№277 「日航ジャンボ機墜落事故」と「大韓航空機爆破事件」

 今日は、1980年代後半の旅客機の大惨事に関するいくつかのトピックスがありました。

 1985年8月12日に発生した「日航ジャンボ機墜落事故」は、事故そのものは知っているという方が大半でしょう。
 東京から大阪に向かっていたJALのB747SR(JA8119)が相模湾上空で致命的な機体の破損を発生させ、長時間に渡って甲信越上空を迷走した挙句、群馬県の「御巣鷹の尾根」に墜落してしまったというものです。
 乗客・乗員524人中520人が死亡するという、単一の旅客機が惹き起こした事故としては世界最悪になってしまいました。
 乗客の中には歌手の坂本九さんや、阪神タイガースの社長の名もありました。
(ちなみに過去最悪の旅客機事故は、1977年3月にスペイン領・カナリア諸島の空港で発生したジャンボ機同士の衝突事故で、合計583人が死亡)
 何しろこれだけの大惨事でしたから、現在に至るまで様々な推測だの論評だのが展開されています。
 著作も多いですし、当然ネットの世界でも様々に書かれていますから、詳細はそちらを探してください。
 とはいえ発生から四半世紀、当然ナマでは知らない方も多くなっています。
 当事者のJALでも、そういう社員は少なくない訳です。
 その若手社員を対象にした安全研修が、羽田空港(安全啓発センター)で行われたというニュースがありました。
 研修を受けた社員だけでなく、講師もまた、事故後に入社した社員が勤めたのだそうです。

 また昨日は高崎市内で講演会と演奏会が行われたほか、少し前になりますが藤岡市内の小学校で、小学生が慰霊登山の杖にメッセージを書き入れたというトピックスもあります。
 今年の8月12日の慰霊祭には前原国土交通大臣が所管大臣として初めて参列するとも表明しています。
 これから当日にかけて、さらに様々な動きがあるのでしょう。

 最近、この御巣鷹の尾根の慰霊碑付近などでいたずらが頻発しているという話も聞きました。
 多分、これも事故をナマで知らない人間がやっている事なのではないかと思っています。
 嘆かわしい話です。


 一方、この2年後の1987年11月29日に発生した「大韓航空機爆破事件」の実行犯である死刑囚が今日の早朝来日し、軽井沢で北朝鮮による拉致事件の被害者の家族と面会したというニュースも入ってきました。
 この事件はイラクのバグダットからソウルに向かっていた大韓航空のB707が経由地のアブダビからバンコクに向かう途中の洋上で爆発・墜落し、乗客乗員115人全員が死亡したというものです。
 この機体は2ヶ月前にソウルで「しりもち」事故を起こしており、なので当時の新聞の縮刷版を読んだ感じでは、「日航ジャンボ機墜落事故」と同じ原因なのでは?という論調が目立ったようです。
 ただ日本人の犠牲がなかった事もあってか、当初はそれ程騒がれなかったような気がしています。
 ところが事故発生から数日後、日本人名義のパスポートを所有してアブダビで降機していた不審な男女がバーレーンで発見され、二人は拘束直前に自殺を図り、女性の方は一命を取りとめたという事態となって、一転日本でも大変な騒動になりました。
 結局この男女は北朝鮮の工作員と判明、女性の方には韓国で死刑が宣告されましたが、当時の大統領が特赦し、現在に至っているものです。


 日本では「日航ジャンボ機墜落事故」を最後に25年間、日本の航空会社による旅客死亡事故は発生していませんが、海外では残念な事に航空機事故はまだまだ少なくありません。
 また、「9.11」を頂点とした旅客機を対象にしたテロ … 昨年末にもアメリカで未遂がありました … の発生も、いまだ懸念が拭えない所です。
 何も航空に限った事ではなく、昨日もインドで鉄道の大惨事がまた発生してしまいましたが、どうか全ての乗り物で、事故も事件もない穏やかな運営が完遂される事を、改めて願って止みません。


 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)