一昨日・昨日と2日間をかけて、リニューアルオープンした東武博物館について書きました。
同博物館では鉄道以外にもバスの展示があり、現代の状況とマッチしていない部分には不満を感じたものの、キャブオーバーバスがデビュー当時と同じ輝きで展示されているのには感激しました。
一方、先日の「バスマガジンvol.37」のレビューでも触れましたが、札幌市営の「札幌交通資料館」で展示されていた、いすずBC151Pが、市営バス事業廃止に伴い、最後の現役車両2台が展示される事になったのと引き換えに解体されてしまったと言う事です。
1996年に撮影したものです。
天窓付ステンレスボディが異色なのですが、ご覧の通り、撮影時点でかなり保存状態が悪くなっていました。
当時保存されていた他の2台もついでにご覧頂きます。
この2台はいずれも引き続き保存されているようです。
ボンネットバス402号。
こちらはマイクロバスで、三菱ふそうのローザ。
この資料館には他にも路面電車数台や、地下鉄の試作車や南北線の1号車両、それに「ササラ電車」など、かなりの展示があるのですが、正直皆保存状態が良くなく、保存というより、単なる「保管」に過ぎないように思えてなりませんでした。
同資料館は無料(開館日が限られる。要確認)なのですが、こういう「お遊び」の展示施設は有料で構わないので、入場料で得た収益を、各種展示の保存状態の向上に使って欲しいと思いました。
(公営と言う事で気を遣ったのでしょうか? でも、横浜市の「市電保存館」は有料です。(バスはないので念のため))
公営でバスが保存されているのは札幌だけではなく、大阪にも例があります。
実物を見た事がないのでレインボーカード(2002年の「バスの日」記念)で失礼しますが、緑木検車場(地下鉄四つ橋線の車庫)に保存されている「ゼブラバス」。
来月の8日、「おおさか市営交通フェスティバル」で市電などと共に公開されるそうです。
写真で見る限り、保存状態は良好のようですが、こちらは、先にあげたイベント開催時でないと見る事ができません。
バスの保存というと、バスの各種メーカー(シャーシあるいはボディ)、「バスマガジンvol.37」でも触れられているトミーテックのような模型関連の企業、そして日本バス友の会のような団体や各個人が様々な形で行なっていますが、肝心のバス事業者ではわずかな例(神奈中の「三太号」、西武バスの「三角バス」など)しかないと言えます。
バスの場合、鉄道車両と違ってレディメイドで、たいていはマスプロ的に量産される事、寿命が短い事(普通は10~15年)で、どういう車を保存の対象とすべきか判断がつかない、その価値を見出した時点では既に存在がないという事情もあるかと思います。
しかし、特に大手であれば、歴史上に残る車両というのも少なからず有り得る(ダブルデッカー、サロンバス、高速バス第1号、リフトバス、CNGバスetc.)と思うので、ぜひ現役の頃から、将来の保存を少しでも意識して運用していただければと思います。
とはいえ、中小事業者も少なくないので、一事業者では保存には手に余る事もあるでしょう。
それと、例え保存されていても、普段は車庫の片隅とかに保管され、一般にはなかなか見る機会が少ないのも残念に思えます。
なので、例えば日本バス協会とか、各地域のバス協会とかが音頭をとって、各事業者の保存車両を持ち寄り、本格的な常設の「バス博物館」というものを作って頂きたいのです。
昔の車から最新鋭まで、少なくとも20~30台位が、各事業者のカラーをまとってズラッと並んでいたら圧巻でしょう。
そして各種展示や資料、グッズ販売 -何しろ「バスむすめ」なるフィギュアまである時勢です- も充実させ、大人も子供も、バスファンもそうでない人も一日中楽しめる施設になったらいいと思います。
なお、本当は全部の車両が動態保存できるといいのですが、コストの問題もあるし、特に大都市では排気ガス規制で旧式のバスが運用しづらくなってきているので、この辺は無理をしなくてもいいです。
動態保存は2~3台程度にとどめ、その分、他の静態保存車両の整備に力を注いで欲しいです。
少なくとも歴史的車両が屋外で朽ち果てるまで放置され、人知れず解体処分になったりしないように…!
いつの日か、「バス博物館」のレポートを当ブログで書ける日が来る事を願っています。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)