№149 私鉄の車両シリーズ14 近畿日本鉄道21000系

「私鉄の車両シリーズ」、今回は特急車。

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 近鉄21000系「アーバンライナー」は、名阪ノンストップ特急専用車として1988年にデビュー。
 私鉄初の120㎞/h運転を行ない、近鉄名古屋~鶴橋(大阪市内)で初めて2時間を切りました。
 文句なく1989年鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞。

 それまでの特急車とは設計思想が根本的に変わり、車体はコンピューターシミュレーションによる設計により、タマゴ型の断面になりました。
 先頭部は(西ドイツのET403形を彷彿させる)流線型になり、アイボリー+黄色という、これまでの近鉄特急にはないカラーリングをまとっています。
 全M方式を採用し、編成あたりの出力を大幅にアップさせています。
 また、応荷重装置を備えて、ブレーキ距離を確保しています。

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 客室は2クラス制を採用し、名古屋方2両を「デラックスシート」(DX)(他を「レギュラーシート」(RE))としました。
 座席は、DXは2-1配置、REは2-2配置としています。
 どちらもシートピッチを1,050㎜に拡大し、フットレストを設けて居住性を向上させています。
 オーディオシステムも搭載し、DXはサービスのイヤホンで、REは乗客の手持ちのFMラジオで聴取する事が可能になっています。
 DX車には、デッキにマガジンラックとカード式公衆電話も備えられました。

 1次車ではモ21300・モ21400型のユニットに中間運転台が設けられていましたが、2次車からは完全な中間車のモ21304・モ21404型となり、1次車にも差し替えで組み込まれました。
 モ21300・モ21400型はモ21700・モ21800型と変更し、8連運転時の増結車となりました。
 1990年までの間に72両が製作され、名阪ノンストップ特急は全て21000系による運行になっています。

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 2003年より、21020系「アーバンライナーNext」に合わせた大規模なリニューアル工事が施されました。
 DXはモ21600型の1両のみとなって1人掛3列となり、REと共に新開発の「ゆりかご型」シートに交換されました。
 客室を全席禁煙とした事に伴う喫煙コーナーやバリアフリー対応座席、女性用化粧室の新設なども行われています。
 走行システムは変更がありませんが、一部のパンタグラフが撤去されています。
 改装が行なわれた後は愛称を「アーバンライナーPlus」と改め、引き続き名阪ノンストップ特急を中心に、一部の「乙」特急や、難波~奈良特急にも運用されています。

「アーバンライナー」が私鉄特急の金字塔である事は、疑いようがありません。
 ただ、全M方式の抵抗制御車で、パンタグラフの数も「Plus」改造前は6連で6基(8連で8基)と多く、システム的には多少古いなあというのは事実でしょう。
 23000系「伊勢志摩ライナー」がVVVF制御で4M2T、21020系「Next」は3M3Tですから。
 しかし、当時としては精一杯の最先端技術だったに違いありません。

【編成】
←近鉄難波     近鉄名古屋
 *Mc 21100* - M 21200 - *M 21304* - M 21404 - *Mc 21700* - Mc 21800 - *M 21500* - Mc 21600
* パンタグラフ 下線付はデラックスシート車
※第1次車の8連化時


 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1992年12月臨時増刊号 【特集】近畿日本鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2003年1月臨時増刊号 【特集】近畿日本鉄道」(鉄道図書刊行会)
「日本の鉄道車両史」(久保田博 グランプリ出版) 等
を参考にさせて頂きました。

 次回のこのシリーズは、既に過去の車両になりましたが、京阪の特急車、1900系です。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
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№148 新京成ざんまいの日曜日

 
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 すみません。
 本当は昨日公開する予定だったのですが、書いている途中でなんだかんだやっている内に、急にテキストが全部消えて書き直しになってしまったので、思い切って公開を中止しました。
 もう少しで書き上げて公開できる所まで来たのですが…。
 適度にセーブしておけばよかったのだろうけれど、どうもブログってやつはやりづらいですね。
 文章を誤って削除しても、WordやWebサイト作成ソフトと違ってやり直しがきかないし、文字の変換も思うようにはできないし、画像のアップも時間がかかったりするし。
 何とかならないものかなあ。

 京王の「高尾」のマーク付6000系の運転が中止になった、14日の日曜日。
 なので、今日は行先を千葉に変更。
 最初は流鉄の5000系(西武新101系)を撮るつもりで、鰭ヶ崎~平和台で待っていたけれど、9時前ではもう側面に光線がほとんど当たらず、今日はあきらめる事に。
 この区間は複線化を想定して(たぶん実現の見込みはなし。)用地が確保されているようで、流鉄の中では比較的撮りやすい場所なのですが、冬場だとせいぜい8時30分までには来ないと、様にはならないようです。
 流鉄は先月23日のダイヤ改正時より、朝ラッシュ時も含め、全列車がワンマンの2連になったという事です。
 ただし時刻表から判断する限り、平日の朝方の4運用出動は変わっていないように思えました。
 いずれ確かめられたらと思います。

 それで、流鉄に来る前、松戸で常磐線を乗り継いだ時に、新京成のホームに800形がいたのを見かけたので、新京成に転身します。
 といっても、朝食を採らずに来たので、八柱のファミレスで遅い朝食の後、しばらくは松戸新京成バスの写真を撮影。
 その中から1枚。

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 松戸新京成バスのエルガ・ワンステップ(3300号)。
 小金原住宅循環運用でした。

 新京成電車の撮影はどこがいいかなあ。
 京成津田沼行に乗って探して見ます。
 三咲駅の先の踏切からが良さそうに見えたので、途中下車。

 ここで撮影した車両の写真をご覧頂きます。

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8511F
 「習志野のタヌキ」8500形も、京成千葉線直通に抜擢され、側面の帯がストライプに変わっています。

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8501F
 8501Fは、旧塗装を復刻しています。
 別段昨今のブームに乗った訳ではなく、2001年からこの姿で走っています。
 京成千葉線にもこのカラーで乗り入れています。
 長期間走らせてくれるというのは、いいですよね。

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813F
 驚きました。
 一番上に掲げた811Fだけではなく、813Fまで動いていたとは。
 もはや、朝ラッシュのみの限定運用だと、勝手に考えていましたので。
 引退も遠くないと思われるし、800形こそ旧塗装を復刻したら面白いのでは?

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8873F
 1986年デビューの8800形は、新京成のみならず、関東の1500V電化区間(JR・私鉄・公営問わず)初のVVVF制御採用という栄誉を賜りました。
(全国的にも多分、近鉄1250系(1420系)に次ぐ。)

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N811F
 N800形は、№127で取り上げた、京成グループ標準車両と位置づけられる京成3000形と同型で製作されました。
 ただし今の所、2005年に最初のこの編成が製作されて以降、増備は行われていません。

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8802-1F
 8800形の一部は京成千葉線直通運転開始の時に、8連3本→6連4本への編成替えが行われました。
 内1編成は運転室新設など大掛かりな改造も行われたとの事です。
 外観では帯の色がストライプになった他、改番が行われて、ハイフンを使用した新体系になりました。
(京成3000形と同じ。)

 新京成線内折り返しの8連は、日中は6本が運用されますが、3本あるはずの8900形は、なんと1本も運用されていませんでした。
 800形が2本共運用されていたのに。
 こんな事もあるのですね。

 空が曇ってきたので、今日は15時前には終わりにして、帰宅の徒につきます。
 船橋までの帰りは、船橋新京成バスを利用しました。

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 三咲駅前は船橋と鎌ヶ谷大仏や小室の駅を結ぶ路線が通過する他、狭いながらバス回転場があり、折返し便や、始発でアンデルセン公園経由セコメディック病院へ行く便もあります。
 運転手の交代が行われる事もあるようです。
 船橋行の沿線は、金杉台の住宅地や夏目台団地もあって需要は多いのですが、一方で意外に豊かな自然も少なくないのは目を惹きました。

 来週こそは京王6000系を撮りたいなあ、でも混雑はイヤだなあ、と思いながら、船橋から快速電車の車中の人となったのですが…。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
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№147 私鉄の車両シリーズ13 名古屋鉄道7500系

 今日は、19日に運行を開始した京成バスの新連接バス『シーガル幕張』を見に行ってきました。
 でも幕張は、朝方は晴れていたのに昼前から曇り空になってしまったので、きれいな写真は撮れませんでした。
 全車両一気の置き換えという訳ではなく、今日の時点ではまだ先代のボルボ車も頑張って走っていました。
 悪い事ばかりでもなく、マリーンズのグッズショップを覗いたり、マリンスタジアムに行ってみたりして、それなりに楽しい一日ではありました。
 それと、№127で取り上げた京成3000形は、「成田スカイアクセス」開業に合わせての事か、行先・種別表示のフルカラーLED化が進められているようです。
(名鉄のものに近いと思った。)
 この話は今週中には書きたいと思います。
 「私鉄の車両シリーズ」は西日本に移って、久々に大手の車両を取り上げます。
 今日は名鉄7500系です。

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 名鉄7500系は、「パノラマカー」7000系の高速性能向上型です。

 車体は7000系を基本としていますが、低重心化のため、床面高さを7000系の1,150㎜から990㎜に下げました。
 先頭の展望席部分も高さが他の客室部分と同じになり(展望席部分の窓の高さが揃っている事でわかる。)、入口の段差が解消されています。
 そのため、展望室上部に設けられている運転室が突出した形になりました。
 回生ブレーキ付きの他励界磁制御で、当初は定速制御が可能になっていました。
 なお、7000系との連結はできません。
 定速制御は1979年の主制御器交換・回路の変更により、機能を喪失しています。

 客室自体は固定式のパノラミックウィンドウに転換クロスシートが並ぶという、基本的に7000系と同じ仕様になっています。

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 展望室には16人分の座席が設けられています。
 7000系同様、料金不要の展望席は人気の的でした。

 1963年にデビュー後、1970年までに72両が製作されて本線の特急・急行等で運用されていました。
 一時期は7→8連となった事もありますが、後に全て再び6連に統一されています。
 異色の車両として、中間運転台を設けたモ7565、モ7566のユニットがありました。
 1988年以降、初期の42両が特別整備を受け、内装が更新された上、前頭部と側面に電動式の行先、種別表示装置が設けられています。
 この工事のため、モ7565+7566のユニットが先頭に立つ機会も生まれたようです。
 なお、後期の30両は1030系等の製作のために機器類を拠出するため、更新をされないまま1992~1993年にかけて廃車になりました。

 2005年に中部国際空港「セントレア」が開港し、アクセスとして空港線が開業しましたが、この時からホーム高さを1,070㎜としたため、低床構造の7500系は適合できなくなり、(新)3300系等に置き換えられて2005年8月までに全車両引退しました。
 7000系全廃より先の事でした。
 保存された車両もなかったようです。
 特急の座席指定車として改装された編成もあり、ローカル線に入線する機会も意外に多かった7000系と比較して、終始本線用でありながら、案外地味な存在に終始したような気もします。

【編成】
←豊橋・常滑     新岐阜・犬山
 Mc1 7500 - *M2 7650 - M1 7650 - M2 7650 - *M1 7570 - Mc2 7500
* パンタグラフ

 今回の記事は
「私鉄の車両11 名古屋鉄道」(保育社 ※現在はネコ・パブリッシングによって復刻
「鉄道ピクトリアル1996年7月臨時増刊号 【特集】名古屋鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2006年1月臨時増刊号 【特集】名古屋鉄道」(鉄道図書刊行会) 等
を参考にさせて頂きました。

 次回のこのシリーズは、近鉄21000系「アーバンライナー」です。

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