマウント構造の軽量車体に直角カルダン駆動の全M構造という、相鉄初の画期的な高性能車両でした。
 しかし18m3ドアのため急増する需要に対応できず、20m4ドア、1段下降窓のアルミ車体に乗せ替えたものです。
 20両全車が東急車輛によって改造・製作されました。

 走行装置等は(旧)5000系のものをそのまま使用しており、全M方式は変わらず、相鉄では唯一の電気ブレーキ方式でした。

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 車内はアイボリーの化粧板にオレンジ色の座席と暖色系にまとめられています。
 側窓は相鉄独特の油圧式パワーウィンドウを採用。
 窓脇のボタンを操作する事で開閉させるようになっています。
 5101~5104は他車と比較してモーターの出力が小さく、このため更新後は予備車扱いとなってほとんど運用されなくなりました。
 5105以降は4連×2の8連を2本組成して運用されました。

 1988年より下回りを更新し、予備車の4両も交え、10連(5連×2)2本への編成替えを実施しました。
 制御装置は7000系(14次車~)で採用されたVVVF制御とし、全M→4M6Tとなりました。
 ブレーキも空気式のHSC-Dに変更されています。
 台車も新製品に交換されました。
 なお5151・5153の2両は中間車に改造されて運転台が撤去されました。
 側窓が小さい事、妻窓も小型の上に補強板が残されている事で容易に判別ができました。
 営業で5連ずつの分割運用は行われていません。

 改造・編成替えの後は他系列と共通で線内の各列車で運用されてきましたが、2005年度に5552Fが廃車、残りの5554Fも2009年2月11日のさよなら運転をもって引退しています。

【編成】
←横浜     海老名・湘南台
 Mc 5000* - T1 5600 - M 5100 - T2 5600 - Tc1 5500 + Mc 5000* - T1 5600 - M 5100 - T2 5600 - Tc1 5500* パンタグラフ

 今回の記事は
「私鉄の車両20 相模鉄道」(保育社)※現在はネコ・パブリッシングによって復刻
「鉄道ピクトリアル1986年8月臨時増刊号 【特集】相模鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル1999年7月臨時増刊号 【特集】相模鉄道」(鉄道図書刊行会) 等
を参考にさせて頂きました。

 私鉄の車両シリーズ、次回はまたかなり先の話になる予定ですが、東京メトロ東西線の05系のうち、初期の1~7次車について取り上げます。
 デビューはそんな昔の話ではないはずですが、標準ドア車両は15000系への置き換えが始まっています。

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《今日のニュースから》
ミャンマー 拘束の日本人ジャーナリスト開放

№365 バスグラフィックVol.8(ネコ・パブリッシング)

 これも大分遅くなってしまいましたが、「バスグラフィックVol.8」が先月発売になっていますので今日取り上げます。
 日野のポスト新長期規制モデルのセレガ及びブルーリボンシティ・ハイブリッドの紹介の後は、《ヨコハマ路線バス80’s》

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 横浜市臨港バスについては私も本体で取り上げていますが、ここではプラス川崎市営バスの過去車両も多数取り上げられています。
(本当は川崎市営バスは「ヨコハマ路線バス」ではなく、臨港バスも横浜市は鶴見・港北区と郊外なのでこのタイトルは若干苦しいとは思いますが…)
 他の方の写真やそのキャプションを拝見すると、また違った発見があるもので、いすゞK-CDM370Vが全国でも横浜市営バスの6台のみとか(72系統と言うのは誤りで、18系統と31系統)、臨港バスにも北村ボディがあったんだなあとか思ったり。
 川崎市営は川崎区殿町にいすゞ、中原区大倉町に三菱ふそうがあった事でこの2社の選択になっていたのですが、いすゞは川崎からはなくなってしまいました。
(今の臨港バスの「殿町」行が、以前の「いすゞ自動車」行だった。なお、日産ディーゼルと日野の採用は平成に入ってから)
 臨港バスも鶴見区尻手に日野の車体工場があって(J-BUS発足と同時に廃止になり、現在はマンションを造成中 JRからも見られます)、だから路線車はいすゞと日野の選択だったのかも知れない。
 行先表示が「回送」が多いのは、車庫内での撮影が中心だから仕方ないとは思いますが、この時代の臨港に既に「教習車」の幕があったのは興味深い。
 他にいくつか行先の表示があり、多少解説もありますが、例えばよそ者から見たら不思議な「鶴見駅 富士銀行前」の表記はどういう事かと言う解説もあれば良かったかと思います。
(親会社の京浜急行電鉄の取引先の関係だったと言う事です。現在の表記は「鶴見駅西口」)
 なお、横浜市営(49系統)と臨港にある「競輪場」とは花月園競輪場の事ですが、今年の3月一杯を持って廃止になっています。
(臨港は川崎駅~川崎競輪場と共用なので、駅名も記されない簡易な表記になっている)
 特に横浜市営では廃止になったり、民営バスに移譲した系統も多く、懐かしく感じられる所です。

 先日総選挙が行われたミャンマーを走る日本の路線バスについては、他誌や他サイトでも取り上げる所が多くありますが、最新事情と言えるのが、《異国で走る日本のバスたち》
 そうか、もうノンステップ車とか、「PASMO」導入後の車両が走るようになっているんだ。
 ちょっと疑問に思ったのは、元・横浜市営バスとされるK-MP107Mで、確かに側面のプロポーションからは横浜市営バス(本牧〔営〕)の「ブル」だとは思います。
 ただ横浜市営バスには後部の屋根上に冷房ユニットがない「ブル」は存在せず、ミャンマーでは冷房は使わないそうだから、撤去してしまったのでしょうか。
 こうして見ると同じ日本の路線バスでも、事業者によって改造の内容が相当異なるようです。
 本当はこれも含めてミャンマーのバス事情そのものがわかるといいのですが、現状でそこまで調べるのはかなり困難だろうなあ。
 そもそも行く事・滞在する事自体大変な国だし。

《高原バス慕情》の車両も、私自身当ブログでいくつか取り上げました。
(写真の車両そのものではないが)
 松本電鉄や諏訪バスの旧塗装、千曲バスのBU05Dはやはり印象的です。
 あちこちで何度も書いていますが、松本電鉄の北村ボディが残っていないのが本当に惜しまれます。
 持込のスキー板のスペースを天井に確保した川中島バスなども、路線バス黄金期を髣髴させる気がします。
 その後は、これはいまだ現役で頑張っている、丹後海陸交通のボンネットバスを取り上げた《平成ボンネットバス物語 -岬めぐり-》
 それから白黒ではありますが、これまた結構貴重な写真が多い《思い出の西工車体》
 ライセンス生産の東浦ボディの日本交通バスなんてあったりします。
 最後にカラーに戻って新潟交通の北村ボディの特集で、昔のモノコックと、ついに2台のみになった「なまず」。
 巻末に「なまず」折込ポスターの付録付。

 今回の号では全記事を眺めてみて、昔はなんてたくさんのボディメーカーがあったんだろうと、つくづく感じました。
 私が物心ついた頃には、大型車に限っても川重・北村・富士重・日野・三菱・呉羽・西工と7社あり、合併前の金産も現役で走っていました。
 いまやMBMとJ-BUSの2社だけですからねぇ…。

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《今日のニュースから》
中国・胡錦涛国家主席 APEC出席を発表