№298 初めて乗った いすみ鉄道 ついでに小湊鐵道

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 今日はちょっと遅くなってしまいましたけれども、先週の火曜日(8月3日)にいすみ鉄道及び小湊鐵道で房総半島を横断した時の事について書きます。
 白状すると、いすみ鉄道に乗るのは今回が初めて。
 いすみ鉄道は1988年3月24日、JR東日本・木原線を転換して開業した第3セクター鉄道ですが、国鉄・JR時代の木原線にも乗車した事はありませんでした。

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 まず大原へ。
 千葉からの247Mは209系2000番台の6連。

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 上総一ノ宮駅で5分停車。
 思ったより小さい駅だと思いました。

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 この上総一ノ宮で<わかしお5号>を待ち合わせます。
<わかしお5号>はこの駅で後ろ5両切り離しで、その間に247Mが先に発車、太東で追い抜かれる事になります。

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 JR大原駅。

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 同じ建物の左手に、いすみ鉄道の大原駅の入り口があります。

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 大原駅前に乗り入れる、いすみ市のコミュニティバス。
 市内循環と大原巡回があり、前者は小湊鐵道、後者は都自動車が運行しています。
 これは小湊鐵道の市内循環。
 なお、大原巡回はルート毎に運行される曜日が決まっています。

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 いよいよいすみ鉄道に初乗りです。
 11時46分発の17Dはいすみ201。

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 ところで、いすみ鉄道のいすみ200形は今、「ムーミン列車」として運行されていて、車両の側面に「ムーミン」のキャラクターのラッピングが施されています。
 さらに一部の車両にはご覧の通り、ヘッドマークも掲げられています。

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 大原を発車すると、さっそく田園地帯になります。
 
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 大多喜で途中下車します。

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 駅舎内には切符売り場と共に物産店があり、いすみ鉄道グッズや地元の名産品、その他みやげ物を発売しています。
 この中には昔の映画のポスターが数多く掲げられています。
(だいたい1970~1980年代位)
 これは先日お亡くなりになったつかこうへいさんの「蒲田行進曲」です。

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 色が悪くて申し訳ないですが、大多喜駅の上りホーム。
 木製の上屋がそのまま残されています。
 手前の茶色の看板は、いすみ鉄道のスポンサーを掲げているようです。
 ちなみにいすみ鉄道では駅のネーミングライツを募集していて、大多喜駅自身、「デンタルサポート」(幕張に本社がある、訪問歯科診療の会社らしい)の副称がついています。

 ところで、町外れには小湊鐵道バスの大多喜車庫があります。

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 昔は独立した営業所だったらしいですが、現在は長南営業所の分車庫の扱いになります。
 行き先としては、皆本数は少ないですが上総一ノ宮駅行(この路線は土休日運休)のほか、茂原駅・勝浦駅・上総牛久駅や養老渓谷方面へ行く路線もあります。
 右手には待合室があるのですが、若干荒れ気味なのが残念。

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 大多喜13時31分発の19Dで上総中野へ向かいます。
 いすみ207。

 さらにローカル色が深まっていきますが、一つ気になったのは、線路の状態があまり良くないように見えた事。
 もちろん低速のローカル線だから、現状はまだ大丈夫だろうけれど。
 いすみ鉄道は8月6日に鉄道の存続が決まった事を、公式サイト上で社長自ら発表していますが、今後路線を維持していく上では、線路の整備が大問題になるのではないか?
 大多喜まではまだしも、その先は沿線人口もさらに少なくなるし、特に小さな川を何度も渡るので、鉄橋が多いというのが案外ネックになりそうな気がします。
 
 上総中野駅に着きました。

 
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 これも色が悪くて申し訳ありません。
 いすみ鉄道と小湊鐵道の乗り換え駅ですが、駅員はいません。
 駅の近くに小湊鐵道のバスがいましたが、16時20分の栗又行まで長い昼休み。

 
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 構内に並ぶいすみ鉄道と小湊鐵道。
 平日ですが、さすが夏休み期間とあって、行楽の乗客がそれなりに多く見られました。

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 14時00分発五井行のキハ205。

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 こちらも負けず劣らず、自然豊かな里山の車窓を存分に楽しめます。
 ただ、正直な所こちらも、特に上総牛久~上総中野は今後大丈夫かなあ?と、チラッと思いました。
 この20年の間で結構合理化が進んで、運行本数も少なくなってきているし…。

 小湊鐵道バスの写真を撮りたかったので、上総牛久でちょっと途中下車。

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 上総牛久駅。
 この駅も昔ながらの木造駅舎がいまだに残されています。

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 上総牛久駅前には一般のローカル路線の他に、茂原駅・牛久駅~羽田空港・横浜駅の高速バスが入りますが、このバスは上総牛久駅~勝浦駅の接続便です。
 高速バスに乗り換えるための便で、この区間だけ乗車する事はできません。
 この車両自体、以前は高速バス便として運行していたのではないかと思われます。
 それにしても、今はここから乗り換えなしで横浜に行ける訳です。
(受け持ちは小湊は長南〔営〕、京急は杉田〔営〕(横浜京急バス))

 多少面白いと思われるのは、この駅前を発着する小湊鐵道バスは、ローカル便も山の向こうの長南〔営〕と大多喜〔車〕が受け持ちである事。
(ちなみに、ここから内房線の駅へ行くバスは存在しない)

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 市原市のコミュニティバス「コスモス南総」。
 今回牛久で途中下車したのは、このバスを撮りたかったからという事があります。
 光風台駅を起点にして1日7.5往復。
(土休日運休)
 大半は鶴舞循環器病センター行ですが、朝と夜の便は南総中学折返し。
 また、牛久駅前は早朝の始発光風台駅行と、最終の折返し便しか入りません。
 車両はいすゞジャーニーJ。
 この車両も袖ヶ浦ナンバーなので、長南〔営〕担当と思われます。

 上総牛久始発15時50分で五井に向かいます。
 上総中野から乗ってきたキハ205が、五井まで行って、また戻ってきました。

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 五井駅構内の気動車区。
 もう何年も変わらないたたずまいです。

 この数年、「千葉の田舎って捨てがたいよなあ。」と、列車に乗ったりバスを撮影したりしながら思うようになりましたが、この日のいすみ鉄道と小湊鐵道の乗り継ぎで、改めて強く実感しました。
 ただ、前述したように、ハード面の維持は大丈夫かとも感じました。
 車両の面でも、小湊のキハ200は№267で書きましたが、ローカルムードを存分に演出してはくれるものの、現実的にはもう代替車両の事を考えなければならない時期に来ているはずです。
 いすみ鉄道に関しては、「観光を売りにして生き抜く。」というのであれば、ロングシートのいすみ200形ではちょっと弱いかも。
(いすみ200形は、デビュー時はクロスシートのいすみ100形だった)
 イベント的な列車までは必要ないけれど、やはりゆっくり車窓を楽しめるクロスシート車は欲しいかなあ。
 ともあれ両鉄道の今後の健闘に期待します。

 最後に、今回利用した乗車券。
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 大原~五井を通しで利用するのに便利な「房総横断記念乗車券」。
 通常は上総中野で乗り継ぐと2,070円の所、1,600円と割引になっています。
 片道切符なので引き返す事はできないのですが、途中下車は自由です。
 両鉄道を訪れた際は利用すると良いでしょう。
(日付が逆さに入ってしまっているのはご愛嬌)

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。