№85 JTB時刻表大研究 2004年

 昨日は一日お休みを頂きましたが、「JTB時刻表大研究」、今回は2004年です。
 当不定期連載シリーズも、だいぶ現代に近づいてきました。
 もちろん記憶に新しいトピックスばかりですが、一方で「早いなあ!もう5年たったのか。」と思ったりもします。

 さて、変則的な形態ですが、ついに新幹線が南九州にまで達しました。
 これに合わせて九州内の特急網に、大きな変化が生じています。
 3月13日に九州新幹線開業・上越新幹線本庄早稲田駅開業を含むJRグループ統一改正が行なわれた後、10月16日に本州3社の在来線でもダイヤ改正が実施されました。
 大地震や水害により、長期の不通を強いられる路線が相次ぎました。

《2004年の十大トピックス》
◆ 九州新幹線 新八代~鹿児島中央間開業
 博多からも、熊本からも離れた末端区域のみの開業という、かなり変則的な開業になりました。
 山がちな区間で難工事になったと思われるのですが、逆にそれゆえ完成すると、所要時分の大幅な短縮につながるので、先行して工事が進められたものです。
 事実、開業前の特急〈つばめ〉が約2時間10分(八代~西鹿児島)に対し、新〈つばめ〉は新八代~鹿児島中央間が最速で34分と、一気に1/4になりました。

下り つばめ1号 新八代8:44 → 9:18鹿児島中央
上り つばめ18号 鹿児島中央16:57 → 17:31新八代
(どちらも<リレーつばめ>乗り継ぎで、博多~鹿児島中央では2時間10分)
 3月号の「新乗り物風土記シリーズ46」で取り上げられています。
 同時に西鹿児島駅が鹿児島中央と改称。

◆ 特急〈リレーつばめ〉〈はやとの風〉〈九州横断特急〉新設
 合わせて、新幹線に接続する特急網の整備も行なわれました。
 〈リレーつばめ〉は、新八代では新幹線と同じホームに発着して階段の上り下りを廃し、乗換の不便さを解消しています。
 なお、〈つばめ〉と〈リレーつばめ〉は通しの特急料金が設定されていますが、〈つばめ〉と他の在来線特急(〈きりしま〉等)との乗継割引は設定されません。
 〈はやとの風〉はキハ147系(47系ベース)を改造したもので、当初は季節列車でした。
 〈九州横断特急〉は、豊肥本線の特急〈あそ〉と肥薩線の急行〈くまがわ〉を統合したもので、別府~熊本~八代~人吉の直通運転が行なわれています。
 この他、国分~鹿児島中央で特急〈きりしま〉が増発されましたが、わずか33.7㎞、〈きりしま26号〉では通過駅がたった2つ(しかも竜ヶ水は普通列車でさえ大半が通過)、というのは、さすがに特急としてはどうなんだろう?
 指宿枕崎線では、指定席設定の快速〈なのはなDX〉を設定。

◆ 上越新幹線本庄早稲田駅開業
 「早稲田」というのは、駅のすぐ裏(南口)に、早稲田大学の本庄キャンパスがあるからです。
 新幹線の駅で大学の名前がつくのは初めて。
 それから、上越新幹線の新駅は1982年の開業以降初めて。
 さらに、東京近郊区間内で、在来線が接続しない新幹線専用駅が開業したのも初めてです。
 
◆ 湘南新宿ライン大幅増発 宇都宮・高崎線グリーン車連結
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 10月改正時より、運転本数・運転時間帯が大幅に拡大され、大宮~大船では1時間に4本の設定になりました。
 運転の形態は
.東海道本線・小田原~新宿~高崎線・高崎(一部両毛線・前橋)
.横須賀線・逗子~新宿~宇都宮線・宇都宮
 については大船~新宿~大宮は快速と呼称、さらに新たに小田原~新宿~熊谷で快速運転を行なう「特別快速」が設定されました。
(高崎線内では快速〈アーバン〉と統合)
 については普通列車が中心ですが、日中を中心に、宇都宮線内は快速運転を行なう列車が設定されました。
(快速〈ラビット〉を立替)
 車両はE231系に統一、スピードアップも図られています。
 合わせて、宇都宮線・高崎線のE231系編成にグリーン車が組み込まれる事になりました。
 改正前より組み込みが始まり、改正までは普通車扱いで運用されたので、ご利用になられた方も多いと思います。
 全列車への連結は、東海道線で運用されていた車両の転用工事があるため、少し先の話になります。
 同時に東京近郊では、グリーン料金が平日と土休日の2本立てになった上、駅での購入と車内での購入では250円の差がつく事になりました。
 同時に「Suicaグリーン車システム」を導入。

◆ 営団地下鉄民営化 東京メトロ発足
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 営団地下鉄、正式には「帝都高速度交通営団」は、東京地下鉄と東京高速鉄道(共に現在の銀座線の前身)が戦時中に合併して生まれた特殊法人でした。
 4月1日に民営化。
 JRを除いた民営鉄道事業者としては輸送人員トップを誇ります。
 今後は鉄道業以外の副業にも力を入れていく事になります。
 写真の営団赤塚、及び営団成増(共に有楽町線)は、それぞれ地下鉄赤塚、地下鉄成増と改称しました。

◆ 横浜高速鉄道みなとみらい線開業 東急東横線と相互直通運転実施
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 みなとみらい線は、最初は国鉄横浜線との相互直通が計画されていましたが、国鉄の財政難で直通運転の相手を東急に変えた、という経緯があります。
 2月1日に全線が開業、同日より東急東横線と相互直通運転を行なっています。
 なお、運転業務は東急に委託され、東急の乗務員が横浜から先も引き続き乗務します。
 東急東横線はこれに先立ち、1月30日に横浜~桜木町を廃止し、翌日に反町~横浜を地下線に移設、みなとみらい線との直通に備えました。

◆ 鹿児島本線八代-川内間 肥薩おれんじ鉄道に移管
 新幹線並行区間の在来線の第3セクター移管は、しなの鉄道、IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道に次いで3例目になります。
 貨物列車は引き続きJRから直通するので、交流電化がそのまま残されていますが、旅客列車は全て新型ディーゼルカーによって運行されています。
 なお、川内~鹿児島中央はJR九州の直営で存続。
 3月号の「新乗り物風土記シリーズ46」で、新幹線と共に取り上げられています。

◆ 新潟県中越地震発生 越美北線・高山本線は水害で一部運休
 10月23日に発生した中越地震は、何しろ走行中の上越新幹線列車が脱線する位の大規模なものでした。
 上越新幹線は越後湯沢~長岡が不通になって分断。
 年末輸送直前の12月28日に何とか全線復旧はしたものの、しばらくは徐行運転になり、下り〈とき341号〉は新潟着が24時を回り、上り〈MAXとき300号〉は新潟を5時台に出発する変則ダイヤを強いられました。
 在来線も上越線・飯山線では一部区間が不通になってバス代行となり、寝台特急〈あけぼの〉〈北陸〉・急行〈能登〉・快速〈ムーンライトえちご〉がしばらくの間全面運休になりました。
 高速路線を初めとする路線バスにも影響が出た他、ANAとJALは東京(羽田)~新潟の臨時便を就航させました。
 越美北線と高山本線は共に被害が甚大で、運転再開まで3年もかかる事になります。

◆ 羽田空港第2ターミナル開業 東京モノレール延伸
 第2ターミナルは12月1日オープン。
 ANA・ADO・SNAが移転し、第1ターミナルはJAL・SKYが使用する事になります。
 東京モノレールは羽田空港駅が羽田空港第1ターミナルと改称、ここを経由して羽田空港第2ターミナル駅に向かう形になりました。
 京急の羽田空港駅は、新たに第2ターミナル側に改札口を新設しています。
 空港バスは第2ターミナルを起点として第1ターミナルを経由する形になり、両ターミナルからの公平な利用を図るため、京急バス・リムジンバスとも乗車時刻指定制度を導入しています。

◆ 日本航空・日本エアシステム 完全経営統合
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 1988年に東亜国内航空(TDA)から改称した日本エアシステム(JAS)の名は、16年でその歴史に終止符を打つ事になりました。
 4月1日に「日本航空ジャパン」と改称し、国内線は日本航空(JAL)の「日本航空インターナショナル」と共に、統一されたJALの便名で運航される事になります。
 国際線は「インターナショナル」の運航に統一。
 既にカラーリングは新デザインに移行が進んでいて、JALの「鶴丸」は間もなく見られなくなります。
 また、6月1日には新クラス「クラスJ」のサービスがスタート。 
 それから、全日空(ANA)も同日、エアーニッポン(ANK)、エアーニッポン・ネットワーク(A-net)便をANA便名に統一しています。
(国際線の東京(成田)~台北線のみANK便名で運航。)

◆ その他
○ 加古川線 電化開業
○ Suica・ICOCA相互利用開始
○ 石勝線楓駅廃止
○ 新宿駅構内集中工事 第1回施工
○ 名鉄三河線 一部区間廃止
○ 「浜名湖花博」開催

《表紙の写真・グラビア連載》

1月号 中央本線 信濃境~富士見
 雪景色を走るE255系〈あずさ〉。
●旬の駅から小さな旅へ45 西宮駅 ※阪神
●新のりもの風土記シリーズ44 フェリーで行く、癒しの紀伊半島 マリンエキスプレス
●駅弁細見199 下関壽司デラックス ふく壽司

2月号 釧網本線
 キハ54の単行ローカル。
 撮影区間は不明ですが、遠くに雄阿寒岳が聳えています。
●旬の駅から小さな旅へ46 松島海岸駅
●新のりもの風土記シリーズ45 秋田新幹線「こまち」で行く 雪の鉄路と祭り
●駅弁細見200 印籠弁当(水戸駅)
「駅弁細見」は200回になりましたが、100回の時のような特別企画はありませんでした。

3月号 九州新幹線
 桜島をバックに、鹿児島中央駅を出発する〈つばめ〉。
●旬の駅から小さな旅へ47 境港駅
●新のりもの風土記シリーズ46 南九州に『つばめ』翔ぶ! 九州新幹線開業!
●駅弁細見201 竹籠弁当(京都駅)

4月号 東海道新幹線
 富士山をバックに、700系と桜並木。 
●旬の駅から小さな旅へ48 後免駅
●新のりもの風土記シリーズ47 トロッコ列車 春コレクション
●駅弁細見202 佐渡 朱鷺めき弁当(新潟駅)

5月号 ワイドビュー南紀
 紀勢本線のどこかだと思います。
 海岸線。
●旬の駅から小さな旅へ49 片瀬江ノ島駅
●新のりもの風土記シリーズ48 九州新幹線開業の春 鹿児島のりもの三昧
●駅弁細見203 かつおたゝき弁当(高知駅)
 
6月号 日光線(日光~今市間)
 日光の男体山をバックに、107系ローカルと水田。
●旬の駅から小さな旅へ50 品川駅
●新のりもの風土記シリーズ49 隅田川からウォーターフロント散歩 水上バス『ヒミコ』
●駅弁細見204 洞爺のホッキめし(洞爺駅)
 
7月号 富良野線((臨)ラベンダー畑~中富良野)
 キハ150の単行とラベンダー畑。
●旬の駅から小さな旅へ51 弁天島駅
●新のりもの風土記シリーズ50 潮風と木洩れ日が誘う 江ノ電・電車散歩
●駅弁細見205 牛角煮弁当(米沢駅)
 
8月号 秋田新幹線「こまち」
 区間不明ですが、E3系が農村地帯の踏切を通過するという図。
●旬の駅から小さな旅へ52 新八代駅
●新のりもの風土記シリーズ51 情熱と幽玄の祭りへ 青森の観光列車
●駅弁細見206 ロマンスカー弁当(小田急電鉄 特急ロマンスカー車内)

9月号 25周年を迎えた「SLやまぐち号」
 C571と、C56160の重連での運転です。
●旬の駅から小さな旅へ53 新宮駅
●新のりもの風土記シリーズ52 大井川に沿って南アルプス山麓へ SL急行「かわね路号」
●駅弁細見207 秋の特集 ノースウエスト航空(機内食)
「機内食が空の上の駅弁といえる」とあるけれど、私は違うと思う…。

10月号 湘南新宿ラインに投入される2階建てグリーン車
 稲がたわわに実った水田と、サロE231+サロE230。
 よく見ると、ドア横に「普通車として運用」と書かれているようです。
●旬の駅から小さな旅へ54 中津川駅
●新のりもの風土記シリーズ53 房総に新型特急登場! E257系さざなみ・わかしお
●駅弁細見208 あなごめし(高松駅)

11月号 開聞岳と指宿枕崎線
 キハ47×2連。
●旬の駅から小さな旅へ55 喜多方駅
●新のりもの風土記シリーズ54 全通70周年の秋をめでる 水郡線の旅
●駅弁細見209 たいらぎ寿し(大牟田駅)

12月号 中央本線 特急「あずさ」
 1月号に続く登場で、バックは八ヶ岳。 
●旬の駅から小さな旅へ56 敦賀駅
●新のりもの風土記シリーズ55 羽田第2ターミナルへ延伸開業! 東京モノレール
●駅弁細見209 たらば寿し(釧路駅)

《裏表紙の広告》
1月号 トヨタレンタカー
 ひきつづき、キャッチコピーが、「電車を降りたら トヨタレンタカー」。

2月号 大塚製薬 ポカリスエット
3月号 トヨタレンタカー
4月号 大塚製薬 ポカリスエット
5月号 トヨタレンタカー
 キャッチコピーは「電車を降りたら…」。
 草彅剛が特急列車の中にいるのですが、たぶん合成。

6月号 大塚製薬 ポカリスエット
7月号 トヨタレンタカー 
8月号 大塚製薬 ポカリスエット
9月号 トヨタレンタカー
 キャッチコピーが「レールの先へ」。
 隅っこに小さく、四国色のキハ58+65が見えますが、やはり合成でしょう。
 この号からしばらく、裏表紙の広告はトヨタレンタカーの独占になります。

10月号 トヨタレンタカー
11月号 トヨタレンタカー
12月号 トヨタレンタカー

《その他》
 1月号では新春特別企画として、「あいうえお順 駅名索引」を掲載。
 JR・第3セクターは全駅+大手私鉄の有料特急の停車駅が対象。
 トップは山陽新幹線・山陽本線・赤穂線の「相生(あいおい)」。(全部母音)
 ラストは函館本線の「蕨岱(わらびたい)」。

 東海道新幹線は10月1日、開業40周年を迎えました。
 これに合わせ、10月号の黄色のページでは特別付録として、開業時の時刻表を復元しています。
 ただし、最新の技術による表現ですが、これはこれで新鮮に感じます。
 ご丁寧に「0系」「12両」の表示も、現在の体裁と同じ。
 開業当時、東京~新大阪間は〈ひかり〉4時間、〈こだま〉5時間(途中浜松で〈ひかり〉を1回退避)。
(開業時は品川・三島・新富士・掛川・三河安城駅はなかった。)
 本数は今とは比べ物にならない位少なく、〈ひかり〉〈こだま〉とも1~2時間間隔。
 なお、静岡7時30分→東京9時10分の〈こだま372号〉が10月8日~25日運転。
 東京オリンピック対策ですね。
 他に運賃・料金やビュッフェのメニュー、編成表、席番の案内、最後に年表。
 ちなみに当時の東京~新大阪の運賃1,180円。
 2等料金は〈ひかり〉が1,300円、〈こだま〉が1,100円。(当時は全て指定席)
 ビュッフェのカレーライスが150円。
 
 ピンクページの「たいむ・たいむてぇぶる」が4月号で300回。
 
《定価》
1~12月号  1050円(本体1000円)

※その他のトピックス
◆ イラク日本人人質事件
◆ 駒大苫小牧高校 北海道勢初の甲子園優勝
◆ ニンテンドーDS発売
プロ野球日本シリーズ 西武(4-3)中日 MVP:石井貴
日本ダービー優勝馬 キングカメハメハ 鞍上:安藤勝己


 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)