「私鉄の車両シリーズ」、今日は初めて新交通システムを取り上げます。
JRの住吉駅から阪神の魚崎駅を経由し、六甲アイランドを貫く神戸新交通の1000形です。
六甲アイランドは、神戸市東部の大阪湾に面して造成された人工島で、1992年に管制しました。
島内には住宅や学校・病院の他、インターナショナルスクールや外資系のホテル、「ファッションプラザ」や美術館も建ち、多彩な顔を見せています。
この六甲アイランドへのアクセスとして建設された軌道系交通が神戸新交通の六甲アイランド線で、「六甲ライナー」の愛称があります。
1990年の開業以来使用されているのが1000形です。
基本的なシステムは1981年に開業した「ポートライナー」の8000形と変わりませんが、1000形は当面需要が少ないと見込まれた事から4連で製作されました。
但し社番は将来の6連化に対応した付番方法をとっています。
車体はアルミニウム製で変わりませんが、前面部は丸みを帯びた形状になり、柔らか味を出しています。
ATOによる無人運転も同じで、システムを多重化してバックアップしている他、ATOはAI方式を採用して乗り心地の向上を図っています。
台車は車軸懸架ステアリングとし、タイヤは8000形のウレタン充填ゴムタイヤから窒素ガス入りのゴムタイヤとしました。
パンク対策として中子入りとしています。
車内は内装をベージュ系に統一、内張りにはFRPを使用して温かみを持たせました。
また、先頭車は前半分をクロスシートとし、前面及び側面の窓も大型化して、展望席風にしています。
なお、営業開始後にプライバシーに関する問題が発生、対策として下り列車の右側のガラスを曇りガラスとしました。
これはマンションの近辺を通過する際のみ曇りガラスとなって、瞬間的に視界を遮るものです。
開業を前にした1989年に9編成が製作され、営業開始に備えました。
その後1993年と1998年に1編成ずつ増備され、全11編成の陣容で、引き続き六甲ライナーの運行に当たっています。
【編成】
←マリンパーク方 住吉方→
Tc1 1100 + M1 1200 + M2 1500 + Tc2 1600
今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1990年10月臨時増刊号 新車年鑑」(鉄道図書刊行会) 等
を参考にさせて頂きました。
バックナンバー <第2クール>
26.京成電鉄AE100形 (№171 2010年3月19日)
27.東武鉄道50050系 (№173 2010年3月21日)
28.西武鉄道3000系 (№176 2010年3月24日)
29.京王帝都電鉄5000・5100系 (№171 2010年3月19日)
30.小田急電鉄4000系 (№178 2010年3月29日)
31.東京急行電鉄8500系 (№185 2010年4月9日)
32.京浜急行電鉄800形 (№187 2010年4月11日)
33.相模鉄道6000系(新) (№189 2010年4月13日)
34.横浜市交通局1000形 (№190 2010年4月14日)
35.千葉ニュータウン鉄道(北総鉄道)9000形 (№191 2010年4月15日)
36.東京都交通局7000形 (№193 2010年4月17日)
37.秩父鉄道3000系 (№201 2010年4月25日)
38.のと鉄道NT100形 (№204 2010年4月28日)
39.名古屋鉄道3500系 (№209 2010年5月4日)
40.近畿日本鉄道1420系 (№214 2010年5月9日)
41.京阪電気鉄道800系 (№219 2010年5月14日)
42.阪急電鉄7300系 (№222 2010年5月17日)
43.阪神電気鉄道5131・5331形 (№223 2010年5月18日)
44.南海電気鉄道7000系 (№226 2010年5月21日)
45.西日本鉄道8000系 (№227 2010年5月22日)
46.福岡市交通局2000系 (№228 2010年5月23日)
47.泉北高速鉄道5000系 (№230 2010年5月25日)
48.広島電鉄3900形 (№232 2010年5月27日)
49.高松琴平電鉄30形 (№235 2010年5月30日)
「私鉄の車両シリーズ」も2クール目が終わりました。
次回からは再び関東地方の大手私鉄を取り上げます。
まずは京成電鉄の3500形です。
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