一昨日の№132で、ANAから、今月就航予定だったB777-300ER新造機の就航が遅れるという、お詫びのeメールが届いたと書きました。
プレミアムエコノミーシートの開発の遅延が原因とされていましたが、今日その理由がなんとなくわかりました。
ANAのWebサイト上ではシート製造メーカーの名前が出ていて、名前を出すのはいかがなものかと書いたのですが、そのメーカー、小糸工業(本社:横浜市戸塚区)が耐久性能を偽装していたとして、国土交通省から業務改善勧告を受けたと、ニュースで報じられました。
製造した全モデルで何らかの不正があり、JAL・ANAの全ての旅客機の半数の座席が含まれ、海外でも多数の航空会社が使用しているそうです。
既に出荷・使用されているシートの安全基準が満たされているかどうかは解からず、今後検査や整備で旅客機の運航に影響が出る恐れもあるという事です。
旅客機の座席は乗客の座り心地・快適性だけではなく、万が一、大規模なアクシデントが発生した時の衝撃にも耐えられる耐久性も厳しく求められるので、今回の事態は遺憾とは言えます。
ただ、小糸工業側は陳謝の記者会見で「納期への逼迫感があった。」と言っています。
最近は航空会社間のサービス合戦もさらに激しくなり、特に上級クラスだと座席に何千万円かけてもほんの数年で交換というという事も珍しくありません。
そういう競争にさらされる航空会社側からのプレッシャーに、小糸工業側も圧されてしまった知れません。
そうだとしたら、もちろん小糸工業を初めとするシート製造メーカーもきちんとやってもらわないといけませんが、発注する航空会社、ひいては業界全体としても、安全性がきちんと確保できるような、ゆとりを持ったサービス改善計画が求められるのではないでしょうか。
あと、ANAとしては、やはり利用者向けのお詫びの中では、メーカーの名前を出すべきではなかったのではないでしょうか。
もちろん、小糸工業の行為で、新サービス開始の遅延という損害を受けたのは事実ですが、それに対して抗議するとか、賠償を請求するとかいうのなら、利用者向けのコメントとは別に行うべきだと、今も考えています。
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