№299 私鉄の車両シリーズ68 阪神電気鉄道2000系

 今日は「私鉄の車両シリーズ」ですがその前に。
 今朝、東急の田園都市線で、乗客の「iPod」が煙を吹いて、電車が止まったそうです。
「iPod」は発火事故が相次いで問題視されているとは聞いていましたが、電車を止める事態にまでなるとは…。

 さて、今日はちょっと地味目?ではありますが、阪神電鉄の急行系2000系です。

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 2000系は、7001形+7101形及び7801形+7901形(タイプⅢ)を改造し、制御方式を変更して6連に組成した本線急行用車両です。
 1990年末より営業を開始し、最終的に6連×8本の48両の勢力となりました。

 母体となった各形式ですが、まず7001形+7101形は日本初のサイリスタ・チョッパ制御車及び阪神初の冷房車として1970年にデビューしました。
 省メンテナンスをテーマにおいていたため、後の営団6000系等と違い、回生機能を省略した力行専用でした。
 最初の6編成は3両編成で製作され、神戸方には7801形+7901形(タイプⅢ)を連結した5両編成で運用されていました。
 しかし1972年製の7113Fからは神戸方にTc車を連結して4連化、初期の6編成もTcを連結して単独4連化されていました。

 一方、1963年にデビューした7801形+7901形は形態によって3種類に分別できます。
 2000系の母体となったのは1970年から製作された「タイプⅢ」です。
 7001形+7101形との組成を考慮していたため、同形態の屋根が高い車体となり、冷房も当初から搭載されていますが、従来通りの抵抗制御が採用されていました。

 1990年のダイヤ改正により本線の急行系列車が6両編成に統一された事で、制御装置の更新を必要としていた上述の各形式を統合、6両固定の2000系としました。
 最大の特徴は、直巻式モーターをそのまま利用できる界磁添加励磁制御方式を採用した事です。
 ブレーキもHSC-Rに交換されています。
 正面の貫通扉は使用しなくなるため幌を撤去し、後にスカートが設けられました。
 7800形全車及び7000形のうち2両は、乗務員室を撤去して客室化しています。

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 車内はベージュの化粧板+ライトグレーの床板となりました。
 第2次よりドア上部に千鳥状にLED表示装置が設けられています。

 1995年1月に発生した阪神・淡路大震災では合計12両が廃車となり、1編成は残存車両を組み替えて運用しています。
 後に大阪方の2101形では2台搭載されていたパンタグラフの神戸方1基が未使用となり、後に撤去されました。

 2008年以降本格的な廃車が始まり、2010年4月1日の時点では2編成を残すのみとなりました。
 1000系は阪神なんば線開通後も本線用として引き続き増備が進んでおり、2000系はまもなく姿を消す事になると思われます。

【編成】
←梅田     元町
 Tc1 2201 - *M 2101 - M' 2001 - M' 2001 - *M 2101 - Tc2 2201
* パンタグラフ

 今回の記事は
「私鉄の車両21 阪神電気鉄道」(保育社) ※現在はネコ・パブリッシングによって復刻)
「鉄道ピクトリアル1997年7月臨時増刊号 【特集】阪神電気鉄道」(鉄道図書刊行会) 等
を参考にさせて頂きました。

 次回の当シリーズは、南海の高野線特急<こうや>の30000系です。

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