№261 私鉄の車両シリーズ60 新京成電鉄800形

 先日少し書いたように、京急1000形がいよいよ今月一杯で引退します。
 明日27日には金沢文庫→三浦海岸→京急久里浜で「ありがとう運転」と称したさよなら運転が行われるとの事です。
(28日までは営業運行の予定だとか。)
 1959年から51年間走り続け…といっても1978年まで約20年にわたって製作が続けられていたので、一つの車両が50年走り続けたわけではないが…ましたが、最近は新1000形の増備…特にステンレスになってからは異常に急ピッチで増備が進んでいる気がする…によって急速に数を減らしていました。
 個人的には、夏の盛りにあの「プゥーン」というMG音…600形とか、湘南モノレール300形もそうでした…を聞くと、「ああ夏だなあ。」と強烈に感じたりしたものです。
 その夏の盛りを迎える前に姿を消すのです。

 ちょっと他社の車両の話が長くなってしまいました。
「私鉄の車両シリーズ」、今回は、やはり引退がカウントダウンに入った新京成電鉄の800形について書きます。
 開業以来、小型の釣掛け式車両ばかりを使用していた当時の新京成では、初の大型高性能車両でした。

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 800形は、1971年~1975年にかけて36両が日本車両によって製作されました。
 車体は同時期に製作されていた京成3300形などの「赤電」の流れを汲んでいますが、側ドアは在来車と同様の片開きとなり、ドア間には(戸袋窓を含め)4つの窓が並んでいます。
 正面は、当時はヘッドライトが窓上、尾灯が下部に配置されていました。
「赤電」と比べて、ややあっさりした表情です。
 1M方式で、ブレーキもHSC-Dの京成と異なり、在来の旧型車と同様の自動ブレーキを採用するなど、どこか在来車両の設計思想を引きずっている感もあります。
 車体色は当初は濃いクリーム+赤のツートン(今8501Fがまとっているカラー)でしたが、後継の8000系2次車デビュー以降、現行の薄いクリーム+茶色の帯に変わっています。

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 当初は4連と増結用の2連を製作、増結・切離を行っていましたが、需要の伸びから終日6連で運用されるようになりました。
 このため1985年から始まった冷房改造工事に合わせて中間の運転室から機器類を撤去し、中間車化を行っています。
 先頭車の貫通扉も埋められ、非貫通化されています。
(銀の帯はダミー)
 ブレーキ方式もHSC-Dに変わりました。
 後に京成の「赤電」更新車同様、ヘッドライト・尾灯が正面窓下に並んで配置され、運転室内にあった行先表示装置は、旧貫通扉の窓部の上に移設されています。
 さらに6連の内4本は8連×3本に組み替えられました。
 1979年~1992年の間は北初富で接続していた北総開発鉄道への直通運用があり、さらに1991年から1年間は806Fが同鉄道へ譲渡され、松戸直通運用で使用されました。

 1996年のダイヤ改正で最高速度が85㎞/hに引き上げられた事により、電動車の比率を引き上げる編成替えを行い、これに伴ってサハ850形8両の廃車が発生しました。
 本格的な廃車は2005年に始まり、2006年以降は8連×2本のみが朝ラッシュ時を中心に運用されていました。
 そして、7月17日の改正で朝ラッシュ時の運用が減少する事、N800形による代替のため、2010年7月24・25両日ののさよなら運転を持って、全車両引退する事が決まっています。

【編成】
←松戸     京成津田沼
(デビュー時)
 Mc 800* - T 850 - T 850 - *Mc 800 + Tc 850 - *Mc 800
(現在の811F)
 Mc 800* - T 850 - *M 800 - T 850 - M 800* - T 850 - *M 800 - *Mc 800
* パンタグラフ 813Fはパンタグラフの位置が異なる

 今回の記事は
「私鉄の車両12 京成電鉄」(保育社) ※現在はネコ・パブリッシングによって復刻 等
を参考にさせて頂きました。

 次回のこのシリーズは富山地方鉄道富山市内線で運用されている7000形について書きます。
 7000形は京急1000形よりさらに2年早くデビューしているわけですし、「セントラム」開業・「サントラム」導入もありますから、これもまた、今後がいよいよ気になる形式ではないでしょうか。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)



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