今日は、7月以降の去就が注目される、京成電鉄AE100形です。
成田空港への鉄道アクセスは、1978年の開港以来、京成線旧成田空港駅(現東成田駅)からのバス輸送を必要としていました。
1991年になり、成田新幹線用に建設されていたターミナル(現在の第1ターミナル)直下の駅施設に、京成線とJR線在来線を直接乗り入れさせる事になりました。
それを前に、の輸送力増強及びスピードアップを図るために製作された2代目「スカイライナー」が、AE100形です。
車体は全面的にモデルチェンジされ、車体長は19m(先頭車19.5 m)に延伸。
先頭部は流線型とした上で、将来の地下鉄浅草線直通を想定して跳ね上げ式の非常用扉を設置しました。
制御方式は、京成では初めて本格的にVVVF制御を採用しています。
VVVF制御の特急車は全国でもまだ例が少なく、東武100系「スペーシア」、JR北海道785系〈スーパーホワイトアロー〉程度でした。
先代AE形と同様、定速運転方式も取り入れた上、さらに加速度・減速度を向上させ、スピードアップを図っています。
前照灯は海外のスポーツカーを連想させる収納式。
座席はフットレスト装備のリクライニングシートで、シートピッチも1,040㎜に拡大されています。
荷物棚には座席毎にスポット式の読書灯、自動扉上にはLED式の案内表示装置が設けられました。
5号車の成田空港寄りにはサービスコーナーが設けられ、カウンターと飲料の自動販売機が設けられています。
デッキ部にはカード式の公衆電話も設けられました。
1990~1993年にかけて7編成56両が製作されました。
旧AE形を全て置き換えた1993年には、日暮里~成田空港間で最速53分に所要時分を短縮しています。
以降スカイライナーの他、通勤時間帯の「モーニングライナー」、帰宅時間帯の「イブニングライナー」にも運用されています。
2001~2003年には室内の更新が行われ、座席モケットの青系への交換、4号車のトイレの車椅子対応工事等が行なわれています。
禁煙車は偶数号車の4両に拡大されました。
後に2~7号車の6両に拡大されています。
さて、成田空港への新アクセスとして、ルートを千葉ニュータウン経由に変更し、大幅な距離の短縮を図った「成田スカイアクセス」が、今年の7月17日に開業すると発表されています。
「スカイライナー」には、在来線最高速度の160㎞/h運転に対応した新AE形が専用で運行されることになっています。
(新AE形は全席禁煙となる。)
「成田スカイアクセス」開業後のAE100形については処遇がまだ発表されていませんが、ダイヤも含め、今後が注目される所です。
【編成】
←京成上野・方 成田空港〈span style=font-size:smaller>方→
M2c AE100 - *M1 AE100*- T AE100 - M1' AE100 - M2 AE100 - T AE100 - *M1 AE100* - M2c AE100
* パンタグラフ
今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1991年10月臨時増刊号 新車年鑑1991年版」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル1997年1月臨時増刊号 【特集】京成電鉄」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2007年3月臨時増刊号 【特集】京成電鉄」(鉄道図書刊行会)
を参考にさせて頂きました。
次回のこのシリーズは、東武鉄道50050系です。
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