№82 2002年廃止 有田鉄道

 昨日の「JTB時刻表大研究 2002年」で、〈十大トピックス〉の中に、「有田鉄道廃止」を上げました。
 有田鉄道は、元々は沿線で作られたミカンを湯浅の港に運ぶために造られた鉄道でした。
 その後、国鉄が紀勢西線を建設した事で、戦後は、湯浅~藤並は紀勢西線に乗り入れるという形になりました。
 1982年4月の「交通公社の時刻表」に寄れば、藤並~湯浅は11往復の設定があり、内4往復は湯浅直通でした。

金屋口発藤並行 7:00湯 8:05 9:13湯 10:18 12:13湯 13:43 14:16 15:11 16:31湯 17:18 18:00
藤並発金屋口行 7:33湯 8:39 9:50湯 11:10 12:47湯 14:02 14:38 16:05 16:54湯 17:40 18:35
(湯…湯浅行又は湯浅発時刻)
 湯浅~藤並は、国鉄紀勢本線の時刻表にも掲載され、〔気〕(□に“気”)のマークがありました。

 しかし、国鉄時代末期の貨物合理化もあって貨物列車は廃止、旅客列車も削減が続いた挙句、1995年には休日(後には第2・4土曜日も)が全面運休になりました。
 結局2002年の大晦日を持って廃線となりましたが、その時点では、

金屋口発藤並行 9:35 11:35  藤並発金屋口行 10:00 12:00 

の2往復のみという、鉄道としては信じられないダイヤになっていました。
 ここでは、旅客用車両と、全ての駅の写真をご覧頂きます。

(1) 車両
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ハイモ180-101
 最後を飾った旅客車両。
 元は樽見鉄道で使用されていた2軸レールバス「LE-CarⅡ」で、1994年に入線。
 樽見鉄道時代に鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。

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 その車内。
 座席の向きが左右で逆ですが、いかにもバスそのもの。
 こういう小型車が数往復するだけで終わってしまうようなら、やはり鉄道として維持していくのはほとんど不可能でしょう。

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キハ58003
 1975年に富士急行からやってきました。
 富士急行は最初から電化された鉄道ですが、大月から国鉄のディーゼル急行に併結させるため製作した車両です。
 3両あって、58001・58002は片運転台、写真の58003が両運転台。
 58003は、ハイモ180が入線するまでの主力でした。
 ただ、末期はほとんど動ける状態にはなかったようです。
 58001+58002はラッシュ時に編成を組んで運用されていましたが、ハイモ180導入時に廃車になりました。

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 その車内。
 やはり国鉄急行型と同じ。

(2) 駅
 駅は全て1992年2月12日の撮影です。

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藤並駅

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田殿口駅

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下津野駅

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御霊駅

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金屋口駅
 手前は本社で、駅舎は奥になります。

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 駅に隣接する車庫。
 一番右に見えるのがキハ58002。
 連結面をさらして庫内にいるのは、部品取り用に購入した国鉄キハ58かも知れません。

 今日の記事は、
「ローカル私鉄車両20年・西日本編」(寺田裕一・JTBキャンブックス)
「私鉄廃線25年」(寺田裕一・JTBキャンブックス)
「鉄道ピクトリアル2000年5月増刊号 関西地方のローカル私鉄」(鉄道図書刊行会)
を参考にさせて頂きました。


 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)

№81 JTB時刻表大研究 2002年

 先日、京成バスが来年7月一杯を持ってバス共通カードの運用を終了するというニュースを発表した、と書きましたが、どうやら、首都圏のバス共通カード導入事業者が足並みを揃えて運用を終了する、という方向になりそうです。
 プレスリリースはバラバラなのですが、昨日は京王バスグループが、プレスリリースで発表しています。
(京王では発売は3月15日まで。)
 これでバス共通カードのサービスを終了すると発表しているのは、確認している所では京成グループ(分社や系列も含む)、西武、京王、臨港。
(見落としもあるかもしれません。ご了承下さい。)
 なお、これらの事業者では4月1日より、PASMOの「バス特」の付与ポイントを増額する、としています。

 さて、「JTB時刻表大研究」、今回は2002年です。
 新幹線はついに青森県に到達しました。
 東北6県全てが新幹線の恩恵を受ける事になります。
 合わせて周辺の在来線も大きく変わり、前年に廃止された伝統の特急の愛称も復活しました。
 3月23日(北海道のみ16日)に統一改正が行なわれ、10月5日に山陽新幹線を含む西日本(紀勢本線は11月2日)、12月1日に東北新幹線延伸を含む東日本・北海道の改正が行なわれました。

《2002年の十大トピックス》
◆ 東北新幹線八戸延伸 東京~八戸間最速2時間56分
 八戸を発着する最上位列車として、新たに全車指定席の<はやて>が14往復(+仙台発着1往復)設定されました
 最速の〈はやて2号〉は途中盛岡・仙台のみの停車。
(盛岡6:55 → 9:51東京)
 東京~盛岡は基本的に〈こまち〉との併結運転になります。
 なお、盛岡~八戸・秋田に特定特急料金が設定されています。
(座席の指定はないが、普通車の空席に座れる)
 12月号の「新のりもの風土記32」で取り上げられています。

◆ 新幹線連絡特急〈スーパー白鳥〉〈白鳥〉〈つがる〉運転開始
 八戸で〈はやて〉に接続する特急として、前年に廃止になったばかりの列車名が復活する事になりました。
 一方では、1958年(昭和33年)に東北初の特急としてデビュー、SL時代から44年間走り抜いた〈はつかり〉の名が消えました。
 この他、八戸~十和田湖にJRバス〈おいらせ号〉が設定され、十和田東線の路線名が復活しています。

◆ 盛岡~八戸間 IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道に移管
 東北新幹線延伸と同時に、並行在来線の盛岡~八戸が第3セクターに移管されました。
 新幹線開業による在来線の第3セクター鉄道移管は、しなの鉄道に次いで2例目。
 今回は寝台特急や貨物列車、その他花輪線など一部のJR線からの直通列車はそのまま運行されていますが、寝台特急の場合は前後のJR線のキロ数を通算し、両鉄道の運賃を加える事になります。
 両鉄道は目時駅を境界としていますが、単に県境(よりやや青森県寄り)にあるから境界になっているだけで、駅員不在の山間部の小駅です。
 なお、青い森鉄道の場合は、線路は青森県が保有(第3種鉄道事業者)しています。
 
◆ サッカー・ワールドカップ開催 観客輸送実施
 2002年大会は日本と韓国の共同開催となり、日本では札幌・宮城・新潟・鹿島・埼玉・横浜・静岡・大阪・神戸・大分で試合が行なわれました。
 時刻表では5・6月号の付録のページで開催日程とアクセスの案内の後、一部の競技場の関連の臨時列車の時刻が掲載されました。
 主な列車としては、急行〈ビッグスワン新潟・金沢・大阪・酒田〉、特別快速〈カシマスタジアム〉。
 〈ソニック〉〈にちりん〉も増発。
 6月号では列車が追加され、特急〈ウイングエクスプレス〉(新潟→成田空港の夜行)、急行〈ビッグスワン上野〉〈きたぐに82号〉等を運転。
 新幹線も増発され、6月11日(静岡でカメルーンVSドイツ)深夜には、掛川始発で24時を過ぎて運行される列車(名前なし)も運転されました。
 
◆ りんかい線全線開業 埼京線と相互直通運転開始
 12月1日に品川シーサイド~大崎が開業し、全線が開通しました。
 同日より川越~大崎~新木場で快速を中心に相互乗り入れを開始しています。
 JR新宿駅に私鉄の電車が乗り入れるのは初のケースです。

◆ 〈はくつる〉〈あけぼの〉に「ゴロンとシート」設定
 B寝台の内の1両を、付帯サービス(シーツ・寝巻き等)を省略する代わりに、寝台料金不要・特急料金のみで利用できるようにしたもの。
 2月から設定されましたが、〈はくつる〉は12月改正で新幹線開業と引き換えに、列車そのものが廃止。
 〈あけぼの〉の方は後にレディースカーも設定され、現在に至ります。

◆ 土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線開業
 元々は国鉄「安佐西線」として着工しながら、国鉄の財政難のため建設が凍結されていた路線を、土佐くろしお鉄道が引き継いで開業させたものです。
 7月1日の開業時より、土讃線の高知まで直通運転を行なっています。
 地方ローカル線の新規開業は、恐らくこれが最後でしょう。
 9月号の「新のりもの風土記シリーズ29」で取り上げられています。

◆ 芝山鉄道開業
 10月27日に開業。
 空港によって分断される芝山町への補償として開業したもので、成田空港会社や自治体等が出資する第3セクターです。
 東成田~芝山千代田2.2㎞は紀州鉄道を抜いて日本最短ですが、用地未買収地を避けるため、不自然と思えるカーブがあるのが特徴。
 なお、翌2003年1月号の「新乗り物風土記シリーズ(なぜか32)」で取り上げられています。
 
◆ 有田鉄道・長野電鉄「木島線」廃止 加越能鉄道は万葉線に譲渡
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 有田鉄道は大晦日を持って廃線。
(時刻表上では2003年1月号で告知)
 末期は平日のみ2往復の運行でした。
 有田鉄道については明日取り上げます。
 和歌山県では他に南海築港線(和歌山港~水軒)も廃止(5月25日)になりました。

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 長野電鉄は、河東線(屋代~須坂~信州中野~木島)の内の信州中野~木島が、3月31日を持って廃止。
 長野電鉄ではこの後、長野線・山之内線と共に、線名が全面的に変更されます。

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 翌日、加越能鉄道の路面電車が万葉線(株式会社)に譲渡され、近代化への道が模索される事になりました。
 後に相次ぐ、ローカル鉄道の他事業者への譲渡の走りともいえます。

◆ スカイネットアジア航空就航
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 8月1日に東京~宮崎線で就航。
 就航時のダイヤは
 東京発 10:00 12:40 14:30 17:15 19:05
 宮崎発 7:50 10:30 12:15 15:00 16:55
の1日5往復でした。

◆ その他
○ JR東海 特急料金一部値下げ
○ 名鉄常滑線 空港線工事のため一部区間運休
○ 小田急線ダイヤ改正 湘南急行・多摩急行設定
○ 都営大江戸線・ゆりかもめ 汐留駅開業

《表紙の写真・巻頭グラビア》
1月号 田沢湖線 赤渕~田沢湖
 秋田新幹線〈こまち〉400系。雪景色。
●旬の駅から小さな旅へ21 西鹿児島駅・薩摩新春川端散歩
●新のりもの風土記シリーズ21 温暖・伊予の正月 坊ちゃん列車
●駅弁細見175 サッカー弁当(新潟駅)

2月号 久大本線 野矢~由布院
 特急〈ゆふいんの森〉と菜の花畑。
 バックは由布岳です。
●旬の駅から小さな旅へ22 小浜駅・御食国満喫散歩
●新のりもの風土記シリーズ22 厳寒を楽しむ 北海道*列車三昧
●駅弁細見176 甲斐の貝 鮑の炊きこみめし(小淵沢駅)

3月号 東北本線 藤田~貝田
 719系4連のローカルと梅の花。
●旬の駅から小さな旅へ23 今治駅・今治「マリンロード」
●新のりもの風土記シリーズ23 早春の羽越本線 きらきらうえつ
●駅弁細見177 松江堀川遊覧おべんとう(松江駅)

4月号 磐越西線 徳沢~上野尻
 キハ111+112のローカルと桜の花。
●旬の駅から小さな旅へ24 有田駅・肥前うまかばい街道
●新のりもの風土記シリーズ24 春の富士山を仰ぐ フジサン特急
●駅弁細見178 鯛めし(小田原駅)

5月号 横浜国際総合競技場
 手前に横浜線205系。 
 新横浜~小机で、新横浜を出ると右手に見えます。
 競技場には「2002決勝戦」の文字があります。
 そのワールドカップ決勝戦は6月30日にブラジルVSドイツで行なわれ、ロナウドの2ゴールでブラジルが勝利しました。
 なお、同競技場はネーミングライツ導入により、現在は通常「日産スタジアム」と呼称しています。
●旬の駅から小さな旅へ25 奥多摩駅・奥多摩源泉探訪
●新のりもの風土記シリーズ25 飛騨から会津にやってきた AIZUマウントエクスプレス
●駅弁細見179 笹すし(福井駅)
 
6月号 岩徳線 米川~周防高森
 キハ40の単行ローカルと紫陽花。
 表紙としては珍しい、どんよりした曇り空。
●旬の駅から小さな旅へ26 関内駅・after right in YOKOHAMA
●新のりもの風土記シリーズ26 日本最長のフェリー A"LINEありあけ
●駅弁細見180 朝市名物 海峡弁当(函館駅)
 
7月号 日豊本線 宮崎~南宮崎
 783系「ハイパーサルーン」の〈にちりん〉が、大淀川を横断します。
●旬の駅から小さな旅へ27 豊橋駅・穂国豊穣食三昧
●新のりもの風土記シリーズ27 フルパノラマ!空の散歩 箱根ロープウェイ
●駅弁細見181 牛そぼろ弁当(水戸駅)

8月号 津軽海峡線 瀬辺地~蟹田
 正確には津軽線。
 「ドラえもん海底列車」として、ドラえもんのキャラクターが描かれた、ED79 3+50系8連が青森に向かいます。
●旬の駅から小さな旅へ28 木曽福島駅・御嶽湯味トレック
●新のりもの風土記シリーズ28 伊豆東海岸リゾートパラダイス アルファ・リゾート21
●駅弁細見182 高原野菜とカツの弁当(茅野駅)

9月号 常磐線 高浜~石岡
 415系とコスモス畑。
●旬の駅から小さな旅へ29 知床斜里駅・知床「秋」味半島
●新のりもの風土記シリーズ29 四国に開業した新しい生活路線 ごめん・なはり線
●駅弁細見183 鶏 舞茸 はやちねの里(盛岡駅)

10月号 山陽新幹線
 新色の0系6連。
●旬の駅から小さな旅へ30 能代駅・白神能代味ながし
●新のりもの風土記シリーズ30 秋風さやぐ陸奥湾をめぐって き・ら・き・らみちのく
●駅弁細見184 きのこ村(岐阜羽島駅)

11月号 特急はつかり (一戸~二戸)
 E751系なので、正確には〈スーパーはつかり〉ですね。
 12月改正時からは〈つがる〉として運行されることになります。
 撮影区間は東北本線ですが、やはり12月改正時より、IGRいわて銀河鉄道が運営する事になります。
●旬の駅から小さな旅へ31 浜田駅・「どんちっち」迷い鍋
●新のりもの風土記シリーズ31 豪華なフェリークルーズ いしかり
●駅弁細見185 幻しのイトウ薫弁当(名寄駅)

12月号 東北新幹線 (二戸~八戸)
 E2系。 
●旬の駅から小さな旅へ32 長浜駅・北国冬味街道
●新のりもの風土記シリーズ32 東北新幹線★八戸延伸開業 『はやて』登場!!
●駅弁細見186 御辯当 鱈(直江津駅)

《裏表紙の広告》
1月号 トヨタレンタカー
2月号 大塚製薬 ポカリスエット
3月号 トヨタレンタカー
4月号 大塚製薬 ポカリスエット
5月号 トヨタレンタカー
6月号 大塚製薬 ポカリスエット
7月号 トヨタレンタカー 
8月号 大塚製薬 ポカリスエット
9月号 トヨタレンタカー
10月号 大塚製薬 ポカリスエット
11月号 トヨタレンタカー
12月号 大塚製薬 ポカリスエット

《その他》
 この年の頃から、かつての特急・急行の愛称をつけた、いわゆる「リバイバルトレイン」が、各地で本格的に見られるようになってきました。
 9・10月号の付録のページでは、この年の秋に運行される「リバイバルトレイン」の時刻を、列車の簡単な経歴と共に掲載しています。
 東北で目立つのは、やはり新幹線八戸延伸がらみでしょうか。
 特急〈おおぞら2000記念号〉(183系)〈さよならはつかり583系〉〈思い出のはつかり号〉〈思い出のみちのく号〉〈ゆうづる1・2号〉〈ひばり〉(以上583系)〈信州特急あさま1・2号〉〈特急あさま1~4号〉(以上189系)急行〈急行信州号〉〈急行ゆけむり号〉〈急行草津号〉(以上165系湘南色)
 
《定価》
1~12月号  1050円(本体1000円)

※その他のトピックス
◆ 東ティモール独立
◆ 日朝首脳会談
◆ 千代田区でタバコ禁止条例成立
プロ野球日本シリーズ 巨人(4-0)西武 MVP:二岡智宏
日本ダービー優勝馬 タニノギムレット 鞍上:武豊


 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)

№80 JTB時刻表大研究 2001年

 JTB時刻表大研究」、今回は2001年です。
 JTB時刻表は1月号で900号を迎えました。
 東海道・山陽新幹線は4月21日に「ひかりレールスター」、10月1日に〈のぞみ〉の増発が行なわれましたが、全体的には静かな1年だったと思います。
 代わって在来線の特急で新型車両の投入が相次ぎ、高速化も進められますが、一方で伝統の列車が相次いで姿を消しました。
 首都圏のJRでは、現代の営業政策の基礎になる2大事業がスタート。
 ついに第3セクター鉄道で初の廃線が発生、大手私鉄にもその波が押し寄せてきました。

《2001年の十大トピックス》
◆ ユニバーサル・スタジオ・ジャパン開園 桜島線(ゆめ咲線)アクセス輸送開始
 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは3月31日にグランドオープン。
 これに先立ち、ユニバーサルシティ駅が3月1日に開業。
 3月3日改正で大阪方面からの直通列車が運行を開始した他、特急〈はるか〉の大部分が接続駅の西九条に停車するようになりました。
 TDRと違って、JR西日本が公式スポンサーになっている事で、専用のラッピング編成が運行されています。
 この他、USJ発着の高速バスの新設(在来路線の延長も含む)が相次いだ他、ANAではスペシャルカラー機「ウッディー・ジェット」を就航させています。

◆ 山陰本線新型特急車両導入 〈スーパーおき〉〈スーパーくにびき〉運転開始
 山陰本線の高速化工事完成により、振子式特急車187系を導入して、7月7日改正より運行を開始。
 米子~益田は両者合わせて5→7往復に増強の上、最速3時間強→2時間20分と大幅に短縮されました。
(スーパーくにびき10号 益田15:54 → 18:14米子(鳥取行))
 一方で米子~小倉の<いそかぜ>(181系)が益田で分断され、益田~小倉に短縮されています。
 10月号の「新のりもの風土記シリーズ18」で取り上げられています。
 また、快速〈アクアライナー〉にも新型126系が投入され、所要時分の短縮が図られています。

◆ 宇都宮・高崎線~東海道・横須賀線相互直通「湘南新宿ライン」運転開始
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(2004年7月21日 横浜駅で撮影 右の113系は東海道線)
 12月1日の改正で運行を開始。
 この時点での運転形態は
.東海道線・小田原~新宿~高崎線・高崎(東海道線側は「快速」)
.横須賀線・逗子~新宿~宇都宮線・宇都宮
.横須賀線・久里浜~新宿
となっていて、まだ本数は少なく、それぞれが約1時間間隔での運行。
 運行時間帯も短く、夜間は運行されていませんでした。
 車両は、は211系(新前橋のグリーン車なし編成)に加えて115系も運用され、はE217系と共に、215系も使用されていました。

◆ 筑豊本線・篠栗線「福北ゆたかライン」電化開業 特急〈かいおう〉新設
(黒崎)~折尾~直方~桂川~吉塚が10月6日に電化開業し、篠栗線では初、筑豊本線でも寝台特急<あかつき>以来の特急が設定されました。 
 〈かいおう〉というのは、ご存知の通り、現役の大相撲の大関(ご当地出身)のしこ名からとられています。
 博多→直方は夜間、直方→博多は朝方の設定で、ホームライナー的な性格と言えます。
 日中は博多~直方で快速が1時間に2本設定されています。

◆ 特急〈白鳥〉〈北アルプス〉廃止
 日本最長距離を走る昼行特急だった〈白鳥〉は3月3日改正で廃止。
 大阪~金沢〈雷鳥〉、金沢~新潟〈北越〉、新潟~青森〈いなほ〉に系統が分割されます。
 改正後の最長距離昼行特急は、〈白鳥〉から分割された〈いなほ9・8号〉(458.8㎞)になり、JR在来線で500㎞を越えて運行される定期昼行列車は、全ての種別で消滅した事になります。
 〈北アルプス〉は名鉄の特急車両がJR線に乗り入れる形で運行され、8500系置き換え後はJRの85系との併結運転もありました。
 9月一杯で廃止になった後、8500系は会津鉄道に譲渡され、快速〈会津マウントエクスプレス〉として運用される事になります。

◆ 高松駅移転 新駅舎開業
 再開発事業によるもので、階段なしで広場からホームへ向かう事が出来る構造になっています。
 これにより予讃線高松~香西、高徳線高松~昭和町は0.3㎞短縮。
 貨物駅付近は「サンポート高松」という商業施設になり、翌年のダイヤ改正で快速〈サンポート〉が設定される事になります。
 これで、宇高連絡船の面影が一つ、姿を消す事になりました。

◆ JR東日本 ICカード「Suica」導入
 いよいよ交通業界もICカードの時代が訪れました。
 鉄道で一番早くICカードを導入したのは、1998年のスカイレールサービス(定期券のみ)でしたが、SF(ストアード・フェア)機能も備えた本格的なものは、「Suica」が初めてになります。
 11月18日導入で、JTB時刻表ではとりあえず11月号の「NEWS」のみ。

◆ 埼玉高速鉄道・神戸市営海岸線開業 りんかい線は一部延伸
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 埼玉高速鉄道は、営団地下鉄南北線を延長する形で、3月28日の開業。
 全列車が南北線に乗り入れ、さらに大半が東急目黒線まで直通します。
 神戸市営地下鉄の海岸線は、大阪市営長堀鶴見緑地線、東京都営大江戸線に次ぐ3番目のリニア地下鉄。
 開業は7月7日。
 どちらも、翌年開催のサッカー・ワールドカップの会場へのアクセスとなります。
 この他、名古屋ガイドウェイバス、ディズニーリゾートラインもこの年開業しました。

◆ 下北交通廃止 名鉄・のと鉄道は一部区間廃線
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 下北交通は、特定地方交通線だった旧国鉄大畑線を、地元のバス会社が引き継いで運行していたのですが、3月一杯で廃線。
 青森県では、同じく純民営会社が引き継いだ弘南鉄道黒石線も廃止になっていて、これで青森県では、特定地方交通線から転換された2路線は共に廃線になりました。
 また、同日のと鉄道の穴水~輪島も廃止。
 特定地方交通線転換の第3セクター鉄道では初の廃線です。
 名鉄は八百津・竹鼻・谷汲線と揖斐線の一部、合計30.8㎞が、9月一杯で一挙に廃線になっています。

◆ 高速バス〈東海道昼特急大阪号〉〈青春ドリーム号〉運行開始
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 どちらも12月1日運行開始。
 〈東海道昼特急大阪号〉は東京駅~大阪駅間を7時間30分~40分で片道6,000円。
 〈ドリーム号〉と共通運用のダブルデッカー車を使用しています。
 〈青春ドリーム大阪号〉は片道5,000円。
 JR線の普通運賃が8,510円で、それまでの夜行〈ドリーム号〉は8,610円なので、どちらも安さが売りといえます。
 この後も各社・各路線で、同様な趣旨の高速バスの新設が相次ぐ事になります。

◆ その他
○ <やまびこ>一部列車でマッサージサービス実施
○ 和田岬支線電化
○ JR北海道 特急料金変更

《表紙の写真・巻頭グラビア》
 この年から、表紙の写真が背表紙にも使用されています。

1月号 天王洲アイル
 JTB時刻表900号記念で、JTB本社ビルをバックに、東京モノレール2000系が羽田空港に向かって走ります。
 国鉄・JR以外の鉄道の車両が表紙を飾るのは、900号にして初めてでしょう。
●旬の駅から小さな旅へ9 銚子駅
●新のりもの風土記シリーズ9 新世紀への船出 レストランクルーズ
●駅弁細見163 古代米入り うわさの弁当(宇都宮駅)

2月号 特急〈白鳥〉
 末期は西日本・京都〔総運〕の担当で、表紙もボンネット車です。
 撮影場所は不明ですが、羽越本線のどこかだと思います。
 時刻表の表紙としては珍しくどんより曇り空ですが、これはこれで冬の東北らしくていいと思います。
●旬の駅から小さな旅へ10 遠野駅
●新のりもの風土記シリーズ10 厳冬を楽しむ 道東・冬の汽車旅
●駅弁細見164 出雲大社参拝記念 招福ちらし(松江駅)

3月号 大湊線(吹越~陸奥横浜)
 キハ100×2連と菜の花畑。
●旬の駅から小さな旅へ11 東萩駅
●新のりもの風土記シリーズ11 21世紀・春の夜汽車 寝台特急コレクション
●駅弁細見165 磯の漁火(直江津駅)

4月号 ユニバーサルシティ駅
 USJのラッピングが施された103系(初代・低運転台)。
 この号では、付録のページで「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン アクセスご案内」として、USJへのアクセスや、「トクトクきっぷ」などの現地への乗車券のガイドが掲載されています。
●旬の駅から小さな旅へ12 会津若松駅
●新のりもの風土記シリーズ12 あちこちに桜が… 春らんまんの鉄道
●駅弁細見166 明石鯛好き めでっ鯛飯(西明石駅)

5月号 日豊本線(杵築~中山香) 
 885系〈ソニック〉。
 885系は3月改正で〈ソニック〉にも投入されました。
●旬の駅から小さな旅へ13 中村駅
●新のりもの風土記シリーズ13 新世紀を彩る 九州のソニック
●駅弁細見167 赤ワイン仕込蒲焼 うなぎ弁当(浜松駅)
 
6月号 富良野線(学田~富良野)
 キハ150の単行。
 ラベンダーではないのですが、なだらかな起伏がいかにも北海道という感じがします。
●旬の駅から小さな旅へ14 高山駅
●新のりもの風土記シリーズ14 せせらぎを間近に-飯田線 トロッコファミリー号
●駅弁細見168 釜倉めし(鎌倉駅)
 
7月号 予讃線(大浦~浅海)
 8000系特急でバックは瀬戸内海。
●旬の駅から小さな旅へ15 富良野駅
●新のりもの風土記シリーズ15 北陸特急のスーパースター サンダーバード
●駅弁細見169 利家御膳(金沢駅)

8月号 磐越西線(喜多方~山都)
 〈SLばんえつ物語号〉。
●旬の駅から小さな旅へ16 宮津駅
●新のりもの風土記シリーズ16 よさこいの高知へ 楽しい乗り物
●駅弁細見170 三陸あわび弁当(一ノ関駅)

9月号 ディズニーリゾートライン
 リゾート・ゲートウェイ・ステーション(京葉線舞浜駅に隣接)を出発するモノレール。
 この号では、付録のページで「東京ディズニーリゾート交通案内」として、TDRへのアクセスや、入場料金について記されています。
●旬の駅から小さな旅へ17 上諏訪駅
●新のりもの風土記シリーズ17 北の鉄路で秋を楽しむ 九月の北海道
●駅弁細見171 松茸わっぱ(鳥取駅)

10月号 東海道新幹線(米原~京都)
 700系。
●旬の駅から小さな旅へ18 日光駅
●新のりもの風土記シリーズ18 山陰特急バラエティ 爽快!スーパー特急
●駅弁細見172 懐石弁当(長岡駅)

11月号 只見線 大白川~田子橋
 キハ53(キハ58の両運改造タイプ)+キハ48のローカル列車。
 どちらも非冷房車。
●旬の駅から小さな旅へ19 彦根駅
●新のりもの風土記シリーズ19 いく秋を楽しむ SL列車カタログ
●駅弁細見173 米沢牛使用 牛串弁当(米沢駅)

12月号 中央本線 富士見~すずらんの里
 E255系〈あずさ〉。
 12月1日改正時より運行を開始、183・189系を置き換えていく事になります。
●旬の駅から小さな旅へ20 米沢駅
●新のりもの風土記シリーズ20 新宿から甲斐路、信州へ 初冬、『あずさ』の旅
●駅弁細見174 元禄大名 道中御膳(相生駅)

《裏表紙の広告》
1月号 トヨタレンタカー
2月号 大塚製薬 ポカリスエット
3月号 トヨタレンタカー
4月号 大塚製薬 ポカリスエット
5月号 トヨタレンタカー
6月号 大塚製薬 ポカリスエット
7月号 トヨタレンタカー 
8月号 大塚製薬 ポカリスエット
9月号 トヨタレンタカー
10月号 大塚製薬 ポカリスエット
11月号 トヨタレンタカー
12月号 大塚製薬 ポカリスエット

《その他》
 〈アルペン号〉及び名古屋発の〈シュプール号〉は2000-2001シーズンを持って廃止、2001-2002シーズンは大阪圏~白馬・妙高高原方面のみの設定になってしまいました。
 夏の海水浴同様、スキーも列車で行く時代ではなくなったのでしょうか?
 スキーヤー自体が減少している、という話も聞きましたが…。

 7月1日のJR北海道の改正で、石北本線の天幕・中越・奥白滝駅が廃止になりました。
 これにより、上川~上白滝34.0㎞の間で、旅客営業を行なう駅が消滅しました。
 この距離は、山手線の一周34.5㎞にほぼ匹敵します。
 また、JR東日本・只見線の大白川駅はこの年の12月1日より臨時駅となり、冬季は通過扱いとなりました。

 今や日本最大のビジネスホテルチェーンとして君臨する東横インですが、7月号で初めてモノクロページに広告が載りました。
 羽田大鳥居本館(京急空港線大鳥居駅に隣接)が8月1日オープンですが、この時点ではまだ42店でした。
 
《定価》
1~12月号  1050円(本体1000円)

※その他のトピックス
◆ 小泉純一郎 総理大臣就任
◆ 同時多発テロ発生
◆ 「ハリー・ポッター」シリーズ映画 日本初公開
プロ野球日本シリーズ ヤクルト(4-1)近鉄 MVP:古田敦也
近鉄のリーグ優勝・日本シリーズ進出はこの年が最後になりました。
日本ダービー優勝馬 ジャングルポケット 鞍上:角田晃一


 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)