国鉄・JRの特急電車が他の鉄道会社に譲渡されるのは初めてのはず(客車では14系座席車が樽見鉄道に譲渡された例がある)ですが、一体どんな使われ方をするのか?
「ゆけむり」(元小田急「HiSE」)とは、どのような使い分けがされるのか。
現在旧塗装を復刻して運行中の2000系は終わりになるのでしょうか。
あと、JR東日本内部に253系の転用先はなかったのか?という気もしています。
(たとえば、富士急行への直通列車用とかはどうだろう)
本題に入って、「私鉄の車両シリーズ」をやります。
3周目に入って、8回連続で関東の大手私鉄の車両を取り上げます。
今日は、京成の3500形です。
1972年にデビューした3500形は、京成初のステンレス車体・通勤冷房車となり、後の京成通勤車の基礎となりました。
デビュー当初は「赤電シリーズ」の丸みのある車体から一転、切妻の質素なスタイルでした。
当初は赤電と同じファイアーオレンジ一色の帯を巻いています。
窓はドア間に3連の2段窓を配置。
台車は住友のS形ミンデン方式。
冷房は分散型で、1両に4基が屋根上に設置されています。
走行システムは1M6C方式の抵抗制御で、先頭車の運転室側はT台車という、3200形(3221~)からの方式が引き続き採用されています。
4両編成を1ユニットとし、必要に応じて編成を分割させて6連、さらに2編成を連結して8両編成でも運用できます。
車内は「赤電シリーズ」と変わりませんが、3517Fからは壁面の化粧板がローズ色から黄色に変更されています。
1982年までの10年間で96両が日本車両・東急車輛・川崎重工によって製作されました。
デビューから四半世紀近く経った1996年より、大掛かりな車体更新工事が始まりました。
3700形が通勤車の主力の地位を固めた時期であり、更新内容も3700形に合わせた部分が多くなっています。
正面は貫通扉の左右に後退角がついた折妻となって前面窓を拡大、ヘッドライト・テールライトは角型のケースに一体に収められた他、スカートが設けられています。
側窓は大型の2連窓となり、ブロンズサッシとなった事もあり、イメージを大きく変えています。
また、先頭車は前後の台車を交換、先頭側をM台車としたため、京急線への乗り入れも可能になっています。
車内は全面的に改められ、座席は3700形同様のバケットシートとなり(これは後に再交換)、仕切り板が設けられています。
先頭車には車椅子スペースが設置されました。
更新は2001年までに、初期の56両に対して施されました。
未更新に終わった40両は2003年より廃車が始まり、残存の編成は京成線内の普通列車のみに運用されています。
更新車は2006年よりシングルアームパンタグラフへの交換が進められました。
引き続き4~8連に組成されて京成線内各種列車に運用され、京急線羽田空港への直通運用にも就く事があります。
京成電鉄は先日、7月17日の「成田スカイアクセス」開業に伴うダイヤ改正を発表しました。
今後は「アクセス特急」への3050形の投入により、更新車については普通列車、特に金町線関連の運用が中心になっていくものと思われます。
また、その金町線列車が全て線内折返し運転となり、4連運用が大幅に減少する事になるため、残存の未更新車は3300形と共に、その去就が注目される事になります。
【編成】
←京成上野・押上方 成田空港・京成金町方→
M2 3500 - *M1' 3500 - M1' 3500* - M2 3500
* パンタグラフ
今回の記事は
「私鉄の車両12 京成電鉄」(保育社)※現在はネコ・パブリッシングによって復刻
「鉄道ピクトリアル1997年1月臨時増刊号 【特集】京成電鉄」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2007年3月臨時増刊号 【特集】京成電鉄」(鉄道図書刊行会)
を参考にさせて頂きました。
次回のこのシリーズは、東武の元急行<りょうもう>用、1800系です。
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