№42 バスジャパン・ハンドブックシリーズR68 阪急バス(星雲社)

「BUS JAPAN バス・ジャパン」の流れを汲む「バスジャパン・ハンドブックシリーズR」も18巻目になりました。
 やはり取材費の事があるのか、このシリーズはこれまで関東地方及び近郊の事業者が中心で、関西の事業者は公営の京都市交通局(63)、大阪市交通局(66)に次いで3者目、民営は初めてです。
 関西の民営はこのシリーズの前の「ニューハンドブック38 奈良交通」以来、阪急バスは「ハンドブックシリーズ」から数えても初めてです。
 阪急バスは関西地方の民営バスでは最大手の一社でありながら、データ的には意外に大きく取り上げられる機会がないので、今回の発行は歓迎すべき所です。

 それにしても、前号「関東自動車」の予告で、(グループ3社)とあり、阪急観光バスと阪急田園バスは解かるが、あと1社ってどこ?と思っていたのですが、大阪空港交通ですか。
 公式サイトの会社案内に寄れば、確かに阪急バスが筆頭株主であるようです。
 他に日本航空インターナショナル(JAL)が主要株主のようですが、株式の比率は不明です。
 いずれにしろ、不覚にも大阪空港交通が阪急グループとは知りませんでした。
 関東の東京空港交通のような独立系と思っていたのですが。

◆ 路線バスで遊ぶ週末 盛夏の猪名川をさかのぼる!
 クラッセブックス編集長富田康裕氏による、猪名川の河口から源流の近くまで、阪急バス乗り継ぎでさかのぼるというもの。
 ちなみに、このシリーズの巻頭のバス乗継紀行は、以前は「BUS JAPAN バス・ジャパン」からの流れでレイルウェイ・ライター種村直樹氏が書いていましたが、「R57 神奈川中央交通」から富田氏が引き継いでいます。
 種村氏が大病を患われた事があると思います。
(ちなみに種村氏の著書「気まぐれバス旅出発進行」が、クラッセブックスから発売されています。)

 随分酒が多く出てきます。
 伊丹経由というルートもあるでしょうが。
 それにしても、特に日生中央から先は相当ローカル色が濃くなっていますね。
 阪急バスというと、「ムーンライト」に代表される高速バスネットワークとか、千里ニュータウンを初めとする団地輸送など、都市型のバス会社というイメージがあったので、特に川幅が狭くなった猪名川を渡るシーンの写真など、結構新鮮に見えました。

◆ 終点の構図 波豆川
 阪急田園バスの終点で、三田市になります。
 立派な蔵が見えますね。
 一日2往復にまで削減とありますが、調べてみると朝6時台(武田尾行)と夜の19時台(武田尾行に接続する東部行)。
 これでは、これから日が短くなる冬場だと、明るい時間に波豆川で阪急田園バスを見る事はできない、という事になります。
(平日ダイヤの波豆川行は武田尾18時52分発の1本のみ。)
 なお、波豆川には三田から神姫バスの路線もある(1日6~7本程度)のですが、終点の場所は違うかも知れません。

◆ 阪急バスの路線エリア
 歴史上の経緯もありますが、「阪急バス」と言いながら、阪急電鉄の路線からかなり離れた地域まで路線が延びています。
 冒頭の乗り継ぎ紀行でも出てきましたが、日生中央からの路線が延びる後川は、篠山市になります。
(神姫グリーンバスの路線とつながっているようです。)
 とはいえ、やはり基本的には阪急電鉄の沿線にネットワークが広がっていますが、芦屋では阪神電鉄よりもさらに南の臨海部にも路線が延びているのが目に付きました。
 一方、京都地域(大山崎〔営〕・向日〔出〕)の路線は、他地域とは直接つながっていません。
 なお、大阪空港交通の大阪空港~川西線(高速道を経由しない一般路線)は9月一杯を持って廃止になったようです。

◆ 阪急バスのあゆみ
 阪急バスは京都市営バス・神戸市営バスの一部路線の受託を行なっていながら、本体の営業所・出張所の一部は阪急田園バスに委託しているのですね。
 こういうケースは、今の所は阪急バスだけなのでは…。
 大規模な事業者ゆえ、阪急バス成立までの経歴は複雑ですが、昭和の初期には既に鉄道会社の手から離れていたようです。
 高槻市は阪急電鉄の沿線でも大都市の一つと思うのに、中心部には阪急バスの路線が全くありません。
 意外と思いますが、高槻市が地元の事業者を買収して市営バスとする際に、一旦阪急バスを経由したようです。

◆ 車両の現況
 阪急バス本体には18営業所の他に5つの出張所があります。
 しかし、加島・甲東園・南芦屋浜の各出張所には車両の配置がありません。
 車両の配置がない車庫、という事でしょうか?
 データ中心ゆえ、「感想」という事ではないですが、気付いた点を記してみます。

1.阪急バスというと、ボディは車種を問わず西工(NSK)、というイメージが個人的に非常に強かったのですが、今回集計してみると、全体では70%程度。
 しかも、現役車両で2000年までの登録車では、確かに81.9%と高率(これでも思ったよりは低いと感じた。)ですが、21世紀に入って以降の登録車では63.2%にまで低下します。
 特にJBUS系(いすず・日野)で純正ボディを採用するケースが多くなっている事があり、純正onlyのレインボー(9m・10.5m)の大量導入もあって、22.5%にまでシェアを拡大しています。
 エルガやブルーリボンⅡでJBUSとNSKを並行して採用しているのはさすがと思いますが。

2.同様に、阪急バスは三菱ふそうの採用が中心で、本文でも4割が三菱ふそうと言う事。
 ところが、2005年~2007年にかけて(PA-、PK-、PJ-規制の頃)は、一般路線車での導入が全くありません。
 コミュニティ系のローザと、高速バスのみです。
 公営だと、例の連続不祥事で発注を停止していると言う理由も考えられますが、民営で、それも三菱ふそうのヘビーユーザーの阪急バスだと、ちょっと理由が思い浮かびません。
 ラインアップに問題があったようには思えないし。
 なお、導入再開後にはエアロスター・ノンステップの採用もあり、センターのカラーページにも写真があります。
 合計で3台だけみたいですが。

3.1994年までの経年車は35台(特定含む)残っていますが、うち33台が京都地域に集結しています。
 P-MP218Kが2台、大山崎〔営〕に残っているのも奇跡的。
 京都府がまだNOX・PM法による規制対象地域に指定されていないからでしょうが、それにしても阪急バスって意外に長持ちですね。
 越後交通など、他社に移籍するケースもある事はあるのですが。

 この他、神鉄バスから引き継いだ車両が5台残っていますが、うち1台(5973 三菱ふそうKC-MP717M)が大阪の千里〔営〕に転属しているのが 面白い所。
 社号は三菱ふそうの他、一昨年から日産ディーゼル、去年から日野も3桁→4桁に移行しています。
 いすずがまだですが、すでに798に達しているので、799の次は7000または3000になるのでしょう。
 解説記事が多少駆け足で物足りないとは思いましたが、形式・形態がかなり多いので仕方ないでしょう。
 これでも値段据え置き(税込み1,050円)で4ページ増ですし。
 いずれにしろ、私が管理する本体のサイトはまだまだ不十分(画像数わずか55枚!)と痛感させられる1冊でありました。

 次回刊は東急バスと予告されています。
 そういえば「R」ではまだやっていませんでしたね。
 これからも関東近辺を中心に取り上げていくのでしょうが、予算が許せば、関西地方の大手も積極的にやって欲しいと思います。
 とりあえず名鉄バス・近鉄バス・南海バスあたりを期待。


 ところで、当ブログも何とか奇跡的?にほぼ毎日更新していますが、この先、予告なしに更新しない日もありうると思います。
 当日23時までにアップがなかったら、その日は更新がなかったものとお考え下さい。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)



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