№31 伊賀鉄道 旧塗装復元車を訪ねて 2

 昨日の続きです。
 翌9月10日(木曜日)、大阪の朝は快晴。
 大阪市内で市営バスを撮影した後、再び伊賀鉄道を目指すべく、難波から特急に乗り、名張で急行に乗り換えます。
 しかし…。
 伊賀神戸が近づくと、またも雲が広がってきました。
 昨日よりはましだと思いましたが…。
 大阪も晴れ、名古屋も晴れと聞いていたのですが、この地方の天気はこういう傾向なのかも知れません。
 伊賀神戸駅でまた一日フリー乗車券を買って、接続の1072列車(863F・伊賀上野直通)に乗車。
 
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 沿線はどこも、昔ながらの農村地帯の風景が色濃く残っています。
 グレーの屋根瓦が背後の森にマッチしています。
 忍者でなくても、この車窓で充分売りになるのでは。
 ただ…。

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 昨日も見ていただいた「昭和レトロ電車」ですが、こういう色だと、背景に溶け込んでしまって、特に踏切では少し危ないかもしれない…。(曇り空で多少暗くなっている時は特に。)
 丸山で1073列車・866F「赤くノ一」と交換。
 昨日、この列車はこの後上野市~伊賀上野間の運用にずっと入るとわかっているので、とりあえず撮れそう。
 後は晴れを祈るのみ。
 という事で、猪田道で途中下車して待ちます。

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 この駅は近鉄時代にも降りた事があります。
 かなり前の話で、当時は駅員がいて、反対側のホームへは改札を入った後、構内の踏切を横断していました。
 今は駅員もいないし、構内の踏切も撤去され、反対側のホームは、入口が別になっています。
 とりあえず青空が広がってくれているので、ここで伊賀神戸行を待ちます。
 最初に来た1171列車は、不動産会社のラッピング・865F。
 正直撮る気が起きませんでした。
 やはりこういうローカル線に、ケバケバしたラッピング車は似合わないと思います。
 鉄道の経営の面からは仕方ない事なのでしょうが…。
 次の1173列車は、ラッシュ終了後一旦上野市に入庫し、再度出庫する列車です。
 これが「青くノ一」だと、今日は撮影できない事は、昨日見ていて解かっています。
 
 残念ながら、862F(昭和レトロ電車)でした。
 次の1271列車で…。

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 推測通り、「赤くノ一」が来てくれました。
 これもローカル線には派手すぎる、といえばそうなのですが…。
 後は「青くノ一」が来てくれれば嬉しかったのですが。

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 猪田道駅のホームの脇にはコスモス畑が広がっていました。
 駅前を行く三重交通バスは一日わずか4本(平日・土曜・休日共同じ)ですが、都合のいい事に、猪田道12時21分の治田西口行が通過するので、コスモス畑をバックに撮って見ました。
 この画像は、10月1日更新の本体の表紙でも使用する予定です。

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 上野市に着くと、案の定「青くノ一」(861F)が車庫の中に。
 運用パターンが昨日と同じなら、今日は運用されていないはずです。
 少なくとも、日中は運用がないでしょう。
 左がラッピングの865F。
 右の近鉄標準色の867Fは、昨日も同じ場所に留置されて、運用されていないようです。

 もうご存知のように、伊賀鉄道では今年末に東急1000系を導入し、860系を順次置き換えていく事になりました。
 そのための工事も、翌11日~10月2日にかけて順次行なわれ、代替輸送について書かれたチラシも配られています。
 しかし、特に代行バスというのではなく、伊賀上野~上野市(上野産業会館)は定期バス、上野市~伊賀神戸は鉄道を2時間間隔に間引いて運行、代行バスは運行しないという事でした。
 後者は多少変則的で、代行バスが走れる道路はあるのですが、見た感じでは、伊賀神戸駅の折返しのスペースがないのかもしれません。

 と言う事で、860系の置き換えが迫っていますから、これから撮影に行かれるという方も多いでしょう。
 そこで、参考までに、2日間で私が見た限りの、伊賀鉄道の日中の運用パターンを記してみます。
 (あくまで参考に留めてください。間違いなくこのパターンだ、とは解かりません。違っていても責任は取れません。また、伊賀鉄道㈱への問い合わせも絶対やめて下さい。)

 「近鉄時刻表」では全列車上野市乗り換えに見えますが、実際には一部の列車が伊賀神戸~伊賀上野間を直通で(上野市で列車番号を変えて)走ります。
 これは、伊賀鉄道の公式サイトで解かります。
 加えて
 1. 870列車(上野市8時45分着) → 一旦入庫 → 1073列車(上野市10時38分発)
 2. 972列車(上野市10時08分着) → 一旦入庫 → 1173列車(上野市11時35分発)
 3.1172列車(上野市12時10分着) → 入庫 → 少なくとも夕方までは運用されないようだ


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 「バス」のブログなのに鉄道だけではなんですから、上野市駅前で撮影した三重交通バスをご覧頂きます。
 これは伊賀市の「上野コミュニティバス・しらさぎ」。
 上野市のコミュニティで、車体にはまだ「上野」と書かれています。

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 名張~伊賀上野線に運用されていたブルーリボンⅡ・ワンステップ車。
 どちらも、他の車両と共に、10月1日の本体の更新時に追加して公開します。

 本当はもっと留まっていても良かったのでしょうが、今日中に帰宅するため、16時過ぎの電車に乗り、近鉄線を乗り継いで名古屋に向かう事にします。
 上野市からは名古屋へ行く高速バスがあるのだから、それに乗ればいいじゃないか、と思われる方も多いでしょうが、近鉄の「パールカード」と「Jスルーカード」を使い残していて、使用が完全に終了になるまでに使い切ってしまいたかったのです。
(「パールカード」「Jスルーカード」は3月2日以降、券売機で切符を購入する際のみ利用可能。)

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 伊勢中川からの名古屋行急行。
 5160Fは、ちょうど三重県営サンアリーナで開催中だった「世界新体操選手権」のラッピングが施されていました。

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 名古屋では、JRバスのターミナルを除いてみました。
 8・9番線は、現在は23時30分発の岡山・倉敷行「両備エクスプレス名古屋」号が出発するのみで、普段は人気が全くありませんが、かつては一般路線の瀬戸線が頻繁に出発していました。

 名古屋からは小田原停車の「ひかり528号」。
 8月3日に700系になったばかり。
 車内でみそカツ弁当をつついていると、飯田線の船町駅に、これも旧塗装復元(スカイブルー+白帯)の119系が停車しているのが見えました…。

 2日間に渡って伊賀鉄道の撮り歩きを書きました。
 しかし、「青くノ一」は結局撮れなかったし、加えて養老鉄道でも「ラビットカー」復元車が走り出しているので、置き換えになる前に、早目に行かないといけないですね。
 でも、その機会を作れるかな…。
 それにしても、色にしても形式にしても、少数派を追うのは大変です。
 実は一昨日、昨日と京成の「青電」「赤電」を追いかけたのですが、一昨日は撮れずに終わり、昨日やっと両方共撮れました。
 それについては後日書きますが、「ファイアーオレンジ」編成も明日から走り出すそうで(今日プレスリリース)、また行かなくちゃ…。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)

№30 伊賀鉄道 旧塗装復元車を訪ねて 1

 少し前の話になってしまいましたが、先週の水・木曜日に伊賀鉄道の撮り歩きに行って来ました。
 伊賀鉄道は一昨年(2007年)の10月に、近鉄の伊賀線が分離して営業を始めた路線です。
 ただし、線路は引き続き近鉄が保有し、伊賀鉄道は営業を行うという上下分離方式をとっています。
 伊賀鉄道では、かつて奈良線で使用していた820系を改造した860系を使用していて、近鉄時代から、車体に「くノ一」(女忍者)を描いた編成を走らせていました。
 そして今年になって、奈良線時代のマルーン+銀帯の塗装に続き、昭和30年代に同線で運行されていた旧型車両を模した、濃緑の塗装が復刻しました。
 しかしその一方、老朽化により、車両の置き換えが始まるという話も聞こえ、これは大変!と、撮影に行く機会をうかがっていました。
 そして先週の8日火曜日の晩、翌日9日の天気は「晴れ」という予報を聞いて、いよいよ出かける事になりました。
 伊賀線が伊賀鉄道になって、初めて行く事になります。

 本来ならバス趣味者としては、横浜~伊賀上野直行の三重交通「いが」号を利用すべきでしょうが、何分急な決定だったのでバスの席が確保できるかわからず、名古屋までは「ムーンライトながら」を利用する事にしました。

 名古屋で関西線の始発亀山行に乗換。
 213系2連。
 車掌が女性でした。
 今更ながら、鉄道業界も、こんな朝早くから女性が活躍する時代になったのですね。

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 井田川で行き違いの213系4連の区間快速。
 JR東海の電化路線では、どこに行っても313系が幅を利かせるようになりましたが、関西本線では213系もまだまだバリバリです。
 211系との混結編成も見かけました。

 亀山からJR西日本のキハ120に乗換。
 2連ながらワンマンでした。

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 加太で同じキハ120の2連と交換。
 それにしても加太越えなんて何年ぶりだろう?
 中在家の信号所は、スイッチバックは機能せず、閉塞の分割のみ行なっているようでした。
 柘植には国鉄新快速色の117系の姿も。

 しかし、この頃から行く手には雲が…。

 伊賀上野の伊賀鉄道ホームには、さっそく濃緑の862Fの姿がありました。
 ホームには「伊賀鉄道一日フリー乗車券」発売のお知らせがありました。
 なんとたった600円。
 伊賀上野~伊賀神戸間は片道400円なので、往復するだけでお釣りがきます。
 ただし、今年一杯限りの発売。
 伊賀上野駅では発売しない(JR西日本の管理駅なので)ので、JRの乗車券を持ったまま乗車し、上野市に着いた時点で購入しました。

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 駅の外に出ると、たぶんバス協会のお姉さんが、バスの日記念のクリアファイルを配っていました。

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 中には、バスの日記念と、上野発着の高速バスのチラシが入っていました。
 次の土・日曜は三重県内のほとんどのバスが大人半額・小児50円になるとか。

 空は急に曇がちになってきました。どうして?
 それでも伊賀神戸まで往復して、何とか晴れ間を見つけて撮影します。

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 まず、奈良線時代を復元した、マルーン+銀帯の863F。 
 折り返し上野市行として、伊賀神戸駅を発車する所を、構内の踏切で撮影したものです。

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 これが、8月から走り始めた、昭和30年代の伊賀線電車のカラーを模したという862F。
  ただし、820~860系自体が過去にこの色をまとった事はありません。
 題して「昭和レトロ電車」。
 これは伊賀神戸停車中。
 
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 「伊勢志摩ライナー」(ISL)との出会いも実現しました。
 なお、このISLは、伊賀神戸停車の賢島行7103列車でしたが、「近鉄時刻表2009年号」ではISLではありません。
 (JTB時刻表9月号ではISLですが、「車両変更の場合があります」の注釈付き)

 ちなみに、近鉄時代の伊賀神戸駅・伊賀線ホームは2線(4・5番線)があり、レールもさらに奥まで伸びて、日中は車両の留置をしていた事もありました。
 伊賀鉄道になってから4番線は廃止、5番線だけにした上に、レールもカットしたようです。
 改札も大阪線とは別になりました。
 伊賀鉄道はワンマン運転を行なっており、車内で運賃を収受するため、本格的な改札はなく、近鉄の駅係員がホームの入口に立っているだけです。
 ただし今の所、伊賀神戸~茅町には「伊賀市シルバー人材センター」から派遣された職員が同乗しており、比土~上林では検札も行なっています。
 (たぶん昼間だけでしょう。)

 「昭和レトロ電車」という事で、車内には当時(昭和30年代)の広告も復刻されています。

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 左は「ライオンラジオ株式会社」のテレビの宣伝。
 「ゼネラルテレビ」が「頭金なしの一日わずか300円…。」
 昔のテレビはローンを組んで買ったのですね。
 右はグリコのカレー。
 「鉄人28号」のワッペンをプレゼントするというものです。
 もう一つ。

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 1984年に粉飾決算で倒産する事になる、「リッカーミシン」の中吊り広告です。
 なお、後方の「LIVE IN MIE 2009」の広告は、もちろん現代の物です。念のため。
 (11月7日に三重県文化会館で開催)

 結局この日は青空は戻る事がなく、14時30分を過ぎてギブアップ。
 赤・青両「くノ一」が撮れないまま、近鉄大阪線の急行で大阪へ向かう事になります。
 奈良県は快晴だ…。

 翌日、もう一度伊賀鉄道に行く事になりますが、これについてはまた明日。
  
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№29 B787 今年末には初飛行か?

 今、日本で航空業界の最大の問題というと、連日マスコミを騒がせているJAL(日本航空)の再建計画の問題 -これについては正式な発表があってから書きたいと思っています- ですが、その一方で、昨日のイギリスBBCニュースのWebページにこんなニュースがありました。

 “The first flight of the Boeing 787 Dreamliner will take place by the end of 2009, the company has announced”

 つまり、ボーイング社が、B787の初飛行を今年の年末に実施するという事です。
 ボーイング社はさらに、2010年第四半期から引渡しをしたい、としているようです。
 私の貧弱な英語力を懸命に駆使して、簡単に和訳してみたのですが、他の日本語の経済サイトなどでも同じように書かれています。(ああホッとした?)

 B787は、以前レビューで紹介した「日本の旅客機 2009-2010」(イカロス出版)でも取り上げられているのですが、環境にも配慮し、燃費も大幅に節約できるという事で世界中の航空会社から多数の発注を取り付けながら、未だに初飛行さえできす、大きな問題になっている最新鋭の旅客機です。

 既に、最初の発注者であるANAでは、受領の計画が4回も先送りされているそうです。
 本当だったらANAも、そしてJALも、去年の今頃は乗客を乗せて飛んでいなければならないはずだったのです。

 引渡し開始がこのアナウンスの通りだとしても、ANAで営業運航を開始するのは、早くても2年後の春~夏位になるのでしょう。
 今度こそ本当に、最低限このスケジュールの通りに初飛行を成功させ、引渡しも行なわれなければなりません。
 そうでないと、また遅延となったら、一気に数百機程度の大規模なキャンセルが発生する可能性が否定できません。
 何しろ、航空業界で苦しいのは何もJALだけではないし、いくら経済性に優れていると言っても、いつ飛ぶのか、いつ手に入るのか解からないようなモデルに、経営を大きく委ねるわけには行かないはずですから。
 そして、前回も書きましたが、改めてボーイングの幹部自身が、これまでの詳細な経緯を余す事なく明らかにすべきでしょう。

 明日と明後日は先週の伊賀鉄道の撮り歩きについて書きたいと思います。

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