今日は午前中、蒲田と川崎に行ってきました。
蒲田から東急多摩川線に乗り、下丸子で、11日に運行を開始したコミュニティ「たまちゃんバス」(東急のポンチョ)を撮影。
川崎ではなんと、臨港バスにエアロスター・ノンステップ!
これについては後日書く予定です。
「JTB時刻表大研究」、今日は1991年です。
新幹線関連のトピックスが多くなりつつありました。
信楽高原鉄道の正面衝突事故は世間に大きな衝撃を与えました。
第三セクター鉄道の経営のあり方そのものにも影響を与えています。
3月16日に統一改正が行われた後、9月1日に北陸地域、11月21日に四国、12月1日に首都圏で単発のダイヤ改正が行われています。
《1991年の十大トピックス》
◆ 東北・上越新幹線東京駅乗り入れ
御徒町での事故もあってかなり遅れていた東北・上越新幹線の東京乗り入れが、6月20日にようやく実現しました。
ダイヤは既に織り込み済みで、最速の<やまびこ1・4・5・8号>(すべて2階建て車両連結)は東京~盛岡間を2時間36分(途中仙台のみ停車・上野は通過)で結ぶ事になりました。
ただし、東京駅は東北・上越合わせて当面ホームが1面2線しかないため、臨時列車はほとんど全てが、引き続き上野発着で設定される事になります。
◆ 成田空港ターミナル駅にJR・京成乗り入れ 〈成田エクスプレス〉運行開始
元は成田新幹線用に建設が済んでいながら新幹線計画の頓挫により放置されていた、空港ターミナル直下の新駅を在来線用として使用し、JRと京成が乗り入れる事になりました。
JRは成田から分岐する支線を建設し、全国改正から遅れる事3日の3月19日に開業。
(池袋・新宿・横浜~)東京~成田空港間の<成田エクスプエス>は、当初は23往復の設定でした。
また、開業後初の夏休みシーズン等には、青森→成田空港間の寝台特急<ウイングはくつる>・東京~成田空港間の特急<ウイングエクスプレス>・長野~成田空港間の特急<ウイングあずさ>の設定もありました。
京成は旧成田空港への路線の途中から分岐する新線を建設、JRと同日に開業しました。
スカイライナーを新型(AE100形)に置き換え、スピードアップを図るとともに、ダイヤ体系を全面的に改めています。
旧成田空港駅(ターミナルまではバスへの乗換が必要だった)は、東成田に改称。
<成田エクスプレス>はスカイライナーと共に、4月号の乗り物風土記シリーズ44で取り上げられています。
◆ 七尾線南部電化 北陸本線より電車特急直通開始 北部はのと鉄道へ移管
国鉄時代末期からDC特急<ゆぅトピア和倉>(大阪~金沢間は<雷鳥>に併結)が直通運転していましたが、9月1日の電化開業以降、これに変わって電車特急の<スーパー雷鳥><しらさぎ>が直接乗り入れるようになりました。
時刻表と直接は関係ありませんが、七尾線は直流方式で電化されています。
一方、北部の和倉温泉~輪島間はのと鉄道が運営する事になりました。
ただし、のと鉄道は第2種鉄道事業者で、引き続き第3種鉄道事業者として線路施設を保有するJR西日本から、施設を借りて営業を行なうという形になります。
のと鉄道の<のと恋路号>は曜日限定の運転で、パノラマ料金を必要とする快速として運転されていましたが、9月より急行に格上げの上、毎日運転に改められています。
◆ 「夢空間」連結の〈北斗星トマムスキー〉運転
「夢空間」とは、1989年に開催された「横浜博覧会 YES'89」の時に桜木町駅前に展示されていた超豪華車両で、展望食堂車・ラウンジカー・デラックススリーパーの3両で構成されていました。
<北斗星トマムスキー>はこの3両を連結して横浜~トマム間に設定されたものです。
横浜発 15:33 → 10:53 トマム着 1月10・17・24日、2月14・21・28日、3月7・14日出発
トマム発 14:40 → 10:39 横浜着 1月13・20・27日、2月17・24日、3月3・10・17日出発
料金は「エクセレントスイート」が一室66,000円、「スーペリアツイン」が50,000円。
1991~1992年シーズンでも設定された他、上述した七尾線電化の記念という事か、9月には<夢空間わくら>として新宿~和倉温泉間で運行されています。
◆ JR・小田急の相互乗り入れ特急〈あさぎり〉運行開始
3月改正で運行を開始。
小田急がSE車を使用して御殿場まで片乗り入れしていた、連絡急行<あさぎり>が発展した形となりました。
運転区間が新宿~沼津間に拡大され、JR東海(371系)と小田急(20000系「RSE」)が2往復ずつ運行される形です。
JRと大手私鉄の特急が相互乗り入れする初のケースになりました。
(<北アルプス>は名鉄からの片乗り入れ)
また、沼津からは東海バスによる<あさぎり>接続の堂ヶ島行特急・急行バスが設定され、<あさぎり>運行両社の車両のカラーを半分ずつデザインした専用車両が話題になりました。
◆ 山形新幹線工事で〈つばさ〉が仙台発着に変更
山形新幹線工事が深度化し、8月27日からはバス代行輸送も発生。
関根・米沢~上山間がバスになり、加えて11月3・4日は福島~山形間が全てバス代行になりました。
5日からは列車の運転が再開されましたが、標準軌化された事で、他の在来線への直通は不可能になりました。
この工事で特急<つばさ>4往復が仙山線経由で仙台発着となり、上野発着で残っていた<9・2号>1往復も仙台経由になりました。
また、快速<仙山>の一部が新庄まで延長される一方、新潟~山形間の急行<べにばな>は新潟~米沢間に短縮された上、快速に格下げされました。
◆ 営団南北線・東京都営12号線・桃花台新交通開業 北総開発鉄道都心へ直通開始
営団南北線は駒込~赤羽岩淵間(11月29日)、都営12号線は練馬~光が丘間(12月10日)の開業で、他の地下鉄網とは接続していませんでした。
12号線が「大江戸線」と呼ばれるようになるのは、2000年の国立競技場延伸時です。
(12号線の路線図・時刻表の掲載は翌1992年1月号)
北総開発鉄道は1979年3月に開業しましたが、都心側の工事の遅れにより、当初は新京成線の北初富に接続、松戸までの相互直通運転を行っていました。
京成線成田空港新ターミナル乗り入れより後の3月31日に京成高砂~新鎌ヶ谷間が開業、京成線から都営浅草線を経由して京急線への相互直通運転を開始しています。
新京成との相互直通はしばらく残ります。
桃花台新交通は3月25日に開業しました。
◆ 信楽高原鐵道長期運休 島原鉄道・伊豆急・武蔵野線は災害で不通
この年は人災・天災さまざまな災害が、日本各地の鉄道に襲いかかりました。
私的な昔話に脱線してしまいますが、私は信楽高原鐵道事故から2年後、3回忌の法要を生で見た事があります。
遠く影ながら手を合わせた後、沿線の食堂で昼食を採っていると、遺族らしき方々も訪れ、法要の様子を伝えるニュース番組に注目していたのが、今も印象に残っています。
時刻表の話に戻ると、急な大事故だったからか、6月号では黄色の付録のページと折り込みの双方で、草津線からの直通列車の削除だけが訂正という形で伝えられ、7月以降は本文の欄外に「運転を休止しています」という断り書きが書かれました。
8月号から付録のページに、代行バスの時刻が掲載されるようになりました。
結局年末の12月8日まで、運行は再開できませんでした。
鉄道先進国のはずの日本で、二度とこんな大惨事は起きて欲しくないと思っていたのですが…。
島原鉄道は雲仙普賢岳の火砕流災害(新聞記者などに多数の犠牲者が出た)により、島原外港~深江間が運休、バス代行になったもので、この後もしばらくは運転再開~運休を繰り返す事になります。
武蔵野線は10月の台風による集中豪雨で新小平駅が冠水し、西国分寺~新秋津間が不通。
11月号では復旧に数ヶ月を要し、ホリデー快速の運転が取りやめとなったと速報的に伝えた後、12月号では府中本町~西国分寺間の折返し運転の時刻を掲載しています。
12月12日の復旧まで2ヶ月を要し、旅客もさる事ながら、貨物営業に大きな打撃を与えました。
なお、一方で前年の水害のため長期運休していた豊肥本線は8月10日に豊後竹田~緒方間、10月19日に残りの宮地~豊後竹田間が開通し、1年半ぶりに全線で運行を再開しました。
◆ JR九州高速船「ビートル」博多~釜山線就航
国内線の博多~平戸~ハウステンボスルートは前年開業していました。
民営化後のJR国際航路の新設は初。
当初は博多9:30→12:25釜山14:00→16:55博多の1往復でした。
現在は韓国側の事業者との共同運航になり、1日あたり3~5往復程度の運航にまで発展しています。
なお、国内線航路は1994年3月いっぱいで休航になっています。
◆ 寝台特急<みずほ><出雲1・4号>食堂車営業休止
本文の記事ではあまり目立った記載がなかったのですが、両列車とも5月31日を持って営業を休止しています。
国鉄時代末期からのリニューアル政策で息を吹き返したかに思えた東海道線のブルートレインですが、そろそろ凋落が本格的に始まろうとしていました。
◆その他
○ 相模線電化
○ 北陸本線米原~長浜間 電化方式変更
○ 山手線に6ドア車連結・11連化
○ JR四国 宇高航路廃止 (前年から休止中だった)
○ 近鉄特急「さくらライナー」運行開始
○ JAL 国際線北極ルート全廃
《表紙の写真・グラビア連載記事》
上述した各トピックスの内容を反映した、タイムリーな写真が目立つようです。
1月号 京都付近
京都を出発する新幹線100系で、手前に東寺。
●ステーションウォッチングシリーズ23 成田駅
●乗り物風土記シリーズ41 JR四国の新型特急列車 振り子式気動車
●駅弁細見45 べにばな寿司(米沢駅)
2月号 身延線 芝川~稲子
165系急行<富士川>。
●ステーションウォッチングシリーズ24 鹿児島駅
●乗り物風土記シリーズ42 路面電車 世界の市電が走る街
●駅弁細見46 珍辨たこめし(三原駅)
3月号 「成田エクスプレス用」電車
この10月から早々にE259系への置き換えが始まっている253系。
撮影場所は不明。
●ステーションウォッチングシリーズ25 新大阪駅
●乗り物風土記シリーズ43 JR九州の特急列車① オランダ村特急
●駅弁細見47 えびめし(加賀温泉駅)
4月号 奥羽本線 庭坂~赤岩
485系の「つばさ」。
手前の梅の花がきれいですが、間もなく見られなくなるシーン、という訳です。
●ステーションウォッチングシリーズ26 松山駅
●乗り物風土記シリーズ44 空港アクセス特急 成田エクスプレス
●駅弁細見48 季節かやく弁当(天王寺駅)
5月号 羽越本線・今川~越後寒川
漁港を見下ろして走る485系。列車名は不明。
●ステーションウォッチングシリーズ27 新宿駅
●乗り物風土記シリーズ45 JR九州の特急列車② ゆふいんの森
●駅弁細見49 庄内米茶めし弁当(鶴岡駅)
6月号 東京駅付近
丸の内一丁目の高架線を走る東北・上越新幹線200系。
試運転の光景なのでしょう。
●ステーションウォッチングシリーズ28 下関駅
●駅弁細見50 旅のつれづれ(新宿駅)
「JTB時刻表フォトコンテスト」の発表のため「乗り物風土記シリーズ」はお休み。
7月号 成田~成田空港
根古屋信号所で下り列車を待つNEX253系。
この信号所は今年3月の改正時に、空港に近い堀之内に移転して廃止になっています。
(成田空港新鉄道建設のため)
上空を、着陸のため進入するノースウェストのジャンボ機が横切っていきます。
●ステーションウォッチングシリーズ29 足利駅
●乗り物風土記シリーズ46 御殿場線直通特急 あさぎり
●駅弁細見51 月見五味めし(松本駅)
8月号 左沢線 羽前山辺~羽前金沢
左沢線色のキハ40の単行。
●ステーションウォッチングシリーズ30 秋葉原駅
●乗り物風土記シリーズ47 飯田線の旅 トロッコファミリー号
●駅弁細見52 海ひこ山ひこ(三島駅)
9月号 仙山線 八ッ森~奥新川
455系仙台色(白地+緑帯)。
●ステーションウォッチングシリーズ31 伊勢市駅
●乗り物風土記シリーズ48 SL列車 パレオエクスプレス
●駅弁細見53 銀河鉄道(盛岡駅)
10月号 因美線(河原~国英)
キハ58系+キハ40系のローカル。
どちらも国鉄色で、手前の柿ノ木とよくマッチしています。
●ステーションウォッチングシリーズ32 小樽駅
●乗り物風土記シリーズ49 北東北に針路をとれ。 みちのくの鉄道
●駅弁細見54 斗牛弁当(宇和島駅)
11月号 電化完成の七尾線 良川~能登二宮
パノラマグリーン車を先頭にした「スーパー雷鳥」。
●ステーションウォッチングシリーズ33 尾道駅
●乗り物風土記シリーズ50 七尾線電化開業 能登半島を走る
●駅弁細見55 きのこめし弁当(長野駅)
12月号 土讃線 土佐新荘~安和
キハ185系の特急。列車名は不明。
●ステーションウォッチングシリーズ34 松江駅
●駅弁細見56 おでん弁当(奈良駅)
「JTB時刻表フォトコンテスト」の発表のため「乗り物風土記シリーズ」はお休み。
《裏表紙の広告》
1月号 山一證券 「Breakthrough」
2月号 キリンビール キリン一番搾り
3月号 山一證券 「Breakthrough」
4月号 キリンビール キリン一番搾り
5月号 山一證券 「Breakthrough」
6月号 キリンビール キリンラガービール
翌年はバルセロナオリンピックがあり、小泉今日子を起用して、キャッチコピーは「自分のことでもないのにドキドキする。オリンピックは魔法をつかうね。」
7月号 山一證券 「Breakthrough」
8月号 キリンビール キリン一番搾り
9月号 山一證券 「Breakthrough」
10月号 キリンビール キリンラガービール
やはり小泉今日子起用のオリンピックにかけたCMで、「バルセロナの思い出をくれる人が今、日本のどこかで汗を流している。」
11月号 山一證券 中期国債ファンド
12月号 キリンビール キリン一番搾り
《その他》
「私鉄時刻表」は、
1月号は一回お休みして営団・都営地下鉄の運賃表
2月号(27)…近鉄1
3月号(28)…近鉄2
4月号(29)…東武
5月号(30)…小田急
6月号(31)…西武
7月号(32)…京成
8月号(33)…京阪
9月号(34)…阪神
10月号(35)…山陽
11月号(36)…京成
12月号(37)…阪急
一つ疑問だと思ったのが、東急が全く取り上げられていない事。
1988年の「JTB時刻表」スタート時に始まった私鉄時刻表ですが、1988年11月号の第1回は小田急。
第2回が京王と南海でした。
以降、短い間隔で掲載される会社がある一方で(1991年に限っても、京成が2回も取り上げられている。)、東急は1回も掲載されていません。
また、京王も第2回以降は一度も出てきません。
このアンバランスはどうした事でしょう?
3月号よりページ数が本文で48ページ、営業案内のピンクのページが16ページ増えています。
ピンクのページでは、「新幹線各駅間の自由席特急回数券早見表」が加わった一方、「レール&ホテル」がなくなっています。
《定価》
1~12月号 850円(本体 825円)
※その他のトピックス
◆ 横綱千代の富士引退(ちなみに引退表明は信楽高原鐵道事故と同じ日)
◆ パン・アメリカン航空倒産
◆ ソビエト連邦崩壊
プロ野球日本シリーズ 西武(4-3)広島 MVP:秋山幸二
日本ダービー優勝馬 トウカイテイオー 鞍上:安田隆行
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)
№52 JTB時刻表大研究 1990年
「JTB時刻表大研究」、今日は1990年です。
高速バスの新路線開通が相次ぎ、JRもこの影響を無視できなくなりつつありました。
1983年に始まった特定地方交通線の転換が、この年決着を見ました。
3月10日に統一ダイヤ改正を実施。
その後7月に北海道、9月に東日本(東北)・北海道、11月に四国で単独改正が行われています。
時刻表には表れませんが、JR・私鉄とも、特急車両で新技術の導入が進められつつありました。
《1990年の十大トピックス》
◆ 「国際花と緑の博覧会」開催
4月1日~9月30日の間、大阪市の鶴見緑地公園で開催。
JR西日本のパビリオン「ドリーム・エキスプレス」。
ファミリー向けを狙ったのだろうけれど、演出が子供っぽく思えたのが少々残念だった記憶があります。
「山の駅」は博覧会終了後、福知山線の柏原駅駅舎に転用されています。
後はJALのパビリオンに行って、機内食を食べてきたのが印象に残っています。
まだ国際線なんて乗った事もなかったのに。
◆ 大阪市営鶴見緑地線・大阪モノレール・六甲ライナー開業
「花博」景気か、関西で新スタイルの鉄道の開通が相次ぎました。
3月20日に開業し、花博のアクセスとなった市営地下鉄鶴見緑地線(現長堀鶴見緑地線)は、日本初のリニアモーター地下鉄です。
京橋~鶴見緑地間の開業で、他の地下鉄路線網とは接続がありませんでした。
これより先、2月21日に六甲ライナー(神戸新交通六甲アイランド線)が開業。
六甲ライナーは4月号の「乗り物風土記シリーズ34」で、鶴見緑地線は「同・35」取り上げられています。
大阪モノレールは6月1日に南茨木~千里中央間が開通しました。
途中の茨木駅は、同名のJRの駅とはまったく異なる場所で、後に宇野辺と改称する事になります。
◆ 京葉線延長 東京駅地下ホームに乗り入れ
3月改正と同時に新木場~東京間が開通、1986年の西船橋~千葉港(現千葉みなと)間の開業から4年で全線が開業しました。
同時に快速が設定されました。
平日と休日で東京都内の停車駅が異なり、休日は〈マリンドリーム〉の名がありました。
停車駅:平日…八丁堀・新木場・舞浜・新浦安・検見川浜・稲毛海岸
休日…葛西臨海公園・舞浜・新浦安・検見川浜・稲毛海岸
今では若干信じがたいのですが、当時は海浜幕張は通過でした。
巻頭グラビアで京葉線が取り上げられていて、海浜幕張駅の空中撮影写真もあるのですが、これを見たらまだまだ開発途上で、駅付近はほとんど原っぱに近いので仕方ないですね。
〈マリンドリーム〉は新木場も通過。
武蔵野線からの直通も市川塩浜の停車以外はこれに準じています。
なお、東京駅の京葉線ホームは他の路線のホームからは相当遠く、徒歩で10分程度は掛かるのでご注意。
(動く歩道があります。)
特急〈さざなみ〉〈わかしお〉のルート変更はまだ先の話です。
休日運転の各臨時快速は、10月号の「乗り物風土記シリーズ39」で取り上げられています。
「マリン」なんてイメージキャラクター(高橋留美子デザイン)があったのですね。
◆ 上越新幹線275㎞/h運転開始 くりこま高原駅・ガーラ湯沢駅開業
3月改正で、長岡のみ停車の下り〈あさひ1・3号〉のみ、大清水トンネル内で275㎞/hを実施。
上野→新潟間は1時間36分と、3分短縮しています。
なお、現在は再び最高速度240㎞/hになり、ノンストップの〈MAXとき313号〉が、同じ1時間36分で運行されています。
同日、東北新幹線・古川~一ノ関間にくりこま高原駅が開業。
ガーラ湯沢駅は、越後湯沢駅から延びる保線用車両の線路を利用し、JRが開発したスキー場の近くまで新幹線を運行するという形態が話題になりました。
越後湯沢発着の〈あさひ〉〈とき〉の他、当初は区間運転の〈シャトル・ガーラ〉が設定されていました。
◆ 〈スーパービュー踊り子〉〈スーパーホワイトアロー〉「スペーシア」等デビュー 四国特急に振子式DC本格導入
〈スーパービュー踊り子〉(251系)はGW直前の4月28日より、185系を置き換える形でデビューしました。
(ダイヤは織り込み済み)
当初は新宿・池袋・東京~伊豆急下田間各1往復でした。
(池袋発着の53・52号は水曜運休)
7月号の「乗り物風土記シリーズ36」で取り上げられています。
〈スーパーホワイトアロー〉(785系)は9月のJR北海道ダイヤ改正でデビュー。
札幌~旭川間全列車が1時間20分運転。
(途中岩見沢・滝川・深川に停車)
札幌・旭川共8時台~20時台の00分発という、極めて解かりやすいダイヤでした。
北海道ではこの他、〈おおぞら〉の帯広系統が〈とかち〉として分離され、1→5往復に増発されています。
東武の「スペーシア」(100系)は6月1日のデビュー。
1720系「DRC」を置き換える形で、〈けごん〉〈きぬ〉合計7往復で運行を開始しました。
当時のJTB時刻表は、まだ私鉄の特急には暖かくなかったのか、黄色のページのニュースにお知らせがありませんでした。
(8月号の「乗り物風土記シリーズ37」で取り上げられています。)
時刻表とは直接関係ありませんが、JR北海道785系・東武100系は共にVVVF制御。
いよいよVVVF制御が特急車両にも導入されるようになってきました。
JR四国の振子特急DC2000系は、前年1989年に試作車両がデビューしましたが、〈南風〉〈しまんと〉各1往復が臨時列車扱いで運行されてきました。
11月改正より定期列車にも投入され、土佐くろしお鉄道中村線にも乗り入れています。
また、土佐くろしお鉄道も共通設計で導入されました。
◆ 〈あかつき〉〈なは〉にレガートシート車連結
急速に路線が増えつつあった夜行高速バスへの対抗のため、ブルートレインに連結された座席車。
3月改正より連結されました。
上は「なは」。(新大阪~熊本間・サロ481改造)
下は「あかつき」。(京都~長崎間・オハ14改造)
どちらも1-1-1配置の3列シートで、夜行高速バスと同タイプの大型リクライニングシートになっていました。
この他、〈あさかぜ3・2号〉〈瀬戸〉にA寝台個室「シングルデラックス」とラウンジカーを連結。
◆ 特定地方交通線転換完了 北近畿タンゴ鉄道に特急〈タンゴエクスプローラー〉デビュー
3月31日限りで宮津線・鍛冶屋線・大社線が廃止。
宮津線は翌4月1日より第三セクター鉄道「北近畿タンゴ鉄道」に転換され、宮福線と一体で運営される事になりました。
同時に〈タンゴエクスプローラー〉が京都~西舞鶴~久美浜間で運行を開始。
〈タンゴエクスプローラー〉は、第3セクター鉄道初のオリジナル特急車です。
なお、この時点では〈あさしお3・12号〉は北近畿タンゴ鉄道経由で残っています。
鍛冶屋線・大社線はバスに転換。
これにより、1983年10月の白糠線から始まった特定地方交通線全路線の転換が終了。
1・2・3次合計で83路線・3,150㎞の鉄路が国鉄・JRから離れていきました。
◆ 山形新幹線工事でスイッチバック廃止 〈あけぼの〉〈津軽〉迂回運転開始
9月1日に実施され、有名な4連続スイッチバック(赤岩・板谷・峠・大沢)が一気に廃止になりました。
寝台特急〈あけぼの〉は、1往復は上越・羽越経由に変更して〈鳥海〉に改称、もう1往復は陸羽東線経由に変更。
急行〈津軽〉は583系に置き換えた上で、仙山線経由に変更。
なお、この年の暮れの臨時急行〈あきた〉〈おが〉〈津軽80~83号〉〈ざおう〉は、米沢経由で運行されていました。
◆ 豊肥本線 水害で一部区間長期不通
7月の集中豪雨のため、宮地~緒方間が翌年10月まで不通に。
急行〈火の山〉は熊本~宮地間と緒方~別府間に分断され、別府方は列車番号は変わらず、列車名のみ+10で走りました。
◆ 日本最長距離の高速バス〈はかた〉号運行開始
(西鉄の初代車両の内の1台、4505号車(三菱ふそうP-MS729S))
1990年10月12日の運行開始。
新宿高速バスターミナル~西鉄天神バスセンター間約1,160㎞を、当時は中央道・中国道経由で結んでいました。。
運行開始当初は西日本鉄道と京王帝都電鉄の共同運行で、それぞれ1往復づつ、計2往復でした。
超長距離のため、後部にサロン風のスペースが設けられた専用車両を使用していました。
下り 新宿17:00→ 8:10福岡(京王)・新宿19:45→10:55福岡(西鉄)
上り 福岡16:45→ 8:00新宿(西鉄)・福岡19:45→11:00新宿(京王)
運賃 片道15,000円
この他にも全国各地で夜行バス路線の新設が相次ぎました。
◆その他
○ 東北新幹線に2階建て車両連結
○ 東北本線(上野~宇都宮間) 「宇都宮線」と呼称
○ 山陰本線・予讃線・会津鉄道 一部区間電化
○ 小田急多摩線・京王相模原線・相鉄いずみ野線延伸
○ 「JTBパノラマ特急」運転
《表紙の写真・グラビア連載記事》
表紙は比較的ローカル線が多くなっています。
まだ国鉄時代の車両が大半ですが、そろそろ各地域のオリジナルカラーが目立ってきています。
1月号 高山本線(飛騨小坂駅)
キハ58系で、急行「のりくら」でしょうか。
●ステーションウォッチングシリーズ11 京都駅
●乗り物風土記シリーズ31 レトロバス リンガーベル
●駅弁細見33 越前かにめし(福井駅)
2月号 三江線(信木~所木)
雪景色の中を走るキハ40の単行で、魚を書いた「三江線」色(?)。
●ステーションウォッチングシリーズ12 岡山駅
●乗り物風土記シリーズ32 クリスタルエクスプレス トマムサホロ
●駅弁細見34 雪だるま弁当(新津駅)
3月号 ウォーターフロントと都心を直結する京葉線(新木場上空から)
上の十大トピックスでも取り上げた、京葉線の新木場駅。
京葉線は右にカーブを切って、曙運河を高架線で横切っていきます。
手前は夢の島の公園ですが、昔は悪名高きゴミ捨て場だった事を知る人も少なくなってきているでしょう。
丸囲みで、京葉線用の205系(正面がマイナーチェンジ)がインサートされています。
●ステーションウォッチングシリーズ13 上野駅
●乗り物風土記シリーズ33 大型観光潜水船 もぐりん
●駅弁細見35 手筒花火(豊橋駅)
4月号 伊東線 伊豆多賀駅
185系特急「踊り子」。
桜並木が見事です。
●ステーションウォッチングシリーズ14 高松駅
●乗り物風土記シリーズ34 六甲ライナー
●駅弁細見36 鞆の鯛寿司(福山駅)
5月号 花輪線(湯瀬~八幡平)
キハ28+58の2連ですが、白地+赤帯の「盛岡色」。
●ステーションウォッチングシリーズ15 大宮駅
●乗り物風土記シリーズ35 リニアモーターカー 地下鉄鶴見緑地線
●駅弁細見37 醤油めし(松山駅)
6月号 釧網本線(清里町~札弦)
キハ56+54のローカル列車。
上空は青空が広がっていますが、背後の斜里岳は雲に隠れてしまっています。
●ステーションウォッチングシリーズ16 三ノ宮駅
●駅弁細見38 茶めし(静岡駅)
「JTB時刻表フォトコンテスト」のため、「乗り物風土記シリーズ」はお休み。
7月号 羽越本線(小砂浜~上浜)
再び485系(国鉄色)の特急「白鳥」が登場、先頭のクハ485も1500番台。
●ステーションウォッチングシリーズ17 旭川駅
●乗り物風土記シリーズ36 最新のリゾート列車 スーパービュー踊り子 251系
●駅弁細見39 お鉢弁当(草津駅)
8月号 飯田線(田切~伊那福岡)
165系(東日本の新急行色)。
手前の川で子供たちが水泳をしています。
●ステーションウォッチングシリーズ18 松本駅
●乗り物風土記シリーズ37 東武のニューフェイス スペーシア
●駅弁細見40 あさり釜めし(熊本駅)
9月号 常磐線(天王台~取手)
415系が利根川を渡ります。
手前はコスモス畑。
●ステーションウォッチングシリーズ19 金沢駅
●乗り物風土記シリーズ38 眺望列車 ノスタルジックビュートレイン
●駅弁細見41 弥次・喜多道中記(郡山駅)
10月号 米坂線(羽前松岡~伊佐領)
キハ58系のローカル列車。
●ステーションウォッチングシリーズ20 米子駅
●乗り物風土記シリーズ39 休日のベイサイドライン 京葉線の快速列車
●駅弁細見40 黒豆こわい(多治見駅)
11月号 瀬戸大橋線(児島~坂出)
瀬戸大橋を渡る、EF65-1000牽引の「瀬戸」。
●ステーションウォッチングシリーズ21 長崎駅
●乗り物風土記シリーズ40 アプト式鉄道 大井川鉄道井川線
●駅弁細見43 笹まき鱒寿し(新白河駅)
12月号 飯山線(西大滝~信濃白鳥)
キハ58の2連ですが、飯山線色になっています。
●ステーションウォッチングシリーズ22 倉吉駅
●駅弁細見44 湖北のおはなし(米原駅)
「JTB時刻表フォトコンテスト」のため、「乗り物風土記シリーズ」はお休み。
《裏表紙の広告》
1月号 山一證券 「情報を科学」
2月号 キリンビール キリンラガービール
「ラ党の人々」というキャッチコピーがあり、富士山をバックに「若林」ファミリーが勢ぞろいするスタイルになっていました。
(もちろん皆大人。)
恐らくはホームドラマ的な展開を繰り広げる事で、ラガービールの販売促進につなげる意図があったのでしょう。
ところが、2月号発売(1月20日)直前の1月16日、「父・若林大作」役の勝新太郎が、ホノルルの空港でコカインを所持していた疑いで逮捕されてしまい、このキャンペーンはすぐに終わってしまいました。
3月号 山一證券 「情報を科学」
4月号 キリンビール キリンドラフト
従って、4月からは再びドラフトビールの宣伝に戻る事になります。
高嶋政宏を起用し、キャッチコピーは「ビール工場の生ビールを飲んだことがありますか。」
5月号 山一證券 「情報を科学」
6月号 キリンビール キリンドラフト
7月号 山一證券 スーパーゴールドけいぞく
山一證券では、この頃から田中美佐子をイメージキャラクターに起用します。
8月号 キリンビール キリンドラフト
9月号 山一證券 スーパーゴールドけいぞく
10月号 キリンビール キリン一番搾り<生>ビール
緒方拳を起用。「ああうれしい。」
11月号 山一證券 「迷える我ら…山一に聞く。」
12月号 キリンビール キリン一番搾り<生>ビール
《その他》
「私鉄時刻表」は、
1月号(15)…東武その1
2月号(16)…東武その2
3月号(17)…南海
4月号(18)…西武
5月号(19)…近鉄その1
6月号(20)…近鉄その2
7月号(21)…小田急
8月号(22)…関東周辺の私鉄
9月号(23)…南海
10月号(24)…阪急
11月号(25)…阪急・山陽
12月号(26)…東武
8月号の「関東周辺の私鉄」というのは、相鉄の他、横浜市営地下鉄や新京成・北総・江ノ電・東京モノレール等。
相鉄は大手といったって、所詮は神奈川県内しか走らない小規模な鉄道なので、他の会社も入れないとページ数が持たないのでしょう(?)。
個人的には11月号の山陽電鉄が歓迎でした。
距離が(相鉄よりも)長くて、阪急・阪神との直通もあり、特急の本数も多いのに、全駅・全列車の時刻を掲載した時刻表はこれまでどこにもなかったからです。
紀勢本線・阪和線は3月号から天王寺→新宮が先、新宮→天王寺が後と入れ替えられ、実態に合うようになりました。
《定価》
1~4月号 800円(本体 777円)
5~12月号 850円(本体 825円)
※時刻表以外のトピックス
◆ バブル経済崩壊
◆ 東西ドイツ再統一
◆ イラクがクウェートに侵攻
プロ野球日本シリーズ 西武(4-0)巨人 MVP:オレステス・デストラーデ
日本ダービー優勝馬 アイネスフウジン 鞍上:中野栄治
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)
高速バスの新路線開通が相次ぎ、JRもこの影響を無視できなくなりつつありました。
1983年に始まった特定地方交通線の転換が、この年決着を見ました。
3月10日に統一ダイヤ改正を実施。
その後7月に北海道、9月に東日本(東北)・北海道、11月に四国で単独改正が行われています。
時刻表には表れませんが、JR・私鉄とも、特急車両で新技術の導入が進められつつありました。
《1990年の十大トピックス》
◆ 「国際花と緑の博覧会」開催
4月1日~9月30日の間、大阪市の鶴見緑地公園で開催。
JR西日本のパビリオン「ドリーム・エキスプレス」。
ファミリー向けを狙ったのだろうけれど、演出が子供っぽく思えたのが少々残念だった記憶があります。
「山の駅」は博覧会終了後、福知山線の柏原駅駅舎に転用されています。
後はJALのパビリオンに行って、機内食を食べてきたのが印象に残っています。
まだ国際線なんて乗った事もなかったのに。
◆ 大阪市営鶴見緑地線・大阪モノレール・六甲ライナー開業
「花博」景気か、関西で新スタイルの鉄道の開通が相次ぎました。
3月20日に開業し、花博のアクセスとなった市営地下鉄鶴見緑地線(現長堀鶴見緑地線)は、日本初のリニアモーター地下鉄です。
京橋~鶴見緑地間の開業で、他の地下鉄路線網とは接続がありませんでした。
これより先、2月21日に六甲ライナー(神戸新交通六甲アイランド線)が開業。
六甲ライナーは4月号の「乗り物風土記シリーズ34」で、鶴見緑地線は「同・35」取り上げられています。
大阪モノレールは6月1日に南茨木~千里中央間が開通しました。
途中の茨木駅は、同名のJRの駅とはまったく異なる場所で、後に宇野辺と改称する事になります。
◆ 京葉線延長 東京駅地下ホームに乗り入れ
3月改正と同時に新木場~東京間が開通、1986年の西船橋~千葉港(現千葉みなと)間の開業から4年で全線が開業しました。
同時に快速が設定されました。
平日と休日で東京都内の停車駅が異なり、休日は〈マリンドリーム〉の名がありました。
停車駅:平日…八丁堀・新木場・舞浜・新浦安・検見川浜・稲毛海岸
休日…葛西臨海公園・舞浜・新浦安・検見川浜・稲毛海岸
今では若干信じがたいのですが、当時は海浜幕張は通過でした。
巻頭グラビアで京葉線が取り上げられていて、海浜幕張駅の空中撮影写真もあるのですが、これを見たらまだまだ開発途上で、駅付近はほとんど原っぱに近いので仕方ないですね。
〈マリンドリーム〉は新木場も通過。
武蔵野線からの直通も市川塩浜の停車以外はこれに準じています。
なお、東京駅の京葉線ホームは他の路線のホームからは相当遠く、徒歩で10分程度は掛かるのでご注意。
(動く歩道があります。)
特急〈さざなみ〉〈わかしお〉のルート変更はまだ先の話です。
休日運転の各臨時快速は、10月号の「乗り物風土記シリーズ39」で取り上げられています。
「マリン」なんてイメージキャラクター(高橋留美子デザイン)があったのですね。
◆ 上越新幹線275㎞/h運転開始 くりこま高原駅・ガーラ湯沢駅開業
3月改正で、長岡のみ停車の下り〈あさひ1・3号〉のみ、大清水トンネル内で275㎞/hを実施。
上野→新潟間は1時間36分と、3分短縮しています。
なお、現在は再び最高速度240㎞/hになり、ノンストップの〈MAXとき313号〉が、同じ1時間36分で運行されています。
同日、東北新幹線・古川~一ノ関間にくりこま高原駅が開業。
ガーラ湯沢駅は、越後湯沢駅から延びる保線用車両の線路を利用し、JRが開発したスキー場の近くまで新幹線を運行するという形態が話題になりました。
越後湯沢発着の〈あさひ〉〈とき〉の他、当初は区間運転の〈シャトル・ガーラ〉が設定されていました。
◆ 〈スーパービュー踊り子〉〈スーパーホワイトアロー〉「スペーシア」等デビュー 四国特急に振子式DC本格導入
〈スーパービュー踊り子〉(251系)はGW直前の4月28日より、185系を置き換える形でデビューしました。
(ダイヤは織り込み済み)
当初は新宿・池袋・東京~伊豆急下田間各1往復でした。
(池袋発着の53・52号は水曜運休)
7月号の「乗り物風土記シリーズ36」で取り上げられています。
〈スーパーホワイトアロー〉(785系)は9月のJR北海道ダイヤ改正でデビュー。
札幌~旭川間全列車が1時間20分運転。
(途中岩見沢・滝川・深川に停車)
札幌・旭川共8時台~20時台の00分発という、極めて解かりやすいダイヤでした。
北海道ではこの他、〈おおぞら〉の帯広系統が〈とかち〉として分離され、1→5往復に増発されています。
東武の「スペーシア」(100系)は6月1日のデビュー。
1720系「DRC」を置き換える形で、〈けごん〉〈きぬ〉合計7往復で運行を開始しました。
当時のJTB時刻表は、まだ私鉄の特急には暖かくなかったのか、黄色のページのニュースにお知らせがありませんでした。
(8月号の「乗り物風土記シリーズ37」で取り上げられています。)
時刻表とは直接関係ありませんが、JR北海道785系・東武100系は共にVVVF制御。
いよいよVVVF制御が特急車両にも導入されるようになってきました。
JR四国の振子特急DC2000系は、前年1989年に試作車両がデビューしましたが、〈南風〉〈しまんと〉各1往復が臨時列車扱いで運行されてきました。
11月改正より定期列車にも投入され、土佐くろしお鉄道中村線にも乗り入れています。
また、土佐くろしお鉄道も共通設計で導入されました。
◆ 〈あかつき〉〈なは〉にレガートシート車連結
急速に路線が増えつつあった夜行高速バスへの対抗のため、ブルートレインに連結された座席車。
3月改正より連結されました。
上は「なは」。(新大阪~熊本間・サロ481改造)
下は「あかつき」。(京都~長崎間・オハ14改造)
どちらも1-1-1配置の3列シートで、夜行高速バスと同タイプの大型リクライニングシートになっていました。
この他、〈あさかぜ3・2号〉〈瀬戸〉にA寝台個室「シングルデラックス」とラウンジカーを連結。
◆ 特定地方交通線転換完了 北近畿タンゴ鉄道に特急〈タンゴエクスプローラー〉デビュー
3月31日限りで宮津線・鍛冶屋線・大社線が廃止。
宮津線は翌4月1日より第三セクター鉄道「北近畿タンゴ鉄道」に転換され、宮福線と一体で運営される事になりました。
同時に〈タンゴエクスプローラー〉が京都~西舞鶴~久美浜間で運行を開始。
〈タンゴエクスプローラー〉は、第3セクター鉄道初のオリジナル特急車です。
なお、この時点では〈あさしお3・12号〉は北近畿タンゴ鉄道経由で残っています。
鍛冶屋線・大社線はバスに転換。
これにより、1983年10月の白糠線から始まった特定地方交通線全路線の転換が終了。
1・2・3次合計で83路線・3,150㎞の鉄路が国鉄・JRから離れていきました。
◆ 山形新幹線工事でスイッチバック廃止 〈あけぼの〉〈津軽〉迂回運転開始
9月1日に実施され、有名な4連続スイッチバック(赤岩・板谷・峠・大沢)が一気に廃止になりました。
寝台特急〈あけぼの〉は、1往復は上越・羽越経由に変更して〈鳥海〉に改称、もう1往復は陸羽東線経由に変更。
急行〈津軽〉は583系に置き換えた上で、仙山線経由に変更。
なお、この年の暮れの臨時急行〈あきた〉〈おが〉〈津軽80~83号〉〈ざおう〉は、米沢経由で運行されていました。
◆ 豊肥本線 水害で一部区間長期不通
7月の集中豪雨のため、宮地~緒方間が翌年10月まで不通に。
急行〈火の山〉は熊本~宮地間と緒方~別府間に分断され、別府方は列車番号は変わらず、列車名のみ+10で走りました。
◆ 日本最長距離の高速バス〈はかた〉号運行開始
(西鉄の初代車両の内の1台、4505号車(三菱ふそうP-MS729S))
1990年10月12日の運行開始。
新宿高速バスターミナル~西鉄天神バスセンター間約1,160㎞を、当時は中央道・中国道経由で結んでいました。。
運行開始当初は西日本鉄道と京王帝都電鉄の共同運行で、それぞれ1往復づつ、計2往復でした。
超長距離のため、後部にサロン風のスペースが設けられた専用車両を使用していました。
下り 新宿17:00→ 8:10福岡(京王)・新宿19:45→10:55福岡(西鉄)
上り 福岡16:45→ 8:00新宿(西鉄)・福岡19:45→11:00新宿(京王)
運賃 片道15,000円
この他にも全国各地で夜行バス路線の新設が相次ぎました。
◆その他
○ 東北新幹線に2階建て車両連結
○ 東北本線(上野~宇都宮間) 「宇都宮線」と呼称
○ 山陰本線・予讃線・会津鉄道 一部区間電化
○ 小田急多摩線・京王相模原線・相鉄いずみ野線延伸
○ 「JTBパノラマ特急」運転
《表紙の写真・グラビア連載記事》
表紙は比較的ローカル線が多くなっています。
まだ国鉄時代の車両が大半ですが、そろそろ各地域のオリジナルカラーが目立ってきています。
1月号 高山本線(飛騨小坂駅)
キハ58系で、急行「のりくら」でしょうか。
●ステーションウォッチングシリーズ11 京都駅
●乗り物風土記シリーズ31 レトロバス リンガーベル
●駅弁細見33 越前かにめし(福井駅)
2月号 三江線(信木~所木)
雪景色の中を走るキハ40の単行で、魚を書いた「三江線」色(?)。
●ステーションウォッチングシリーズ12 岡山駅
●乗り物風土記シリーズ32 クリスタルエクスプレス トマムサホロ
●駅弁細見34 雪だるま弁当(新津駅)
3月号 ウォーターフロントと都心を直結する京葉線(新木場上空から)
上の十大トピックスでも取り上げた、京葉線の新木場駅。
京葉線は右にカーブを切って、曙運河を高架線で横切っていきます。
手前は夢の島の公園ですが、昔は悪名高きゴミ捨て場だった事を知る人も少なくなってきているでしょう。
丸囲みで、京葉線用の205系(正面がマイナーチェンジ)がインサートされています。
●ステーションウォッチングシリーズ13 上野駅
●乗り物風土記シリーズ33 大型観光潜水船 もぐりん
●駅弁細見35 手筒花火(豊橋駅)
4月号 伊東線 伊豆多賀駅
185系特急「踊り子」。
桜並木が見事です。
●ステーションウォッチングシリーズ14 高松駅
●乗り物風土記シリーズ34 六甲ライナー
●駅弁細見36 鞆の鯛寿司(福山駅)
5月号 花輪線(湯瀬~八幡平)
キハ28+58の2連ですが、白地+赤帯の「盛岡色」。
●ステーションウォッチングシリーズ15 大宮駅
●乗り物風土記シリーズ35 リニアモーターカー 地下鉄鶴見緑地線
●駅弁細見37 醤油めし(松山駅)
6月号 釧網本線(清里町~札弦)
キハ56+54のローカル列車。
上空は青空が広がっていますが、背後の斜里岳は雲に隠れてしまっています。
●ステーションウォッチングシリーズ16 三ノ宮駅
●駅弁細見38 茶めし(静岡駅)
「JTB時刻表フォトコンテスト」のため、「乗り物風土記シリーズ」はお休み。
7月号 羽越本線(小砂浜~上浜)
再び485系(国鉄色)の特急「白鳥」が登場、先頭のクハ485も1500番台。
●ステーションウォッチングシリーズ17 旭川駅
●乗り物風土記シリーズ36 最新のリゾート列車 スーパービュー踊り子 251系
●駅弁細見39 お鉢弁当(草津駅)
8月号 飯田線(田切~伊那福岡)
165系(東日本の新急行色)。
手前の川で子供たちが水泳をしています。
●ステーションウォッチングシリーズ18 松本駅
●乗り物風土記シリーズ37 東武のニューフェイス スペーシア
●駅弁細見40 あさり釜めし(熊本駅)
9月号 常磐線(天王台~取手)
415系が利根川を渡ります。
手前はコスモス畑。
●ステーションウォッチングシリーズ19 金沢駅
●乗り物風土記シリーズ38 眺望列車 ノスタルジックビュートレイン
●駅弁細見41 弥次・喜多道中記(郡山駅)
10月号 米坂線(羽前松岡~伊佐領)
キハ58系のローカル列車。
●ステーションウォッチングシリーズ20 米子駅
●乗り物風土記シリーズ39 休日のベイサイドライン 京葉線の快速列車
●駅弁細見40 黒豆こわい(多治見駅)
11月号 瀬戸大橋線(児島~坂出)
瀬戸大橋を渡る、EF65-1000牽引の「瀬戸」。
●ステーションウォッチングシリーズ21 長崎駅
●乗り物風土記シリーズ40 アプト式鉄道 大井川鉄道井川線
●駅弁細見43 笹まき鱒寿し(新白河駅)
12月号 飯山線(西大滝~信濃白鳥)
キハ58の2連ですが、飯山線色になっています。
●ステーションウォッチングシリーズ22 倉吉駅
●駅弁細見44 湖北のおはなし(米原駅)
「JTB時刻表フォトコンテスト」のため、「乗り物風土記シリーズ」はお休み。
《裏表紙の広告》
1月号 山一證券 「情報を科学」
2月号 キリンビール キリンラガービール
「ラ党の人々」というキャッチコピーがあり、富士山をバックに「若林」ファミリーが勢ぞろいするスタイルになっていました。
(もちろん皆大人。)
恐らくはホームドラマ的な展開を繰り広げる事で、ラガービールの販売促進につなげる意図があったのでしょう。
ところが、2月号発売(1月20日)直前の1月16日、「父・若林大作」役の勝新太郎が、ホノルルの空港でコカインを所持していた疑いで逮捕されてしまい、このキャンペーンはすぐに終わってしまいました。
3月号 山一證券 「情報を科学」
4月号 キリンビール キリンドラフト
従って、4月からは再びドラフトビールの宣伝に戻る事になります。
高嶋政宏を起用し、キャッチコピーは「ビール工場の生ビールを飲んだことがありますか。」
5月号 山一證券 「情報を科学」
6月号 キリンビール キリンドラフト
7月号 山一證券 スーパーゴールドけいぞく
山一證券では、この頃から田中美佐子をイメージキャラクターに起用します。
8月号 キリンビール キリンドラフト
9月号 山一證券 スーパーゴールドけいぞく
10月号 キリンビール キリン一番搾り<生>ビール
緒方拳を起用。「ああうれしい。」
11月号 山一證券 「迷える我ら…山一に聞く。」
12月号 キリンビール キリン一番搾り<生>ビール
《その他》
「私鉄時刻表」は、
1月号(15)…東武その1
2月号(16)…東武その2
3月号(17)…南海
4月号(18)…西武
5月号(19)…近鉄その1
6月号(20)…近鉄その2
7月号(21)…小田急
8月号(22)…関東周辺の私鉄
9月号(23)…南海
10月号(24)…阪急
11月号(25)…阪急・山陽
12月号(26)…東武
8月号の「関東周辺の私鉄」というのは、相鉄の他、横浜市営地下鉄や新京成・北総・江ノ電・東京モノレール等。
相鉄は大手といったって、所詮は神奈川県内しか走らない小規模な鉄道なので、他の会社も入れないとページ数が持たないのでしょう(?)。
個人的には11月号の山陽電鉄が歓迎でした。
距離が(相鉄よりも)長くて、阪急・阪神との直通もあり、特急の本数も多いのに、全駅・全列車の時刻を掲載した時刻表はこれまでどこにもなかったからです。
紀勢本線・阪和線は3月号から天王寺→新宮が先、新宮→天王寺が後と入れ替えられ、実態に合うようになりました。
《定価》
1~4月号 800円(本体 777円)
5~12月号 850円(本体 825円)
※時刻表以外のトピックス
◆ バブル経済崩壊
◆ 東西ドイツ再統一
◆ イラクがクウェートに侵攻
プロ野球日本シリーズ 西武(4-0)巨人 MVP:オレステス・デストラーデ
日本ダービー優勝馬 アイネスフウジン 鞍上:中野栄治
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)
№51 JTB時刻表大研究 1989年
昨日予告しました不定期連載「JTB時刻表大研究」では -「大」とは少々大げさとも思いましたが- 、JTB時刻表から見える、鉄道を中心とした交通業界のその年のトピックスや、時刻表そのものの表紙、そして、少なくとも鉄道ファンの間ではほとんど注目される事はないだろう、裏表紙の広告等について取り上げていく事にします。
「年間の十大トピックス」は、JRを中心とした鉄道を中心に、交通全般に渡ってJTB時刻表から垣間見えるトピックを、私の独断で10挙げていきます。
あくまでJTB時刻表の中だけで見るので、掲載されている時刻表そのものとか、あるいは巻頭のカラーグラフや、巻末の営業の案内などに現れる出来事だけになります。
なお、それらで出てくるものであれば、交通の種類は問いません。
(ですから「ANAマリンジャンボ就航」は取り上げますが、「地下鉄サリン事件」は取り上げない、という事になります。)
一部画像も交えますが、必ずしも当時のものではない事をお断りしておきます。
「JTB時刻表」は、1988年11月号より「交通公社の時刻表」から名前を変えましたが、ここでは翌1989年からスタートする事にします。
ちょうど20年前なので、現在色々な分野で当時を振り返る試みが行なわれています。
日本では昭和天皇の崩御で「昭和」が終わって「平成」がスタート、海外では東欧を中心とした社会主義体制の相次ぐ崩壊や、一方では中国の天安門事件など、国内外とも重大な事態が相次いだ年でした。
2年前に国鉄の民営化で発足したJR各社は、翌年の青函トンネルや瀬戸大橋の開通といった大イベントを乗り切り、そろそろ各社毎に、車両面を中心に独自の新しい試みが行なわれつつありました。
3月11日に統一ダイヤ改正を実施。
新幹線、在来線とも新型車両でスピードアップが図られます。
その後、7月には五月雨式に各地で改正が行われました。
《1989年の十大トピックス》
◆ 消費税導入・通行税廃止により各社運賃・料金を改定
4月1日に消費税が導入。当時は3%。
東京都区内~大阪市内間のJR線普通運賃は、8,100円→8,340円に値上げされました。
ただ、この時は悪い事ばかりでもなく、同時に10%の通行税が廃止されたため、グリーン料金や航空運賃等は逆に値下げになりました。
例えば、東京~新大阪間の新幹線のグリーン料金は5,400円→5,050円。
また、東京~福岡間の航空運賃は27,100円→25,350円。
なので、当時は「鉄道VS飛行機の競争激化」という事がよく言われたものです。
(今はもっと激しいですが。)
◆ 山陽新幹線〈グランドひかり〉で230㎞/h運転実施
3月改正でデビューしたJR西日本の100系編成で、2階建て車両が4両に増えています。
東京~博多間は最速5時間47分に短縮されました。
当初は2往復。
停車駅が名古屋・京都・新大阪・岡山・広島・小倉とは、今の〈のぞみ〉と比べてもかなり少ないです。
下り
ひかり11号 東京15:00→20:47博多 食堂車:Jダイナー
ひかり29号 東京16:00→20:52博多 (小郡(現新山口)停車) 食堂車:帝国ホテル
上り
ひかり2号 博多 8:45→14:32東京 食堂車:Jダイナー
ひかり4号 博多 9:45→15:32東京 食堂車:帝国ホテル
黄色のページのダイヤ改正のお知らせでは、100系新幹線は「『旅』の楽しさを楽しんでもらおうという、まさにジョイフル新幹線です。」と記されていました。
なお、当時は「グランドひかり」の愛称は時刻表上にはありませんでした。
ピンクのページの編成表から判別するのみ。
◆ 651系〈スーパーひたち〉デビュー 在来線初の130㎞/h運転実施
(12月27日に平駅(現いわき駅)で撮影)
JR東日本では初の新形式特急車両です。
当時の在来線では最高の130㎞/hを行い、最速の<スーパーひたち5号>は、上野→水戸間を1時間06分で結びました。
翌1990年に鉄道友の会のブルーリボン賞を受賞しています。
6月号の「乗り物風土記シリーズ24」で取り上げられています。
この時点では7往復の設定でした。
下り
1号 上野 8:00→10:40平(現いわき)
停車駅:松戸・取手・土浦・石岡・友部・水戸・勝田・大甕・常陸多賀・日立・高萩・大津港・植田・泉・湯本
3号 上野10:00→12:19平
停車駅:水戸・勝田・大甕・日立・磯原・勿来・泉・湯本
5号 上野12:00→14:12平
停車駅:水戸・勝田・日立・勿来・泉・湯本
7号 上野15:00→17:16平
停車駅:水戸・常陸多賀・日立・高萩・泉・湯本
9号 上野18:00→20:17平
停車駅:水戸・勝田・常陸多賀・日立・植田・泉・湯本
11号 上野19:00→22:34相馬
停車駅:水戸・常陸多賀・日立・高萩・泉・湯本・平・四ッ倉・広野・富岡・大野・双葉・浪江・小高・原ノ町
13号 上野22:00→23:38日立
停車駅:土浦・水戸・東海・大甕・常陸多賀
上り
2号 相馬 5:20→ 9:22上野
停車駅:原ノ町・小高・浪江・双葉・大野・富岡・広野・四ッ倉・平・湯本・泉・日立・常陸多賀・水戸
4号 平 8:49→11:12上野
停車駅:湯本・泉・大津港・日立・常陸多賀・大甕・勝田・水戸・土浦
6号 平11:57→14:09上野
停車駅:湯本・泉・植田・日立・水戸
8号 平13:51→16:09上野
停車駅:湯本・泉・勿来・磯原・日立・勝田・水戸
10号 平15:47→18:17上野
停車駅:湯本・泉・勿来・大津港・高萩・日立・常陸多賀・東海・勝田・水戸
12号 平18:25→20:44上野
停車駅:湯本・泉・高萩・日立・大甕・水戸
14号 勝田21:23→22:53上野
停車駅:水戸・友部・石岡・土浦・我孫子・北千住
この他、この年の10月1日~11月26日の間の日曜日、<スーパーひたちバーディー号>が新宿→勝田間(下りのみ)に設定されています。
ネーミングからして、ゴルフ客を狙ったのでしょう。停車駅も変則的です。
新宿 6:20→8:28勝田
停車駅:池袋・松戸・取手・友部・水戸
◆ 〈スーパーくろしお〉〈くろしお〉が新大阪・京都へ延長乗り入れ
7月22日より、天王寺駅の短絡線の完成(当時は単線)により、合計7往復が大阪環状線から東海道本線に乗り入れる事になりました。
京都発 スーパーくろしお7号・31号
新大阪発 スーパーくろしお11号 くろしお15号・21号・23号・25号
京都行 スーパーくろしお18号・28号
新大阪行 スーパーくろしお2号 くろしお6号・8号・12号・14号
なお、この時から号数のつけ方が逆になり、上りの大阪→紀伊方面が奇数、下りの紀伊方面→大阪が偶数になりました。
以前のつけ方は、亀山→和歌山市を下りとする紀勢本線の方向に合わせたものでしたが、関西の人からすると違和感があっただろうから(特に新宮電化後)、実態に合わせたやり方になったといえます。
ただし、時刻表は、この時点ではまだ新宮→天王寺を先に、天王寺→新宮はその後に掲載していました。
◆ 〈ひだ〉に85系「ワイドビュー」導入
(2月24日に名古屋駅で撮影)
JR東海初の新形式特急車両は新幹線でも電車でもなく、DCでした。
2月18日に先行して〈ひだ3・6号〉の1往復に投入され、キハ80系を置き換えました。
3月改正より名古屋~高山間は2間34分で運転、在来の最速列車より11分短縮しています。
下り
ひだ3号 名古屋10:49→13:23高山
上り
ひだ6号 高山14:30→17:04名古屋
停車駅:共に岐阜・美濃太田・下呂
この当時はまだ「ワイドビュー」の愛称はなく、時刻表上には「新型車両で運転」とだけ記されていました。
◆ わたらせ渓谷鉄道・高千穂鉄道・北海道ちほく高原鉄道・平成筑豊鉄道・くま川鉄道開業
特定地方交通線の第3セクター鉄道・バスへの転換が大詰めを迎えようとしていました。
この年、新たに第3セクター鉄道5社が開業。
3月28日 足尾線 44.1㎞ → わたらせ渓谷鉄道
4月28日 高千穂線 50.1㎞ → 高千穂鉄道
6月4日 池北線 140.0㎞ → 北海道ちほく高原鉄道
10月1日 伊田線 16.2㎞
糸田線 6.1㎞
田川線 26.3㎞ → 平成筑豊鉄道
湯前線 24.9㎞ → くま川鉄道
北海道ちほく高原鉄道は転換時はJRのダイヤをほぼ踏襲。
8月6日に本格的なダイヤ改正を行い、快速〈銀河〉を設定しています。
また、樽見鉄道は3月25日に神海~樽見間10.9㎞が開通し、計画区間が全線開業しました。
宮福鉄道は翌年の宮津線転換に備え、北近畿タンゴ鉄道に改称。
この他、4月29日限りで北海道の標津線116.9㎞、翌30日限りで名寄本線143.0㎞及び天北線151.6㎞がバスに転換。
この結果、この1年間で、合計719.2㎞もの鉄路がJRから離れていきました。
うち北海道は551.5㎞に上ります。
◆ 横浜新都市交通開業 京阪鴨東線・名古屋市営桜通線開通
京阪では直前に三条~七条間が地下線になりました。
特急車で8000系がデビューしています。
横浜新都市交通「シーサイドライン」は、10月号の「乗り物風土記シリーズ28」で取り上げられています。
この他営団地下鉄半蔵門線、都営地下鉄新宿線の延伸も行われました。
◆ JR・名鉄・市営地下鉄のターミナル金山総合駅開業
中央本線の金山・名鉄の金山橋(当時)各駅を市営地下鉄名城線・金山駅付近に移転させ、同時に東海道本線にも駅を新設して一体化したものです。
JRの東海道本線および中央本線の島式ホームが、名鉄のホーム2面を挟むユニークな構造になっています。
この駅は「名古屋デザイン博」の最寄り駅にもなり、会期中は特急〈ひだ〉〈しらさぎ〉・急行〈のりくら〉の金山延伸が行われました。
なお、名鉄の神宮前~金山間の複々線化は翌年。
◆ 釧網本線に〈くしろ湿原ノロッコ号〉運転
(翌年10月の撮影です)
現在も車両をリニューアルし、区間を延長して運行されていますが、当時はDE10+スハフ42+トラ70000+ヨ3500の編成で、釧路~塘路間を運行していました。
後に全国各地で運行される「トロッコ列車」の先駆けになりました。
◆ 西武が秩父鉄道への直通運転を開始
西武秩父駅のすぐ脇を秩父鉄道の路線が走っていたので、連絡線を設けて直通運転が行なえるようにしたものです。
三峰口行と長瀞方面(野上)行を併結・横瀬で分割・併合をしていました。
当時は平日は普通・休日は急行1往復でした。
これに合わせて、2ドアクロスシートの4000系が製作されています。
平日 〔普通〕
飯能17:30→18:52野上・18:50三峰口 三峰口 6:38・野上 6:33→ 7:52飯能
休日 〔急行〕
池袋 7:54→10:04野上・10:02三峰口 三峰口15:04・野上14:59→17:05飯能
◆ その他
○ 大阪~札幌間〈トワイライトエクスプレス〉運行開始
○ 四国に振子DC特急デビュー
○ 〈ゆふいんの森〉運行開始
○ 〈はやぶさ〉〈富士〉にB寝台「ソロ」連結
○ 片町線全線電化
○ 「JTBパノラマ特急」運転
《表紙の写真・グラビア連載記事》
今とは違って、基本的には撮影区間のみを記した、小さくてシンプルな見出し。
その代わり、シンプルで美しい鉄道の風景写真が印象的です。
1月号 オリエント急行 東海道本線(新橋~浜松町)
前年(1988年)に日本で運行されて話題になったもので、EF65 1105牽引の同列車が、京浜東北線の103系と併走しています。
●列車見ごろ旅ごろ・日本100選シリーズ21 公共の宿でスキー三昧
●乗り物風土記シリーズ20 銚子電気鉄道
●駅弁細見21 尾張の四季(名古屋駅)
2月号 信越本線(古間~黒姫)
189系「あさま」。もちろん国鉄特急色のまま。
●列車見ごろ旅ごろ・日本100選シリーズ22 洋風建築 開化の足音を聞く。
●乗り物風土記シリーズ21 津軽鉄道
●駅弁細見22 富山ますのすし(富山駅)
3月号 常磐線(神立~高浜)
651系「スーパーひたち」。
●〈新連載〉ステーションウォッチングシリーズ1 東京駅
●乗り物風土記シリーズ22 小田急ロマンスカー
●駅弁細見23 梅香かにずし(水戸駅)
4月号 函館本線(倶知安~小沢)
キハ40等3連のローカル列車で、背後に羊蹄山。
●ステーションウォッチングシリーズ2 大阪駅
●乗り物風土記シリーズ23 はとバス 東京ヘリコプター遊覧
●駅弁細見24 竹取物語(新富士駅)
5月号 鹿児島本線(肥後二見~上田浦)
783系「有明」。
同区間は現在肥薩おれんじ鉄道。
●ステーションウォッチングシリーズ3 名古屋駅
●駅弁細見25 三陸あわびの釜めし(一ノ関駅)
※JTB時刻表フォトコンテスト発表のため、「乗り物風土記シリーズ」はお休み。
6月号 奥羽本線(八郎潟~鯉川)
485系の特急を、遠くから八郎潟を交えて俯瞰して撮影しています。
なので列車名は不明。
●ステーションウォッチングシリーズ4 博多駅
●乗り物風土記シリーズ24 スーパーひたち
●駅弁細見26 妙高の笹寿司(妙高高原駅)
7月号 高山本線(焼石~下呂)を走る「リゾートライナー」
「リゾートライナー」とは、JR東海がキハ80系を改造して製作した「ジョイフルトレイン」です。
●ステーションウォッチングシリーズ5 横浜駅
●乗り物風土記シリーズ25 YES’89 横浜博覧会 乗り物大図鑑
●駅弁細見27 あなごめし(宮島口駅)
8月号 山陽本線(松永~尾道)
115系(クリーム+青帯)のローカル列車を、尾道大橋を交えて俯瞰撮影。
(東尾道駅はまだありませんでした。)
●ステーションウォッチングシリーズ6 仙台駅
●乗り物風土記シリーズ26 佐渡航路 ジェットフォイル
●駅弁細見28 京風料理小文字(小倉駅)
9月号 山口線(船平山~津和野)
キハ181系「おき」。
●ステーションウォッチングシリーズ7 新潟駅
●乗り物風土記シリーズ27 立山黒部アルペンルート
●駅弁細見29 やまべ鮭寿し(札幌駅)
10月号 只見線(会津宮下~早戸)
キハ58+キハ48のローカル列車が、只見川を渡っています。
●ステーションウォッチングシリーズ8 札幌駅
●乗り物風土記シリーズ28 新交通システム シーサイドライン横浜
●駅弁細見30 藤村の一禅めし(小諸駅)
11月号 羽越本線(本楯~南鳥海)
485系(国鉄色)「白鳥」。バックは鳥海山。
先頭のクハ485は1500番台です。
●ステーションウォッチングシリーズ9 盛岡駅
●乗り物風土記シリーズ29 カートレイン
●駅弁細見31 大和しじみのもぐり寿し(松江駅)
12月号 山陰本線(東萩~萩)
キハ28系(国鉄色)のローカル列車。
●ステーションウォッチングシリーズ10 広島駅
●乗り物風土記シリーズ30 ブルートレイン トワイライトエクスプレス
●駅弁細見32 ふくめし(下関駅)
グラビアではこの他、祭り・行事・イベントのカレンダーが掲載されますが、年の半ばは地方博ばかり。
3月・7月…横浜博覧会 4月…アジア太平洋博覧会 5月…姫路シロトピア博 8月…海と島の博覧会・ひろしま 9月…世界デザイン博覧会 10月…グリーンフェア仙台 11月…甲府博覧会
《裏表紙の広告》
当時のJTB時刻表では、山一證券とキリンビールが隔月で広告を掲出していました。
山一證券は自主廃業する直前まで、広告を掲載し続けていました。
なお、「」内は商品名ではなく、イメージコピー。
1月号 山一證券 「GO2」
2月号 キリンビール キリンドライ
3月号 山一證券 「GO2」
4月号 キリンビール キリンファインドラフト
5月号 山一證券 ロンドン・シティ・バレー日本公演
6月号 キリンビール キリンモルトドライ
「フット・ルース」「デンジャー・ゾーン」などで有名なアメリカのミュージシャン、ケニー・ロギンスを起用。
7月号 山一證券 「通いあうエネルギー」
8月号 キリンビール キリンファインドラフト
9月号 山一證券 「通いあうエネルギー」
10月号 キリンビール キリンドライ&モルトドライ
11月号 山一證券 「通いあうエネルギー」
12月号 キリンビール キリンドライ
《その他》
「JTB時刻表」スタートの1988年11月号より、付録として「私鉄時刻表」がブルーのページで連載されていました。
主に大手私鉄の時刻表を掲載しています。
この経験が、後の「JTB私鉄時刻表」の刊行につながって行くのでしょう。
1月号(3)…東武
2月号(4)…京阪
3月号(5)…名鉄
4月号(6)…近鉄
5月号(7)…西武
6月号(8)…阪急
7月号(9)…京急
8月号(10)…阪神・西鉄
9月号(11)…京成
10月号(12)…名鉄
11月号(13)…相鉄・新京成など
12月号(14)…京阪
なお、1988年11月号(1)…小田急、12月号(2)…京王・南海は黄色のページの前に掲載されていましたが、(3)東武より、後方の航空ダイヤと営業案内のページの間に移動しています。
黄色のページの「たいむ・たいむてぇぶる」で連載されていた、壇上完爾氏の「おか目はち目旅の空」が、4月号を持って終了しました。
《定価》
1~4月号 780円
5~12月号 880円(本体 777円)
※時刻表関係以外のトピックス
◆ リクルート事件発覚
◆ 横浜ベイブリッジ開通
◆ 「ベルリンの壁」崩壊
プロ野球日本シリーズ 巨人(4-3)近鉄 MVP:駒田徳弘
日本ダービー優勝馬 ウィナーズサークル 鞍上:郷原洋行
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)
「年間の十大トピックス」は、JRを中心とした鉄道を中心に、交通全般に渡ってJTB時刻表から垣間見えるトピックを、私の独断で10挙げていきます。
あくまでJTB時刻表の中だけで見るので、掲載されている時刻表そのものとか、あるいは巻頭のカラーグラフや、巻末の営業の案内などに現れる出来事だけになります。
なお、それらで出てくるものであれば、交通の種類は問いません。
(ですから「ANAマリンジャンボ就航」は取り上げますが、「地下鉄サリン事件」は取り上げない、という事になります。)
一部画像も交えますが、必ずしも当時のものではない事をお断りしておきます。
「JTB時刻表」は、1988年11月号より「交通公社の時刻表」から名前を変えましたが、ここでは翌1989年からスタートする事にします。
ちょうど20年前なので、現在色々な分野で当時を振り返る試みが行なわれています。
日本では昭和天皇の崩御で「昭和」が終わって「平成」がスタート、海外では東欧を中心とした社会主義体制の相次ぐ崩壊や、一方では中国の天安門事件など、国内外とも重大な事態が相次いだ年でした。
2年前に国鉄の民営化で発足したJR各社は、翌年の青函トンネルや瀬戸大橋の開通といった大イベントを乗り切り、そろそろ各社毎に、車両面を中心に独自の新しい試みが行なわれつつありました。
3月11日に統一ダイヤ改正を実施。
新幹線、在来線とも新型車両でスピードアップが図られます。
その後、7月には五月雨式に各地で改正が行われました。
《1989年の十大トピックス》
◆ 消費税導入・通行税廃止により各社運賃・料金を改定
4月1日に消費税が導入。当時は3%。
東京都区内~大阪市内間のJR線普通運賃は、8,100円→8,340円に値上げされました。
ただ、この時は悪い事ばかりでもなく、同時に10%の通行税が廃止されたため、グリーン料金や航空運賃等は逆に値下げになりました。
例えば、東京~新大阪間の新幹線のグリーン料金は5,400円→5,050円。
また、東京~福岡間の航空運賃は27,100円→25,350円。
なので、当時は「鉄道VS飛行機の競争激化」という事がよく言われたものです。
(今はもっと激しいですが。)
◆ 山陽新幹線〈グランドひかり〉で230㎞/h運転実施
3月改正でデビューしたJR西日本の100系編成で、2階建て車両が4両に増えています。
東京~博多間は最速5時間47分に短縮されました。
当初は2往復。
停車駅が名古屋・京都・新大阪・岡山・広島・小倉とは、今の〈のぞみ〉と比べてもかなり少ないです。
下り
ひかり11号 東京15:00→20:47博多 食堂車:Jダイナー
ひかり29号 東京16:00→20:52博多 (小郡(現新山口)停車) 食堂車:帝国ホテル
上り
ひかり2号 博多 8:45→14:32東京 食堂車:Jダイナー
ひかり4号 博多 9:45→15:32東京 食堂車:帝国ホテル
黄色のページのダイヤ改正のお知らせでは、100系新幹線は「『旅』の楽しさを楽しんでもらおうという、まさにジョイフル新幹線です。」と記されていました。
なお、当時は「グランドひかり」の愛称は時刻表上にはありませんでした。
ピンクのページの編成表から判別するのみ。
◆ 651系〈スーパーひたち〉デビュー 在来線初の130㎞/h運転実施
(12月27日に平駅(現いわき駅)で撮影)
JR東日本では初の新形式特急車両です。
当時の在来線では最高の130㎞/hを行い、最速の<スーパーひたち5号>は、上野→水戸間を1時間06分で結びました。
翌1990年に鉄道友の会のブルーリボン賞を受賞しています。
6月号の「乗り物風土記シリーズ24」で取り上げられています。
この時点では7往復の設定でした。
下り
1号 上野 8:00→10:40平(現いわき)
停車駅:松戸・取手・土浦・石岡・友部・水戸・勝田・大甕・常陸多賀・日立・高萩・大津港・植田・泉・湯本
3号 上野10:00→12:19平
停車駅:水戸・勝田・大甕・日立・磯原・勿来・泉・湯本
5号 上野12:00→14:12平
停車駅:水戸・勝田・日立・勿来・泉・湯本
7号 上野15:00→17:16平
停車駅:水戸・常陸多賀・日立・高萩・泉・湯本
9号 上野18:00→20:17平
停車駅:水戸・勝田・常陸多賀・日立・植田・泉・湯本
11号 上野19:00→22:34相馬
停車駅:水戸・常陸多賀・日立・高萩・泉・湯本・平・四ッ倉・広野・富岡・大野・双葉・浪江・小高・原ノ町
13号 上野22:00→23:38日立
停車駅:土浦・水戸・東海・大甕・常陸多賀
上り
2号 相馬 5:20→ 9:22上野
停車駅:原ノ町・小高・浪江・双葉・大野・富岡・広野・四ッ倉・平・湯本・泉・日立・常陸多賀・水戸
4号 平 8:49→11:12上野
停車駅:湯本・泉・大津港・日立・常陸多賀・大甕・勝田・水戸・土浦
6号 平11:57→14:09上野
停車駅:湯本・泉・植田・日立・水戸
8号 平13:51→16:09上野
停車駅:湯本・泉・勿来・磯原・日立・勝田・水戸
10号 平15:47→18:17上野
停車駅:湯本・泉・勿来・大津港・高萩・日立・常陸多賀・東海・勝田・水戸
12号 平18:25→20:44上野
停車駅:湯本・泉・高萩・日立・大甕・水戸
14号 勝田21:23→22:53上野
停車駅:水戸・友部・石岡・土浦・我孫子・北千住
この他、この年の10月1日~11月26日の間の日曜日、<スーパーひたちバーディー号>が新宿→勝田間(下りのみ)に設定されています。
ネーミングからして、ゴルフ客を狙ったのでしょう。停車駅も変則的です。
新宿 6:20→8:28勝田
停車駅:池袋・松戸・取手・友部・水戸
◆ 〈スーパーくろしお〉〈くろしお〉が新大阪・京都へ延長乗り入れ
7月22日より、天王寺駅の短絡線の完成(当時は単線)により、合計7往復が大阪環状線から東海道本線に乗り入れる事になりました。
京都発 スーパーくろしお7号・31号
新大阪発 スーパーくろしお11号 くろしお15号・21号・23号・25号
京都行 スーパーくろしお18号・28号
新大阪行 スーパーくろしお2号 くろしお6号・8号・12号・14号
なお、この時から号数のつけ方が逆になり、上りの大阪→紀伊方面が奇数、下りの紀伊方面→大阪が偶数になりました。
以前のつけ方は、亀山→和歌山市を下りとする紀勢本線の方向に合わせたものでしたが、関西の人からすると違和感があっただろうから(特に新宮電化後)、実態に合わせたやり方になったといえます。
ただし、時刻表は、この時点ではまだ新宮→天王寺を先に、天王寺→新宮はその後に掲載していました。
◆ 〈ひだ〉に85系「ワイドビュー」導入
(2月24日に名古屋駅で撮影)
JR東海初の新形式特急車両は新幹線でも電車でもなく、DCでした。
2月18日に先行して〈ひだ3・6号〉の1往復に投入され、キハ80系を置き換えました。
3月改正より名古屋~高山間は2間34分で運転、在来の最速列車より11分短縮しています。
下り
ひだ3号 名古屋10:49→13:23高山
上り
ひだ6号 高山14:30→17:04名古屋
停車駅:共に岐阜・美濃太田・下呂
この当時はまだ「ワイドビュー」の愛称はなく、時刻表上には「新型車両で運転」とだけ記されていました。
◆ わたらせ渓谷鉄道・高千穂鉄道・北海道ちほく高原鉄道・平成筑豊鉄道・くま川鉄道開業
特定地方交通線の第3セクター鉄道・バスへの転換が大詰めを迎えようとしていました。
この年、新たに第3セクター鉄道5社が開業。
3月28日 足尾線 44.1㎞ → わたらせ渓谷鉄道
4月28日 高千穂線 50.1㎞ → 高千穂鉄道
6月4日 池北線 140.0㎞ → 北海道ちほく高原鉄道
10月1日 伊田線 16.2㎞
糸田線 6.1㎞
田川線 26.3㎞ → 平成筑豊鉄道
湯前線 24.9㎞ → くま川鉄道
北海道ちほく高原鉄道は転換時はJRのダイヤをほぼ踏襲。
8月6日に本格的なダイヤ改正を行い、快速〈銀河〉を設定しています。
また、樽見鉄道は3月25日に神海~樽見間10.9㎞が開通し、計画区間が全線開業しました。
宮福鉄道は翌年の宮津線転換に備え、北近畿タンゴ鉄道に改称。
この他、4月29日限りで北海道の標津線116.9㎞、翌30日限りで名寄本線143.0㎞及び天北線151.6㎞がバスに転換。
この結果、この1年間で、合計719.2㎞もの鉄路がJRから離れていきました。
うち北海道は551.5㎞に上ります。
◆ 横浜新都市交通開業 京阪鴨東線・名古屋市営桜通線開通
京阪では直前に三条~七条間が地下線になりました。
特急車で8000系がデビューしています。
横浜新都市交通「シーサイドライン」は、10月号の「乗り物風土記シリーズ28」で取り上げられています。
この他営団地下鉄半蔵門線、都営地下鉄新宿線の延伸も行われました。
◆ JR・名鉄・市営地下鉄のターミナル金山総合駅開業
中央本線の金山・名鉄の金山橋(当時)各駅を市営地下鉄名城線・金山駅付近に移転させ、同時に東海道本線にも駅を新設して一体化したものです。
JRの東海道本線および中央本線の島式ホームが、名鉄のホーム2面を挟むユニークな構造になっています。
この駅は「名古屋デザイン博」の最寄り駅にもなり、会期中は特急〈ひだ〉〈しらさぎ〉・急行〈のりくら〉の金山延伸が行われました。
なお、名鉄の神宮前~金山間の複々線化は翌年。
◆ 釧網本線に〈くしろ湿原ノロッコ号〉運転
(翌年10月の撮影です)
現在も車両をリニューアルし、区間を延長して運行されていますが、当時はDE10+スハフ42+トラ70000+ヨ3500の編成で、釧路~塘路間を運行していました。
後に全国各地で運行される「トロッコ列車」の先駆けになりました。
◆ 西武が秩父鉄道への直通運転を開始
西武秩父駅のすぐ脇を秩父鉄道の路線が走っていたので、連絡線を設けて直通運転が行なえるようにしたものです。
三峰口行と長瀞方面(野上)行を併結・横瀬で分割・併合をしていました。
当時は平日は普通・休日は急行1往復でした。
これに合わせて、2ドアクロスシートの4000系が製作されています。
平日 〔普通〕
飯能17:30→18:52野上・18:50三峰口 三峰口 6:38・野上 6:33→ 7:52飯能
休日 〔急行〕
池袋 7:54→10:04野上・10:02三峰口 三峰口15:04・野上14:59→17:05飯能
◆ その他
○ 大阪~札幌間〈トワイライトエクスプレス〉運行開始
○ 四国に振子DC特急デビュー
○ 〈ゆふいんの森〉運行開始
○ 〈はやぶさ〉〈富士〉にB寝台「ソロ」連結
○ 片町線全線電化
○ 「JTBパノラマ特急」運転
《表紙の写真・グラビア連載記事》
今とは違って、基本的には撮影区間のみを記した、小さくてシンプルな見出し。
その代わり、シンプルで美しい鉄道の風景写真が印象的です。
1月号 オリエント急行 東海道本線(新橋~浜松町)
前年(1988年)に日本で運行されて話題になったもので、EF65 1105牽引の同列車が、京浜東北線の103系と併走しています。
●列車見ごろ旅ごろ・日本100選シリーズ21 公共の宿でスキー三昧
●乗り物風土記シリーズ20 銚子電気鉄道
●駅弁細見21 尾張の四季(名古屋駅)
2月号 信越本線(古間~黒姫)
189系「あさま」。もちろん国鉄特急色のまま。
●列車見ごろ旅ごろ・日本100選シリーズ22 洋風建築 開化の足音を聞く。
●乗り物風土記シリーズ21 津軽鉄道
●駅弁細見22 富山ますのすし(富山駅)
3月号 常磐線(神立~高浜)
651系「スーパーひたち」。
●〈新連載〉ステーションウォッチングシリーズ1 東京駅
●乗り物風土記シリーズ22 小田急ロマンスカー
●駅弁細見23 梅香かにずし(水戸駅)
4月号 函館本線(倶知安~小沢)
キハ40等3連のローカル列車で、背後に羊蹄山。
●ステーションウォッチングシリーズ2 大阪駅
●乗り物風土記シリーズ23 はとバス 東京ヘリコプター遊覧
●駅弁細見24 竹取物語(新富士駅)
5月号 鹿児島本線(肥後二見~上田浦)
783系「有明」。
同区間は現在肥薩おれんじ鉄道。
●ステーションウォッチングシリーズ3 名古屋駅
●駅弁細見25 三陸あわびの釜めし(一ノ関駅)
※JTB時刻表フォトコンテスト発表のため、「乗り物風土記シリーズ」はお休み。
6月号 奥羽本線(八郎潟~鯉川)
485系の特急を、遠くから八郎潟を交えて俯瞰して撮影しています。
なので列車名は不明。
●ステーションウォッチングシリーズ4 博多駅
●乗り物風土記シリーズ24 スーパーひたち
●駅弁細見26 妙高の笹寿司(妙高高原駅)
7月号 高山本線(焼石~下呂)を走る「リゾートライナー」
「リゾートライナー」とは、JR東海がキハ80系を改造して製作した「ジョイフルトレイン」です。
●ステーションウォッチングシリーズ5 横浜駅
●乗り物風土記シリーズ25 YES’89 横浜博覧会 乗り物大図鑑
●駅弁細見27 あなごめし(宮島口駅)
8月号 山陽本線(松永~尾道)
115系(クリーム+青帯)のローカル列車を、尾道大橋を交えて俯瞰撮影。
(東尾道駅はまだありませんでした。)
●ステーションウォッチングシリーズ6 仙台駅
●乗り物風土記シリーズ26 佐渡航路 ジェットフォイル
●駅弁細見28 京風料理小文字(小倉駅)
9月号 山口線(船平山~津和野)
キハ181系「おき」。
●ステーションウォッチングシリーズ7 新潟駅
●乗り物風土記シリーズ27 立山黒部アルペンルート
●駅弁細見29 やまべ鮭寿し(札幌駅)
10月号 只見線(会津宮下~早戸)
キハ58+キハ48のローカル列車が、只見川を渡っています。
●ステーションウォッチングシリーズ8 札幌駅
●乗り物風土記シリーズ28 新交通システム シーサイドライン横浜
●駅弁細見30 藤村の一禅めし(小諸駅)
11月号 羽越本線(本楯~南鳥海)
485系(国鉄色)「白鳥」。バックは鳥海山。
先頭のクハ485は1500番台です。
●ステーションウォッチングシリーズ9 盛岡駅
●乗り物風土記シリーズ29 カートレイン
●駅弁細見31 大和しじみのもぐり寿し(松江駅)
12月号 山陰本線(東萩~萩)
キハ28系(国鉄色)のローカル列車。
●ステーションウォッチングシリーズ10 広島駅
●乗り物風土記シリーズ30 ブルートレイン トワイライトエクスプレス
●駅弁細見32 ふくめし(下関駅)
グラビアではこの他、祭り・行事・イベントのカレンダーが掲載されますが、年の半ばは地方博ばかり。
3月・7月…横浜博覧会 4月…アジア太平洋博覧会 5月…姫路シロトピア博 8月…海と島の博覧会・ひろしま 9月…世界デザイン博覧会 10月…グリーンフェア仙台 11月…甲府博覧会
《裏表紙の広告》
当時のJTB時刻表では、山一證券とキリンビールが隔月で広告を掲出していました。
山一證券は自主廃業する直前まで、広告を掲載し続けていました。
なお、「」内は商品名ではなく、イメージコピー。
1月号 山一證券 「GO2」
2月号 キリンビール キリンドライ
3月号 山一證券 「GO2」
4月号 キリンビール キリンファインドラフト
5月号 山一證券 ロンドン・シティ・バレー日本公演
6月号 キリンビール キリンモルトドライ
「フット・ルース」「デンジャー・ゾーン」などで有名なアメリカのミュージシャン、ケニー・ロギンスを起用。
7月号 山一證券 「通いあうエネルギー」
8月号 キリンビール キリンファインドラフト
9月号 山一證券 「通いあうエネルギー」
10月号 キリンビール キリンドライ&モルトドライ
11月号 山一證券 「通いあうエネルギー」
12月号 キリンビール キリンドライ
《その他》
「JTB時刻表」スタートの1988年11月号より、付録として「私鉄時刻表」がブルーのページで連載されていました。
主に大手私鉄の時刻表を掲載しています。
この経験が、後の「JTB私鉄時刻表」の刊行につながって行くのでしょう。
1月号(3)…東武
2月号(4)…京阪
3月号(5)…名鉄
4月号(6)…近鉄
5月号(7)…西武
6月号(8)…阪急
7月号(9)…京急
8月号(10)…阪神・西鉄
9月号(11)…京成
10月号(12)…名鉄
11月号(13)…相鉄・新京成など
12月号(14)…京阪
なお、1988年11月号(1)…小田急、12月号(2)…京王・南海は黄色のページの前に掲載されていましたが、(3)東武より、後方の航空ダイヤと営業案内のページの間に移動しています。
黄色のページの「たいむ・たいむてぇぶる」で連載されていた、壇上完爾氏の「おか目はち目旅の空」が、4月号を持って終了しました。
《定価》
1~4月号 780円
5~12月号 880円(本体 777円)
※時刻表関係以外のトピックス
◆ リクルート事件発覚
◆ 横浜ベイブリッジ開通
◆ 「ベルリンの壁」崩壊
プロ野球日本シリーズ 巨人(4-3)近鉄 MVP:駒田徳弘
日本ダービー優勝馬 ウィナーズサークル 鞍上:郷原洋行
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また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)