№290 管理人流ダイヤの作り方 1.準備
先月は1週間強の時間を頂いて、7月17日にスカイアクセスが開通した京成電鉄の改正ダイヤを作成していました。
今回から数回に分けて、私なりのダイヤの作成の仕方について、スカイアクセス線(京成上野~成田空港間)を例にして書きたいと思います。
あくまで私流の作り方であり、一般的な業務用のダイヤの作り方とは異なる部分も多々ありますが、趣味用でありますから、その点はご承知おきの上ごらんいただけると幸いです。
1.準備編
まず、ダイヤ作成の基になるものを用意します。
何はなくても時刻表。
全駅・全列車掲載が望ましい。
それから蛍光ペン数種類、定規、ボールペン、鉛筆など。
後でスジを引きやすいよう、これらを使って時刻表に下ごしらえを施しておきます。
上に掲げた完成ダイヤでお分かりのように、私はダイヤを書き起こす際、種別によってスジの色を分けています。
各鉄道会社が使用する業務用でも、コンピューターで作成する事が多い昨今は、種別による色分けが当たり前になりつつあるようですが…。
(№286で取り上げた鉄道ピクトリアル臨時増刊の阪急特集号でも、各路線のダイヤがカラーページで掲載されていて、種別によってスジの色が分けられているのが解ります)
しかし市販の時刻表の場合、色分けはされていないのが普通で、せいぜい「JR時刻表」の特急のように赤で区別されていたり(「京成時刻表」の有料の各列車もそう)、ほかの優等列車が太字で区別されている程度です。
これではダイヤにスジを引く場合、間違って違う色を引いてしまう場合があります。
そこで先に時刻表上で、種別によって蛍光ペンで色分けをしておく訳です。
色は各社が営業案内で使用している色に近いものを使います。
ちなみに今回の京成ではどうしたかというと、
スカイライナー … 紫
シティライナー … 赤紫
モーニングライナー・イブニングライナー … 赤紫
アクセス特急 … オレンジ
快速特急(京急線内の快特も同じ) … 緑
特急 … 赤
通勤特急 … 青緑
快速 … ピンク
新たに運行開始したシティライナーとモーニング・イブニングライナーは、スジでは別の色にしますが、蛍光ペンの種類が少ないので、ここでは同じ色にしました。
同様に通勤特急も、ダイヤでは水色にしますが、ここでは青緑で代用しています。
さらに京成には存在しない種別もありますが、運行上関連のある路線も引く(ここでは本線のダイヤを作成した時に、都営浅草線も引いた)場合にはやはり色分けしておきます。
急行(北総線には残っている。京急直通のエアポート急行も同じ) … 青
エアポート快特 … 青緑
この方法は特に、途中で種別が変わってしまうケースが多い場合に有効です。
京成の場合は押上で多くあります。
(特に上り→京急直通の場合はたいてい変わる)
もう一つ、時刻表上で施しておく準備事項として、
1.ダイヤ表上で「縦軸」となる駅の時刻の部分に補助線を引いておく
折り返し駅・分岐駅・待避駅・その他主要駅。
2.場合によっては到着推定時刻を割出し、脇に記しておく
ほとんどの駅が発車時刻のみの記載で、到着時刻がわからない事が多い。
たいていはすぐに発車してしまうが、中にはいろいろな理由(優等列車の待避、単線区間だと対向列車の到着の待ち合わせなど)で長めの停車時間を取る事も多い。
例えば「京成時刻表」の場合、主要駅はたいてい補助線があり、着時刻も記されています。
それでも折返し列車がある京成大和田や京成臼井には補助線がなく、引いておかないと他の駅と混同してしまう可能性もあります。
また、他の時刻表(交通新聞社「MyLine東京時刻表」など)だと補助線があまり引かれていないし、到着時刻もほとんどわからないので、あらかじめ割出しておく必要がある。
到着時刻については、同じ種別の他の列車と比較します。
そして、不自然に時間がかかっている(例えば他の列車が1~2分の所、5分もかかっている)と思われたら、停車時間が長く取られていると想定して、到着推定時刻を割出しておく必要があります。
非常に汚らしい表で申し訳ないが、中間駅の到着予定時刻を割出す必要について簡単に記してみた。左の時刻表の場合、101及び103列車はB駅発車時刻~C駅発車時刻間は2分だが、105列車は5分になっている。これをそのまま鵜呑みにしてダイヤの筋を引くと、中央のように他の列車とスジの傾きが極端に変わってしまう。実際には右のように後続の特急列車の通過待ちだった、というケースが多い。
(もちろん他のケースもありうる)
なお、駅構内に折返し用のポイントとか、待避線がない駅など(いわゆる「棒線」の駅)では基本的には必要ないのですが、時にはそういう駅でも主要な所だと、たまに長目の停車が発生する場合があります。
京成でも日暮里が典型で、<スカイライナー>などの有料の列車はやはり乗降に時間がかかりがちですから、日暮里には早めに着いて、停車時間を確保しています。
(ちなみに巻頭カラーの時刻表ではなぜか着・発両方の時刻が掲載されています。)
また、特定の列車、特に最終列車では接続確保のため長目の停車を行う場合もあります。
(例えば東急池上線の旗の台)
駅の配線や重要度など、特によそ者だと判別しにくい部分もあるかも知れません。
可能なら実際に列車に乗って観察する事、あるいは書籍やWebサイト等で情報を収集しておく事も必要でしょう。
こうして色分け、補助線の線引き、及び到着推定時刻の記入が完成しました。
(ここでは特に日暮里、京成船橋、京成津田沼の時刻の部分を黄色の蛍光ペンで引いてみました)
いよいよこれを元にダイヤの作成に入ります。
次回は、方眼紙からダイヤを書き込む用紙を作成します。
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